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レギュラトリーサイエンス・基準作成調査・日本薬局方

日本薬局方製剤総則改正原案(第二版)へのご意見・情報の募集に対し寄せられた意見について(報告)

平成22年11月2日
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
審査マネジメント部 医薬品基準課

  厚生労働省では、第16改正日本薬局方を平成23年3月末に告示する予定で検討が進められており、現在、その原案について厚生労働省において意見募集中です。今回の改正においては、製剤総則を全面改正することになり、当機構において平成21年3月31日から5月31日まで及び平成21年11月30日から平成22年1月12日まで、機構原案について2回の意見募集をして参りました。頂きましたご意見に基づき作成した原案については、平成22年9月28日に厚生労働省で開催された薬事食品衛生審議会日本薬局方部会で了承されたところです。
  当機構の意見公募に寄せられたご意見については、再度、機構の日本薬局方原案審議委員会で審議する等検討させて頂いたところですが、今般、平成21年11月30日から平成22年1月12日に行いました意見公募に寄せられたご意見について、委員会における審議の結果、採用しないこととさせて頂いたものについて、その対応について次のとおりご紹介することと致しました。
  何卒、ご理解頂きますとともに、今後も当機構の日本薬局方の原案作成に対してご協力頂きますようお願い申し上げます。

 製剤総則改正原案(第二版)の意見公募に寄せられたご意見への対応

  ご意見とその対応は、改正原案(第二版)の行の順で以下に掲示いたします。また、厚生労働省にて平成22年10月22日から11月22日まで行われている「第十六改正日本薬局方(案)に関する意見の募集について」の製剤総則において対応するページと行番号を( )で示します。

  1. 23行目(1 0005 33行目):「また,単にデンプン・・・用いてもよい.」は削除すべきである。
    (対応)
        医薬品各条で「デンプン」と記載したものがあるので、削除できません。
  2. 27行目(1 0005 40行目):「必要に応じて、微生物限度試験を適用する」の「必要に応じて」は具体的に記載すべきである。
    (対応)
        この場合の「必要に応じて」について、通知等での説明を検討します。
  3. 30行目(1 0005 44行目):「容器包装」という表現は誤解を受け易い。「容器及び包装」あるいは「容器又は包装」とするほうが誤解を受けない。 「包装」について定義すべきである。
    (対応)
        「容器・包装」と修正します。また、容器・包装の項の考え方については通知等での解説を検討します。「包装」の定義については今後の課題とします。
  4. 35行目(1 0005 52行目):「・・・容器等に低水蒸気透過性の材料を用いる・・・」とあるが、低水蒸気透過性の定義(基準)はあるか。
    (対応)
        製剤通則では一般的な考え方を示しています。製剤各条における低水蒸気透過性の品質に影響を与える基準は製剤により異なります。
  5. 37行目(1 0005 53行目):ドリンク剤の場合を考えると、「包装したもの」は「容器にプラスチック・アルミ等適切な材質のフィルムを使用したもの」と変更すべきである。
    (対応)
        「1回使用量ずつ包装したもの」は「1回使用量ずつ」に意味があり、ドリンク剤の場合は直接容器になります。また、1回使用量が充てんされたドリンク剤も「分包品」に当たります。「包装」の定義などについては今後の課題とします。
  6. 58行目(1 0007 24行目):投与経路の違いを明確にするために、単に「錠剤」ではなく「内服錠」とすべきである。
    (対応)
        同じ剤形で複数の投与経路に使用される場合は、主たる投与経路では投与経路を付さずに剤形名のみを使用することとします。
  7. 61行目(1 0007 29行目):一般的な粉末を打錠する錠剤の製法の他に、加熱溶解する製法を追加してほしい。
    (対応)
        錠剤の製法には主要な製法として3つの方法を示しています。製法は「通例」として記載されており、錠剤に他の製法を使用することは可能です。
  8. 81行目(1 0007 62行目):口腔内崩壊錠の定義について、「溶解又は」は不要ではないか。
    (対応)
        崩壊と溶解がほぼ同時に起きることもあり、原文のままとします。
  9. 108行目(1 0008 107行目):販売名の変更を避けるために、顆粒剤及び散剤については15局どおりとすべきである。128行目の散剤も15局どおりとすべきである。
    (対応)
        販売名の変更を避けるために多面的に検討を行った結果、17局までの一時的な措置として、顆粒剤の(6)項に「本剤のうち,微粒状に造粒したもの(製剤の粒度の試験法〈6.03〉を行うとき,18号(850μm)ふるいを全量通過し,30号(500μm)ふるいに残留するものは全量の5%以下のもの)を散剤と称することができる.」を追加することとします。
  10. 111行目(1 0008 111行目):顆粒剤については、"有効成分そのまま"の文言を残していただきたい。また、散剤の項もその旨明記していただきたい。
    (対応)
        製法において"有効成分そのまま"は一般的なケースではないと考えられるので、「通例」記載で対応することとします。考え方は、通知等で解説します。
  11. 117行目(1 0008 122行目):「30号(500μm)ふるいに残留するものが10%以下のものを細粒剤と称することができる」の10%以下を5%以下に修正すべきである。10%以下とする根拠を明示して頂きたい。また、粒度の規格は一般試験法に記載すべきである。
    (対応)
        細粒剤については、造粒して製していることを踏まえ顆粒剤のカテゴリーに包含しました。顆粒剤と細粒剤の剤形の差異は小さいと考えられること、細粒剤の範囲を拡大することは製薬業における製剤開発や製造管理に有用であるという業界団体からの意見を踏まえ10%以下としました。また、細粒剤の粒度規定は製剤総則の中で細粒剤の定義として必要です。
  12. 130行目(1 0008 148行目):原末としての散剤が除外されないように、削除された「有効成分をそのまま用いるか」を元に戻してほしい。
    (対応)
        散剤の製法としては原文のとおりとしますが、修正については通知等で説明を検討します。
  13. 136行目、180行目(1 0008 159行目、1 0009 235行目)):「流動性のある粘稠なゲル状の製剤」は不適切な表現である。経口液剤の定義にある「ゲル状の製剤」は、経口ゼリー剤にも使われており、区別が不明瞭になっている。
    (対応)
        ゲルは流動性がないものという意見ですが、ここでは外観についてゲル状と表現しています。「ゲル状の製剤」は、経口液剤では「流動性のある粘稠な」とし、経口ゼリー剤では「流動性のない成形した」として区別されています。
  14. 210行目(1 0010 41行目):2-2.口腔用スプレー剤と11-3.スプレー剤(皮膚等に適用する製剤)は製法等の表記を合わせてはどうか。
    (対応)
        口腔用スプレー剤は、スプレーの主要な投与経路ではないため簡略記載とします。
  15. 298行目(1 0011 95行目):溶解液については採取容量試験法の適用がないが、問題ないか。
    (対応)
        溶解液には採取容量試験は不要です。
  16. 311~316行目(1 0012 119~124行目):(表示の簡略記載)を削除する。
    (対応)
        薬事施行規則第211条で対応すべき内容ですが、薬事法施行規則の対応が済むまでは原文のままとします。
  17. 320行目(1 0012 131行目):輸液剤としての容量記載を「通例,50mL以上の注射剤」としていただきたい。
    (対応)
        通例として記載されており、原文のままとします。
  18. 450行目(1 0016 13行目):点耳剤に無菌性の文言は不要ではないか。
    (対応)
        無菌製剤としての点耳剤があり、原文のままとします。
  19. 499行目(1 0018 20行目):直腸用の軟膏などに分包品があるが、製剤均一性試験法の適用は必要ないか。
    (対応)
        各種剤形の分包品については、実態の調査を行った上で、製剤均一性試験法の要否を検討します。検討は今後の課題とし、今回は原文のままとします。
  20. 513行目(1 0018 39行目):「9-3.浣腸 Enemas for Rectal Application」 とした方がよい。
    (対応)
        注腸剤としては浣腸の他に大腸用造影剤などもあり、原文のままとします。
  21. 516行目(1 0018 47行目):第二版において「製剤の品質に水分の蒸散が影響を与える場合は、低水蒸気透過性の容器を用いるか、又は低水蒸気透過性の包装を施す」となったが、(1)同文を削除するか、又は(2)「使用期限を設定する。」を追加して頂きたい。
    (対応)
        容器・包装の記載については、追加の説明が必要であり、通知等で対応することとします。
  22. 553行目(1 0020 30行目):「乳化又は懸濁したもの」がなぜ製剤均一性試験法に適合しなくてもよいのか。
    (対応)
        製剤均一性試験法<602>で、「懸濁剤、乳剤、又はゲルからなる外用の皮膚適用製剤へは本試験法を適用しない」とされています。原文はそのままとしますが、製剤均一性試験法の適用については、今後の課題とします。
  23. 581~601行目(1 0020 74行目~1 0021 106行目):販売名の変更を避けるために、軟膏剤及びクリーム剤については15局どおりとすべきである。
    (対応)
        軟膏剤、クリーム剤などを別の剤形として取り扱うことが必要なことは、局所皮膚適用製剤の剤形追加のための生物学的同等性試験ガイドライン(平成15年7月7日薬食審査発0707001号、平成18年11月24日薬食審査発1124004号)などに記載されています。軟膏剤、クリーム剤については原文のままとし、販売名変更の回避に対しては通知等で対応します。
  24. 581~612行目(1 0020 74行目~1 0021 121行目):軟膏、ゲル、クリームについては小分類とし、外用半固形剤という中分類の下に置いた方がよいのではないか。
    (対応)
        「局所皮膚適用製剤の後発医薬品のための生物学的同等性試験ガイドライン」に従って、上記の剤形は別剤形とする必要があります。また、軟膏、ゲル、クリームは皮膚への適用が主要な投与経路であり、中分類による剤形としています。
  25. 581行目(1 0020 74行目):軟膏、ゲル、クリームについて分包品がある場合、製剤均一性試験法を規定しなくてもよいか。
    (対応)
        各種剤形の分包品については、今後の課題とします。実態の調査を行った上で製剤均一性試験法の要否を検討します。
  26. 582行目(1 0021 76行目):EPでは軟膏の分類としてさらに"Water-emulsifying Ointment"が分類されているが、EPとの整合性はどのように考えるのか。
    (対応)
        改正案では、クリーム剤と軟膏剤の定義による区別を乳化の有無としており、乳化したものはクリームとして分類されます。
  27. 613行目(1 0021 122行目):経皮吸収型製剤は独立した項目とし、溶出試験、製剤均一性試験の適用を必須とする。
    (対応)
        経皮吸収型製剤は適用法に関する製剤の用語であり、剤形を特定できないので、独立した項目とはせず、原文のままとします。溶出試験法、製剤均一性試験法については原案に対応しました。
  28. 642行目(1 0022 9行目):「試験法及び容器・包装に関する記述は基本的な要求事項であり,製法は一般的な製法を示したものである.」とされているが、641行目に記載された「以下に,各製剤の定義,製法,試験法,容器・包装及び貯法を示す.」のうち「貯法」の扱いを示していただきたい。
    (対応)
        貯法は容器・包装との関係で説明されるものであり、容器・包装については通知等で対応することとします。
  29. その他:製剤各条に新たに適用しなければならないこととする一般試験法は保健衛生上の観点から必要最低限のものとし、これについては、既承認の品目について一変等を行うことなく適用することとされたい。
    (対応)
        局方外の既承認品目の取扱いについては、通知等で手当てされる予定です。

 厚生労働省の意見募集のページ

  第十六改正日本薬局方(案)に関する意見の募集について

  第16局案(通則・生薬総則・製剤総則・一般試験法)

連絡先

 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 審査マネジメント部 医薬品基準課
 TEL:03-3506-9431