目次
(1)イブプロフェン他(13件)
(2)ラジオ波焼灼法に際して使用する電気手術器
この医薬品・医療機器等安全性情報は、厚生労働省において収集された副作用等の情報をもとに、医薬品・医療機器等のより安全な使用に役立てていただくために、医療関係者に対して情報提供されるものです。
平成18年(2006年)1月
厚生労働省医薬食品局
No. | 医薬品等 | 対策 | 情報の概要 | ||||
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1 | テオフィリン等 | (使) |
テオフィリン徐放性経口剤の適正使用については、添付文書の「用法・用量に関連する使用上の注意」に日本小児アレルギー学会の「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン」を引用し投与量の目安を示した上、「慎重投与」の小児の項に、血中濃度のモニタリングを行うなど慎重に投与する旨を記載するとともに、てんかん及びけいれんの既往歴のある小児、発熱している小児、6ヵ月未満の乳児には特に慎重に投与する旨を記載し、注意喚起を図ってきたところである。 |
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2 | 植込み型心臓ペースメーカ等 | (使) |
X線CT装置等によるX線の照射中にオーバーセンシングを引き起こすことについて、添付文書の「使用上の注意」の改訂等を指導したのでお知らせする。 |
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3 |
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使用上の注意の改訂について(その172) | |||||
4 | 市販直後調査対象品目 |
平成18年1月1日現在、市販直後調査の対象品目一覧を紹介する。 |
(緊):緊急安全性情報の配布 (使):使用上の注意の改訂 (症):症例の紹介
小児気管支喘息におけるテオフィリン等の適正使用について
1.はじめに
テオフィリンは、カフェイン及びテオブロミンとともに自然界に存在する代表的なキサンチン誘導体であり、1888年、Kosselにより茶葉から抽出・単離されたジメチルキサンチンがテオフィリンと命名された。1937年、Hermannらにより気管支喘息の急性発作に対するアミノフィリン(体内での有効成分としてテオフィリン)の臨床的有用性が報告され、現在、気管支喘息等の治療に広く用いられている。
テオフィリンの薬理作用は、従来から知られている気管支拡張作用に加え、気道収縮予防、気道過敏性の低下、抗炎症作用なども報告されている。テオフィリンの代謝は肝臓で行われるが、その早さは個人や年齢による差が大きく、加えて、感染症などの合併症、食事、併用薬剤なども影響を及ぼすことが知られている。更に、テオフィリンは有効血中濃度の範囲が狭いことから、テオフィリンの投与に際しては、その血中濃度に注意する必要があるといわれている。
テオフィリンの副作用は、テオフィリンの血中濃度の上昇に起因して発現することが多く、テオフィリン血中濃度の上昇に伴い、消化器症状(悪心、嘔吐等)や精神神経症状(頭痛、不眠、不安、興奮等)が出現し、更にけいれんが発現することが知られている。また、重大な副作用として、けいれん、意識障害、急性脳症、横紋筋融解症、消化管出血、赤芽球癆、アナフィラキシーショック、肝機能障害、黄疸、頻呼吸、高血糖が発現することがあるため、その旨を添付文書に記載し注意喚起している。
特に、小児におけるけいれんの副作用報告が多いことから、テオフィリン徐放性経口剤の適正使用については、添付文書の「用法・用量に関連する使用上の注意」に日本小児アレルギー学会の「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン」を引用し投与量の目安を示した上、「慎重投与」の小児の項に、血中濃度のモニタリングを行うなど慎重に投与する旨を記載するとともに、てんかん及びけいれんの既往歴のある小児、発熱している小児、6ヵ月未満の乳児には特に慎重に投与する旨を記載し、注意喚起を図ってきたところである。
今般、日本小児アレルギー学会が作成している「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン」が改訂されたことから、テオフィリン等(吸収後に有効成分がテオフィリンとして血中に存在するアミノフィリン、コリンテオフィリンを含む。)の使用上の注意を改訂したので、当該ガイドライン及び改訂の概要について紹介する。
2.「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン」について
(日本小児アレルギー学会「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン」の抜粋、改変、編集)(1)急性発作への対応
ア.喘息発作に対する薬物療法プラン
注)表の見方
(1)初期治療[発作時の始めに使用するもの]
(2)追加治療[初期治療に続き患者の状態を考慮し、追加で使用するもの]
(3)・(4)更なる追加治療[追加治療に続き患者の状態を考慮し、更に追加で使用するもの]
(2歳未満)
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2002 | 小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2005 | |
小発作 |
(1) β2刺激薬吸入 |
(1) β2刺激薬吸入 |
中発作 |
(1) β2刺激薬吸入 |
(1) β2刺激薬吸入(反復可) |
大発作 |
(1) ステロイド薬投与 |
入院 |
呼吸不全 |
(1) ステロイド薬投与 |
入院 |
(2~5歳)
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2002 | 小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2005 | |
小発作 |
(1) β2刺激薬の吸入 |
(1) β2刺激薬吸入 |
中発作 |
(1) β2刺激薬の吸入 |
(1) β2刺激薬吸入反復 |
大発作 |
(1) β2刺激薬の吸入 |
入院 |
呼吸不全 | (1) β2刺激薬の吸入
酸素吸入 |
入院 |
(6~15歳)
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2002 | 小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2005 | |
小発作 |
(1) β2刺激薬の吸入 |
(1) β2刺激薬吸入 |
中発作 |
(1) β2刺激薬の吸入 |
(1) β2刺激薬吸入反復 |
大発作 |
(1) β2刺激薬の吸入 |
入院 |
呼吸不全 |
(1) β2刺激薬の吸入 |
入院 |
イ.アミノフィリン注射剤の投与量の目安
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2002
年齢 |
初期投与量 |
維持投与量 |
|
6ヵ月~1歳未満 |
4~5mg/kgを30分以上かけて点滴投与 |
0.6mg/kg/時 |
|
1歳~2歳未満 |
0.8mg/kg/時 |
||
2歳~15歳未満 |
(テオフィリン投与なし) |
(テオフィリン投与あり) |
0.8~1.0mg/kg/時 |
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2005
年齢 |
初期投与量 |
維持投与量 |
|
6ヵ月~1歳未満 |
3~4mg/kgを30分以上かけて点滴投与。なお、テオフィリン等が投与されている場合は、その製剤の種類、投与後の時間、投与量などを考慮して、適宜、減量する。 |
0.4mg/kg/時 |
|
1歳~2歳未満 |
0.8mg/kg/時 |
||
2歳~15歳未満 |
(テオフィリン投与なし) |
(テオフィリン投与あり) |
0.8mg/kg/時 |
注)初期投与量は、250mgを上限とする。
投与量は、標準体重で計算する。
(2)長期管理に関する薬物療法
ア.長期管理に関する薬物療法プラン
注)表の見方
(1)基本治療[基本的な治療として使用するもの]
(2)追加治療[基本的治療に続き患者の状態を考慮し、上乗せ使用するもの]
(3)更なる追加治療[追加治療に続き患者の状態を考慮し、更に上乗せ使用するもの]
(2歳未満)
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2002 | 小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2005 | |
ステップ1 間欠型 |
(1) 発作に応じた薬物療法 |
(1) なし |
ステップ2 軽症持続型 |
(1) 経口抗アレルギー薬
|
(1) 抗アレルギー薬 |
ステップ3 中等症持続型 |
(1) 吸入ステロイド薬
|
(1) 吸入ステロイド薬
|
ステップ4 重症持続型 |
(1) 吸入ステロイド薬
|
(1) 吸入ステロイド薬
|
注)6ヵ月未満の乳児は、原則としてテオフィリン徐放製剤の投与対象とならない。
(2~5歳)
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2002 | 小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2005 | |
ステップ1 間欠型 |
(1) 発作に応じた薬物療法 |
(1) 発作に応じた薬物療法 |
ステップ2 軽症持続型 |
(1) 以下のいずれか、あるいは併用
|
(1) 抗アレルギー薬あるいは吸入ステロイド薬(考慮) |
ステップ3 中等症持続型 |
(1) 吸入ステロイド薬
|
(1) 吸入ステロイド薬
|
ステップ4 重症持続型 |
(1) 吸入ステロイド薬
|
(1) 吸入ステロイド薬
|
(6~15歳)
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2002 | 小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2005 | |
ステップ1 間欠型 |
(1) 発作に応じた薬物療法 |
(1) 発作に応じた薬物療法 |
ステップ2 軽症持続型 |
(1) 吸入ステロイド薬または、以下のいずれか、あるいは複数の併用
|
(1) 吸入ステロイド薬あるいは抗アレルギー薬 |
ステップ3 中等症持続型 |
(1) 吸入ステロイド薬
|
(1) 吸入ステロイド薬
|
ステップ4 重症持続型 |
(1) 吸入ステロイド薬
(3) 経口ステロイド薬(考慮) |
(1) 吸入ステロイド薬
(2) 経口ステロイド薬(考慮) |
イ.テオフィリン徐放製剤の1日投与量の目安
年齢 | 小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2002 | 小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2005 |
6ヵ月~1歳未満 | 6~8mg/kg | 6mg/kg |
1歳~2歳未満 | 8~10mg/kg | 8~10mg/kg |
2歳~15歳 | 10mg/kg | 8~10mg/kg |
(3)テオフィリン等に関する記載の主な変更点
ア.テオフィリン徐放製剤
- 「長期管理における薬物療法」における位置づけの変更と1日投与量の目安の変更
- 2歳未満のけいれん性疾患のある患児には原則として推奨されないこと
- 熱時には、一時減量あるいは中止するかどうか、あらかじめ指導しておくことが望ましいこと
イ.アミノフィリン注射剤
- 「急性発作への対応」における位置づけと投与量の目安の変更
- 2歳未満のけいれん性疾患のある患児には原則として推奨されないこと
- 2歳未満の発熱時の使用は適用を慎重に考慮すること
ウ.アミノフィリン坐剤
- 2歳未満の急性発作の患児には、血中濃度が急速に上昇することがあるため原則として使用しないこと
- 2歳未満のテオフィリン徐放製剤を定期内服中の患児への使用は推奨できないこと
3.使用上の注意の改訂について
(1)改訂の理由
日本小児アレルギー学会の「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン」が改訂されたことに伴い、ガイドラインを引用してテオフィリン徐放性経口剤(小児の用法・用量を有する製剤)、アミノフィリン注射剤(気管支喘息の効能を有する製剤)、アミノフィリン坐剤における「用法・用量に関連する使用上の注意」等の項の必要な改訂を行った。また、併せて活性物質が同様な薬剤についても必要な改訂を行った。
(2)改訂の概要
ア.ガイドラインの改訂に伴い、必要な改訂をしたもの
(1) | テオフィリン徐放性経口剤(小児の用法・用量を有する製剤) |
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(2) | アミノフィリン注射剤(気管支喘息の効能を有する製剤) |
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(3) | アミノフィリン坐剤 |
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イ.ガイドラインに記載はないが、必要な改訂をしたもの
(1) | テオフィリン徐放性経口剤(小児の用法・用量を有しない製剤) |
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(2) | テオフィリン注射剤 |
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(3) | アミノフィリン経口剤 |
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(4) | コリンテオフィリン |
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(5) | テオフィリン、アミノフィリンを含有する一般用医薬品(小児の用法・用量を有する製剤) |
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4.まとめ
製造販売業者からテオフィリン等の使用後に発現したとして報告された小児におけるけいれんの副作用事例を検討すると、ガイドラインの不遵守、発熱時の投与などが多く見られている。小児気管支喘息へのテオフィリン等の使用については、ガイドライン等を参考に、患者の状態等をよく観察し、特に乳幼児の場合には投与を慎重に検討するとともに、投与に際しては臨床症状等の観察や血中濃度のモニタリングを行うなど慎重な投与をお願いする。
5.テオフィリン製剤一覧
医療用医薬品(保険薬事典平成17年8月版 抜粋) |
一般名 | 販売名(会社名) |
テオフィリン |
アーデフィリンDS20%、同錠100(沢井製薬) |
テオドリップ(日研化学) |
|
アミノフィリン |
ネオフィリン末、同錠(サンノーバ) |
アルビナ坐剤50、同坐剤100、同坐剤200、同坐剤400(久光製薬) |
|
静注用アネフィリン注射液(マルコ製薬) |
|
コリンテオフィリン |
テオコリン散、同錠(サンノーバ) |
主な一般用医薬品(小児の用法・用量を有する製剤)
(一般用日本医薬品集2005年1月版 抜粋) |
一般名 | 販売名(会社名) |
テオフィリンを含有する製剤 |
アネトンせき止め顆粒(ファイザー) |
アミノフィリンを含有する製剤 |
アーター内服液(協和薬品工業) |
X線CT装置等が植込み型心臓ペースメーカ等へ及ぼす影響について
1.概要
(1) |
X線CT装置等と植込み型心臓ペースメーカ等の相互作用に係る「使用上の注意」の改訂指示等について(平成17年11月25日付薬食安発第1125001号安全対策課長通知) |
日本メドトロニック社製の植込み型心臓ペースメーカ(販売名:メドトロニックInSync8040)については、X線CT装置によるX線を照射することにより部分的電気的リセット(以下「リセット」という。)等を引き起こしていることが判明したため、添付文書の「使用上の注意」の改訂を指導し、「医薬品・医療機器等安全性情報No.213」により、その内容の紹介を行う等の注意喚起を行ってきたところである。
また、同様の事象が他の植込み型心臓ペースメーカ及び植込み型除細動器(以下「植込み型心臓ペースメーカ等」という。)にも発生する可能性があることが判明したため、植込み型心臓ペースメーカ等の製造販売業者が点検を行った結果、全ての製造販売業者の植込み型心臓ペースメーカ等において、X線の照射中にオーバーセンシングを引き起こしていることが判明した。
このため、植込み型心臓ペースメーカ等並びにX線CT装置及びX線CT装置を組み合わせた医療機器(以下「X線CT装置等」という。)を取り扱う製造販売業者に対し、添付文書の「使用上の注意」を改訂するよう指導するとともに、医療機関に対し注意喚起を行う等の措置を講じたのでお知らせする。
(2) |
日本メドトロニック社製の植込み型心臓ペースメーカ(セラシリーズ)に係る注意喚起等について(平成17年11月25日付薬食安発第1125005号安全対策課長通知) |
日本メドトロニック社製の植込み型心臓ペースメーカのセラシリーズ「セラDR-i」並びにこれと同様の構造を有する「セラD-i」、「セラS-i」、「セラSR-i」及び「セラVDD-i」(以下「セラDR-i等」という。)についても、メドトロニックInSync8040同様、X線CT装置によるX線を照射することによりリセットを引き起こすことが判明した。
このため、日本メドトロニック社に対し、セラDR-i等について、使用中の患者の安全確保のため、医師等に注意喚起するよう指導するとともに、医療機関に対し注意喚起を行う等の措置を講じたのでお知らせする。
2.企業に対する指導内容
(1) |
X線CT装置等と植込み型心臓ペースメーカ等の相互作用に係る「使用上の注意」の改訂指示等について |
(1) | 植込み型心臓ペースメーカ等の添付文書の「重要な基本的注意事項」の項に以下の内容を記載すること。 |
ア. |
植込み型心臓ペースメーカ |
イ. |
植込み型除細動器 |
(2) |
植込み型心臓ペースメーカ等の添付文書の「相互作用」の項にX線CT装置及びX線CT装置を組み合わせた医療機器を併用機器として追記し、以下の表を記載すること。 ア.植込み型心臓ペースメーカ |
相互作用 | 対策・措置方法 |
X線束が連続的に照射されるCT検査に際し、本体内部のC-MOS回路に影響を与えること等により、オーバーセンシングが起こり、植込み型心臓ペースメーカのペーシングパルス出力が一時的に抑制されることがある。 |
|
イ.植込み型除細動器
相互作用 | 対策・措置方法 |
X線束が連続的に照射されるCT検査に際し、本体内部のC-MOS回路に影響を与えること等により、オーバーセンシングが起こり、植込み型除細動器のペーシングパルス出力が一時的に抑制されたり、不適切な頻拍治療を行うことがある。 |
|
(3) |
すでに植込み型心臓ペースメーカ等を植え込まれている患者に対しても同様の注意喚起がなされるよう、患者手帳へ上記(1)及び(2)の内容に関して追加記載を行うなど、適切な措置を講じること。 |
2) |
X線CT装置等を取り扱う製造販売業者に対し、当該医療機器の添付文書の「重要な基本的注意事項」の項に以下の内容を記載するよう指導した。 |
3) |
植込み型心臓ペースメーカ等及びX線CT装置等を取り扱う製造販売業者に対し、当該医療機器を取り扱う医療関係者に、上記1)及び2)の内容について注意喚起するよう指導した。 |
(2)日本メドトロニック社製の植込み型心臓ペースメーカ(セラシリーズ)に係る注意喚起について
日本メドトロニック社に対し、当該医療機器を取り扱う医師及び診療放射線技師等に、以下の事項を情報提供し、注意喚起するよう指導した。
1) |
セラDR-i等はリセットを引き起こす可能性があることから、刺激閾値が3.5V以上の患者又は刺激閾値が不明の患者に対するセラDR-i等の植込み部位へのX線CT装置等によるX線照射は原則行わないこと。 |
2) |
なお、診療上やむを得ず当該本体植込み部位へのX線照射を行う際には、脈拍をモニターするとともに、プログラマーによりリセットの解除等を速やかに行える専門医等の立ち会いのもとX線照射を行うこと。 |
3) |
また、刺激閾値が3.5V未満の患者においては、当該本体植込み部位へのX線CT装置等によるX線照射後は、可能な限り速やかにセラDR-i等に異常が生じていないか確認を行うこと。 |
3.医療機関へのお願い
(1)X線CT装置等と植込み型心臓ペースメーカ等の相互作用について
植込み型心臓ペースメーカ等を植込まれている患者に対しX線CT装置等を使用する際には、以下の事項について留意の上、当該医療機器の適正使用をお願いする。
1) |
植込み型心臓ペースメーカの植込み部位にX線束を5秒以上連続照射しないこと。 |
2) |
植込み型除細動器の植込み部位にX線束を照射しないこと。 |
3) |
診療上やむを得ず、植込み型心臓ペースメーカの本体植込み部位にX線束を5秒以上連続して照射する検査を実施する場合には、患者に“両腕挙上”をさせる等してペースメーカの位置を照射部分からずらすことができないか検討すること。それでもなお、本体植込み部位にX線束を5秒以上連続的に照射することが避けられない場合には、検査中、競合ぺーシングをしない状態で固定ぺーシングモードに設定するとともに、脈拍をモニターすること。又は一時的体外ぺーシングの準備を行った上で使用すること。 |
4) |
診療上やむを得ず、植込み型除細動器の植込み部位にX線束を照射する検査を実施する場合には、患者に“両腕挙上”をさせる等して除細動器位置を照射部分からずらすことができないか検討すること。それでもなお本体植込み部位にX線束を照射する場合には、検査中、頻拍検出機能をオフにした後、脈拍をモニターすること。又は一時的体外除細動器や一時的体外ぺーシングの準備を行った上で使用すること。 |
また、すでに当該製品を植込まれた患者が不用意に他の施設で診療し、X線束の照射を受けることのないよう、患者に対し、十分な説明をお願いする。
(2)日本メドトロニック社製の植込み型心臓ペースメーカ(セラシリーズ)について
セラDR-i等を植込まれている患者に対してX線CT装置等を使用する際には、以下の事項について留意の上、当該医療機器の適正使用をお願いする。
1) |
セラDR-i等はリセットを引き起こす可能性があることから、刺激閾値が3.5V以上の患者又は刺激閾値が不明の患者に対するセラDR-i等の植込み部位へのX線CT装置等によるX線照射は原則行わないこと。 |
2) |
なお、診療上やむを得ず当該本体植込み部位へのX線照射を行う際には、脈拍をモニターするとともに、プログラマーによりリセットの解除等を速やかに行える専門医等の立ち会いのもとX線照射を行うこと。 |
3) |
また、刺激閾値が3.5V未満の患者においては、当該本体植込み部位へのX線CT装置等によるX線照射後は、可能な限り速やかにセラDR-i等に異常が生じていないか確認を行うこと。 |
また、すでに当該製品を植込まれた患者が不用意に他の施設で診療し、X線束の照射を受けることのないよう、患者に対し、十分な説明をお願いする。
使用上の注意の改訂について(その172)
(1)医薬品等
前号(医薬品・医療機器等安全性情報 No.220)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意について、改訂内容、主な該当販売名、参考文献等をお知らせいたします。
1 |
〈解熱鎮痛消炎剤〉 |
[販売名] |
ブルフェン顆粒、同錠100、同錠200(科研製薬)、ユニプロン坐剤50、同坐剤100(昭和薬品化工)他 |
[副作用 |
急性腎不全、間質性腎炎、ネフローゼ症候群:急性腎不全、間質性腎炎、ネフローゼ症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、乏尿、血尿、尿蛋白、BUN・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
2 |
〈解熱鎮痛消炎剤〉 |
[販売名] |
ソレトン錠80(日本ケミファ)、ペオン錠80(ゼリア新薬工業)他 |
[副作用 |
消化性潰瘍、小腸・大腸潰瘍、出血性大腸炎:消化性潰瘍及び小腸・大腸潰瘍(出血や穿孔を伴うことがある)、出血性大腸炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
3 |
〈精神神経用剤〉 |
[販売名] |
ウインタミン錠12.5mg、同錠25mg、同錠50mg、同錠100mg(塩野義製薬)、コントミン糖衣錠12.5mg、同糖衣錠25mg、同糖衣錠50mg、同糖衣錠100mg、同筋注10mg、同筋注25mg、同筋注50mg(三菱ウェルファーマ)他 |
[副作用 |
突然死、心室頻拍:血圧降下、心電図異常(QT間隔の延長、T波の平低化や逆転、二峰性T波ないしU波の出現等)に続く突然死、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)が報告されているので、特にQT部分に変化があれば投与を中止すること。また、フェノチアジン系化合物投与中の心電図異常は、大量投与されていた例に多いとの報告がある。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
4 |
〈精神神経用剤〉 |
[販売名] |
ヒルナミン注(塩野義製薬)、レボトミン筋注25mg(三菱ウェルファーマ) |
[副作用 |
遅発性ジスキネジア、遅発性ジストニア:長期投与により、遅発性ジスキネジア、遅発性ジストニア等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがある。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
5 |
〈強心剤〉 |
[販売名] |
ネオフィリン末、同錠(サンノーバ) |
[重要な基本 |
小児、特に乳幼児に投与する場合には、保護者等に対し、発熱時には一時減量あるいは中止するなどの対応を、あらかじめ指導しておくことが望ましい。 |
6 |
〈強心剤〉 |
[販売名] |
ネオフィリン注、同注点滴用バッグ250mg(エーザイ)他 |
[用法・用量に関連 |
本剤を小児の気管支喘息に投与する場合の投与量、投与方法等については、学会のガイドライン等、最新の情報を参考とすること。 |
〈参 考〉 |
日本小児アレルギー学会:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン 2005 |
7 |
〈気管支拡張剤〉 |
[販売名] |
アルビナ坐剤50、同坐剤100、同坐剤200、同坐剤400(久光製薬) |
[用法・用量に関連 |
本剤を小児の気管支喘息に投与する場合の投与方法等については、学会のガイドライン等、最新の情報を参考とすること。 |
[重要な基本 |
小児、特に乳幼児に投与する場合には、保護者等に対し、発熱時には一時減量あるいは中止するなどの対応を、あらかじめ指導しておくことが望ましい。 |
〈参 考〉 |
日本小児アレルギー学会:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン 2005 |
8 |
〈気管支拡張剤〉 |
[販売名] |
テオドールG20%、同錠50mg、同錠100mg、同シロップ2%、同ドライシロップ20%(三菱ウェルファーマ)他 |
[用法・用量に関連 |
本剤投与中は、臨床症状等の観察や血中濃度のモニタリングを行うなど慎重に投与すること。 |
[重要な基本 |
小児、特に乳幼児に投与する場合には、保護者等に対し、発熱時には一時減量あるいは中止するなどの対応を、あらかじめ指導しておくことが望ましい。 |
〈参 考〉 |
日本小児アレルギー学会:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン 2005 |
9 |
〈気管支拡張剤〉 |
[販売名] |
ユニフィル錠100mg、同錠200mg、同錠400mg(大塚製薬)他 |
[重要な基本 |
小児、特に乳幼児に投与する場合には、保護者等に対し、発熱時には一時減量あるいは中止するなどの対応を、あらかじめ指導しておくことが望ましい。 |
10 |
〈気管支拡張剤〉 |
[販売名] |
テオドリップ(日研化学) |
[用法・用量に関連 |
本剤を小児の気管支喘息に投与する場合の投与量、投与方法等については、学会のガイドライン等、最新の情報を参考とすること。 |
11 |
〈糖尿病用剤〉 |
[販売名] |
アマリール1mg錠、同3mg錠(アベンティスファーマ) |
[副作用 |
溶血性貧血、無顆粒球症、汎血球減少:溶血性貧血、無顆粒球症、汎血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
12 |
〈その他の腫瘍用薬〉 |
[販売名] |
トリセノックス注10mg(日本新薬) |
[副作用 |
汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少:汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
13 |
〈主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの〉 |
[販売名] |
フロモックス小児用細粒100mg(塩野義製薬) |
[重要な基本 |
本剤を含むピボキシル基を有する抗生物質(セフジトレンピボキシル、塩酸セフカペンピボキシル、セフテラムピボキシル)の投与により、ピバリン酸(ピボキシル基を有する抗生物質の代謝物)の代謝・排泄に伴う血清カルニチン低下が報告されている。また、幼児においては、ピボキシル基を有する抗生物質の単独、又は切り替えながらの長期投与により、低カルニチン血症に伴う低血糖の発現が報告されているので、ピボキシル基を有する抗生物質の投与に際してはカルニチンの低下に注意すること。 |
[副作用 |
低カルニチン血症に伴う低血糖:低カルニチン血症に伴う低血糖が、幼児に対してピボキシル基を有する抗生物質を長期投与した症例で報告されているので、痙攣、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
14 |
〈その他の生物学的製剤〉 |
[販売名] |
膀注用イムシスト(日本化薬) |
[副作用 |
腎不全:腎不全があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、播種性BCG感染の診断を行い、速やかに適切な処置を行うとともに、抗結核剤療法を行うこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
(2)医療機器
前号(医薬品・医療機器等安全性情報No.220)以降に改訂を指導した医療機器の使用上の注意(本号の「2X線CT装置等が植込み型心臓ペースメーカ等へ及ぼす影響について」で紹介したものを除く。)について、改訂内容、参考文献等をお知らせいたします。
1 ラジオ波焼灼法(RFA※)に際して使用する電気手術器
※RFA:radiofrequency ablationの略
[警 告] |
焼灼中の肝内圧の上昇に伴い肝破裂を生じる可能性があるので、急激な出力上昇又は長時間での焼灼に注意すること。 |
[重要な基本 |
本品の使用にあたっては、事前に当該機器の治療原理及び特性を熟知し、十分なトレーニングを行った上で、通電出力や画像等を常にモニタリングしながら慎重に使用すること。 |
[不具合・有 |
肝破裂 |
〈参 考〉 |
市販直後調査の対象品目一覧
一般名 | 製造販売業者名 | 市販直後調査開始年月日 |
販売名 | ||
ルリコナゾール | ポーラ化成工業(株) | 平成17年7月20日 |
ルリコンクリーム1%、同液1% | ||
フルデオキシグルコース | 日本メジフィジックス(株) | 平成17年8月1日 |
FDGスキャン注 | ||
フルデオキシグルコース | (財)先端医学薬学研究センター | 平成17年8月1日 |
FDGスキャン-MP注 | ||
モンテプラーゼ(遺伝子組換え) | エーザイ(株) | 平成17年8月5日 |
クリアクター注40万、同注80万、同注160万*1 | ||
フォリトロピンベータ(遺伝子組換え) | 日本オルガノン(株) | 平成17年8月11日 |
フォリスチム注75、同注150 | ||
ドリペネム水和物 | 塩野義製薬(株) | 平成17年9月16日 |
フィニバックス点滴用0.25g | ||
無水エタノール | 扶桑薬品工業(株) | 平成17年9月16日 |
無水エタノール注「フソー」 | ||
無水エタノール | メルク・ホエイ(株) | 平成17年9月20日 |
無水エタノール注「メルク」 | ||
塩酸ピロカルピン | キッセイ薬品工業(株) | 平成17年9月22日 |
サラジェン錠5mg | ||
ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え) | ワイス(株) | 平成17年9月22日 |
マイロターグ注射用5mg | ||
アルテプラーゼ(遺伝子組換え) | 協和発酵工業(株) | 平成17年10月11日 |
アクチバシン注600万、同注1200万、同注2400万*2 | ||
アルテプラーゼ(遺伝子組換え) | 三菱ウェルファーマ(株) | 平成17年10月11日 |
グルトパ注600万、同注1200万、同注2400万*2 | ||
カンデサルタン シレキセチル | 武田薬品工業(株) | 平成17年10月11日 |
ブロプレス錠2、同錠4、同錠8*3 | ||
塩酸モキシフロキサシン | バイエル薬品(株) | 平成17年12月9日 |
アベロックス錠400mg | ||
フィナステリド | 萬有製薬(株) | 平成17年12月14日 |
プロペシア錠0.2mg、同錠1mg |
注)効能追加等における対象
*1: | 効能追加された「不安定な血行動態を伴う急性肺塞栓症における肺動脈血栓の溶解」 |
*2: | 効能追加された「虚血性脳血管障害急性期に伴う機能障害の改善(発症後3時間以内)」 |
*3: | 効能追加された「慢性心不全(軽症~中等症)の状態で、アンジオテンシン変換酵素阻害剤の投与が適切でない場合」 |
お知らせ 医薬品・医療機器等安全性情報は、医薬品医療機器情報提供ホームページ(https://www.pmda.go.jp/)又は厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/)からも入手可能です。 また、NTTのファクシミリ通信網サービス「Fネット」を通じ、最近1年間の「医薬品・医療機器等安全性情報」がお手元のファクシミリから随時入手できます(利用者負担)。 「Fネット」への加入等についての問い合わせ先:0120-161-011 |