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安全対策業務

薬剤溶出型冠動脈ステントの添付文書の改訂指示等について

薬食安発第0227002号
平成20年2月27日

ボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社
代表取締役社長 モーリック・ナナバティ 殿

 

厚生労働省医薬食品局安全対策課長

 

薬剤溶出型冠動脈ステントの添付文書の改訂指示等について

 

 貴社が製造販売している薬剤溶出型冠動脈ステント(販売名:TAXUS エクスプレス 2 ステント)(以下「当該ステント」という。)について、添付文書上の「警告」欄を別添のとおり改訂するとともに、「臨床成績」欄に承認条件に基づき実施された当該ステントの海外臨床試験成績についての最新のデータを追記するようを指示する。
なお、本指示に対する貴社の対応について、本年3月27日(発信日より1ヶ月後)までに文書にて当職宛報告されたい。
 

 

別添


「警告」欄を以下のとおり改めること。
1) 同じ
 
2) 留置から1年を超える長期予後は現在のところ日本の医療環境下にお いて十分な確認はされていないこと、留置後の抗血小板療法であるクロピ ドグレル硫酸塩製剤又はチクロピジン塩酸塩製剤の投与が、薬剤塗布のな いベアメタルステントに比べて長期にわたって必要であり、クロピドグレ ル硫酸塩製剤又はチクロピジン塩酸塩製剤による出血及び重篤な副作用の 発現のリスクが高まること等を踏まえ、本品の使用に当たっては、各患者 における利点とリスクを考慮し、使用患者を慎重に選定すること。患者の 選定に当たっては、病変部( 血管) の位置、対照血管径、病変長とその特 徴、急性又は亜急性血栓症により危険にさらされる心筋領域の大きさを考 慮すること。
 
3) 使用前に、本品の特性(利点とリスク)とともに、留置後の抗血小板 療法に伴うリスク等について患者に十分に説明し、理解したことを確認し た上で使用すること。留置後、胸痛等の虚血症状が見られる場合は、医師 に連絡するよう十分指導するとともに、特にチクロピジン塩酸塩製剤の投 与については、生命に関わる重篤な副作用が発生する場合があることを説 明し、以下について患者を指導すること。また、クロピドグレル硫酸塩製 剤を投与する場合においても、同様の指導を考慮すること。
(1) 投与開始後2ヶ月間は定期的に血液検査を行う必要があるので、原則として2週間に1回、来院すること。
(2) 副作用を示唆する症状が現れた場合にはただちに医師等に連絡すること。

 
4) 留置後は定期的なフォローアップを行うとともに、使用に当たっては、適切な抗血小板療法、抗凝固療法を行うこと。特に抗血小板療法においては以下の点に留意すること。
(1) 留置時に十分に効果が期待できる状態になるよう、十分な前投与を行うこと。
(2) 本品を留置した患者への無期限のアスピリンの投与と、術後少なくとも6ヶ月間のクロピドグレル硫酸塩製剤又はチクロピジン塩酸塩製剤の投与を推奨する。ただし、患者の状態に応じて適宜延長又は短縮すること。 さらに、投与期間終了後も経過観察を継続し、必要に応じて再投与を検討すること。留置後1年を超えての遅発性ステント血栓症が報告されていることから、出血等の副作用のリスクに留意しながら、患者の状態に応じて当該製剤の投与期間延長の必要性を検討すること。
(3) 6ヶ月未満の抗血小板療法における本品の安全性は確認されていない。 また、本品を使用した日本の患者にクロピドグレル硫酸塩製剤又はチクロピジン塩酸塩製剤を投与した際の血栓症の発現頻度や発現時期は大規模臨床試験では確認されていない。
(4) 本品留置後の抗血小板療法、抗凝固療法により、出血、血腫が現れるこ とがあるため、異常な出血が認められた場合には医師に連絡するよう注 意を促すこと。また、他院(他科)を受診する際には、抗血小板薬を服 用している旨を医師に必ず伝えるように患者に注意を促すこと。
(5) 併用する抗血小板薬の添付文書を必ず参照すること。

 なお、チクロピジン塩酸塩製剤の投与においては、血栓性血小板減少性 紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害等の重大な副作用が、主に投 与開始後2ヶ月以内に発現し、死亡に至る例も報告されているので、投与 開始後2ヶ月間は、原則として1回2週間分を処方するとともに、以下の 点に十分留意すること。また、クロピドグレル硫酸塩製剤を投与する場合 においても、同様に以下の点に留意すること。
(1) 投与開始後2ヶ月間は、特に上記の副作用の初期症状の発現に十分留意 し、原則として2週間に1回、血球算定(白血球分画を含む)、肝機能 検査を行い、上記副作用の発現が認められた場合には、投与を中止し、 適切な処置を行うこと。本剤投与期間中は、定期的に血液検査を行い、 上記副作用の発現に注意すること。
(2) 本剤投与中、患者の状態から血栓性血小板減少性紫斑病、顆粒球減少、 肝障害の発現等が疑われた場合には、必要に応じて血液像もしくは肝機 能検査を実施し、適切な処置を行うこと。
(3) 投与開始後2ヵ月間は、原則として1回2週間分を処方すること。

 
5) 以下同じ