目次
- 塩酸セフカペン ピボキシルと肝機能障害、血液障害について
- インターフェロン-α注射液と溶血性尿毒症症候群について
- コンタクトレンズの適正使用について
- アリストロキア酸を含有する生薬・漢方薬について
- 「医薬品情報提供システム」の改善について
- 使用上の注意の改訂について(その120)
この医薬品・医療用具等安全性情報は、厚生省において収集された副作用情報をもとに、医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために、医療関係者に対して情報提供されるものです。
平成12年(2000年)7月
厚生省医薬安全局
No. | 医薬品等 | 対策 | 情報の概要 |
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1 | 塩酸セフカペン ピボキシル | 使 症 | 塩酸セフカペン ピボキシルは1997年4月に承認され、各科領域感染症に対して使用されている経口用セフェム系抗生物質である。発売以降黄疸を含む重篤な肝機能障害が22例、血液障害として、無顆粒球症5例、血小板減少6例、溶血性貧血が2例報告されたため、「重大な副作用」の項に肝機能障害・黄疸、無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血を追記し、医療関係者への一層の注意喚起を行うこととした。 |
2 | インターフェロン-α | 使 症 | 天然型インターフェロン-α注射液は腎癌、多発性骨髄腫の治療薬として1987年に承認され、現在ではB型慢性活動性肝炎並びにC型慢性肝炎のウイルス血症の改善、慢性骨髄性白血病等に対しても用いられている。 本剤投与中に溶血性尿毒症症候群が疑われた5例が報告されたことより、「重大な副作用」の項に溶血性尿毒症症候群を追記し、注意喚起を行うこととした。本剤投与中は定期的に血液検査・腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、早期に異常所見を検出し対応することが重要である。 |
3 | コンタクトレンズ | 症 | コンタクトレンズ使用による障害事例については、近年、使い捨てレンズ等の普及により不適正な使用による障害の発生も懸念されている。平成11年度厚生科学研究医薬安全総合研究事業「医療用具の適正使用に関する研究」においてコンタクトレンズの不適正使用について報告が行われたので紹介する。 |
4 | アリストロキア酸 | アリストロキア酸はアリストロキア属の植物に含有される成分で、腎障害を引き起こすことが知られている。日本においては、現在、アリストロキア酸を含有する生薬及び漢方製剤は医薬品として承認許可を受けたものとしては製造・輸入されていないが、アリストロキア酸を含む漢方薬の個人使用によると疑われる腎障害が報告されている。日本薬局方に適合する生薬が使用されていれば問題は生じないが、生薬の呼称は国により異なる場合があり、取扱いについては注意を要する。 | |
5 | 医薬品情報提供システム | 厚生省では、医薬品の安全な使用を推進するため、医療用医薬品の添付文書情報及び医薬品の安全性に関する情報をインターネットを介して医師、歯科医師、薬剤師に提供する「医薬品情報提供システム」事業を平成11年5月から開始している。今般、副作用が疑われる症例報告に関する情報の掲載方法を改善したので紹介する。 | |
6 | 塩酸セフカペンピボキシル他(38件) | 使用上の注意の改訂について(その120) |
緊:緊急安全性情報の配布 使:使用上の注意の改訂 症:症例の紹介
塩酸セフカペン ピボキシルと肝機能障害、血液障害について
成分名 該当販売名 |
成分名 | 該当販売名 |
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塩酸セフカペン ピボキシル | フロモックス錠75mg、同錠100mg、 同小児用細粒100mg(塩野義製薬) |
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薬効分類等 | セフェム系抗生物質製剤 | |
効能効果 | (フロモックス錠75mg、100mgの場合) ブドウ球菌属、レンサ球菌属、ペプトストレプトコッカス属、淋菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、プロピオニバクテリウム属、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、バクテロイデス属のうち本剤感性菌による下記感染症 ○毛嚢炎(毛包炎)、せつ、せつ腫症、よう、伝染性膿痂疹、丹毒、蜂巣炎、リンパ管(節)炎、ひょう疽、化膿性爪囲(廓)炎、皮下膿瘍、汗腺炎、感染性粉瘤 ○乳腺炎、肛門周囲膿瘍、外傷・熱傷・手術創などの(表在性)二次感染 ○咽喉頭炎(咽喉頭の膿瘍)、急性気管支炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍)、慢性気管支炎、気管支拡張症(感染時)、慢性呼吸器疾患の二次感染、肺炎 ○腎盂腎炎、膀胱炎、淋菌性尿道炎 ○胆のう炎、胆管炎 ○子宮付属器炎、子宮内感染、子宮頸管炎、バルトリン腺炎 ○眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎、結膜炎、瞼板腺炎 ○外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎 ○歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎 (フロモックス小児用細粒100mgの場合) ブドウ球菌属、レンサ球菌属、ペプトストレプトコッカス属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、プロピオニバクテリウム属、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、バクテロイデス属のうち本剤感性菌による下記感染症 ○毛嚢炎(毛包炎)、せつ、せつ腫症、よう、伝染性膿痂疹、丹毒、蜂巣炎、リンパ管(節)炎、ひょう疽、化膿性爪囲(廓)炎、皮下膿瘍、汗腺炎、感染性粉瘤 ○咽喉頭炎(咽喉頭の膿瘍)、急性気管支炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍)、肺炎 ○腎盂腎炎、膀胱炎 ○猩紅熱 ○中耳炎、副鼻腔炎 |
(1)経緯
塩酸セフカペン ピボキシルは、1997年4月22日に承認された経口用のセフェム系抗生物質であり、各科領域感染症に対して使用されている。
本剤による肝機能検査値異常、血液検査値異常〔顆粒球減少、貧血(赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少)、血小板減少、好酸球増多〕については、開発時の臨床試験の成績に基づき、発売時より副作用として「使用上の注意」に記載している。また、開発時報告がなかった溶血性貧血については、「類薬による重大な副作用」として記載し、注意を喚起してきた。
発売以降、重篤な肝機能障害、無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血の症例が報告されたことから、今回、これらの副作用について一層の注意喚起を行うこととした。
(2)症例の紹介
発売以来、約3,400万人に使用されているが、重篤な肝機能障害(黄疸を含む)が22例、血液障害として、無顆粒球症5例、血小板減少6例、溶血性貧血が2例報告されている。肝機能障害、血液障害の発現した患者年齢は10歳未満より80歳代で、男女差はない。また、投与開始2日目より2週間までに副作用が発現している症例が多い。副作用による死亡例はなく、ほとんどの症例で投与中止後に軽快、回復が確認されている。
報告された重篤な肝機能障害(黄疸)、無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血の症例を表1に紹介する。
(3)安全対策
重篤な肝機能障害、血液障害が報告されていることから、「重大な副作用」として「肝機能障害、黄疸」「無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血」を追記し、一層の注意喚起を行うこととした。
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
〈塩酸セフカペン ピボキシル〉
副作用
重大な副作用
無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血(頻度不明):無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸(頻度不明):AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P等の上昇、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
表1 症例の概要
No. | 患者 | 投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
性、 年齢 |
使用理由〔合併症〕 | 経過及び処置 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1 | 女 70代 |
急性扁桃炎 | 300mg/日 8日間 |
無顆粒球症 投与開始日 咽頭痛及び発熱のため、近医受診。急性扁桃腺炎の診断を受け、本剤300mg/日、サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・メチレンジサリチル酸プロメタジン3g/日及びトラネキサム酸750mg/日が処方された。 2日目 発熱、咽頭痛が持続。 8日目 症状の改善が得られないため、当院耳鼻咽喉科を受診、急性扁桃炎と診断された。血液検査施行。上記薬剤投与中止。デキサメタゾン2mg及びパニペネム・ベタミプロン0.5g点滴投与。 投与中止翌日 症状はかなり改善したが、白血球数900(好中球0%、リンパ球82%)のため、内科紹介。無顆粒球症、敗血症疑いのため、緊急入院し、フィルグラスチム75μg/日9日間投与。 10日後 無顆粒球症回復。 |
企業報告 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
併用薬:サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・メチレンジサリチル酸プロメタジン、トラネキサム酸 |
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2 | 男 80代 |
肺炎 〔気管支喘息、胃潰瘍〕 |
300mg/日 7日間 |
血小板減少 約2年前より気管支喘息のためテオフィリン200mg/日、塩酸クレンブテロール20μg/日及びプレドニゾロン5mg/日、胃潰瘍の維持療法のためファモチジン20mg/日、約1年前より肩関節痛のためロキソプロフェンナトリウム120mg/日、28日前より便秘のためセンナ・センナ実1g/日、12日前より脳梗塞後遺症のためペントキシフィリン300mg/日を投与。 投与19日前 肺炎発症。 投与9日前 イミペネム・シラスタチンナトリウム1g/日投与開始。8日間投与。 投与4日前 間質性肺炎及び気管支喘息のためプレドニゾロン25~30mg/日に増量。 投与開始日 本剤300mg/日投与開始。 7日目 両上肢に紫斑、点状出血出現。血小板数0.2万で重篤な出血の危険があり、濃厚血小板20単位輸血。 プレドニゾロン及びセンナ・センナ実以外は投与中止。 貧血、白血球数に著減なし。ICUで監視。 投与中止翌日 血小板数0.2万。輸血血小板は壊されている。結膜下出血出現。紫斑増強。 ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン5.0g/日×5日間、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム1000mg/日×3日間投与開始。血小板輸血19単位。 4日後 血小板数0.8万。コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム500mg/日投与。 5日後 血小板数1.4万。コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム250mg/日投与。プレドニゾロン40mg/日投与開始。 9日後 血小板輸血20単位。 11日後 血小板数2.1万。プレドニゾロン35mg/日に変更。 15日後 血小板数1.3万。 17日後 血小板数3.0万。これまで重篤な合併症なし。 24日後 血小板数8.0万。 |
企業報告 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
併用薬:ロキソプロフェンナトリウム、テオフィリン、塩酸クレンブテロール、プレドニゾロン、ファモチジン、センナ・センナ実、ペントキシフィリン、イミペネム・シラスタチンナトリウム |
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3 | 男 70代 |
上気道炎 〔高血圧、高脂血症、前立腺肥大〕 |
300mg/日 3日間 |
溶血性貧血 他院にて、カプトプリル25mg/日、ニトレンジピン10mg/日、フマル酸第一鉄305mg/日、ジアスターゼ3カプセル/日、グリチルリチン・DL-メチオニン配合剤6錠/日、塩酸タムスロシン0.2mg/日、ドンペリドン30mg/日、ベザフィブラート400mg/日投与開始。 投与開始日 咳嗽等上気道炎症状あり。 近医にて本剤300mg/日、サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・メチレンジサリチル酸プロメタジン4g/日処方。 3日目 朝、妻に顔面が黄色いことを指摘される。 食欲不振、鼻水、喘鳴があるため、当院受診。 総ビリルビン6.79、直接ビリルビン2.16と間接優位の高ビリルビン血症あり。 赤血球数229万、ヘモグロビン9.7と貧血あるが、LDH以外の肝機能はあまり悪くない。 溶血性貧血による高ビリルビン血症を疑い、すべての薬剤投与を中止し、入院精査。 維持液投与。 投与中止4日後 高ビリルビン血症軽快。 18日後 溶血性貧血不変。 50日後 赤血球寒冷凝集反応1250倍以上、ハプトグロビン低下、補体低下。 赤血球数300万、ヘモグロビン10.8。 クームス試験陽性。 |
企業報告 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
併用薬:サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・メチレンジサリチル酸プロメタジン、カプトプリル、ニトレンジピン、フマル酸第一鉄、ジアスターゼ、グリチルリチン・DL-メチオニン配合剤、塩酸タムスロシン、ドンペリドン、ベザフィブラート |
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4 | 男 40代 |
上気道炎 〔糖尿病、アルコール性肝障害〕 |
300mg/日 4日間 |
肝機能障害・黄疸 投与3日前 咽頭痛とともに、38~39℃台の発熱出現。 投与開始日 発熱持続。 上気道炎のため、夕方より本剤投与開始。 投与後約1時間後、全身に蕁麻疹出現したが、そのまま就寝。 2日目 蕁麻疹は持続していたが、受診せず。 3日目 蕁麻疹持続。 38℃台の発熱も軽減しないため、受診。 インドメタシン坐薬25mg/日、エトドラク400mg/日、イソプロピルアンチピリン・アリルイソプロピルアセチル尿素・フェナセチン・無水カフェイン3g/日投与開始(2日間)。 4日目 朝、妻から眼球の黄染を指摘されたが、放置。薬剤性肝炎発症。 5日目 朝、解熱していたため、すべての薬剤を自己判断で中止。 同日より蕁麻疹も軽快傾向。 投与中止翌日 発熱及び蕁麻疹は消失。 しかし、眼球黄染が自分で明らかに分かるほど増悪していたため受診。 生化学検査施行、トランスアミナーゼの強い上昇を認めたため、緊急入院。 17日後 薬剤性肝炎回復。退院。 |
企業報告 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
併用薬:インドメタシン、エトドラク、イソプロピルアンチピリン・アリルイソプロピルアセチル尿素・フェナセチン・無水カフェイン |
インターフェロン-α注射液と溶血性尿毒症症候群について
成分名 該当販売名 |
成分名 | 該当販売名 |
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インターフェロン-α注射液 (NAMALWA) |
スミフェロン300、同600、同DS300、同DS600(住友製薬) | |
薬効分類等 | その他の生物学的製剤 | |
効能効果 |
・腎癌、多発性骨髄腫、ヘアリー細胞白血病、慢性骨髄性白血病 ・HBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝炎のウイルス血症の改善 ・C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善(血中HCV RNA量が高い場合を除く) ・亜急性硬化性全脳炎におけるイノシン プラノベクスとの併用による臨床症状の進展抑制(スミフェロン300のみ) ・HTLV-I脊髄症(HAM)(スミフェロン300、DS300のみ) |
(1)経緯
天然型インターフェロン-α注射液は、腎癌、多発性骨髄腫の治療薬として1987年1月12日に承認され、現在は効能追加により肝炎のウイルス血症の改善、慢性骨髄性白血病等に対しても用いられている。インターフェロン-α製剤投与による溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症したとする症例については、1993年以降、外国又は国内の文献・学会で報告されている。
(2)症例の紹介
これまでに国内で本剤投与中に溶血性尿毒症症候群が疑われた5例が報告されている。報告された症例の一部を表2に紹介する。
(3)安全対策
HUSは、糸球体内皮細胞の異常等何らかの原因により、腎小動脈ないし糸球体毛細血管局所に血小板凝集、血栓形成、フィブリン沈着を惹起し、赤血球破壊、貧血、低フィブリノーゲン血症、血小板減少を起こすものと想定される。HUS発現におけるインターフェロン-αの役割については不明であるが、免疫系等何らかの関与により、血管内皮細胞を障害し、HUSを発現することが考えられる。
本剤投与例でこれまでに報告された5例中4例は、慢性骨髄性白血病に対し8ヵ月以上投与された後の発現であった。文献報告でも同様の傾向がみられており、原疾患、併用薬剤の関与も否定できないと指摘する報告医もある。
本剤と溶血性尿毒症症候群との因果関係は明らかではないが、本剤での報告例の中には、血清クレアチニン等が徐々に上昇した後、急激に血清クレアチニンが上昇し、HUSに至った例があるため、本剤投与中は定期的に血液検査、腎機能検査を実施し、早期に異常所見を検出し対応することが重要と考えられる。今般、天然型インターフェロン-α注射液において、「溶血性尿毒症症候群」を「重大な副作用」の項に追記し、関連する臨床検査値の異常がみられた場合、投与を中止すること等の注意喚起を行うこととした。
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
〈天然型インターフェロン-α注射液〉
副作用
重大な副作用
溶血性尿毒症症候群
血小板減少、溶血性貧血、腎不全を主徴とする溶血性尿毒症症候群があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血小板数、赤血球数等)及び腎機能検査(クレアチニン等)を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈注射用乾燥インターフェロン-α〉
〈注射用乾燥インターフェロン-α-2a〉
〈注射用乾燥インターフェロン-α-2b〉
副作用
重大な副作用
溶血性尿毒症症候群
類薬(他のインターフェロン-α製剤)で血小板減少、溶血性貧血、腎不全を主徴とする溶血性尿毒症症候群があらわれることがあるとの報告がある。
表2 症例の概要
No. | 患者 | 1日投与量・投与期間 | 副作用 | 備考 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
性、 年齢 |
使用理由(合併症) | 経過及び処置 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1 | 女 60代 |
慢性骨髄性白血病 | 300万単位 4年10ヵ月間 |
溶血性尿毒症症候群 開始3ヵ月前 慢性骨髄性白血病に対し、メトトレキサートと酢酸プレドニゾロンで白血球をコントロールした後、外来にてヒドロキシカルバミド投与を開始した。 投与開始 本剤300万単位週3回投与を開始した。 投与1年5ヵ月 酢酸プレドニゾロン投与を開始した。 投与4年8ヵ月 0.8~1.0であったクレアチニンが1.17と悪化した。 投与4年9ヵ月 貧血の進行も認められた。 投与4年10ヵ月 クレアチニン:4.54、BUN:30、RBC:189万、Hb:6.7と腎機能悪化、貧血のため入院した。3日後、本剤投与を中止。 中止5日後 転院し、透析及び血漿交換を施行した。 中止4ヵ月後 溶血はなくなっているが、腎機能は回復せず、透析を受けている。 |
企業報告 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
併用薬:ヒドロキシカルバミド、シメチジン、塩酸セトラキサート、酢酸プレドニゾロン、ファモチジン |
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2 | 女 60代 |
慢性骨髄性白血病 〔高血圧症〕 |
600万単位 370日間 |
溶血性尿毒症症候群 開始31日前 慢性骨髄性白血病と診断された。 投与開始 本剤300万単位連日投与を開始した。(外来) 投与10日後 本剤投与量を600万単位連日に増量した。 投与93日後 不眠、全身倦怠感、味覚異常が発現した。本剤を600万単位週6回に減量した。 投与209日後 頻尿、排尿痛もあり、尿蛋白陽性(2+)。 投与226日後 本剤を600万単位週5回に減量した。 投与254日後 クレアチニン:1.0、BUN:24と軽度上昇した。 投与303日後 クレアチニン:1.3、BUN:29。 投与324日後 クレアチニン:1.5、BUN:32。 投与343日後 尿蛋白陽性は未回復である。 投与352日後 クレアチニン:1.6、BUN:36。 微熱あり、NSAID処方。マレイン酸エナラプリルを中止した。 投与364日後 クレアチニン:1.9、BUN:33。 食欲低下、頻尿、尿量減少持続。 投与370日後 クレアチニン、BUNの上昇が認められた。その後、急速に病状が進み、腎不全状態となり、透析を行った。 中止1日後 クレアチニン:3.0、BUN:49となり、本剤投与を中止した。内科に入院した。この時点で、不眠、全身倦怠感、味覚異常は未回復である。 入院から無尿は1ヵ月以上持続した。週3回の透析を継続している。 クレアチニンは、6~8の間を推移している。 《腎生検》 細小動脈及び糸球体毛細血管の内皮細胞:すべて膨化し、はがれ落ち、内腔は閉塞。 |
企業報告 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
併用薬:ヒドロキシカルバミド、マレイン酸エナラプリル |
コンタクトレンズの適正使用について
(1)経緯
コンタクトレンズ使用による障害事例については、近年、使い捨てレンズ等の普及により不適正な使用による障害の発生も懸念されている。
今般、平成11年度厚生科学研究費医薬安全総合研究事業「医療用具の適正使用に関する研究」においてコンタクトレンズの不適正使用について報告が行われたので紹介する。
(2)コンタクトレンズ不適正使用の状況
研究対象とした医療機関における1年間の眼科救急外来受診者2257名のうちコンタクトレンズ障害の患者は208名であった。レンズの種類では、ソフトコンタクトレンズが最も多く、ハードコンタクトレンズ及び使い捨てソフトコンタクトレンズがほぼ同数であった。わが国における販売数を考慮するとハードコンタクトレンズは相対的に救急外来受診率が低く、使い捨てコンタクトレンズは受診率が高かった。不適正使用が主原因と考えられる症例について調べたところ、原因としてはコンタクトレンズを装用したままの睡眠、過剰装用が多くみられた。レンズを装用したままの睡眠は角膜への酸素供給不足の要因となり、角膜上皮細胞の代謝不全を生じ、角膜上皮びらんなどの眼傷害を起こす。このほか、レンズの装用脱着不能、装用脱着時のトラブル及びレンズ装用に関する指導不足により適切な使用、装用がなされなかったと考えられるケースもみられた。
また、消毒、洗浄法が不適切と考えられたケースもあった。水道水のみの洗浄であったり、保存液の調製に水道水や飲用ミネラルウォーターを使用していたが、アカントアメーバ角膜潰瘍症例の多くが水道水を何らかの段階で使用していたものであり、レンズケアにはレンズケア用精製水の使用が推奨される。
使い捨てレンズのトラブルでは、いったん眼からはずした1日用使い捨てソフトレンズを再装用することによるトラブルも報告されている。
(3)安全対策
コンタクトレンズの適正使用に関する情報については、すでに添付文書等に記載され注意喚起が行われている。しかしながら、装着者自身の取扱いに問題がある場合も少なくなく、以下の点について、装着者への適正使用情報の徹底を図ることが必要である。
(1)定期的検査の重要性の啓発
眼痛時、連続的な異物感を感じるときなどにはレンズ装用を中止して専門医を受診することは言うまでもなく、自覚症状がない場合であっても障害を生じる場合もあり、定期的に検査を行う必要がある。また、使い捨てコンタクトレンズのデザインは限られており、必ずしもすべての患者にフィットするとは言い切れないケースがあるため定期的に検査を行う必要がある。
(2)ソフトコンタクトレンズ装着前の滅菌処理の徹底
ソフトコンタクトレンズの消毒を行わず、保存液中で長期保存した場合には、レンズ保存液よりpseudomonasを検出した例もあり、適切な処理を行う必要がある。
(3)レンズケア用の精製水使用の推奨
アカントアメーバ角膜潰瘍症例の多くが何らかの段階で水道水を使用していたことから、コンタクトレンズの洗浄や保存液の作製には水道水ではなく、レンズケア用精製水を使用することが必要である。
(4)ハードコンタクトレンズの洗浄の徹底
ハードコンタクトレンズは消毒過程はないが、除蛋白質操作を含む適切な洗浄が必要であるので指示に従った洗浄を適切に行う必要がある。
(5)1日用使い捨てソフトコンタクトレンズの適正使用
1日用使い捨てレンズを装用したままの睡眠は角膜への酸素供給不足の要因となり、角膜上皮細胞の代謝不全を生じ、角膜上皮びらんなどの眼障害を起こすおそれがあるので、定められた装用時間内の装用とし、就寝前には必ずはずす必要がある。
表3 症例の概要
No. | 患者 | 症状 | コンタクトレンズの種類 | 不適正使用の概要 |
1 | 不明 | アカントアメーバ角膜潰瘍 | 1日用使い捨てソフトコンタクトレンズ | 1日使い捨てソフトコンタクトレンズの繰り返し使用。 水道水を用いて保存液を作成し、夜間はその中に保存し、数日間使用した。その結果、アカントアメーバ角膜潰瘍を発症。約2ヵ月間、入院加療を必要とし、現在通院加療中である。今後、経過をみて、視力回復のために角膜移植が必要。 |
2 | 20代 | 眼痛、角膜びらん | 2週間用使い捨てソフトコンタクトレンズ | 装用のままの睡眠。 |
3 | 不明 | 右角膜上皮から実質浅層の混濁と細胞浸潤 | 1日用使い捨てソフトコンタクトレンズ | 原因不明の3日前からの眼痛を無視して、使い捨てレンズを交換しつつ装用を継続していた。 |
4 | 20代女性 | 眼痛、霧視、結膜充血、角膜中央の浮腫 | ソフトコンタクトレンズ | こすり洗いも行わず、水道水のみで洗浄。消毒を行わなかった。 |
5 | 50代女性 | 角膜膿瘍、前房蓄膿 | ソフトコンタクトレンズ | 異物感がある状態での装用。 水道水による消毒を行っていた。2年前に購入したソフトコンタクトレンズを使い始め、異物感を感じながらも1ヵ月程度装用を続ける。その後、視力低下、異物感の増悪により受診。角膜ヘルペスの疑いで治療を受けるも視力の低下が増強。更に1ヵ月後、アカントアメーバ検出。抗真菌療法。2ヵ月後、手動弁毛様充血、角膜混濁が強く、角膜中央には半月状の潰瘍と角膜のひ薄化、前房蓄膿が存在。アカントアメーバに細菌感染の合併の疑い。 |
6 | 10代女性 | 眼痛、充血 | 1日用使い捨てソフトコンタクトレンズ | 使用していたレンズがフィッティング不良のため、他の製品に変更。 点状表層角膜炎様の点状の混濁がある。左眼は上方からの血管侵入。点状表層角膜炎改善傾向がみられソフトコンタクトレンズ装用時間の延長を図るが、4時間で眼痛出現し受診。左眼に点状表層角膜炎。別の会社の1日用使い捨てソフトコンタクトレンズに変更。結膜充血等は消失。 |
アリストロキア酸を含有する生薬・漢方薬について
- 概要
アリストロキア酸はアリストロキア属の植物に含有される成分で、腎障害を引き起こすことが知られている。
日本においては、現在、アリストロキア酸を含有する生薬・漢方薬は医薬品として承認許可を受けたものとしては製造・輸入されていないが、アリストロキア酸を含む漢方薬の個人使用によるものと疑われる腎障害が報告されている1)、2)、3)。生薬の呼称は国により異なる場合があり、生薬の取扱いについては注意を要する。
- 注意を要する生薬
サイシン(細辛)
日本薬局方サイシンはウスバサイシン Asiasarum sieboldii F. Maekawa又はケイリンサイシン Asiasarum heterotoropoides F. Maekawa var. mandshuricum F. Maekawa(Aristolochiaceae)の根及び根茎と規定されている。根及び根茎にはアリストロキア酸は含まれていないが、地上部にはアリストロキア酸が含まれる。
モクツウ(木通)
日本薬局方モクツウはアケビ Akebia quinata Decaisne又はミツバアケビ Akebia trifoliata Koidzumi(Lardizabalaceae)のつる性の茎とされている。中国等では、アリストロキア酸を含有する関木通(キダチウマノスズクサ Aristolochia manshuriensis Kom.)が「木通」として用いられることがある。
ボウイ(防已)
日本薬局方ボウイはオオツヅラフジSinomenium acutum Rehder et Wilson(Menispermaceae)のつる性の茎及び根茎とされている。中国等ではアリストロキア酸を含有する広防已(Aristolochia fangchi Wu(ウマノスズクサ科))が「防已」として用いられることがある。
モッコウ(木香)
日本薬局方モッコウはSaussurea lappa Clarke(Compositae)の根であるが、中国等ではアリストロキア酸を含有する青木香(マルバウマノスズクサ Aristolochia contorta Bge、ウマノスズクサ Aristolochia debilis Sieb. et Zucc)及び南木香(雲南馬兜鈴 Aristolochia yunnanensis Franch)が「木香」として用いられることがある。
- まとめ
いずれも、日本薬局方に適合する生薬が使用されていれば問題はないが、生薬の呼称は国により異なる場合があり、諸外国においては日本薬局方に適合しないアリストロキア酸を含有する植物を含む製品が流通していることから、生薬・漢方薬の使用にあたっては、アリストロキア酸を含む植物の混入がないよう、原料植物の確認等に留意する必要がある4)、5)。
〈参考文献〉
1)斎藤健太郎他:第466回日本内科学会関東地方会、Sup. 17、1998
2)高橋京子他:日本薬学会第199年会 Vol. 4 Sup. 161、1999
3)西間木江美他:第482回日本内科学会関東地方会 Sup. 32、2000
4)http://www.fda.gov/medwatch/safety/2000/safety00.htm
5)http://www.open.gov.uk/mca/mcahome.htm
「医薬品情報提供システム」の改善について
厚生省では、医薬品の安全な使用を推進するため、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(医薬品機構)を情報の発信基地として、医療用医薬品の添付文書情報及び医薬品の安全性に関する情報をインターネットを介して医師、歯科医師、薬剤師に提供する「医薬品情報提供システム」事業を平成11年5月から開始しています(医薬品等安全性情報154号で紹介)。
本システムが稼働してから1年が経過し、各種情報の掲載数が充実してきましたが、掲載方法を変更し、副作用が疑われる症例報告に関する情報をより利用しやすいように改善しましたので、ここにご紹介します。
なお、本システムのホームページアドレスは「http://www.pharmasys.gr.jp/」です。
- 各種情報の掲載状況について
平成12年6月30日現在の本システムにおける各種情報の掲載状況は、次のとおりです。医療用医薬品の添付文書情報を始めとして、各種情報の掲載数が充実してきており、また検索に要する時間も開始時点より速くなっておりますので、ぜひご活用ください。
(1)医療用医薬品の添付文書情報:9,044件
(2)厚生省から出された安全性情報
ア.使用上の注意の改訂指示:37件(平成10年5月分より)
イ.医薬品等安全性情報(現 医薬品・医療用具等安全性情報):17号分(平成9年9月分より)
(3)製薬企業から出された安全性情報(緊急安全性情報):11件(平成9~平成11年度分)
副作用が疑われる症例報告に関する情報:3,859症例(医療機関報告、平成10年4月より/企業報告、平成11年7月より)
(4)新薬の承認に関する情報:38成分81品目(平成11年11月より)
医薬品等の回収に関する情報:医薬品21件、化粧品2件、医療用具42件(平成12年4月より)
- 副作用が疑われる症例報告に関する情報の掲載方法の改善について
「副作用が疑われる症例報告に関する情報」については、医薬品等安全性情報報告制度及び薬事法に基づく製薬企業からの報告制度により報告のあった症例について、データの整備等が行われたものを掲載してきました。
本システムの稼働以降、これらの情報を医療現場においてより利用しやすくするため、掲載方法について検討を行ってきましたが、今般、報告のあった症例を次のような3つの掲載方法により、情報提供することとしました。
(1)未知症例(図1)
副作用が疑われるとして報告された重篤な症例のうちいまだ十分な情報がなく、使用上の注意への記載に至っていないため、今後注目して同様の症例報告をお願いしたい症例に関する情報(報告年度、患者の性、年齢(年代)、原疾患等、被疑薬、投与経路、疑われる副作用、転帰、併用被疑薬)を提供します。同様の重篤な症例を経験した医師、歯科医師、薬剤師の方々に厚生省又は製薬企業への積極的な報告をお願いします。
(2)既知症例(図2)
副作用が疑われるとして報告された症例のうち使用上の注意の改訂の際、参考とした症例に関する情報(報告年度、患者の性、年齢(年代)、原疾患等、被疑薬、投与経路、疑われる副作用、転帰、併用被疑薬)を提供するとともに、症例の経過等がわかる詳細情報も併せて提供します。
(3)報告副作用一覧(図3)
上記の未知症例及び既知症例に掲載されている症例を含む全報告症例について、医薬品ごとに副作用名別の件数を年度ごとに掲載します。なお、投与経路が複数ある場合は、投与経路ごとの数を掲載します。
図1
【未知症例】以下と同様の症例の報告をお願いします。
報告年度 | 性 | 年齢 | 原疾患等 | 被疑薬/経路 | 副作用 | 転帰 | 併用被疑薬 |
1998 | 女 | 60代 |
|
医薬品名 ○○○/内 | 不穏 | 回 |
注)上記は、医薬品情報提供システムのホームページをイメージとして示したものであり、実際とは異なる点があります。
図2
【既知症例】使用上の注意の改訂の際、参考とした症例
報告年度 | 性 | 年齢 | 原疾患等 | 被疑薬/経路 | 副作用 | 転帰 | 併用 被疑薬 |
詳細 情報 |
1996 | 女 | 60代 |
|
医薬品名 ○○○/内 | 出血性大腸炎 | 回 | * |
注)上記は、医薬品情報提供システムのホームページをイメージとして示したものであり、実際とは異なる点があります。
図3
報告副作用一覧
“医薬品名 ○○○”内用薬 【平成11年度】
器官別大分類 | 副作用 | 件数 |
血液およびリンパ系障害 | 白血球減少《症》 | 1 |
血小板減少《症》 | 1 | |
赤血球減少 | 1 | |
好中球減少 | 1 | |
溶血性貧血 | 1 | |
心臓障害 | 心筋症 | 1 |
注)上記は、医薬品情報提供システムのホームページをイメージとして示したものであり、実際とは異なる点があります。
使用上の注意の改訂について(その120)
医薬品・医療用具等安全性情報No.160掲載分以降に改訂を指導した使用上の注意について、改訂内容、主な該当販売名、参考文献等をお知らせいたします。
1 〈セフェム系抗生物質〉 塩酸セフカペン ピボキシル |
|
[販 売 名] | フロモックス錠75mg(塩野義)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血:無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 肝機能障害、黄疸:AST (GOT)、ALT (GPT)、Al-P等の上昇、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 (溶血性貧血:他のセフェム系抗生物質で溶血性貧血があらわれることが報告されている。を削除) |
〈参 考〉 | 企業報告 |
2 〈インターフェロン製剤〉 インターフェロン-α注射液 |
|
[販 売 名] | スミフェロン300(住友製薬)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
溶血性尿毒症症候群:血小板減少、溶血性貧血、腎不全を主徴とする溶血性尿毒症症候群があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血小板数、赤血球数等)及び腎機能検査(クレアチニン等)を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
3 〈抗パーキンソン剤〉 塩酸セレギリン |
|
[販 売 名] | エフピー錠2.5(藤本) |
[相互作用 (併用注意)] |
交感神経興奮剤(塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン)[血圧上昇、頻脈等の発現が報告されている。] |
〈参 考〉 | Lefebvre, H., et al.:Clinical Endocrinology, 42:95(1995) |
4 〈精神安定剤〉 チオリダジン、塩酸チオリダジン |
||
[販 売 名] | メレリル散(チバガイギー) メレリル10(武州)他 |
|
[禁 忌] |
|
|
[慎重投与] | QT延長の既往歴のある患者及び、低カリウム血症、低マグネシウム血症のある患者[QT延長が起こるおそれがある。] 眼圧亢進、緑内障、尿閉(前立腺肥大症等)及び慢性便秘、又はその既往歴のある患者[本剤は抗コリン作用を有しており、症状を悪化させるおそれがある。] 循環調節障害(起立性低血圧等)の患者[起立性低血圧の報告があり、症状を悪化させるおそれがある。] |
|
[重要な基本的注意] | 起立性低血圧による失神があらわれることがあるので、本剤投与中は血圧を測定するなど十分観察を行うこと。 | |
[副作用 (重大な副作用)] |
不整脈:心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、心室細動等があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 無顆粒球症:無顆粒球症があらわれることがあるので、異常(初期症状として発熱、咽頭痛、全身倦怠等)があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
|
〈参 考〉 | 企業報告 |
5 〈骨格筋弛緩剤〉 塩化スキサメトニウム |
|
[販 売 名] | レラキシン200mg(杏林)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
悪性高熱症:原因不明の頻脈・不整脈・血圧変動、急激な体温上昇、筋硬直、血液の暗赤色化(チアノーゼ)、過呼吸、ソーダライムの異常過熱・急激な変色、発汗、アシドーシス、高カリウム血症、ミオグロビン尿(ポートワイン色尿)などを伴う重篤な悪性高熱がまれにあらわれることがある。また、これらの症状の悪化により、横紋筋融解症があらわれることがある。本剤を使用中、悪性高熱に伴うこれらの症状を認めた場合は、直ちに中止し、ダントロレンナトリウムの静注、全身冷却、純酸素での過換気、酸塩基平衡の是正等適切な処置を行うこと。 横紋筋融解症:横紋筋融解症があらわれることがあるので、体温の上昇がない場合においても、高カリウム血症、ミオグロビン尿、血清逸脱酵素の著明な上昇、筋肉痛等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
6 〈強心・喘息治療剤〉 アミノフィリン(注射剤) |
|
[販 売 名] | ネオフィリン注(エーザイ)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
ショック、アナフィラキシーショック:ショック、アナフィラキシーショック(蕁麻疹、蒼白、発汗、血圧低下、呼吸困難等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 横紋筋融解症:横紋筋融解症があらわれることがあるので、脱力感、筋肉痛、CK(CPK)上昇等に注意し、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うとともに横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。 肝機能障害:肝機能障害(AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
7 〈強心・喘息治療剤、キサンチン系気管支拡張剤〉 アミノフィリン(経口剤、坐剤) |
|
[販 売 名] | ネオフィリン錠(サンノーバ)他、アルビナ坐剤50(エスエス)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
横紋筋融解症:横紋筋融解症があらわれることがあるので、脱力感、筋肉痛、CK(CPK)上昇等に注意し、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うとともに横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。 ショック、アナフィラキシーショック:ショック、アナフィラキシーショック(蕁麻疹、蒼白、発汗、血圧低下、呼吸困難等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 肝機能障害:肝機能障害(AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 (ショック:アミノフィリン注射液でショックがあらわれることが報告されている。を削除) |
〈参 考〉 | 企業報告 |
8 〈強心・喘息治療剤、キサンチン系気管支拡張剤〉 コリンテオフィリン、テオフィリン |
|
[販 売 名] | テオコリン錠(サンノーバ)他 テオドール錠50(三菱東京)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
横紋筋融解症:横紋筋融解症があらわれることがあるので、脱力感、筋肉痛、CK(CPK)上昇等に注意し、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うとともに横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。 アナフィラキシーショック:アナフィラキシーショック(蕁麻疹、蒼白、発汗、血圧低下、呼吸困難等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 肝機能障害:肝機能障害(AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 |
[副作用 (重大な副作用(類薬))] |
(ショック:類薬(アミノフィリン注射液)でショックがあらわれることが報告されている。を削除) |
〈参 考〉 | 企業報告 |
9 〈血管拡張性β1遮断薬〉 塩酸ベバントロール |
|
[販 売 名] | カルバン錠25(ケミファ)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
心不全:心不全を起こすことがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
10 〈アンジオテンシン変換酵素阻害剤〉 リシノプリル |
|
[販 売 名] | ロンゲス錠5mg(塩野義)、ゼストリル錠5(アストラゼネカ)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、天疱瘡様症状:皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、天疱瘡様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 血小板減少:血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
11 〈Ca拮抗剤〉 ニフェジピン(1日1回投与製剤を除く) |
|
[販 売 名] | アダラート(バイエル)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
ショック:ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 意識障害:血圧低下に伴う一過性の意識障害があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
12 〈Ca拮抗剤〉 ニフェジピン(1日1回投与製剤) |
|
[販 売 名] | アダラートCR錠10mg(バイエル)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 意識障害:他のニフェジピン製剤で、血圧低下に伴う一過性の意識障害があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
13 〈去たん剤〉 塩酸ブロムヘキシン |
||
[販 売 名] | ビソルボン錠(日本ベーリンガー)他 | |
[禁 忌] |
|
|
[副作用 (重大な副作用)] |
アナフィラキシー様症状:アナフィラキシー様症状(発疹、血管浮腫、気管支痙攣、呼吸困難等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
14 〈喘息治療剤〉 プロピオン酸ベクロメタゾン(口腔用エアゾール剤) |
|
[販 売 名] | アルデシン(シェリング・プラウ)他 |
[重要な基本的注意] | 本剤を含む吸入ステロイド剤投与後に、潜在していた基礎疾患であるChurg-Strauss症候群にみられる好酸球増多症がまれにあらわれることがある。この症状は通常、全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って発現しており、本剤との直接的な因果関係は確立されていない。本剤の投与期間中は、好酸球数の推移や、他のChurg-Strauss症候群症状(しびれ、発熱、関節痛、肺の浸潤等の血管炎症状等)に注意すること。 |
〈参 考〉 | 企業報告 Martin, R.M.:Pharmacoepidemiology and Drug Safety, 8:179(1999) Priori, R.:The Lancet, 352:1599(1998) |
15 〈5-HT3受容体拮抗型制吐剤〉 塩酸ラモセトロン |
|
[販 売 名] | ナゼアOD錠0.1mg(山之内)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状(気分不良、胸内苦悶感、呼吸困難、喘鳴、顔面潮紅、発赤、そう痒感、チアノーゼ、血圧低下等)を起こすことがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
[副作用 (重大な副作用(類薬))] |
(ショック、アナフィラキシーショック、アナフィラキシー様症状:他の5-HT3受容体拮抗型制吐剤で、ショック、アナフィラキシーショック、アナフィラキシー様症状(気分不良、胸内苦悶感、呼吸困難、喘鳴、顔面潮紅、発赤、そう痒感、チアノーゼ、血圧低下等)を起こすことがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。を削除) |
16 〈潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤〉 メサラジン |
|
[販 売 名] | ペンタサ錠250(日清キョーリン) |
[重要な基本的注意] | メサラジンにより過敏症状(発熱、腹痛、下痢、好酸球増多等)が発現することがあり、また、潰瘍性大腸炎・クローン病が悪化することがあるため、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 |
[副作用 (重大な副作用)] |
心筋炎、心膜炎、胸膜炎:心筋炎、心膜炎、胸膜炎があらわれることがあるので、胸水、胸部痛、心電図異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 間質性腎炎、ネフローゼ症候群、腎機能低下、急性腎不全:間質性腎炎、ネフローゼ症候群、腎機能低下、急性腎不全があらわれることがあるので、投与期間中は腎機能検査値に注意するなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 無顆粒球症、血小板減少症:無顆粒球症、血小板減少症があらわれることがあるので、投与期間中は血液検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 肝炎、黄疸:肝炎、黄疸があらわれることがあるので、投与期間中は肝機能検査値に注意するなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 膵炎:膵炎があらわれることがあるので、投与期間中は血清アミラーゼの検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
17 〈持続性ソマトスタチンアナログ製剤〉 酢酸オクトレオチド |
|
[販 売 名] | サンドスタチン注射液50μg(チバガイギー)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
アナフィラキシー様症状:血圧低下、呼吸困難、気管支痙攣等のアナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、皮疹、そう痒、蕁麻疹、発疹を伴う末梢性の浮腫等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。 徐脈:投与直後に徐脈を起こすことがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
18 〈膵臓ホルモン〉 ヒトインスリン(遺伝子組換え) |
|
[販 売 名] | ノボリンR注40(ノボ)他 |
[重要な基本的注意] | 肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合はインスリン製剤を変更するなど適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
19 〈痔疾用剤〉 トリベノシド・リドカイン |
|
[販 売 名] | ボラザG軟膏(天藤)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
アナフィラキシー様症状:アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、顔面浮腫、蕁麻疹、呼吸困難等があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
20 〈切迫流・早産治療β2-刺激剤〉 塩酸リトドリン(注射剤) |
|
[販 売 名] | ウテメリン注(キッセイ)他 |
[重要な基本的注意] | 本剤投与直後に帝王切開術を行うと、循環動態の大きな変動により心不全があらわれることがある。休薬期間をおくことが望ましいが、やむを得ず投与直後に帝王切開術を行う場合には、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。 |
[副作用 (重大な副作用)] |
肺水腫、心不全:肺水腫があらわれることがあり、急性心不全の合併に至った例もあるので、呼吸困難、胸部圧迫感、頻脈等に十分注意し、肺水腫があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、肺水腫に合併しない心不全があらわれることもあり、帝王切開術後に心不全に至った症例が報告されているので、帝王切開術後も十分観察を行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
21 〈外皮用殺菌消毒剤〉 エタノール、消毒用エタノール、無水エタノール |
|
[販 売 名] | エタノール(丸石)他 |
[その他の注意] | 承認外の経皮的エタノール注入療法(PEIT)使用例で、注入時の疼痛、酩酊感、発熱、本剤の局所外流出による重篤な胆道・腹腔内等での出血、肝梗塞、肝不全等が報告されている。 |
〈参 考〉 | 井内英人他:肝臓、40(Suppl. 3):76(1999) 峯村正実他:肝臓、40(Suppl. 3):166(1999) 中村佳子他:肝臓、40(Suppl. 3):167(1999) 金 守良他:肝臓、40(Suppl. 3):167(1999) 小橋春彦他:肝臓、40(Suppl. 3):168(1999) |
22 〈歯科用局所麻酔剤〉 塩酸プロピトカイン・酒石酸水素エピネフリン(歯科用)、リドカイン・エピネフリン(歯科用) |
||
[販 売 名] | 歯科用シタネストカートリッジ(藤沢) キシロカイン注射液「2%」エピレナミン(1:80,000)含有(藤沢)他 |
|
[禁 忌] | (高血圧、動脈硬化、心不全、甲状腺機能亢進、糖尿病のある患者及び血管攣縮の既往のある患者[これらの病状が悪化するおそれがある。]を削除) | |
[原則禁忌] |
|
23 〈代謝異常症用特殊粉乳〉 GSDフォーミュラD明乳、GSDフォーミュラN明乳、雪印低メチオニンミルク、雪印ロフェミルクS |
||
[販 売 名] | GSDフォーミュラD明乳(明治乳業) GSDフォーミュラN明乳(明治乳業) 雪印低メチオニンミルク(雪印乳業) 雪印ロフェミルクS(雪印乳業) |
|
[原則禁忌] |
|
24 〈抗悪性腫瘍剤〉 イホスファミド |
|
[販 売 名] | 注射用イホマイド1g(塩野義) |
[副作用 (重大な副作用)] |
脳症:意識障害を伴う痙攣発作、譫妄(意識障害、幻覚及び錯乱)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
25 〈代謝拮抗剤〉 ドキシフルリジン |
|
[販 売 名] | フルツロンカプセル100(ロシュ)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
心不全:心不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 肝障害、黄疸:劇症肝炎等の重篤な肝障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 |
[副作用 (重大な副作用(類薬))] |
(うっ血性心不全(フルオロウラシルの静脈内投与時) 劇症肝炎等の重篤な肝障害を削除) |
〈参 考〉 | 企業報告 |
26 〈グリコペプチド系抗生物質〉 塩酸バンコマイシン(注射剤) |
|
[販 売 名] | 塩酸バンコマイシン点滴静注用0.5g(リリー) |
[副作用 (重大な副作用)] |
汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少:汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
27 〈グリコペプチド系抗生物質〉 テイコプラニン |
|
[販 売 名] | 注射用タゴシッド(アベンティス) |
[副作用 (重大な副作用)] |
アナフィラキシー様症状:アナフィラキシー様症状(呼吸困難、顔面蒼白、発汗、頻脈等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 肝機能障害、黄疸:GOT、GPT、LDH、Al-P、γ-GTP、総ビリルビン等の上昇、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
28 〈セフェム系抗生物質〉 セフトリアキソンナトリウム |
|
[販 売 名] | ロセフィン静注用0.5g(ロシュ)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血:無顆粒球症、血小板減少、また、まれに溶血性貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 急性腎不全:まれに急性腎不全があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 |
[副作用 (その他の副作用)] |
(血液:血小板減少を削除) |
〈参 考〉 | 企業報告 |
29 〈カルバペネム系抗生物質〉 イミペネム・シラスタチンナトリウム |
|
[販 売 名] | チエナム点滴用(萬有)他 |
[慎重投与] | 肝障害のある患者[肝障害が悪化するおそれがある。] |
[副作用 (重大な副作用)] |
重篤な肝障害:劇症肝炎、肝炎等の重篤な肝障害、肝不全、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど、観察を十分に行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
30 〈複合抗生物質〉 スルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウム |
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[販 売 名] | ユナシン-S静注用0.75g(ファイザー)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 急性腎不全、間質性腎炎:急性腎不全、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 肝機能障害:肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
31 〈カルバペネム系抗生物質〉 パニペネム・ベタミプロン |
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[販 売 名] | カルベニン点滴用0.25g(三共)他 |
[慎重投与] | 肝障害のある患者 |
[副作用 (重大な副作用)] |
肝障害:劇症肝炎等の重篤な肝障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
32 〈抗ウイルス剤〉 硫酸インジナビルエタノール付加物 |
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[販 売 名] | クリキシバンカプセル(萬有) |
[副作用 (重大な副作用)] |
膵炎:定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。 狭心症、心筋梗塞等の冠動脈疾患 アシドーシス |
〈参 考〉 | 企業報告 |
33 〈ワクチン類〉 組換え沈降B型肝炎ワクチン(酵母由来) |
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[販 売 名] | γ-HBワクチン「シオノギ」(塩野義)、ビームゲン(化血研)、ヘプタバックス-II(萬有)他 |
[副反応 (重大な副反応)] |
多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎:症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
34 〈インターフェロン製剤〉 注射用乾燥インターフェロン-α、注射用乾燥インターフェロン-α-2a、注射用乾燥インターフェロン-α-2b |
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[販 売 名] | IFNαモチダ250(持田)、オーアイエフ250万IU(大塚製薬)他 キャンフェロンA300(武田)、ロフェロンA300(ロシュ)他 イントロンA注射用300(シェリング・プラウ)他 |
[副作用 (重大な副作用(類薬))] |
類薬(他のインターフェロン-α製剤)で血小板減少、溶血性貧血、腎不全を主徴とする溶血性尿毒症症候群があらわれたとの報告がある。 |
35 〈X線造影剤〉 イオヘキソール(脳槽・脊髄用) |
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[販 売 名] | オムニパーク180(第一製薬)他 |
[重要な基本的注意] | (投与量と投与方法のいかんにかかわらずまれに過敏反応を示すことがある。本剤によるショック等の重篤な副作用は、ヨード過敏反応によるものとは限らず、それを確実に予知できる方法はないので、予備的なテストを含め、投与に際しては必ず救急処置の準備を行うこと。を削除) 投与量と投与方法のいかんにかかわらず過敏反応を示すことがある。本剤によるショック等の重篤な副作用は、ヨード過敏反応によるものとは限らず、それを確実に予知できる方法はないので、投与に際しては必ず救急処置の準備を行うこと。 投与にあたっては、開始時より患者の状態を観察しながら、過敏反応の発現に注意し、慎重に投与すること。また、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
36 〈X線造影剤〉 アミドトリゾ酸ナトリウムメグルミン、アミドトリゾ酸メグルミン、イオタラム酸ナトリウム、イオタラム酸メグルミン、イオトロクス酸メグルミン、イオトロラン |
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[販 売 名] | ウログラフイン60%(日本シエーリング)他 アンギオグラフイン(日本シエーリング) アンギオコンレイ注(第一製薬)他 コンレイ注(第一製薬)他 ビリスコピンDIC50(日本シエーリング) イソビスト240(日本シエーリング)他 |
[重要な基本的注意] | (投与量と投与方法のいかんにかかわらずまれに過敏反応を示すことがある。本剤によるショック等の重篤な副作用は、ヨード過敏反応によるものとは限らず、それを確実に予知できる方法はないので、予備的なテストを含め、投与に際しては必ず救急処置の準備を行うこと。を削除) 投与量と投与方法のいかんにかかわらず過敏反応を示すことがある。本剤によるショック等の重篤な副作用は、ヨード過敏反応によるものとは限らず、それを確実に予知できる方法はないので、投与に際しては必ず救急処置の準備を行うこと。 ショック等の重篤な副作用があらわれることがあるので、投与にあたっては、開始時より患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。過敏反応の発現等異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、投与後も患者の状態を十分に観察すること。 |
37 〈X線造影剤〉 イオキサグル酸、イオキシラン、イオパミドール、イオプロミド、イオヘキソール(尿路・血管・CT用)、イオベルソール、イオメプロール |
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[販 売 名] | ヘキサブリックス320(栄研)他 イマジニール300(日本たばこ)他 イオパミロン150(日本シエーリング)他 プロスコープ150(田辺)他 オムニパーク140(第一製薬)他 オプチレイ160(マリンクロット)他 イオメロン300(ブラッコ)他 |
[慎重投与] | 肝機能が低下している患者[肝機能が悪化するおそれがある。(「原則禁忌」の項参照)] |
[重要な基本的注意] | (投与量と投与方法のいかんにかかわらずまれに過敏反応を示すことがある。本剤によるショック等の重篤な副作用は、ヨード過敏反応によるものとは限らず、それを確実に予知できる方法はないので、予備的なテストを含め、投与に際しては必ず救急処置の準備を行うこと。を削除) 投与量と投与方法のいかんにかかわらず過敏反応を示すことがある。本剤によるショック等の重篤な副作用は、ヨード過敏反応によるものとは限らず、それを確実に予知できる方法はないので、投与に際しては必ず救急処置の準備を行うこと。 投与にあたっては、開始時より患者の状態を観察しながら、過敏反応の発現に注意し、慎重に投与すること。また、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
38 フェノバルビタール、フェノバルビタールナトリウム、フェニトイン、フェニトインナトリウム、フェニトイン・フェノバルビタール、フェニトイン・フェノバルビタール・安息香酸ナトリウムカフェイン、カルバマゼピン、ジギトキシン、ジゴキシン、メチルジゴキシン、アミノフィリン、コリンテオフィリン、テオフィリン、塩酸アミオダロン、硫酸キニジン、ジソピラミド、リン酸ジソピラミド、塩酸プロパフェノン、リドカイン(抗不整脈用注射剤)、エチニルエストラジオール・デソゲストレル、エチニルエストラジオール・ノルエチステロン、エチニルエストラジオール・レボノルゲストレル、ワルファリンカリウム、シクロスポリン、タクロリムス水和物(経口剤、注射剤)、アンプレナビル、硫酸インジナビルエタノール付加物、エファビレンツ、メシル酸サキナビル、メシル酸デラビルジン、ネビラピン、メシル酸ネルフィナビル、リトナビル | |
[販 売 名] | フェノバール末10倍散(藤永)他、ワコビタール坐剤15(和光堂)他、アレビアチン10倍散(大日本)他、アレビアチン注射液(大日本)、複合アレビアチン錠(大日本)、ヒダントールD(藤永)他、テグレトール細粒50%(チバガイギー)他、ジギトキシン錠0.1mg(塩野義)他、ジゴシン錠0.25mg(中外)他、ラニラピッド錠(山之内)他、ネオフィリン錠(山之内)、テオコリン錠100mg(サンノーバ)、テオドール錠50mg(三菱東京)他、アンカロン錠100mg(大正)、硫酸キニジン錠100mg(日研)他、リスモダンカプセル50mg(アベンティス)他、リスモダンP注(アベンティス)他、プロノン錠100mg(山之内)他、静注用キシロカイン2%(藤沢)他、マーベロン28(中外)他、エリオット21(明治製菓)他、リビアン28(山之内)他、ワーファリン錠1mg(エーザイ)他、サンディミュンカプセル25mg(チバガイギー)他、プログラフカプセル0.5mg(藤沢)、プログラフ注射器5mg(藤沢)他、プローゼカプセル(キッセイ)、クリキシバンカプセル(萬有)、ストックリンカプセル200(萬有)、インビラーゼカプセル(ロシュ)、レスクリプター(ワーナー)、ビラミューン錠200(日本ベーリンガー)、ビラセプト錠(日本たばこ)、ノービア・カプセル100mg(ダイナボット)他 |
[相互作用 (併用注意)] |
セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort, セント・ジョーンズ・ワート)含有食品[本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。] |
お知らせ NTTのファクシミリ通信網サービス「Fネット」を通じ、最近1年間の「医薬品等安全性情報」「医薬品・医療用具等安全性情報」がお手元のファクシミリから随時入手できます(利用 者負担)。 「Fネット」への加入等についての問い合わせ先:0120-161-011(無料) なお、医薬品情報提供ホームページ(http://www.pharmasys.gr.jp/)又は厚生省ホームページ(http://www.mhw.go.jp)からも入手可能です。 |