独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

いわゆるスマートキーシステムと植込み型心臓ペースメーカ等の相互作用に係る「使用上の注意」の改訂指示等について

薬食安発第0331004号
薬食機発第0331001号
平成18年3月31日

各都道府県衛生主管部(局)長 殿

厚生労働省医薬食品局安全対策課長

厚生労働省医薬食品局                  
審査管理課医療機器審査管理室長

いわゆるスマートキーシステムと植込み型心臓ペースメーカ等の相互作用に係る「使用上の注意」の改訂指示等について

 いわゆるスマートキーシステムとはキーを差し込む操作なしでドアロックの開閉やエンジン始動・停止ができるシステムである。平成17年7月にスマートキーシステムに植込み型心臓ペースメーカを接触させた実験において、その出力の一時的な抑制が確認されたため、関係医療機関等に情報提供するとともに、いわゆるスマートキーシステムの電波発信機と植込み型心臓ペースメーカ及び植込み型除細動器(以下「植込み型心臓ペースメーカ等」という。)の相互作用に係る試験が実施されたところである。
 その結果、植込み型心臓ペースメーカ等といわゆるスマートキーシステムのアンテナ部の距離が、携帯電話端末の影響防止の目安とされている22cmを超えれば、一般に相互作用の発生の懸念がないことが確認された。また、当該相互作用によると疑われる臨床事例は国内では未だ報告されていない。
 しかしながら、予防的措置として、下記のとおり貴管下関係製造販売業者に対し添付文書の改訂等をするよう指導方お願いする。
 なお、いわゆるスマートキーシステムを搭載する自動車の製作者又は輸入者に対し、その購入者等への必要な情報の提供等を行うよう、国土交通省自動車交通局技術安全部技術企画課長及び同部審査課長に協力をお願いしたので申し添える。

  1. 製造販売業者による添付文書の改訂等

    (1)植込み型心臓ペースメーカ等の添付文書の「使用上の注意」の「重要な基本的注意」の「家電製品・周辺環境等に関する注意」の項に次の内容を追記すること。

      キーを差し込む操作なしでドアロックの開閉やエンジン始動・停止ができるシステムを搭載している自動車等の場合、当該システムのアンテナ部から発信される電波が、植込み型心臓ペースメーカ等の出力を一時的に抑制する場合があるので、以下の点に注意するよう患者に指導すること。

    ア.本品を植え込まれた患者が当該システムを搭載した車両へ乗車する場合には、車両に搭載されたアンテナ部から植込み部位を22cm以上離すこと。
    なお、ドアの開閉時には、アンテナ部から電波が一時的に発信されるので、必要以上にドアの開閉を行わないようにすること。

    イ.運転手等がもつ車載アンテナとの通信機器(以下「携帯機」という。)を車外に持ち出すなど車両と携帯機が離れた場合、アンテナ部から定期的に電波が発信される車種があるので、本品を植え込まれた患者が乗車中には、携帯機の車外への持ち出しを行わないようにすること。

    ウ.駐車中においてもアンテナ部から定期的に電波が発信される車種があるので、車外においても車に寄り掛かったり、車内をのぞき込む又は車に密着するような動作は避けること。

    エ.他の者が所有する自動車に乗車する場合は、当該システムを搭載した車種かどうか確認すること。

    (2)既に植込み型心臓ペースメーカ等を植え込まれている患者に対しても同様の注意喚起がなされるよう、1.(1)の内容について患者手帳への追加記載等を医療機関に依頼すること。

    (3)既に当該システムを搭載した車種の購入者等からアンテナ取付位置等の照会に対応できるよう、アンテナ取付位置等の情報を自動車の製作者又は輸入者から入手する等、適切な措置を講ずること。

  2. 同様のリスクを有する植込み型心臓ペースメーカ等を承認申請中の者は、添付文書(案)について自主点検を行い、必要な改訂を行い、その旨、医薬品医療機器総合機構に申し出ること。
  3. 同様のリスクを有する植込み型心臓ペースメーカ等の治験を実施している者は、治験実施医療機関に対して速やかに情報提供を行い、注意喚起すること。

 

別紙

いわゆるスマートキーシステム