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安全対策業務

医薬品・医療用具等安全性情報 No.166

目次

  1. 「医薬品・医療用具等安全性情報」の月刊化について
  2. ジャクソンリース小児用麻酔回路と小児・新生児用気管切開チューブの組み合わせについて
  3. 硫酸マグネシウム・ブドウ糖とマグネシウム中毒について
  4. 使用上の注意の改訂について(その125)

 この医薬品・医療用具等安全性情報は、厚生労働省において収集された副作用情報をもとに、医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために、医療関係者に対して情報提供されるものです。

平成13年(2001年)5月
厚生労働省医薬局

情報の概要

No. 医薬品等 対策 情報の概要
1 「医薬品・医療用具等安全性情報」の月刊化    「医薬品・医療用具等安全性情報」は、1973(昭和48)年6月から原則として隔月で発行されてきたが、医薬品、医療用具等の副作用、不具合等の報告件数が近年大幅に増加してきたため、医薬品、医療用具等に関する最新の安全性情報を迅速に医療関係者に提供するため、来月(平成13年6月)中旬に発行予定の次号から基本的に月刊化することとした。
 また、月刊化に合わせて、情報の掲載形式も改め、医薬品の使用上の注意の改訂の根拠となった症例の紹介、解説等、内容の充実を図っていく予定である。
2 ジャクソンリース小児用麻酔回路、小児・新生児用気管切開チューブ    ジャクソンリース小児用麻酔回路と小児・新生児用気管切開チューブとの組み合わせの使用により、ジャクソンリース回路の内管が、小児用気管切開チューブにはまり込んだために、呼気が吐けなくなった結果、小児が死亡するという報告があった。
 当該製品は、それぞれ互いに組み合わせて使用されることを想定して製造された医療用具ではなく、また、ジャクソンリース回路のバルーンの拡張を確認することにより、早期に異常を確認することができると考えられるが、場合によっては組み合わせにより重大な事故を引き起こすこともあることから、医療関係者へ使用にあたっての注意喚起を図るものである。
3 硫酸マグネシウム・ブドウ糖 使症  硫酸マグネシウム・ブドウ糖は、子癇を効能とする医療用医薬品である。
 本剤によるマグネシウム中毒については、従来より「重大な副作用」の項に記載し、注意を喚起してきた。
 平成9(1997)年以降、本剤との因果関係を否定できないマグネシウム中毒3例が報告されたことから、「警告」、「用法・用量に関連する使用上の注意」等の項にマグネシウム中毒に関する注意事項を記載し、医療関係者への一層の注意喚起を行ったところであるが、具体的な症例とともに紹介を行う。
4 ドロペリドール、ドロペリドール・クエン酸フェンタニル他(36件)    使用上の注意の改訂について(その125)
 

緊:緊急安全性情報の配布 使:使用上の注意の改訂 症:症例の紹介

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「医薬品・医療用具等安全性情報」の月刊化について

(1)はじめに

 厚生労働省においては、1973(昭和48)年6月(当時厚生省)から医薬品、医療用具等による重要な副作用、不具合等に関する情報を「医薬品・医療用具等安全性情報」(1997(平成9)年5月までの名称は「医薬品副作用情報」、それ以降1999(平成11)年11月までの名称は「医薬品等安全性情報」)としてとりまとめ、隔月を原則として発行してきた。
 この情報は、各都道府県・政令市・特別区、関係学会等への冊子の送付、医薬品等安全性情報報告制度による報告を行った医療機関・薬局(過去1年以内の報告者)へのダイジェスト版のFAX送信のほか、厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)、医薬品情報提供システム(http://pharmasys.gr.jp/)及びNTTの「Fネット」によるファクシミリサービス網へ掲載されるとともに、日本医師会雑誌、日本薬剤師会雑誌、日本病院薬剤師会雑誌等の医学・薬学の専門誌等にも掲載され、広く医療関係者へ提供されている。
 

(2)これまでの情報の掲載形式

 1973(昭和48)年6月の創刊以来、少しずつ情報の掲載形式が変更されてきたが、1979(昭和54)年2月(医薬品副作用情報 No.35)以降、医薬品、医療用具等に関して特に重要な副作用、不具合等に関する情報2~4件程度をその解説、症例の概要等とともに掲載し、最後に「医薬品の使用上の注意の改訂」に関する情報をまとめて掲載する形式がほぼ定着し、現在に至っている。
 

(3)月刊化と情報の掲載形式の変更

 しかし、医薬品副作用モニター制度(1997(平成9)年7月以降は医薬品等安全性情報報告制度)に基づく医療機関からの副作用報告及び薬事法(昭和35年法律第145号)の規定に基づく製薬企業等からの副作用報告の合計件数が、1985(昭和60)年当時は年間約2,000件であったが、現在は国内症例だけで年間約30,000件と大幅に増加(表1「医薬品の副作用等報告件数の年次推移」参照)してきており、それに伴い、厚生労働省において行われる使用上の注意の改訂指示等の安全対策の実施件数自体も増加している。
 

表1 医薬品の副作用等報告件数の年次推移

年度 合計 医療機関報告 製薬企業等報告   年度 合計 医療機関報告 製薬企業等報告
1985 1,986 803 1,183
 
1993 9,945 1,505 8,440
1986 2,452 890 1,562
 
1994 14,595 1,615 12,980
1987 2,523 854 1,669
 
1995 16,147 1,859 14,288
1988 2,697 1,025 1,672
 
1996 18,745 1,914 16,831
1989 3,689 1,332 2,357
 
1997 21,234 3,730 17,504
1990 3,897 1,374 2,523
 
1998 23,348 4,882 18,466
1991 5,274 1,451 3,823
 
1999 25,533 5,502 20,031
1992 8,207 1,667 6,540
 
2000 27,623 5,297 22,326
 

注1)医療機関報告は、1997(平成9)年6月までは医薬品副作用モニター制度、同年7月以降は医薬品等安全性情報報告制度に基づく報告
注2)製薬企業等報告は、1997(平成9)年3月までは薬事法第69条第1項、同年4月以降は同法第77条の4の2の規定に基づく報告
 

 このため、従来の隔月発行による情報提供をより迅速なものとできないかとの指摘がある。このため、医薬品、医療用具等に関する最新の安全性情報を迅速に医療関係者に提供するため、来月(平成13年6月)中旬に発行予定の次号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.167)から基本的に月刊化することとした。
 また、月刊化に合わせて、改めて医療関係者への情報提供という趣旨に鑑み、情報の掲載形式も改めることとした。すなわち、従来は解説が加えられた特に重要な副作用、不具合等に関する情報についてのみ使用上の注意の改訂等の根拠となった症例の概要を副作用ごとに2~3例紹介していたが、今後は、根拠となった症例の紹介の範囲を拡大し、医薬品に係る重要な副作用等に関する情報(原則として使用上の注意の改訂の内容が次のようなもの)について、改訂の根拠となった症例を紹介することとした。また、今後は、個々の医薬品等ごとの副作用等の解説だけではなく、薬効群ごとの安全性に関する情報などで特に重要と考えられるものがある場合には、これを掲載し、解説の充実を図っていく予定である。
 

【根拠となった症例を紹介する使用上の注意の改訂の内容】

(1)警告欄の改訂
(2)禁忌(接種不適当者)欄の改訂
(3)因果関係が否定できない死亡又は死亡につながるおそれのある副作用又は感染症の発現が国内において報告されたことにより行われる重要な基本的注意欄、相互作用(併用禁忌)欄、重大な副作用(副反応)欄、高齢者への投与(接種)欄、妊婦、産婦、授乳婦等への投与(接種)欄又は小児等への投与(接種)欄等の改訂
(4)(1)~(3)までの改訂に準じる重大な使用上の注意の改訂
 

次号以降、具体的には、次のような掲載形式とする。

1 特に重要な副作用,不具合等に関する情報(医薬品,医療用具等について該当する特に重要な情報がある場合のみ)
  当該情報に関する解説,使用上の注意の改訂等の根拠となった症例の概要を副作用ごとに2~3例紹介(従来と同様の掲載形式)

2 重要な副作用等に関する情報(医薬品)

  (1)セフェム系抗生物質(薬効分類等)
     〇〇〇〇(一般的名称)
     [販売名] ◎◎◎◎錠250,同錠500,同細粒小児用100(●●製薬)
     [副作用(重大な副作用)]
     肝機能障害,黄疸;AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害,
     黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には本剤の
     投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  表1 症例の概要

  「肝機能障害,黄疸」症例を2,3例程度紹介  
No. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・年齢 使用理由
[合併症]
経過及び処置

  (2)血圧降下剤(薬効分類等)
    □□□□(一般的名称)
    [販売名]◆◆◆◆注射用10,同注射用50(△△製薬)
         ◇◇◇◇注射用10,同注射用50(▲▲製薬)
    [副作用(重大な副作用)]
    横紋筋融解症:筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴
    とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適
    切な処置を行うこと。また,横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
    肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害,
    黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には本剤の
    投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  表2 症例の概要

  「横紋筋融解症」症例, 「肝機能障害、黄疸」症例をそれぞれ2例程度紹介
No. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・年齢 使用理由
[合併症]
経過及び処置

  (3)  以下略

3 使用上の注意の改訂について(その×××)(医薬品)
  前回の医薬品・医療用具等安全性情報No.〇〇〇以降に改訂を指導した使用上の注意について,
  改訂内容,主な該当販売名,参考文献等をお知らせします。(「1 特に重要な副作用,不具合等
  に関する情報」及び「2 重要な副作用等に関する情報」に該当するものを除いて掲載。掲載形式
  は従来と同様)
 

(4)おわりに

  医療関係者においては、製薬企業等から提供される安全性情報に加え、今後とも、「医薬品・医療用具等安全性情報」、「医薬品情報提供システム(http://pharmasys.gr.jp/)」等を有効にご活用いただき、医薬品、医療用具等の安全使用を推進願いたい。

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ジャクソンリース小児用麻酔回路と小児・新生児用気管切開チューブの組み合わせについて

〈ジャクソンリース小児用麻酔回路〉 *気管切開チューブとの組み合わせ上、問題がある、または問題となる可能性があるもの 
該当商品名等   該当商品名
(販売名の中の、該当するジャクソンリースの呼称を示す)
型番 販売名 会社名 整理番号
  ジャクソンリースタイプ1A 808-A ジャクソンリースタイプ1A 五十嵐医科工業(株) 1
  麻酔回路のジャクソンリース 7145 麻酔回路ジャクソンリース (株)インターメドジャパン 2
  ジャクソンリース回路 2708-01 ジャクソンリース回路 木村医科器械(株) 3
ジャクソンリース麻酔回路 - ジャクソンリース麻酔回路 アコマ医科工業(株) 4
  メイプルソンF - アイリスTピースメイプルソンF APLバルブ付き アコマ医科工業(株) 5
  ジャクソンリース麻酔回路 5104BV、5101BV、5102BV、5105BV、5104、5101、15102、5116、5115(エルボー:平行型) ジャクソンリース麻酔回路 小林製薬(株)
小林メディカル事業部
6
  ジャクソンリース回路(ノーマンエルボー) 225-3800-300、225-3801-300、225-3802-300、225-3803-300 インターテック麻酔・呼吸関連商品 日本メディコ(株) 7
  ジャクソンリース(呼吸のう0.5L~3.0L付き) 3700、3745、3741、3742、3743、3775、3771、3772、3773 ジャクソンリース(呼吸のう0.5L~3.0L付き) 利康商事(株) 8
  ジャクソンリース回路 7100、7101、7102、7103、7105、7301、7302、7303、7305 アーテック麻酔用ノンリブ回路 アイ・エム・アイ(株) 9
米国デュパコ社ノーマンマスクエルボ 200111110 ノーマンマスクエルボ (株)アネス 10
ORジャクソンリースセット 805 ORジャクソンリースセット 五十嵐医科工業(株) 11
SYMジャクソンリースセットタイプB 808-B SYMジャクソンリースセットタイプB 五十嵐医科工業(株) 12
  麻酔用具ジャクソンリース 22020-005、22020-01、22020-02、22020-03、22020-04、22020-05 麻酔用具ジャクソンリース 木村医科器械(株) 13
  メラ ジャクソンリース(余剰ガス排出バルブ型、普及型) なし メラ ジャクソンリース型Tピース 泉工医科工業(株) 14
類別 器具器械 5 麻酔器並びに麻酔器用呼吸嚢及びガス吸収管
適応 麻酔用、蘇生用、人工呼吸用等
 
該当商品名等   該当商品名 型番 販売名 会社名  
  ジャクソンリース蘇生回路(新生児用/小児用,吸入ボートあり/なし) JN1608-1、N1608-2、JN1608-3、JN1608-4 ジャクソンリース蘇生回路 アトムメディカル(株) 15
  ジャクソンリース蘇生回路 5104RV、5101RV、5102RV、5105RV、5104RXV、5101RXV、5102RXV、5105RXV(エルボー:平行型) ジャクソンリース蘇生回路 小林製薬(株)
小林メディカル事業部
6
ジャクソンリース蘇生回路 5104RCV、5101RCV、5102RCV、5105RCV、5404、5414、5424、5401、5402、5504、5514、5524、5501、5502(エルボー:垂直型) ジャクソンリース蘇生回路 小林製薬(株)
小林メディカル事業部
16
類別 器具器械 6 呼吸補助器
適応 酸素吸入,蘇生,麻酔覚醒等 
 
〈小児・新生児用気管切開チューブ〉 *ジャクソンリースとの組み合わせ上、問題がある、または問題となる可能性があるもの
該当商品名等   該当商品名
(販売名の中の、該当する気管切開チューブの呼称を示す)
型番 販売名 会社名 整理番号
  カフ無し気管切開チューブ小児用 60P025、60P030、60P035、60P040、60P045、60P050、60P055、 小児用気管切開チューブ (株)インターメドジャパン A
  クリニー気管切開チューブ 004-020-0050、004-020-0060 気管切開チューブ(B型) クリエートメディック(株) B
  シリコーン製カフ付カニューレ 全型番同じ シリコーン製カフ付カニューレ (株)高研 C
  コーケンネオブレス 全型番同じ コーケンネオブレス (株)高研 C
メラ ソフィット気管切開チューブ
(新生児用(N)、小児用(P))
3N、3.5N、4N、3P、3.5P、4P、4.5P、5P、5.5P メラ ソフィット(気管切開チューブ) 泉工医科工業(株) D
  オール シリコーン トラキオストミイ チューブ 241018 オール シリコーン トラキオストミイ チューブ 日本シャーウッド(株) E
シャイリー気管切開チューブ 小児用・新生児用シリーズ 3.0NEO、3.5NEO、4.0NEO、4.5NEO、3.0PED、3.5PED、4.0PED、4.5PED、5.0PED、5.5PED、5.0PDL、5.5PDL、6.0PDL、6.5PDL、4.0PDC、4.5PDC、5.0PDC、5.5PDC、5.0PLC、5.5PLC、6.0PLC、6.5PLC、 シャイリー気管切開チューブ マリンクロットジャパン(株) F
カフなし気管切開チューブ 100/506/030、100/506/035、100/506/040、100/506/045、100/506/050 Portex・気管切開チューブ 日本メディコ(株) G
ARNDT緊急用気管切開チューブセット C-DTJV-9.0-6.0-ARNDT 気道アクセスセット (株)メディコスヒラタ H
PATIL緊急用気管切開チューブセット C-DTJV-9.0-6.0-PATIL 気道アクセスセット (株)メディコスヒラタ H
MELKER緊急用気管切開チューブセット C-TCC-26.0-7.5、C-TCCS-350、C-TCCS-350-TT-MP14278、C-TCCS-400、C-TCCS-400-090694、C-TCCS-400-CD0315、C-TCCS-400-TT、C-TCCS-600 気道アクセスセット (株)メディコスヒラタ H
  気管切開チューブ 62460060、62460070、62460075、62460080、62460090、62420060、62420070、62420075、62420080、62420090 ヨーロメディカル気管切開チューブ (株)メディコスヒラタ I
  トップ気管切開チューブ 03201、03202、03207、03208 トップ気管切開チューブ (株)トップ J
GB気管切開チューブ 0205524、0205527、0205529、0205530、0205532、0205533、0205535、0205536、0205539 GB気管切開チューブ 富士システムズ(株) K
GBII気管切開チューブ 0205624、0205627、0205629、0205630、0205632、0205633、0205635、0205636、0205639 GBII気管切開チューブ 富士システムズ(株) K
アジャストフィットII 0206926、0206929、0206933、0206936、0206939 アジャストフィットII 富士システムズ(株) K
アジャストフィット 0206726、0206729、0206733、0206736、0206739 アジャストフィット 富士システムズ(株) K
類別 器具器械 51 医療用嘴管及び体液誘導管
適応 気道確保等
 

(1)経緯

 ジャクソンリース小児用麻酔回路(以下「ジャクソンリース回路」という。)と小児・新生児用気管切開チューブ(以下「小児用気管切開チューブ」という。)との組み合わせの使用により、ジャクソンリース回路の内管が小児用気管切開チューブにはまり込み、呼気が吐けなくなった結果、小児が死亡するという報告があった。
 当該製品は、それぞれ閉鎖循環式麻酔回路の一部及び人工呼吸器の付属品として承認されたものであり、互いに組み合わせて使用されることを想定して製造された医療用具ではなかった。
 また、ジャクソンリース回路は手動式の麻酔回路であり、患者の呼吸に合わせて頻繁に手元でバルーンを操作し麻酔ガスを抜く必要がある。このため、回路に上記のような異常が発生した場合には、ジャクソンリース回路のバルーンが膨らまないことから、早期に異常を確認することができると考えられるが、場合によっては組み合わせにより重大な事故を引き起こすこともあることから、医療関係者へ使用にあたっての注意喚起を図るものである。
 

(2)ジャクソンリース回路と小児用気管切開チューブの組み合わせについて

 平成13年3月27日付け安全対策課長通知(医薬安発第34号)により、ジャクソンリース回路と小児用気管切開チューブの組み合わせの安全性について、関係各社にその安全性について確認を行い、その結果について医療機関あてに速やかに情報提供するよう指示をしたところであるが、今般、日本医療器材工業会、日本医用機器工業会及び在日米国商工会議所医療機器部会薬事グループを中心に組み合わせの状況について検討結果が取りまとまったので紹介する。
 ジャクソンリース回路及び小児用気管切開チューブの組み合わせの是非については、表2に示すとおりであった。このうち、×印については、組み合わせによりジャクソンリース回路の内管が小児用気管切開チューブにはまり込み、呼気が吐けなくなることが確認された組み合わせであり、この組み合わせによる使用は絶対に行わないことが必要である。また、△印については、閉塞はしないがジャクソンリース回路の内管と小児用気管切開チューブとの空隙が狭いことを意味するため、使用に際しては他の組み合わせよりもより十分な注意を払う必要がある。○印については、組み合わせにより閉塞等が観測されなかったことから、使用により重大な事故を引き起こすとは考えられないが、それぞれの承認された使用目的を確認の上、承認された使用目的の範囲で使用することが望まれる。
 なお、ジャクソンリース回路と小児用気管切開チューブの安全な組み合わせについては、現在、それぞれの構造上の問題点等を中心にメディケーションエラーの対策の一環として検討を行っていることを申し添える。
 

表2 ジャクソンリース小児用麻酔回路と小児・新生児用気管切開チューブの組み合わせ確認一覧

      小児・新生児用気管切開チューブ
    整理番号 A B C D E F G H I J K
ジャクソンリース麻酔回路 整理番号 会社名等 インターメドジャパン クリエートメディック 高研 泉工医科工業(メラソフィット) 日本シャーウッド マリンクロット(シャイリー) 日本メディコ メディコスヒラタ(緊急用) メディコスヒラタ(ヨーロメディカル) トップ 富士システムズ
1 五十嵐医科工業(タイプA)
2 インターメドジャパン
3 木村医科工業(ジャクソンリース)
4 アコマ医科工業(ジャクソンリース) × ×
5 アコマ医科工業(メイプルソン)
6 小林製薬(平行型)
7 日本メディコ
8 利康商事
9 アイ・エム・アイ
10 アネス(ノーマンマスク)
11 五十嵐医科工業(OR) × × ×
12 五十嵐医科工業(SYMタイプB) × × ×
13 木村医科器械(麻酔用具)
14 泉工医科工業
15 アトムメディカル
16 小林製薬(垂直型)
 

×:組み合わせ使用不可(呼気回路閉塞)
○:組み合わせ使用可
△:閉塞はないが、組み合わせた際に隙間がやや狭くなることが確認された

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硫酸マグネシウム・ブドウ糖とマグネシウム中毒について

成分名
該当販売名
成分名 該当販売名
硫酸マグネシウム・ブドウ糖 マグネゾール(東亜薬品工業)
薬効分類等 鎮痙剤
効能効果 子癇
 


(1)経緯

 硫酸マグネシウム・ブドウ糖は、子癇を効能とする医療用医薬品である。本剤投与に伴うマグネシウム中毒については、従来より、「重大な副作用」に記載し、注意を喚起してきたが、マグネシウム中毒に関する症例が報告されたことから、今般、一層の注意喚起を行うこととした。
 

(2)症例の紹介

 1997年以降、マグネシウム中毒症状として厚生労働省に報告された症例は、3症例である(報告された症例の一部を表3に紹介する)。
 

(3)安全対策

 本剤との因果関係が否定できない症例が報告されていることから、今回、使用上の注意を改訂し、一層の注意喚起を行うこととした。
本剤投与中、特に投与量を増加させた場合には、血中マグネシウム濃度上昇に伴う重篤な副作用が発現する可能性があることから、その初期症状である膝蓋腱反射の確認、呼吸数の確認あるいは血中マグネシウム濃度の測定などを含む、慎重な観察を行うことが重要である。
 

表3 症例の概要

No. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
[合併症]
経過及び処置
1
30代
軽度の子癇
[腎障害]
24g
3日間
呼吸停止、心筋抑制、高マグネシウム血症 
投与2日目
呼吸停止、著明な心筋抑制を発現。
塩化カルシウム投与(総量1.7g)では改善得られず、
血液濾過透析を13時間行い改善。
投与14日目
回復

血中マグネシウム濃度の推移
  投与2日目 投与4日目 投与6日目
Mg濃度(mg/dL) 15.4 7.0 5.3
血圧(mmHg) 95/45 148/84 132/74
脈拍(/分) 60 90 75
BUN(mg/dL) 46 46 54
クレアチニン(mg/dL) 4.78 5.02 5.85
企業報告
併用薬:メシル酸ガベキサート、乾燥濃縮人アンチトロンビンIII、塩酸ドパミン、塩酸セフォチアム、フロセミド、ミダゾラム
 


《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
 

〈硫酸マグネシウム・ブドウ糖〉

警告

本剤投与により高マグネシウム血症が起こり,マグネシウム中毒(血圧低下,中枢神経抑制,心機能抑制,呼吸麻ひ等)が惹起されることがあるため,投与中,特に投与量を増加させた場合には,慎重な観察(膝蓋腱反射,呼吸数の確認あるいは血中マグネシウム濃度の測定等)を行うこと。


用法及び用量に関連する使用上の注意
腎機能障害のある患者においては、マグネシウム排泄が遅延するおそれがあるので、慎重に投与すること。
 

重要な基本的注意
1.本剤投与中は、慎重な観察(血中マグネシウム濃度の測定、膝蓋腱反射の確認や呼吸数の確認)を行い、患者の注意深い観察を行うこと。
2.本剤投与中に、眼瞼下垂、膝蓋腱反射の消失、筋緊張低下、心電図異常、呼吸数低下、呼吸困難等が認められた場合には、マグネシウム中毒の可能性があるので、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 

副作用
重大な副作用
マグネシウム中毒
血中マグネシウム濃度の上昇により、マグネシウム中毒を引き起こすことがあるので、
眼瞼下垂、膝蓋腱反射の消失、筋緊張低下、心電図異常、呼吸数低下、呼吸困難等の異常が認められた
場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、心肺停止、呼吸停止に至る場合がある。

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使用上の注意の改訂について(その125)

医薬品・医療用具等安全性情報No.165掲載分以降に改訂を指導した使用上の注意について、改訂内容、主な該当販売名、参考文献等をお知らせいたします。

1 〈全身麻酔剤,合成麻薬〉
ドロペリドール、ドロペリドール・クエン酸フェンタニル
[販 売 名] ドロレプタン(三共)
タラモナール(三共)
[禁忌]
重篤な心疾患を有する患者[重篤な副作用が生じる可能性がある。]
QT延長症候群のある患者[QT延長が発現したとの報告がある。]
[慎重投与] 心疾患のある患者[QT延長、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)が発現したとの報告がある。]
[副作用
(重大な副作用)]
不整脈、期外収縮、QT延長、心室頻拍、心停止:不整脈、期外収縮、QT延長、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、心停止があらわれることがある。
〈参   考〉 企業報告
 
2 〈催眠鎮静剤、抗てんかん剤、過敏大腸症治療剤、喘息治療剤〉
フェノバルビタール、フェノバルビタールナトリウム、臭化メペンゾラート・フェノバルビタール、プロキシフィリン・塩酸エフェドリン・フェノバルビタール
[販 売 名] フェノバール末(藤永)他
ワコビタール坐剤15(和光堂)他
トランコロンP錠(藤沢)
アストモリジンD錠(マルホ)他
[副作用
(重大な副作用)]
顆粒球減少、血小板減少これらの症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
3 〈抗てんかん剤〉
フェニトイン・フェノバルビタール、フェニトイン・フェノバルビタール・安息香酸ナトリウムカフェイン
[販 売 名] 複合アレビアチン錠(大日本)
ヒダントールD(藤永)他
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
4 〈非ステロイド性消炎鎮痛剤〉
ジクロフェナクナトリウム(経口剤、坐剤、注腸軟膏剤)
[販 売 名] ボルタレン錠(チバガイギー)他
ボルタレンサポ12.5mg(チバガイギー)他
レクトス25(太田製薬)他
[副作用
(重大な副作用)]
出血性ショック又は穿孔を伴う消化潰瘍
再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少
横紋筋融解症(急激な腎機能悪化を伴うことがある)(症状:筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等)
[副作用(その他の副作用)] (血液の血小板減少を削除)
〈参   考〉 企業報告
 
5 〈精神安定剤〉
エチゾラム
[販 売 名] デパス錠0.5mg(ウェルファイド)他
[副作用
(重大な副作用)]
横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
6 〈精神神経用剤〉
塩酸クロルプロマジン・塩酸プロメタジン・フェノバルビタール
[販 売 名] ベゲタミン錠-A(塩野義)他
[副作用
(重大な副作用)]
再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少:再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止すること。
〈参   考〉 企業報告
 
7 〈食欲抑制剤〉
マジンドール
[販 売 名] サノレックス錠0.5mg(チバガイギー)
[禁忌]
脳血管障害のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
不安・抑うつ・異常興奮状態の患者及び精神分裂病等の精神障害のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
[効能・効果に関連する
使用上の注意]
肥満症治療の基本である食事療法及び運動療法をあらかじめ適用し、その効果が不十分な高度肥満症患者にのみ、本剤の使用を考慮すること。
本剤は肥満度が+70%以上又はBMIが35以上の高度肥満症であることを確認した上で適用を考慮すること。
 肥満度(%)=(実体重-標準体重)/標準体重×100
 BMI(Body Mass Index)=体重(kg)/身長(m)2
内分泌性肥満、遺伝性肥満、視床下部性肥満等の症候性(二次性)肥満患者においては、原疾患の治療を優先させること。
(本剤の適用にあたっては、次の点に十分留意し、用法及び用量、効能又は効果を厳守すること。
1)肥満症治療の基本である食事療法及び運動療法をあらかじめ適用し、その効果が 不十分な高度肥満症患者にのみ、本剤の使用を考慮すること。
2)本剤は肥満度が+70%以上又はBMIが35以上の高度肥満症であることを確認した上で適用を考慮すること。
    肥満度(%)=(実体重-標準体重)/標準体重×100
    BMI(Body Mass Index)=体重(kg)/身長(m)2
症候性(二次性)肥満症患者においては、原疾患の治療を優先させること。を削除)
[用法・用量に関連する
使用上の注意]
食事量、体重の推移、食生活等に留意の上、常に投与継続の可否、投与量について注意すること。
本剤は、睡眠障害を引き起こすことがあるので夕刻の投与は避けること。

(食事量、体重の推移、食生活等に留意の上、常に投与継続の可否、投与量について注意すること。1ヵ月以内に効果のみられない場合及び効果がみられなくなった時点で投与を中止すること。
なお、投与期間は効果が十分であったとしても3ヵ月を限度とすること。を削除)
[重要な基本的注意] 急激な減量による心血管系の合併症のリスクを避けるため本剤投与中は体重の推移に注意すること。
〈参   考〉 企業報告
 
8 〈不整脈用剤〉
塩酸ピルメノール
[販 売 名] ピメノールカプセル50mg(大日本)他
[副作用
(重大な副作用)]
低血糖:低血糖があらわれることがあるので、観察を十分に行い、低血糖症状があらわれた場合には、投与を中止し、ブドウ糖を投与するなど適切な処置を行うこと。
[副作用
(その他の副作用)]
(その他の低血糖(類似化合物(ジソピラミド、シベンゾリン)で、低血糖があらわれるとの報告があるので、低血糖症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。)を削除)
〈参   考〉 企業報告
 
9 〈持続性α1遮断薬〉
塩酸テラゾシン
[販 売 名] ハイトラシン錠0.25mg(ダイナボット)、バソメット錠0.25mg(三菱東京)他
[副作用
(重大な副作用)]
意識喪失:血圧低下に伴う一過性の意識喪失等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDHの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
10 〈血圧降下剤〉
酒石酸メトプロロール
[販 売 名] セロケン錠20mg(アストラゼネカ)、ロプレソール錠20mg(チバガイギー)他
[副作用
(重大な副作用)]
心原性ショック
うっ血性心不全、徐脈
[副作用
(その他の副作用)]
(循環器の徐脈を削除)
〈参   考〉 企業報告
 
11 〈持続性Ca拮抗降圧剤〉
シルニジピン
[販 売 名] アテレック錠5(味の素)、シスカード錠5(日本ベーリンガー)、シナロング錠5(UCB)他
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血小板減少:血小板減少があらわれることがあるので、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
12 〈循環機能改善剤〉
トラピジル
[販 売 名] ロコルナール錠(持田)他
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
13 〈冠血管拡張剤〉
ニコランジル
[販 売 名] シグマート錠5mg(中外)他
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血小板減少:血小板減少があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
14 〈血管拡張剤〉
カルペリチド(遺伝子組換え)
[販 売 名] ハンプ注射用1000(サントリー)
[副作用
(重大な副作用)]
過剰利尿(脱水)により、電解質異常、心室性不整脈(心室頻拍、心室細動等)、赤血球増加、血小板増加が認められることがあるので、このような症状が認められた場合は、減量又は中止等、適切な処置を行うこと。 重篤な肝機能障害が認められることがあるので、このような症状が認められた場合は、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
15 〈H2受容体拮抗剤〉
塩酸ロキサチジンアセタート
[販 売 名] アルタットカプセル37.5(帝国臓器)他
[副作用
(重大な副作用)]
再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少(初期症状:全身倦怠、脱力、皮下・粘膜下出血、発熱等)があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
ショック:ショック(初期症状:不快感、顔面蒼白、血圧低下等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
[副作用
(重大な副作用(類薬))]
他のH2受容体拮抗剤で、アナフィラキシー様症状、間質性腎炎、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、横紋筋融解症、房室ブロック等の心ブロック、不全収縮があらわれるとの報告がある。
〈参   考〉 企業報告
 
16 〈H2受容体拮抗剤〉
ニザチジン
[販 売 名] アシノンカプセル75(ゼリア)他
[副作用
(重大な副作用)]
再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少:再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少があらわれることがあるので、初期症状として全身倦怠感、発熱、出血傾向等がみられたら、その時点で血液検査を実施し、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
[副作用
(重大な副作用(類薬))]
他のH2受容体拮抗剤で、ショック、間質性腎炎、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、房室ブロック等の心ブロック、不全収縮、横紋筋融解症が報告されている。
〈参   考〉 企業報告
 
17 〈プロトンポンプインヒビター〉
オメプラゾール
[販 売 名] オメプラゾン錠10mg(ウェルファイド)、オメプラール錠10(アストラゼネカ)他
[副作用
(重大な副作用)]
横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
18 〈潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤〉
メサラジン
[販 売 名] ペンタサ錠250(日清キョーリン)
[副作用
(重大な副作用)]
再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少症:再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少症があらわれることがあるので、投与期間中は血液検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
19 〈副腎皮質ホルモン剤〉
プレドニゾロン(経口剤)、コハク酸プレドニゾロンナトリウム、リン酸プレドニゾロンナトリウム
[販 売 名] プレドニゾロン錠(武田)他
水溶性プレドニン10mg(塩野義)他
ドージロン注(同仁)
[副作用
(重大な副作用)]
消化潰瘍、消化管穿孔、消化管出血:消化潰瘍、消化管穿孔、消化管出血があらわれるとの報告があるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
膵炎
〈参   考〉 企業報告
 
20 〈膵臓ホルモン、機能検査用試薬〉
グルカゴン(遺伝子組換え)、グルカゴン
[販 売 名] 注射用グルカゴンG(ノボ)
注射用グルカゴンS(白鳥)他
[重要な基本的注意] 二次的な低血糖を予防するため、検査終了後、糖分を経口摂取させることが望ましい。
低血糖に基づくめまい、ふらつき、意識障害を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
[副作用
(重大な副作用)]
ショック、アナフィラキシーショック(初期症状:不快感、顔面蒼白、血圧低下等)があらわれることがあるので観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
低血糖症状(初期症状:嘔吐、嘔気、全身けん怠、傾眠、顔面蒼白、発汗、冷汗、冷感、意識障害等)があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちにブドウ糖、糖質の補給が望ましい。
〈参   考〉 企業報告
 
21 〈視床下部ホルモンGnRH誘導体〉
酢酸ブセレリン
[販 売 名] スプレキュア(アベンティス)他
[副作用
(重大な副作用)]
血小板減少:血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
[副作用
(その他の副作用)]
(血液の血小板減少を削除)
〈参   考〉 企業報告
 
22 〈尋常性乾癬治療剤〉
カルシポトリオール
[販 売 名] ドボネックス軟膏(帝國製薬)
[副作用
(その他の副作用)]
皮膚:接触性皮膚炎、そう痒、紅斑・発赤、刺激感・ヒリヒリ感、落屑、皮疹、腫脹、毛嚢炎
〈参   考〉 企業報告
 
23 〈酒量抑制剤〉
シアナミド
[販 売 名] シアナマイド液-Wf(同仁)
[副作用
(重大な副作用)]
再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少:これらの副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、LDH、Al-P、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、長期投与により肝細胞にスリガラス様封入体(ground glass inclusion)があらわれることがある。
〈参   考〉 企業報告
 
24 〈糖尿病用剤〉
グリクラジド
[販 売 名] グリミクロン錠(大日本)他
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、ALPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
[副作用
(その他の副作用)]
肝臓:AST(GOT)、ALT(GPT)、ALPの上昇
(肝臓の肝機能障害、黄疸を削除)
〈参   考〉 企業報告
 
25 〈スルホニル尿素系血糖降下剤〉
グリメピリド
[販 売 名] アマリール1mg錠(アベンティス)他
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
26〈インスリン抵抗性改善剤〉
塩酸ピオグリタゾン
[販 売 名] アクトス錠15(武田)他
[副作用
(重大な副作用)]
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸が報告されており、 類薬(トログリタゾン)で劇症肝炎を含む肝炎が報告されているので、観察を十分に行うとともに、少なくとも投与開始後12ヵ月までは1ヵ月に1回肝機能検査を実施し、以降も定期的(3ヵ月に1回程度)に肝機能検査を実施して、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。   
〈参   考〉 企業報告
 
27 〈グリコペプチド系抗生物質〉
塩酸バンコマイシン(注射剤)
[販 売 名] 塩酸バンコマイシン点滴静注用0.5g(リリー)
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P等の上昇、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。         
〈参   考〉 企業報告
 
28 〈ペニシリン系抗生物質〉
トシル酸スルタミシリン
[販 売 名] ユナシン錠(ファイザー)他
[副作用
(重大な副作用)]
ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、剥脱性皮膚炎皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、剥脱性皮膚炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全、間質性腎炎:急性腎不全、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
血液障害:無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少等の重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸:肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
29〈セフェム系抗生物質〉
セフジニル
[販 売 名] セフゾンカプセル50mg(藤沢)他
[副作用
(重大な副作用)]
劇症肝炎、肝機能障害、黄疸劇症肝炎等の重篤な肝炎、著しいAST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
30 〈マクロライド系抗生物質〉
アジスロマイシン水和物
[販 売 名] ジスロマック錠250mg(ファイザー)他
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害、黄疸:肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、投与終了数日後にも発現することがあるので注意すること。
偽膜性大腸炎:偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、投与終了数日後にも発現することがあるので注意すること。
〈参   考〉 企業報告
 
31 〈テトラサイクリン系抗生物質〉
塩酸ドキシサイクリン
[販 売 名] ビブラマイシン錠(ファイザー)他
[副作用
(重大な副作用)]
ショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、血管神経性浮腫等):ショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、血管神経性浮腫等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、剥脱性皮膚炎皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、剥脱性皮膚炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
偽膜性大腸炎:偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝炎、肝機能障害、黄疸:肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
32〈テトラサイクリン系抗生物質〉
塩酸ミノサイクリン(経口剤)
[販 売 名] ミノマイシン錠50mg(ワイスレダリー)他
[副作用
(重大な副作用)]
血液障害汎血球減少、無顆粒球症、顆粒球減少、白血球減少、血小板減少、貧血があらわれることがあり、また、注射用製剤で溶血性貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
痙攣、意識障害等の精神神経障害:痙攣、意識障害等の精神神経障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
33〈テトラサイクリン系抗生物質〉
塩酸ミノサイクリン(注射剤)
[販 売 名] 点滴静注用ミノマイシン(ワイスレダリー)他
[副作用
(重大な副作用)]
血液障害汎血球減少、無顆粒球症、顆粒球減少、白血球減少、血小板減少、溶血性貧血、貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
痙攣、意識障害等の精神神経障害:痙攣、意識障害等の精神神経障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
34〈抗ウイルス化学療法剤〉
サニルブジン
[販 売 名] ゼリットカプセル15(BMS)他
[原則禁忌]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
[重要な基本的注意] 本剤の投与により、肝障害、乳酸性アシドーシスがあらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
なお、複数の妊婦において本剤とジダノシンとの併用投与による致死性の乳酸性アシドーシスが報告されているので、妊娠期間中の本剤とジダノシンの併用投与は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
〈参   考〉 企業報告
 
35〈抗ウイルス化学療法剤〉
ジダノシン(錠剤、ドライシロップ剤)
[販 売 名] ヴァイデックス錠25、ヴァイデックスドライシロップ167(BMS)他
[原則禁忌]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
[重要な基本的注意] 本剤の投与により、乳酸性アシドーシス、重度の脂肪肝を伴う肝腫、ときに重篤な肝障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
なお、複数の妊婦において本剤とサニルブジンとの併用投与による致死性の乳酸性アシドーシスが報告されているので、妊娠期間中の本剤とサニルブジンの併用投与は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
〈参   考〉 企業報告
 
36 〈抗真菌剤〉
ミコナゾール(経口剤)
[販 売 名] フロリードゲル経口用(持田)
[禁忌]
テルフェナジン、アステミゾール、シサプリド、ピモジド、トリアゾラムを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
[重要な基本的注意] 本剤とワルファリンとの併用において、ワルファリンの作用が増強され、出血をきたした症例が報告されている。ワルファリンと併用する場合は、プロトロンビン時間測定及びトロンボテストの回数を増やすなど慎重に投与すること(「相互作用」の項参照)。
[相互作用
(併用禁忌)]
テルフェナジン、アステミゾール、シサプリド、ピモジド[QT延長、心室性不整脈(torsades de pointesを含む)等の重篤な心臓血管系の副作用があらわれるおそれがある。]
トリアゾラム[トリアゾラムの作用の増強及び作用時間の延長があらわれることがある。]
〈参   考〉 企業報告
 
37 〈抗真菌剤〉
ミコナゾール(注射剤)
[販 売 名] フロリードF注(持田)他
[禁   忌]
テルフェナジン、アステミゾール、シサプリド、ピモジド、トリアゾラムを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
[重要な基本的注意] ミコナゾールゲル経口用とワルファリンとの併用において、ワルファリンの作用が増強され、出血をきたした症例が報告されている。ワルファリンと併用する場合は、プロトロンビン時間測定及びトロンボテストの回数を増やすなど慎重に投与すること(「相互作用」の項参照)。
[相互作用
(併用禁忌)]
テルフェナジン、アステミゾール、シサプリド、ピモジド[QT延長、心室性不整脈(torsades de pointesを含む)等の重篤な心臓血管系の副作用があらわれるおそれがある。]
トリアゾラム[トリアゾラムの作用の増強及び作用時間の延長があらわれるおそれがある。]
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全があらわれることがあるので、定期的に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
 
お知らせ
 NTTのファクシミリ通信網サービス「Fネット」を通じ、最近1年間の「医薬品等安全性情報」「医薬品・医療用具等安全性情報」がお手元のファクシミリから随時入手できます(利用者負担)。
「Fネット」への加入等についての問い合わせ先:0120-161-011
 なお、医薬品情報提供ホームページ(http://www.pharmasys.gr.jp/)又は厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)からも入手可能です。