独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

医薬品・医療機器等安全性情報 No.242

目次

  1. 重要な副作用等に関する情報

    (1)アトルバスタチンカルシウム水和物
    (2)塩酸チザニジン
    (3)チアマゾール
  2. 使用上の注意の改訂について(その192)
    塩酸アミトリプチリン他(11件)
  3. 市販直後調査の対象品目一覧

 

 この医薬品・医療機器等安全性情報は、厚生労働省において収集された副作用等の情報をもとに、医薬品・医療機器等のより安全な使用に役立てていただくために、医療関係者に対して情報提供されるものです。

平成19年(2007年)12月
厚生労働省医薬食品局





 

厚生労働大臣への副作用等報告は、医薬関係者の業務です。

 医師、歯科医師、薬剤師等の医薬関係者は、医薬品や医療機器による副作用、感染症、不具合を知ったときは、直接又は当該医薬品等の製造販売業者を通じて厚生労働大臣へ報告してください。
 なお、薬種商販売業や配置販売業の従事者も医薬関係者として、副作用等につき、報告することが求められています。
 

目次へ

重要な副作用等に関する情報

 平成19年10月31日に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容等とともに改訂の根拠となった症例の概要等に関する情報を紹介いたします。

【1】アトルバスタチンカルシウム水和物

販売名(会社名) リピトール錠5mg、同錠10mg(アステラス製薬)
薬効分類等 高脂血症用剤
効 能 効 果 高コレステロール血症
家族性高コレステロール血症
 

<<使用上の注意(下線部追加改訂部分)>>

[副作用
(重大な副作用)]
無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少症無顆粒球症、汎血球減少症血小板減少症があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 直近約3年間(平成16年4月~平成19年9月)の副作用報告(因果関係が否定できないもの)の件数
・無顆粒球症:5例(うち死亡1例)
・汎血球減少症:1例(うち死亡0例)
関係企業が推計したおおよその年間使用者数:約230万人(平成18年)
販売開始:平成12年5月
 

症例の概要

No. 患者 1日投与量
投与期間
副作用
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
60代
高脂血症
(慢性糸球体腎炎、大動脈弁狭窄)
20mg
33日間
無顆粒球症  
投与約5年前 慢性腎不全でフォロー開始。腎不全の原因不明。高血圧性腎症又は慢性糸球体腎炎と判断。
投与約3年11ヵ月前 内シャント造設術施行。
投与約3年8ヵ月前 透析導入。以後、週3回の血液透析。
投与約2ヵ月前 大動脈弁狭窄に対して大動脈弁置換術施行。
投与開始日 本剤20mg投与開始。
この日以前より沈降炭酸カルシウム1.5g/日、レバミピド300mg/日、ランソプラゾール15mg/日、ワルファリンカリウム3mg/日、硝酸イソソルビド40mg/日、センノシド24mg/日が投与されていた。
投与27日目 白血球減少(顆粒球減少)を認める。
投与30日目 この頃より下痢症認める。
投与33日目
(投与中止日)
39℃・倦怠感・しゃっくりが出てきたため、午後救急外来受診。精査にて重症感染症と判断、同日緊急入院。
肺炎、敗血症、DIC、肝機能障害発現。
肺炎、敗血症に対してパニペネム・ベタミプロン配合剤500mg/日、ミカファンギンナトリウム50mg/日、ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン5g/日投与開始。顆粒球減少に対してフィルグラスチム(遺伝子組換え)75μg/日投与開始。
呼吸状態も悪化、同日緊急透析。
本剤投与中止。
胸部レントゲン、胸部CT:肺炎像
腹部レントゲン、腹部CT:異常所見なし
血液培養:グラム陰性桿菌(大腸菌など)
中止1日後 血液培養でグラム陰性桿菌検出されたため、エンドトキシン吸着治療行った。
同日行った骨髄穿刺により血液幹細胞を自分の細胞が貪食している像が得られ、血球貪食症候群と診断。ステロイド投与開始。
透析後、重症感染症に対して高圧酸素治療も併用。
血小板数低下・FDP上昇認め、DICの診断でメシル酸ナファモスタット投与開始。
夜間は小康状態を保っていた。
循環器内科受診結果:置換した弁は良好に保たれている。CT再検されたが腸管の浮腫などなく、感染源が腸管であるということは否定的。また同時に発語障害を認めたため、頭頸部CTも行ったが異常は認めなかった。
中止2日後 午前、呼吸停止したため心肺蘇生施行するも改善なく、永眠。
臨床検査値
  投与42日前 投与開始日 投与27日目 投与33日目
(投与中止日)
中止1日後
白血球数(/mm3 3300 6600 1700 300 200
赤血球数(×104/mm3 306 309 259 253 244
ヘモグロビン(g/dL) 10.3 9.7 8.4 8.3 7.9
ヘマトクリット(%) 30.7 29.4 24.4 24.1 23.9
血小板数(×104/mm3 13.9 33.9 23.7 11.8 5.6
好中球(%) 59.4 59.1 34.7 2.8 2.9
好酸球(%) 6.1 9.4 15.2 4.3 15.7
好塩基球(%) 0.1 0.5 0.6 0.4 0.5
単球(%) 3.4 8.3 0.6 2.8 0.4
リンパ球(%) 29.4 20.7 47.1 86.9 76.8
CRP(mg/dL) 24.06
総ビリルビン(mg/dL) 0.26 0.32 0.23 1.13 2.44
直接ビリルビン(mg/dL) 0.06 0.06
Al-P(IU/L) 252 519 351 414
AST(GOT)(IU/L) 10 36 21 108 581
ALT(GPT)(IU/L) 5 13 16 36 220
γ-GTP(IU/L) 35 137 106 208
LDH(IU/L) 143 253 211 283 967
CK(CPK)(IU/L) 42 1844 905
BUN(mg/dL) 透析前 53 35 62 74
透析後 22 28
クレアチニン(mg/dL) 透析前 10.21 8.87 10.29 10.35
透析後 4.81 5.20
ナトリウム(mEq/L) 透析前 137 138 135 131 134
透析後 138 135
カリウム(mEq/L) 透析前 4.7 5.2 4.3 5.8 5.1
透析後 3.4 3.5
クロール(mEq/L) 透析前 99 99 99 94 93
透析後 100 95
血糖(mg/dL) 112
総コレステロール(mg/dL) 177 196 132
TG(mg/dL) 80 170 138 88
プロトロンビン時間(秒) 22.1 28.2
プロトロンビン時間(%) 37 26
β-D-グルカン(pg/mL) 24.2
エンドトキシン(pg/mL) 117.0
併用薬:沈降炭酸カルシウム、レバミピド、ランソプラゾール、ワルファリンカリウム、硝酸イソソルビド、センノシド、ジメモルファンリン酸塩、カルボシステイン、ニフェジピン
 
No. 患者 1日投与量
投与期間
副作用
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
50代
高脂血症
(高血圧症、糖尿病)
10mg
49日間
汎血球減少  
投与開始日 高血圧症及び高脂血症に対し、マレイン酸エナラプリル 5mg及び本剤10mgを投与開始。
投与22日目 赤血球数341×104/mm3、ヘモグロビン10.2g/dL、ヘマトクリット28.6%と低下を認める。白血球数4300/mm3、血小板数16.9×104/mm3
投与49日目
(投与中止日)
薬剤による汎血球減少が疑われ、マレイン酸エナラプリル及び本剤を投与中止。
ベシル酸アムロジピン2.5mgを投与開始。
中止14日後 白血球数6400/mm3、赤血球数468×104/mm3、血小板数24.4×104/mm3となり回復。
中止22日後 ベシル酸アムロジピンを投与中止し、マレイン酸エナラプリル5mgを投与再開。
中止78日後 フルバスタチンナトリウムを投与開始。
臨床検査値
  投与13日前 投与22日目 投与36日目 中止14日後 中止29日後 中止92日後
白血球数(/mm3 6000 4300 2800 6400 5400 6600
赤血球数(×104/mm3 452 341 314 468 446 447
ヘモグロビン(g/dL) 12.8 10.2 10.9 13.9 13.5 13.9
ヘマトクリット(%) 39.9 28.6 30.3 39.1 38.0 38.1
血小板数(×104/mm3 29.5 16.9 12.0 24.4 26.2 26.4
併用薬:マレイン酸エナラプリル

【2】塩酸チザニジン

販売名(会社名) テルネリン顆粒0.2%、同錠1mg(ノバルティスファーマ)
アストネリン錠1mg(長生堂製薬)
エンチニン錠1(メディサ新薬)
ギボンズ錠1mg(キョーリンリメディオ)
ザンピーク顆粒0.2%(辰巳化学)
セブレチン錠1mg(ニプロファーマ)
チザニン顆粒0.2%、同錠1mg(日医工)
チザネリン錠1mg(大正薬品工業)
チロルビット錠1mg(東和薬品)
テトリネン錠1mg(鶴原製薬)
テルザニン錠1mg(日新製薬)
テルリラーク錠1mg(共和薬品工業)
メキタック錠1mg(大洋薬品工業)
モトナリン錠1mg(日本薬品工業)
 
薬効分類等 鎮けい剤
効 能 効 果
1. 下記疾患による筋緊張状態の改善
  頸肩腕症候群、腰痛症
2. 下記疾患による痙性麻痺
  脳血管障害、痙性脊髄麻痺、頸部脊椎症、脳性(小児)麻痺、外傷後遺症(脊髄損傷、頭部外傷)、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症
 

<<使用上の注意(下線部追加改訂部分)>>

[禁 忌]
重篤な肝障害のある患者
[副作用
(重大な副作用)]
肝炎、肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)等の著しい上昇、悪心・嘔吐、食欲不振、全身倦怠感等を伴う肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 直近約3年間(平成16年4月~平成19年10月)の副作用報告(因果関係が否定できないもの)の件数
・肝炎:2例(うち死亡0例)
関係企業が推計したおおよその年間使用者数:約113万人(平成18年)
販売開始:昭和63年5月(錠剤)
       平成6年7月(顆粒剤)
 

症例の概要

No. 患者 1日投与量
投与期間
副作用
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
70代
腰痛、胸腰椎圧迫骨折
(高脂血症、高血圧、脂肪肝)
3mg
69日間
薬剤性肝炎
高脂血症にて内科外来経過観察中であり、また腰痛で整形外科にも通院し、非ステロイド性消炎鎮痛剤、リマプロストアルファデクス、間歇的にエルカトニン注射などを受けていた。
投与開始日 腰痛に対して、本剤投与開始。
投与35日目 特に症状に変化はないが、血圧が前月に引き続き高く(150/90mmHg)、脈拍112/分のため、ベニジピン塩酸塩をアテノロール25mg/日に変更。AST(GOT)28IU/L、ALT(GPT)15IU/L、γ-GTP120IU/L、CK(CPK)56 IU/L。
投与63日目 症状に変化なし。定期受診血液検査にて、AST(GOT)565IU/L、ALT(GPT)447IU/L、γ-GTP131IU/L、LDH591IU/Lと肝機能障害(薬剤性肝炎)を認めた。
投与64日目 入院。アテノロールを中止し、グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤を投与開始。
腹部エコー、腹部CT、MRCP(磁気共鳴胆道膵管撮影)を施行したが、検査値異常を説明し得る異常は認められなかった。
投与69日目
(投与中止日)
休薬、グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤投与にもかかわらず、AST(GOT)309IU/L、ALT(GPT)335IU/L、γ-GTP136IU/Lと改善不良。γ-GTPはむしろ悪化しているため、アテノロールではなく、本剤によるものと考え、本剤も中止。
中止5日後 AST(GOT)140IU/L、ALT(GPT)202IU/L、γ-GTP116 IU/Lと改善し始めた。
中止6日後 DLST結果:本剤陽性
中止12日後 退院。
臨床検査値
  投与
約5ヵ月前
投与
35日目
投与
63日目
投与
64日目
投与
67日目
投与69日目
(投与中止日)
中止
2日後
中止
5日後
中止
9日後
白血球数(/mm3 3700 5100 4100 3600 3600 3400 3100 3500
好中球(%) 61.8 54 44
好酸球(%) 4.9 9 6
好塩基球(%) 0.7 0 0
単球(%) 8.9 10 10
リンパ球(%) 23.7 27 40
AST(GOT)(IU/L) 41 28 565 534 442 309 284 140 35
ALT(GPT)(IU/L) 21 15 447 430 415 335 300 202 59
γ-GTP(IU/L) 149 120 131 124 136 129 116 87
LDH(IU/L) 591 492 473 359 254 202
総ビリルビン(mg/dL) 0.7 0.6 0.6 0.7 0.7 0.6
併用薬:リマプロストアルファデクス、ベニジピン塩酸塩、ロキソプロフェンナトリウム、プラウノトール、アレンドロン酸ナトリウム水和物、プラバスタチンナトリウム、アテノロール、トリアゾラム、エルカトニン

【3】チアマゾール

販売名(会社名) メルカゾール錠5mg、同注10mg(中外製薬)
薬効分類等 甲状腺、副甲状腺ホルモン剤
効 能 効 果 甲状腺機能亢進症
 
〈改訂理由〉 チアマゾールの無顆粒球症については、従前より「重大な副作用」の項に記載するとともに、「重要な基本的注意」「重大な副作用」の項に「少なくとも投与開始後2ヶ月間は、原則として2週に1回、それ以降も定期的に白血球分画を含めた血液検査を実施する」旨を記載し注意喚起を図ってきたところである。
しかしながら、定期的な血液検査の実施が遵守されず、無顆粒球症の発現に至った事例があることから、今般、「警告」欄を設け、同旨の記載を行うなど、より一層の注意喚起を図るものである。
 

<<使用上の注意(下線部追加改訂部分)>>

[警   告]

警告

重篤な無顆粒球症が主に投与開始後2ヶ月以内に発現し、死亡に至った症例も報告されている。少なくとも投与開始後2ヶ月間は、原則として2週に1回、それ以降も定期的に白血球分画を含めた血液検査を実施し、顆粒球の減少傾向等の異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、一度投与を中止して投与を再開する場合にも同様に注意すること。
本剤投与に先立ち、無顆粒球症等の副作用が発現する場合があること及びこの検査が必要であることを患者に説明するとともに、下記について患者を指導すること。
 (1)無顆粒球症の症状(咽頭痛、発熱等)があらわれた場合には、速やかに主治医に連絡すること。
 (2)少なくとも投与開始後2ヶ月間は原則として2週に1回、定期的な血液検査を行う必要があるので、通院すること。
[重要な基本的注意] 本剤を新たに投与開始する場合には、無顆粒球症等の重大な副作用が主に投与開始後2ヵ月以内にあらわれることがあるので、本剤の有効性と安全性を十分に考慮し、本剤の投与が適切と判断される患者に投与すること。
[副作用
(重大な副作用)]
汎血球減少、再生不良性貧血、無顆粒球症、白血球減少:汎血球減少、再生不良性貧血、無顆粒球症、白血球減少(初期症状:発熱、全身倦怠、咽頭痛等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 関係企業が推計したおおよその年間使用者数:約13万人(平成18年)
販売開始:昭和31年7月(錠剤)
       昭和33年2月(注射剤)

症例の概要
No. 患者 1日投与量
投与期間
副作用
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
70代
甲状腺機能亢進症
(胸部大動脈解離)
5mg
65日間
無顆粒球症
投与約8年前 甲状腺腫切除術施行。
投与約4ヵ月前 胸部大動脈解離の治療のため、A院入院。
甲状腺切除後の甲状腺機能低下に対し、レボチロキシンナトリウム25μg投与開始。
投与2日前 うつ病の治療のため、B院へ転院。
投与開始日 FT35.3pg/mL、FT41.94ng/dLに上昇したため、本剤(錠剤)5mgの投与を開始。
投与17日目 肺癌(縦隔部)疑いにて、C院検査入院。生検、放射線療法ともに拒否。
投与37日目 再度、うつ病の治療のため、B院入院。
投与42日目 塩酸ミアンセリン投与開始(1錠/日)。
投与62日目 咽頭痛、発熱発現。
投与65日目
(投与中止日)
呼吸困難にてA院に救急入院。
肺炎を認め、白血球数830/mm3(好中球0%)の無顆粒球症を確認。ステロイドパルス療法実施も無反応。本剤投与中止。
中止7日後 フィルグラスチム(遺伝子組換え)使用にて白血球数28010/mm3
中止8日後 白血球数27200/mm3に上昇するも、X線上、肺炎は著しく悪化。喀痰培養からMRSA判明。検査データからDIC状態に至っていた。死亡。
臨床検査値
  投与
2日前
投与
18日目
投与
32日目
投与65日目
(投与中止日)
中止
2日後
中止
3日後
中止
4日後
中止
5日後
中止
7日後
中止
8日後
白血球数(/mm3 4600 4650 830 400 660 1280 2800 28010 27200
好中球(%) 48.0 0 2.5 49.3 26.4 46.0 49.0
FT4(ng/dL) 1.94 0.49
FT3(pg/mL) 5.3 1.6
TSH(μU/mL) 0.10未満 3.84
併用薬:塩酸ミアンセリン、ウルソデオキシコール酸、アロプリノール、ニフェジピン、テルミサルタン、バルサルタン、ベシル酸アムロジピン、エチゾラム、塩酸パロキセチン水和物、スルピリド、オランザピン、クロルプロマジン・プロメタジン配合剤、ニトラゼパム、ブロチゾラム、レボチロキシンナトリウム
 
No. 患者 1日投与量
投与期間
副作用
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
20代
バセドウ病
(てんかん)
30mg
25日間

20mg
21日間

15mg
11日間
無顆粒球症
投与開始日 本剤(錠剤)の投与を開始。白血球数4100/mm3、好中球49.5%。
投与26日目 白血球数2700/mm3、好中球43.5%。
投与47日目 白血球数2300/mm3、好中球61.0%。
投与56日目 咽頭痛、発熱が出現。
投与57日目 血液呼吸器膠原病内科受診。採血後、帰宅。白血球数500/mm3、CRP12.89mg/dLであり、無顆粒球症であることを連絡するも来院の同意が得られなかった。
投与60日目
(投与中止日)
同科(クリーンルーム)入院。白血球数300/mm3、好中球0%、CRP26.27mg/dL。本剤中止し、G-CSF300μg/日、抗生剤による治療開始。
中止17日後 脈拍160/分、血圧70mmHg、昇圧開始。APTT78秒と延長。新鮮凍結人血漿を投与。
中止18日後 白血球数2400/mm3、好中球42%とようやく好中球が出現。
DICマーカーも上昇し、低分子ヘパリンの投与開始とする。
Cr1.5mg/dL、AST(GOT)163IU/L、LDH1075IU/Lと肝不全、腎不全、心不全の多臓器不全が出現。
中止19日後 循環器・腎・内分泌科に転科。人工呼吸器、経皮的人工心肺装置を装着した。
中止20日後 心不全治療を試みるも、死亡。
臨床検査値
  投与
開始日
投与
26日目
投与
47日目
投与57日目 投与60日目
(投与中止日)
中止
8日後
中止
13日後
中止
14日後
中止
18日後
中止
19日後
中止
20日後
白血球数(/mm3 4100 2700 2300 500 300 700 900 1000 2400 7900 14700
好中球(%) 49.5 43.5 61.0 0 0 0 0 42 70 54.5
FT4(ng/dL) 7.77 1.27 0.9 4.26 3.61
T3(ng/dL) 651.0 185.2 145.9 360.4 211.5
TSH(μIU/mL) 0.014 0.013 0.015 0.035
併用薬:エバスチン、メトプロロール酒石酸塩、フェニトイン、プロプラノロール塩酸塩


 

使用上の注意の改訂について(その192)

 平成19年10月31日に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「1重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について、改訂内容、主な該当販売名等をお知らせいたします。

 
〈以下の1から8までの改訂理由〉 抗うつ剤使用後の自殺については、これまで使用上の注意に、うつ病の患者における自殺企図のリスクに関する事項を記載し、また、塩酸セルトラリン、塩酸パロキセチン水和物、マレイン酸フルボキサミン及び塩酸ミルナシプランについては、18歳未満の患者における自殺念慮、自殺企図のリスクの増加に関する事項も併せて記載し注意喚起を行ってきたところである。
今般、複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験において24歳以下の患者で自殺念慮、自殺企図等のリスクが増加したという試験結果に基づき、米国において、抗うつ剤の添付文書が全般的に改訂されたことを踏まえ、我が国においても抗うつ剤の使用における自殺に対するより一層の注意を促すために、抗うつ剤の全般的な注意として、(1)24歳以下の患者において自殺念慮、自殺企図のリスクが増加すること、(2)うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあること、(3)家族等に自殺念慮、自殺企図のリスクについて十分な説明をすること、について使用上の注意を改訂し、注意喚起を図るものである。
 
1 〈精神神経用剤〉
塩酸アミトリプチリン、塩酸イミプラミン、塩酸クロミプラミン(経口剤)、塩酸ドスレピン、塩酸トラゾドン、塩酸ミアンセリン
[販売名] トリプタノール錠10、同錠25(萬有製薬)他
イミドール糖衣錠(10)、同糖衣錠(25)(田辺三菱製薬)、トフラニール錠10mg、同錠25mg(ノバルティスファーマ)
アナフラニール錠10mg、同錠25mg(アルフレッサファーマ)
プロチアデン錠25(科研製薬)
デジレル錠25、同錠50(ファイザー)、レスリン錠25、同錠50(日本オルガノン)他
テトラミド錠10mg、同錠30mg(日本オルガノン)
[効能・効果に関連する使用上の注意] 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。
[重要な基本的注意] うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。また、新たな自傷、気分変動、アカシジア/精神運動不穏等の情動不安定の発現、もしくはこれらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。
自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。
家族等に自殺念慮や自殺企図のリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。
[その他の注意] 海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、本剤を含む複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。
 
2 〈精神神経用剤〉
アモキサピン
[販売名] アモキサン細粒10%、同カプセル10mg、同カプセル25mg、同カプセル50mg(ワイス)
[効能・効果に関連する使用上の注意] 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。
[重要な基本的注意] うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。また、新たな自傷、気分変動、アカシジア/精神運動不穏等の情動不安定の発現、もしくはこれらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。
自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。
家族等に自殺念慮や自殺企図のリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。
[副作用
(重大な副作用)]
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症:皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
[その他の注意] 海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。
 
3 〈精神神経用剤〉
塩酸クロミプラミン(注射剤)
[販売名] アナフラニール注射液(アルフレッサファーマ)
[効能・効果に関連する使用上の注意] 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。
[重要な基本的注意] うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。また、新たな自傷、気分変動、アカシジア/精神運動不穏等の情動不安定の発現、もしくはこれらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。
[その他の注意] 海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、本剤を含む複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。
 
4 〈精神神経用剤〉
マレイン酸セチプチリン、マレイン酸トリミプラミン、塩酸ノルトリプチリン、塩酸マプロチリン、塩酸ロフェプラミン
[販売名] テシプール錠(持田製薬)他
スルモンチール散10%、同錠10mg、同錠25mg(塩野義製薬)
ノリトレン錠10mg、同錠25mg (大日本住友製薬)
ルジオミール錠10mg、同錠25mg、同錠50mg (ノバルティスファーマ)他
アンプリット錠10mg、同錠25mg(第一三共)
[効能・効果に関連する使用上の注意] 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。
[重要な基本的注意] うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。また、新たな自傷、気分変動、アカシジア/精神運動不穏等の情動不安定の発現、もしくはこれらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。
自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。
家族等に自殺念慮や自殺企図のリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。
[その他の注意] 海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。
 
5 〈精神神経用剤〉
塩酸セルトラリン
[販売名] ジェイゾロフト錠25mg、同錠50mg(ファイザー)
[効能・効果に関連する使用上の注意] 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。
[重要な基本的注意] うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。また、新たな自傷、気分変動、アカシジア/精神運動不穏等の情動不安定の発現、もしくはこれらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。
自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。
家族等に自殺念慮や自殺企図のリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。
[小児等への投与] 「海外で実施された18歳未満の大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、本剤を含む複数の抗うつ剤の短期(4~16週)プラセボ対照臨床試験の検討結果より、抗うつ剤を投与された患者で自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが高くなることが報告され、そのリスクは抗うつ剤群で約4%であり、プラセボ群で約2%であった。いずれの試験においても自殺既遂例はなかった。」を削除
[その他の注意] 海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、本剤を含む複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。
 
6 〈精神神経用剤〉
塩酸パロキセチン水和物
[販売名] パキシル錠10mg、同錠20mg(グラクソ・スミスクライン)
[効能・効果に関連する使用上の注意] 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。
[重要な基本的注意] うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。また、新たな自傷、気分変動、アカシジア/精神運動不穏等の情動不安定の発現、もしくはこれらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。なお、うつ病・うつ状態以外で本剤の適応となる精神疾患においても自殺企図のおそれがあり、さらにうつ病・うつ状態を伴う場合もあるので、このような患者にも注意深く観察しながら投与すること。
自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。
家族等に自殺念慮や自殺企図のリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。
[小児等への投与] 「海外で実施された18歳未満の大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、本剤を含む複数の抗うつ剤の短期(4~16週)プラセボ対照臨床試験の検討結果より、抗うつ剤を投与された患者で自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが高くなることが報告され、そのリスクは抗うつ剤群で約4%であり、プラセボ群で約2%であった。いずれの試験においても自殺既遂例はなかった。」を削除
[その他の注意] 海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、本剤を含む複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。
海外で実施された精神疾患を有する成人患者を対象とした、本剤のプラセボ対照臨床試験の検討結果より、大うつ病性障害の患者において、プラセボ群と比較して本剤投与群での自殺企図の発現頻度が統計学的に有意に高かった(本剤投与群3455例中11例(0.32%)、プラセボ群1978例中1例(0.05%))。なお、本剤投与群での報告の多くは18~30歳の患者であった。
 
7 〈精神神経用剤〉
マレイン酸フルボキサミン
[販売名] デプロメール錠25、同錠50(明治製菓)、ルボックス錠25、同錠50(ソルベイ製薬)
[効能・効果に関連する使用上の注意] 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。
[重要な基本的注意] うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。また、新たな自傷、気分変動、アカシジア/精神運動不穏等の情動不安定の発現、もしくはこれらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。
自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。
家族等に自殺念慮や自殺企図のリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。
[小児等への投与] 「海外で実施された18歳未満の大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、複数の抗うつ剤の短期(4~16週)プラセボ対照臨床試験の検討結果より、抗うつ剤を投与された患者で自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが高くなることが報告され、そのリスクは抗うつ剤群で約4%であり、プラセボ群で約2%であった。いずれの試験においても自殺既遂例はなかった。」を削除
[その他の注意] 海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、本剤を含む複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。
 
8 〈精神神経用剤〉
塩酸ミルナシプラン
[販売名] トレドミン錠15、同錠25(旭化成ファーマ)
[効能・効果に関連
する使用上の注意]
抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。
[重要な基本的注意] うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。また、新たな自傷、気分変動、アカシジア/精神運動不穏等の情動不安定の発現、もしくはこれらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。
自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。
家族等に自殺念慮や自殺企図のリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。
[小児等への投与] 「海外で実施された18歳未満の大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、他の複数の抗うつ剤における短期(4~16週)プラセボ対照臨床試験の検討結果より、抗うつ剤を投与された患者で自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが高くなることが報告され、そのリスクは抗うつ剤群で約4%であり、プラセボ群で約2%であった。いずれの試験においても自殺既遂例はなかった。」 を削除
[その他の注意] 海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。
 
9 〈その他のホルモン剤〉
ゲメプロスト
[販売名] プレグランディン膣坐剤(小野薬品工業)
[禁 忌]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
[副作用
(重大な副作用)]
ショックがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 
10 〈抗腫瘍性抗生物質製剤〉
塩酸イダルビシン
[販売名] イダマイシン注(ファイザー)
[重要な基本的注意] 本剤の投与により免疫機能が低下している患者に、生ワクチン又は弱毒生ワクチンを接種すると、ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、本剤投与中にこれらのワクチンを接種しないこと。
 
11 〈その他の診断用薬〉
ガドペンテト酸ジメグルミン
[販売名] マグネビスト、同シリンジ(バイエル薬品)
[原則禁忌]
重篤な腎障害のある患者〔腎性全身性線維症を起こすことがある。また、本剤の主たる排泄臓器は腎臓であり、腎機能低下患者では排泄遅延から急性腎不全等、症状が悪化するおそれがある。〕
[副作用
(重大な副作用)]
腎性全身性線維症(Nephrogenic Systemic Fibrosis、NSF):重篤な腎障害のある患者において、腎性全身性線維症があらわれることがあるので、投与後も観察を十分に行い、皮膚のそう痒、腫脹、硬化、関節の硬直、筋力低下等の異常の発生には十分留意すること。
 
12 〈体外診断用医薬品〉
アドバンテージ テストストリップS
[警  告]

警告

実際の血糖値より高値を示すことがあるので、以下の患者には使用しないこと。(その偽高値に基づきインスリン等の血糖降下剤を投与することにより、昏睡等の重篤な低血糖症状があらわれるおそれがある。)
  •  輸液等を投与中の患者(マルトースを含む輸液を投与中の患者で実際の血糖値より高い値を示すため)
  •  イコデキストリンを含む透析液を投与中の患者
  •  ガラクトース負荷試験を実施中の患者
  •  キシロース吸収試験を実施中の患者
  •  プラリドキシムヨウ化メチルを投与中の患者
本剤は、原則として患者自身が自宅等で血糖を測定する場合に使用すること。
[操作上の注意(妨害物質・妨害薬剤)] プラリドキシムヨウ化メチルにより、実際の血糖値より高値を示すことがある。
〈参   考〉 本剤は、自己検査用グルコースキット(グルコース脱水素酵素法のうち補酵素にピロロキノリンキノンを使用するものに限る。)のうち、企業が実施したプラリドキシムヨウ化メチル存在下における血糖測定の試験において、偽高値を示したものである。


 

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市販直後調査の対象品目一覧

(平成19年12月1日現在)
一般名 製造販売業者名 市販直後調査開始年月日
販売名
ペグビソマント(遺伝子組換え) ファイザー(株) 平成19年6月5日
ソマバート皮下注用10mg、同皮下注用15mg、同皮下注用20mg
サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル グラクソ・スミスクライン(株) 平成19年6月8日
アドエア100ディスカス、同250ディスカス、同500ディスカス
シクレソニド 帝人ファーマ(株) 平成19年6月8日
オルベスコ50μgインヘラー112吸入用、同100μgインヘラー112吸入用、同200μgインヘラー56吸入用
フォンダパリヌクスナトリウム グラクソ・スミスクライン(株) 平成19年6月8日
アリクストラ皮下注1.5mg、同皮下注2.5mg
イミダフェナシン 杏林製薬(株) 平成19年6月11日
ウリトス錠0.1mg
イミダフェナシン 小野薬品工業(株) 平成19年6月11日
ステーブラ錠0.1mg
エゼチミブ シェリング・プラウ(株) 平成19年6月11日
ゼチーア錠10mg
ベバシズマブ(遺伝子組換え) 中外製薬(株) 平成19年6月11日
アバスチン点滴静注用100mg/4mL、同点滴静注用400mg/16mL
セレコキシブ アステラス製薬(株) 平成19年6月12日
セレコックス錠100mg、同錠200mg
リセドロン酸ナトリウム水和物 味の素(株) 平成19年6月15日
アクトネル錠17.5mg
リセドロン酸ナトリウム水和物 武田薬品工業(株) 平成19年6月15日
ベネット錠17.5mg
リン酸二水素ナトリウム一水和物・無水リン酸水素二ナトリウム ゼリア新薬工業(株) 平成19年6月15日
ビジクリア錠
塩酸アミオダロン サノフィ・アベンティス(株) 平成19年6月22日
アンカロン注150
カルテオロール塩酸塩 大塚製薬(株) 平成19年7月3日
ミケランLA点眼液1%、同LA点眼液2%
ダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え) キリンファーマ(株) 平成19年7月9日
ネスプ静注用10μgシリンジ、同静注用15μgシリンジ、同静注用20μgシリンジ、同静注用30μgシリンジ、同静注用40μgシリンジ、同静注用60μgシリンジ、同静注用120μgシリンジ
リン酸フルダラビン バイエル薬品(株) 平成19年7月12日
フルダラ錠10mg
エストラジオール (株)資生堂 平成19年8月9日
ル・エストロジェル0.06%
タダラフィル 日本イーライリリー(株) 平成19年9月12日
シアリス錠5mg、同錠10mg、同錠20mg
トピラマート 協和発酵工業(株) 平成19年9月26日
トピナ錠50mg、同錠100mg
モンテルカストナトリウム 杏林製薬(株) 平成19年10月2日
キプレス細粒4mg
モンテルカストナトリウム 萬有製薬(株) 平成19年10月2日
シングレア細粒4mg
ロクロニウム臭化物 日本オルガノン(株) 平成19年10月2日
エスラックス静注25mg/2.5mL、同静注50mg/5.0mL
メシル酸ガレノキサシン水和物 富山化学工業(株) 平成19年10月5日
ジェニナック錠200mg
イデュルスルファーゼ(遺伝子組換え) ジェンザイム・ジャパン(株) 平成19年10月17日
エラプレース点滴静注液6mg
塩酸ピロカルピン キッセイ薬品工業(株) 平成19年10月19日
サラジェン錠5mg*1
ニコランジル 中外製薬(株) 平成19年10月19日
シグマート注2mg、同注12mg、同注48mg*2
硫酸クロピドグレル サノフィ・アベンティス(株) 平成19年10月19日
プラビックス錠25mg、同錠75mg*3
ロラタジン シェリング・プラウ(株) 平成19年10月19日
クラリチン錠10mg、同レディタブ錠10mg*4
トラボプロスト 日本アルコン(株) 平成19年10月25日
トラバタンズ点眼液0.004%
塩化ストロンチウム(89Sr) 日本メジフィジックス(株) 平成19年10月31日
メタストロン注
エプレレノン ファイザー(株) 平成19年11月13日
セララ錠25mg、同錠50mg、同錠100mg
エストラジオール (株)ポーラファルマ 平成19年11月20日
ディビゲル1mg
 
*1: 効能追加された「シェーグレン症候群患者の口腔乾燥症状の改善」
*2: 効能追加された「急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)」
*3: 効能追加された「経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞)」
*4: 用法追加された「小児」
 

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お知らせ

医薬品・医療機器等安全性情報は、医薬品医療機器情報提供ホームページ(https://www.pmda.go.jp/)又は厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)からも入手可能です。