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安全対策業務

医薬品・医療用具等安全性情報 No.193

目次

  1. 塩酸フェニルプロパノールアミンを含有する医薬品による 脳出血に係る安全対策について
  2. 重要な副作用等に関する情報
    1. インターフェロンガンマ-1a(遺伝子組換え)
    2. エポエチンアルファ(遺伝子組換え)
    3. エポエチンベータ(遺伝子組換え)
    4. コルヒチン
    5. ボグリボース
  3. 使用上の注意の改訂について(その149)
    塩酸パロキセチン水和物他(5件)

 

この医薬品・医療用具等安全性情報は,厚生労働省において収集された副作用情報をもとに,医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために,医療関係者に対して情報提供されるものです。

平成15年(2003年)9月
厚生労働省医薬食品局

【情報の概要】

No. 医薬品等 対策 情報の概要
1 塩酸フェニルプロパノールアミンを含有する医薬品 使
 最近,塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)を含有する医薬品において企業及び医療機関等により厚生労働省に続けて脳出血等の副作用症例が4例報告され,以前米国の疫学調査結果を受けて脳出血について注意喚起を行った平成12年11月以降,前述の4症例を含め一般用医薬品で5例,医療用医薬品で2例の副作用症例が収集されたことから,PPAを含有する医薬品について使用上の注意の改訂,情報提供の徹底並びに代替成分であるプソイドエフェドリンを含有する医薬品等への速やかな切り替えを行うこととした。
2 インターフェロンガンマ-1a(遺伝子組換え)他(4件) 使
 前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.192)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について,改訂内容,参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
3 塩酸パロキセチン水和物他(5件)    使用上の注意の改訂について(その149)

緊:緊急安全性情報の配布 使:使用上の注意の改訂 症:症例の紹介

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塩酸フェニルプロパノールアミンを含有する 医薬品による脳出血に係る安全対策について

成分名
販売名(会社名)
成分名 販売名
塩酸フェニルプロパノールアミンを含有する一般用医薬品及び医療用医薬品 別表「塩酸フェニルプロパノールアミンを含有する主要医薬品リスト」参照
薬効分類等 鼻炎用内服薬,鎮咳去痰薬,かぜ薬(一般用医薬品)
総合感冒剤(医療用医薬品)

 塩酸フェニルプロパノールアミン(以下「PPA」という。)は,鼻みず,鼻づまり等の症状の緩和を目的として,一般用医薬品としては,鼻炎用内服薬,鎮咳去痰薬,かぜ薬に含有されている。また,医療用医薬品としても,総合感冒剤に含有されている。
 PPAについては,その服用と出血性脳卒中との発生リスクに関する大規模疫学調査が米国において実施され,女性が食欲抑制剤として服用した場合にその関連性が有意に高いとの結果が得られた。これを受けて,米国食品医薬品庁は,平成12年11月に,製薬企業に対し,PPAを含有する医薬品の米国内における自主的な販売中止を要請した。一方,我が国においては,PPA含有医薬品は食欲抑制剤として承認されていないこと,及び1日最大用量が米国より低いこと等の理由により直ちに当該製品の販売を中止する必要はないと判断されたものの,平成12年11月に,心臓病の人や脳出血の既往がある人等は使用しないよう注意喚起し,適正使用の徹底を行ってきた。
 しかしながら,最近に至り,PPAを含有する一般用医薬品による脳出血等の副作用症例が4例報告された。これらの症例を含め,平成12年11月の措置後,一般用医薬品で5例,医療用医薬品で2例の脳出血等の副作用症例が収集されている。その多くが,用法・用量の範囲を超えた服用又は禁忌とされている高血圧症患者への使用による症例である。
 厚生労働省としては
(1)これらのPPAを含有する一般用医薬品による脳出血等の副作用症例の多くが不適正使用によるものであること
(2)これまで広範に使用されてきており,発現頻度は極めて低いと考えられること
から,PPAを含有する一般用医薬品の使用により,直ちに,消費者が不当な副作用のリスクにさらされていると判断されるものではないが,適正使用の推進のため,平成15年8月8日に関係企業に対し,使用上の注意の改訂及び薬局等への情報提供を指示するとともに,日本薬剤師会等の関係団体に対し,当該医薬品の使用上の注意を消費者に伝え,服薬指導等を徹底するよう指示を行った。また,関係企業に対し,PPAを含有する医薬品から,プソイドエフェドリン(以下,「PSE」という。)を含有する医薬品等への速やかな切り替えを行うよう指示した。更に,PSEを含有する医薬品等への切り替えを促進するため,PPAを含有する一般用医薬品の製造業者等に対し,可及的速やかな代替新規申請等を行うとともに,当該医薬品の新たな製造を自粛するよう通知し,現在承認申請中のものを含め,平成16年2月末日までに厚生労働大臣又は都道府県知事宛に承認申請を行ったPSEを含有する医薬品等については,迅速に審査を行うこととした。

 

表1 症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
20代
鼻炎
(なし)
75mg
(3カプセル)
1回
クモ膜下出血
投与開始日
(投与中止日)
鼻炎症状のため,当該製品を内服。この際,1回1カプセルのところ,1回量と1日量を間違えて1回3カプセルを服用。
服用30分後くらいに激しい頭痛,意識障害出現したため,当該施設へ救急車にて搬送。血圧は従来100/~mmHgくらいであるが,160/~mmHgと上昇。脳出血を疑い,頭部CTを撮影したが,明らかな出血はみられず。
経過観察,同時に入院。
中止1日後 入院後,痙攣発作。再度,頭部MRI検査をしたところ,クモ膜下出血と診断。
臨床検査では,特に異常を認めなかった。
その後,特に治療せず経過観察。
中止26日後 退院。
企業報告
併用薬:なし

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
10代
鼻炎
(なし)
50mg
(2カプセル)
約1ヵ月間
頭痛,悪心,クモ膜下出血
投与開始日 鼻炎症状のため本剤の服用開始。3日に1度程度服用していた。
投与約1ヵ月後
(投与中止日)
突然の頭痛・嘔気で救急搬送。頭部CT上クモ膜下出血(+)。
中止1日後 脳血管撮影上,動脈瘤,AVM(脳動静脈奇形)などの出血源不明。血管の異常所見(-)。
中止12日後 再度脳血管撮影施行。出血部と一致して血管攣縮を認めた。
中止13日後 神経学的異常なし,退院。
医療機関報告
併用薬:なし

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
3
20代
感冒
(なし)
100mg
(2カプセル)
4日間

(約1年4ヵ月後)

100mg
(2カプセル)
2日間
脳内出血
投与開始日 頭痛,発熱,感冒様症状あり,近医にて本剤,クラリスロマイシン,セラペプターゼを処方。
その後も頭痛があったが学校に通っていた。
投与4日目
(投与中止日)
この日まで本剤を服用した。
中止1日後 頭痛増強し,明け方当院受診。
頭部CTにて左大脳に脳内出血を認め,入院。
同日,脳血管撮影を行ったが特に異常なく,止血剤の点滴にて経過観察。この日,全身痙攣発作が1回あったため,抗痙攣薬も投与した。
その後,徐々に頭痛は軽快。頭部CTでも出血の吸収を確認した。
中止27日後 独歩にて退院。
中止約1年4ヵ月後
(再投与開始日)
感冒症状あり,近医受診にて,本剤,クラリスロマイシン,セラペプターゼの処方を受ける。
再投与2日目
(再投与中止日)
夕方より頭痛増強。夜になり更に増強し,このとき自宅にて血圧測定したところ,180~190/120mmHg程度であったとのこと。
再投与中止1日後 頭痛が我慢できなくなり,嘔吐もあったため,明け方当院受診。頭痛,嘔吐あるため,乳酸リンゲル液+メトクロプラミド10mg(1A)の点滴で症状は徐々に改善した。
約3時間後血圧92/56mmHg,症状も改善し,頭部CTでは新たな異常を認めなかったため,帰宅した。
企業報告
臨床検査値
   中止1日後
(発現日)
中止
25日後
再投与中止
1日後
赤血球数(×104/mm3 506 450
血色素量(g/dL) 14.4 13.5
ヘマトクリット(%) 44.6 39.7
血小板数(×104/mm3 19.7 29.2
白血球数(/mm3 5700 3300
CRP(mg/dL) 0.0 0.9
プロトロンビン時間(秒) 11.3
AST(GOT)(IU/L) 74 27
ALT(GPT)(IU/L) 27 17
Al-P(IU/L) 215 251
γ-GTP(IU/L) 7 39
LDH(IU/L) 1283 528
総ビリルビン(mg/dL) 0.8 0.2
BUN(mg/dL) 8.6 6.4
血清クレアチニン(mg/dL) 0.6 0.4
血清Na(mEq/L) 140 140
血清K(mEq/L) 4.9 3.4
血清Cl(mEq/L) 100 100
総コレステロール(mg/dL) 245
トリグリセライド(mg/dL) 56
CK(CPK)(IU/L) 106
空腹時血糖(mg/dL) 104 81
血圧(mmHg) 110/60 100/60 92/56
最高体温(℃) 37.1 36.1 36.7
併用薬:クラリスロマイシン,セラペプターゼ,バルプロ酸ナトリウム

 

表2 塩酸フェニルプロパノールアミンを含有する主要医薬品リスト

一般用医薬品
 鼻炎用内服薬
  製品名 会社名(製造(輸入)元-販売元)
1 JPS鼻炎カプセル ジェーピーエス製薬
2 こどもストナリニ 佐藤製薬
3 こどもパブロン鼻炎液 大正製薬
4 さとう鼻炎カプセル 佐藤薬品工業‐佐藤薬品販売
5 アサヒ鼻炎カプセル 朝日製薬・富山
6 アスゲン鼻炎カプセル アスゲン製薬‐日邦薬品工業
7 アスゲン鼻炎シロップ「小児用」 アスゲン製薬‐日邦薬品工業
8 アスゲン鼻炎錠 アスゲン製薬‐日邦薬品工業
9 アナクール持続性鼻炎カプセル 日水製薬
10 アネトン鼻炎カプセル持続性 広貫堂‐ファイザー製薬
11 アラクス鼻炎スティック アラクス
12 アルガード鼻炎クールチュアブル ロート製薬
13 アルガード鼻炎ソフトカプセル ロート製薬
14 アルシン鼻炎カプセル 滋賀県製薬
15 エザック鼻炎L 小林薬学工業‐日本医薬品工業
16 エスタック「ニスキャップ」 エスエス製薬
17 エスタック大人用鼻炎内服液 明治薬品‐エスエス製薬
18 エスパイン鼻炎カプセル 福地製薬‐近江製薬
19 エスベナン鼻炎カプセル 滋賀県製薬‐白石薬品
20 エピシロン鼻炎カプセル 高市製薬
21 エピック鼻炎シロップ小児用 福地製薬
22 オートハッスP鼻炎カプセル 日本アルツ製薬
23 オールP鼻炎ソフトカプセル オール薬品工業
24 オフノーズ鼻炎カプセル 協和薬品工業
25 オムニン鼻炎ソフトカプセル オール薬品工業
26 オロトニン鼻炎カプセル 北宝薬品
27 カイゲンこども用鼻炎シロップ 大洋薬品工業・大阪‐カイゲン
28 カイゲン鼻炎カプセル 堺化学工業‐カイゲン
29 カイゲン鼻炎カプセル12 堺化学工業‐カイゲン
30 カイゲン鼻炎シロップ小児用 大洋薬品工業・大阪‐カイゲン
31 カイゲン鼻炎内服液10〈テン〉 大洋薬品工業・大阪‐カイゲン
32 ガノン鼻炎L ホーユー‐天野商事
33 クミアイ鼻炎カプセル 協同薬品工業‐全国農業協同組合連合会
34 クミアイ鼻炎カプセル 佐藤薬品工業‐北海道厚生農業協同組合連合会
35 コールトル「鼻炎」 米田薬品
36 コールトル「鼻炎」ソフトカプセル 米田薬品
37 コデジール鼻炎カプセル 日野薬品工業
38 コデジール鼻炎チュアブル 日野薬品工業
39 コデビタこども鼻炎シロップ 福地製薬
40 コフジス鼻炎カプセル 福地製薬‐東洋メディコ
41 コフジス鼻炎シロップ小児用 福地製薬
42 コフチール鼻炎シロップ小児用 福地製薬
43 コルゲンコーワ鼻炎ソフトカプセル小児用 興和‐興和新薬
44 コルダン〈鼻炎〉カプセル 近畿医薬品製造
45 コルベロン鼻炎用カプセル「持続性」 富山化学工業
46 コンタック600EX 住友製薬‐住友製薬ヘルスケア
47 コンタック600SR 住友製薬‐グラクソ・スミスクライン
48 コンタック鼻炎 住友製薬‐グラクソ・スミスクライン
49 サラリ800 内外薬品商会
50 サンテン鼻炎顆粒 参天製薬
51 サンテ鼻炎ソフトカプセル 東亜薬品‐参天製薬
52 ジェーピーエス鼻炎内服液 原沢製薬工業‐ジェーピーエス製薬
53 ジキナ鼻炎カプセル 富士薬品
54 ジキニン鼻炎顆粒A 全薬工業
55 スカイナー鼻炎用S エーザイ
56 スックル〈鼻炎用〉 佐藤薬品工業‐佐藤薬品工業,増田製薬,丸太中嶋製薬
57 スットワン鼻炎カプセル 至誠堂製薬
58 ストナリニ 佐藤製薬
59 ストナリニサット 佐藤製薬
60 ストナリニシロップ「小児用」 佐藤製薬
61 ストナリニ小児用 佐藤製薬
62 ストナ鼻炎カプセル 住友製薬‐佐藤製薬
63 スパーク鼻炎カプセル 滋賀県製薬
64 スパール鼻炎カプセル 渡辺薬品工業‐田原兄弟社
65 スルロン鼻炎L 協和薬品工業
66 セピー鼻炎ソフトクール 東洋カプセル‐ゼリア新薬工業
67 ゼネル鼻炎顆粒 ゼネル薬工粉河‐ゼネル薬品工業
68 タウロミン鼻炎ソフトカプセル 福井製薬‐日邦薬品工業
69 ダイシ鼻炎カプセル 大師製薬
70 ダン12 住友製薬‐住友製薬ヘルスケア
71 ダンリッチA 住友製薬‐オールジャパンドラッグ,住友製薬ヘルスケア
72 チミコデ鼻炎カプセル 福地製薬‐三菱ウェルファーマ
73 トピック鼻炎「カプセル」 日新薬品工業‐日新薬品工業,ヒグチ薬品
74 ドレーク鼻炎錠 吉田薬品工業
75 ノイセル鼻炎カプセル 中新薬業
76 ノスポールA鼻炎カプセル 協和薬品工業
77 ノスポール鼻炎カプセル 協和薬品工業
78 ノスポール鼻炎ゴールド 協和薬品工業
79 ノドミ鼻炎シロップA 三宝製薬‐オリエックス
80 ハイスックル〈鼻炎用〉 佐藤薬品工業
81 ハイドルミン鼻炎カプセル 日新製薬・滋賀
82 ハイビエンカプセル 明治製薬‐日本医薬,明星薬品
83 ハヤナ鼻炎カプセル 富士薬品
84 パーム鼻炎カプセル 滋賀県製薬‐ベンセドール
85 パイロンL24 塩野義製薬
86 パブロン鼻炎カプセルL 大正製薬
87 パブロン鼻炎カプセルL小児用 大正製薬
88 パプトン鼻炎カプセル 田村薬品工業
89 パミコール「鼻炎」 米田薬品
90 パミコール「鼻炎」ソフトカプセル 米田薬品
91 ヒーダ鼻炎カプセル 東宝製薬
92 ヒストミン鼻炎カプセルL 小林薬品工業
93 ヒスパノン鼻炎カプセル 松本製薬工業
94 ヒビリンSカプセル 渡辺薬品工業
95 ヒラミン鼻炎カプセル 松田薬品工業
96 ビエンリック 米田薬品
97 ビエンリックソフトカプセル 米田薬品
98 ビノック鼻炎内服液10 大洋薬品工業・大阪‐小林薬学工業
99 ビノック鼻炎用カプセル 日本医薬品工業‐小林薬学工業
100 ピタリワン鼻炎カプセル 至誠堂製薬‐仁寿薬品
101 ピラ鼻炎カプセル 東亜薬品
102 フジビトール鼻炎薬 湧永製薬
103 プラタギン鼻炎カプセル 三宝製薬
104 プロピン鼻炎カプセル 内外薬品商会
105 ヘルビック鼻炎用カプセル 大昭製薬‐明治製菓
106 ベナエス鼻炎カプセルL 第一薬品工業
107 ベリテN&T 帥治堂製薬‐ベリテ
108 ベルエムピ鼻炎カプセル カネボウ‐カネボウ薬品
109 ベルゲン「5」プラス 明治薬品
110 ベンザAL 武田薬品工業
111 ペトン鼻炎カプセル 佐藤薬品工業‐藤沢薬品工業
112 ペプチカ鼻炎カプセル 佐藤薬品工業‐オリエックス,藤沢薬品工業
113 マイゼロン鼻炎錠 ジャパンメディック
114 マッハリン鼻炎カプセル 共栄製薬
115 マピロン鼻炎カプセルL 大昭製薬‐大日本製薬
116 メナム 救心製薬‐救心商事
117 ヤクレミン〈鼻炎用〉 全国薬品工業
118 ユトラ鼻炎カプセル 廣昌堂‐ノーエチ薬品
119 ユトラ鼻炎内服液 松本製薬工業‐ノーエチ薬品
120 リココデS2 ゼネル薬工粉河‐ゼネル薬品工業
121 ルックエス鼻炎カプセル 常盤薬品工業
122 ルピット鼻炎カプセル 滋賀県製薬‐カネボウ薬品
123 ルフノン鼻炎ソフトクール 東洋カプセル‐ゼリア新薬工業
124 レイメル鼻炎内服液 中外医薬生産
125 ロート鼻炎ソフトカプセルユア ロート製薬
126 ロビン鼻炎カプセル キョクトウ
127 宇津こども鼻炎シロップ 東亜薬品‐宇津救命丸
128 宇津ジュニア鼻炎ソフトカプセル 東亜薬品‐宇津救命丸
129 救風鼻炎カプセル 常盤薬品工業
130 持続性フジサワ鼻炎薬 佐藤薬品工業‐藤沢薬品工業
131 持続性プレコール鼻炎薬 佐藤薬品工業‐藤沢薬品工業
132 小児用エスタック鼻炎シロップ エスエス製薬
133 小児用ヒラミン鼻炎シロップ 松田薬品工業
134 新コルゲンコーワ鼻炎ソフトカプセル 興和‐興和新薬
135 新スックル鼻炎カプセルLG 佐藤薬品工業‐サンドラッグ・グループ
136 新ノスポール鼻炎カプセル 協和薬品工業
137 新ノバポン鼻炎カプセル 田辺製薬
138 新マイフーロン鼻炎ソフトカプセル 日本製薬工業
139 浅田飴こども鼻炎チュアブル 日野薬品工業‐浅田飴
140 浅田飴鼻炎シロップ 日野薬品工業‐浅田飴
141 浅田飴鼻炎チュアブル 日野薬品工業‐浅田飴
142 中央クール鼻炎用カプセル 渡辺薬品工業‐大和中央製薬
143 鼻炎カプセル「キュキュ」A 広貫堂
144 鼻炎カプセル「ベラ」 中村薬品工業‐大佛堂製薬,中村薬品工業
145 鼻炎カプセルA 新新薬品工業‐新新薬品工業,布亀
146 鼻炎シロップダンカップ 牛津製薬‐日邦薬品工業
147 鼻炎ソフトカプセル「クニヒロ」 皇漢堂製薬
148 鼻炎ダンカップ 牛津製薬‐日邦薬品工業
149 鼻炎ノスウェイL 協和薬品工業
150 鼻炎ライザックN 渡辺薬品工業‐日参製薬保寿堂
151 鼻炎用ハイセーフー 大昭製薬
152 明治鼻炎カプセル 明治製薬
153 明生鼻炎カプセル 明生薬品工業
154 龍角散鼻炎ソフトカプセル 龍角散
155 龍角散鼻炎持続性カプセル 龍角散
156 六活鼻炎カプセル 福地製薬‐宮本製薬
157 喘妙鼻炎錠 アスゲン製薬
 鎮咳去痰薬
158 コデブロン「液剤」S 松本製薬工業‐カイゲン,常盤薬品工業
159 コンタックせき止めSR 住友製薬‐グラクソ・スミスクライン
160 ストナコフキャプレット 佐藤製薬
161 ストナコフデキス液 佐藤製薬
162 大心せきどめ錠 喜多薬品工業
 かぜ薬
163 ストナサイナス細粒 佐藤製薬
164 ストナジェルサイナス 佐藤製薬
165 ベンザブロック 武田薬品工業
166 ベンザブロックSP 武田薬品工業
167 ベンザブロックSPカプセル 武田薬品工業
168 ベンザブロックSP錠 武田薬品工業
169 ベンザブロック錠 武田薬品工業
医療用医薬品
 総合感冒剤
170 ダン・リッチ 住友製薬

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》

〈一般用医薬品 塩酸フェニルプロパノールアミンを含有する製剤〉

[してはいけないこと]

 次の人は服用しないこと

本剤又は塩酸フェニルプロパノールアミンを含有する内服薬(鼻炎用内服薬,かぜ薬,鎮咳去痰薬)を服用した後に,頭痛,悪心・嘔吐,めまい,動悸等の症状や著しい血圧上昇があらわれたことのある人。

定められた用法・用量を厳守し,過量服用しないこと

著しい血圧上昇や脳出血を起こすおそれがある。)

[相談すること]

 次の場合は,直ちに服用を中止し,この文書を持って医師又は薬剤師に相談すること

  服用後,次の症状があらわれた場合

 循環器:著しい血圧上昇,動悸

 その他:排尿困難,顔のほてり,異常なまぶしさ

まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けること。

 脳出血:はげしい頭痛,それに伴う悪心・嘔吐,めまい,動悸,著しい血圧上昇等があらわれる。血圧の高くない人においても報告されている。また,その多くは若い女性で起きている。

〈参   考〉 企業報告,医療機関報告


〈ヨウ化イソプロパミド・塩酸フェニルプロパノールアミン・塩酸ジフェニルピラリン〉

[禁   忌]
高血圧症の患者〔脳出血を起こすおそれがある。〕
脳出血の既往歴のある患者〔脳出血を起こすおそれがある。〕
本剤又は塩酸フェニルプロパノールアミンを含有する製剤の服用後に,頭痛,悪心・嘔吐,めまい,動悸等の症状や著しい血圧上昇があらわれたことのある患者〔脳出血を起こすおそれがある。〕
[副作用(重大な副作用)] 脳出血:観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。(高血圧の既往がない患者でも報告されている。また,その多くは若年の女性である。)
[過量投与] 過量投与により,著しい血圧上昇や脳出血を起こすおそれがある。
〈参   考〉 企業報告

 

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重要な副作用等に関する情報

 前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.192)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について,改訂内容,参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
 

【1】インターフェロンガンマ-1a(遺伝子組換え)

販売名(会社名) イムノマックス-γ注50,同注100,同注300(塩野義製薬)
ビオガンマ注射用200(第一サントリーファーマ)
薬効分類等 その他の生物学的製剤
効能効果 (イムノマックス-γ注50,同注100の場合)
1.腎癌
2.慢性肉芽腫症に伴う重症感染の頻度と重篤度の軽減
(イムノマックス-γ注300の場合)
腎癌
(ビオガンマ注射用200)
菌状息肉症(内臓浸潤期を除く)

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用(重大な副作用)] 糖尿病:糖尿病が増悪又は発症することがあるので,定期的に検査(血糖値,尿糖等)を行い,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
50代
腎癌
(なし)
300万単位
94日間
  ↓
(6日間休薬)
  ↓
500万単位
127日間
  ↓
(41日間休薬)
  ↓
100万単位
43日間
高血糖
既往歴 緑内障
投与311日前 糖尿病を指摘される。
食事療法でコントロール良好。
投与255日前 放射線療法施行(総量60Gy,44日間)。
投与12日前 左根治的腎摘出術施行。
投与開始日 本剤300万単位投与開始。
食前血糖値148mg/dL
HbA1c5.8%
投与94日目
(投与終了日)
本剤投与終了。
終了7日後
(再投与開始日)
本剤500万単位投与開始。
再投与77日目 HbA1c6.8%
再投与123日目 運動したところ,全身倦怠感が強く出現したため,運動を途中で中止し,帰宅。
再投与127日目
(投与中止日)
口渇,倦怠感が強いため,外来受診。
随時血糖748mg/dLと上昇し,同日入院。尿ケトン体陰性,負荷前血中インスリン2.6μU/mL,抗GAD抗体陰性。
本剤投与中止。
入院後,補液にて脱水補正し,インスリンも使用。
中止1日後 食前血糖値261mg/dLまで改善。
HbA1c9.3%
1600kcalの食事療法開始。
中止42日後
(再々投与開始日)
血糖値が改善し,本剤100万単位を週1回の割合で開始(43日間)。
インスリン アスパルト(遺伝子組換え)を各食前4単位又は6単位程度で投与し,食前血糖値130mg/dL前後と落ち着いた。
再々投与30日目 採血にて,血糖コントロール改善。
食前血糖値122mg/dL
HbA1c7.8%
再々投与41日目 退院。
企業報告
併用薬:なし

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
50代
腎細胞癌
(高血圧,高脂血症,肝障害)
300万単位
5日間
  ↓
(1日間休薬)
  ↓
600万単位
4日間
高血糖
既往歴 急性虫垂炎
投与開始約4年前 人間ドックにて境界型糖尿病を指摘される。
投与35日前 食後血糖値172mg/dL
投与開始日 腎細胞癌に対し,本剤300万単位投与開始。
投与2日目 食後血糖値157mg/dL
投与4日目 朝食前血糖値210mg/dL
投与5日目
(投与終了日)
本剤投与終了。
終了2日後
(再投与開始日)
本剤600万単位投与開始。
朝食前血糖値272mg/dL
再投与2日目 血糖値日内変動測定。
朝食前283mg/dL,朝食2時間後408mg/dL
昼食前385mg/dL,昼食2時間後390mg/dL
夕食前556mg/dL,夕食2時間後571mg/dL
夕食4時間後470mg/dL
18:20 速効型ヒトインスリン(遺伝子組換え)8単位投与。
20:15 速効型ヒトインスリン(遺伝子組換え)8単位投与。
再投与3日目 速効型ヒトインスリン(遺伝子組換え)22単位+中間型ヒトインスリン(遺伝子組換え)4単位投与開始。
血糖値253~412mg/dL
再投与4日目
(投与中止日)
本剤投与中止。
中止2日後 血糖値270~355mg/dL
中止4日後 血糖値コントロール不良にて,速効型ヒトインスリン(遺伝子組換え)22単位+中間型ヒトインスリン(遺伝子組換え)6単位に変更投与。
中止7日後 朝食前血糖値114mg/dL
中止9日後 朝食前血糖値134mg/dL
中止12日後 高血糖未回復。
企業報告
併用薬:結核菌熱水抽出物,グルタチオン,肝臓加水分解物配合剤,塩酸ジルチアゼム,ベザフィブラート,カプトプリル
 


【2】エポエチンアルファ(遺伝子組換え)

販売名(会社名) エスポー注射液750,同1500,同3000,同750シリンジ,同1500シリンジ,同3000シリンジ(麒麟麦酒,三共)
エスポー皮下用6000,同9000,同12000,同24000,同6000シリンジ,同9000シリンジ,同12000シリンジ,同24000シリンジ(麒麟麦酒,三共)
薬効分類等 他に分類されない代謝性医薬品
効能効果 (エスポー注射液750,同1500,同3000,同750シリンジ,同1500シリンジ,同3000シリンジの場合)
透析施行中の腎性貧血,未熟児貧血
(エスポー皮下用6000,同9000,同12000,同24000,同6000シリンジ,同9000シリンジ,同12000シリンジ,同24000シリンジの場合)
腎性貧血,貯血量が800mL以上で1週間以上の貯血期間を予定する手術施行患者の自己血貯血

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[重要な基本的注意]
 
〈透析施行中の腎性貧血〉〈腎性貧血〉
抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれることがあるので,本剤使用中に貧血の改善がない,あるいは悪化する場合等は同疾患を疑い,赤芽球癆と診断された場合には本剤の投与を中止すること。また,他のエリスロポエチン製剤への切り替えは避け,適切な処置を行うこと。
 
[副作用(重大な副作用)] 赤芽球癆:抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれることがあるので,その場合は投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
80代
腎性貧血
(高血圧,気管支喘息,過敏性腸症候群)
6000IU
(1回/週)

1年1ヵ月
赤芽球癆
投与1年3ヵ月前 腎不全,腎性貧血と診断された。
投与1年2ヵ月
15日前
ヘマトクリット21.0%
投与1年2ヵ月
5日前
エポエチンベータ(遺伝子組換え)6000IUの皮下投与を開始(1回/週)した。
投与11ヵ月19日前 投与1年3日前の臨床検査値でヘマトクリット37.8%となり,エポエチンベータ(遺伝子組換え)の投与を中止した。
1年経過 この後,約1年間エリスロポエチン製剤の投与はなかった。
投与開始日 嘔気を主訴として入院した。本剤6000IUの投与を開始(1回/週)した。ヘマトクリット25.5%(投与開始前日の検査値)
投与11日目 ヘマトクリット25.5%
投与3ヵ月13日目 ヘマトクリット32.7%
投与9ヵ月目 ヘマトクリット27.3%
投与10ヵ月25日目 ヘマトクリット13.7%
投与10ヵ月26日目 入院した。
人赤血球濃厚液1単位を3日間輸血した。
投与11ヵ月4日目 人赤血球濃厚液1単位を3日間輸血した。
投与11ヵ月11日目 人赤血球濃厚液2単位を3日間輸血した。
投与11ヵ月20日目 退院した。
投与12ヵ月14日目 人赤血球濃厚液2単位を3日間輸血した。
投与12ヵ月17日目 直接クームス試験を実施し,陽性と判明した。不規則抗体は陰性であった。
投与12ヵ月20日目 ヘマトクリット23.9%
投与1年1ヵ月目
(投与終了日)
本剤の最終投与を行った。
終了7日後 人赤血球濃厚液2単位を輸血した。ヘマトクリット19.0%
終了8日後 抗エリスロポエチン抗体陽性が判明した(投与終了日採取検体)。
終了9日後 同病院内で骨髄検査を実施し,赤芽球癆と診断された。
人赤血球濃厚液2単位を輸血した。
終了14日後 プレドニゾロン20mgの連日経口投与が開始された。パルボウイルスB19(IgM)陰性。
企業報告
臨床検査値
   投与1年
2ヵ月
15日前
投与
1年
3日前
投与
1日前
投与
11日目
投与
3ヵ月
13日目
投与
8ヵ月目
投与
9ヵ月目
投与
10ヵ月
25日目
投与
10ヵ月
26日目
投与
12ヵ月
20日目
終了
7日後
終了
28日後
赤血球数
(×104/mm3
213 362 252 246 304 264 140 267 213
ヘモグロビン
(g/dL)
7.1 12.5 8.8 8.5 10.4 9.1 4.3 7.9 6.1
血小板数
(×104/mm3
17.5 25.3 16.8 23.6 19.7 17.1 12.0 11.0 11.7
白血球数
(/mm3
11200 7200 9200 6500 5200 5700 4900 4400 4200
ヘマトクリット
(%)
21.0 37.8 25.5 25.5 32.7 27.3 13.7 23.9 19.0
尿素窒素
(mg/dL)
19.9 36.2 33.5 22.3 32.6 37.7 44.7 29.0
クレアチニン
(mg/dL)
1.8 1.8 2.3 1.8 2.0 2.0 2.2 2.0
網状赤血球
(‰)
7 3 1
併用薬:ポリカルボフィルカルシウム,ナフトピジル,モンテルカストナトリウム,マレイン酸トリメブチン,テオフィリン徐放剤,塩酸イミダプリル,カンデサルタンシレキセチル,塩酸プロカテロール
 


【3】エポエチンベータ(遺伝子組換え)

販売名(会社名) (1)エポジン注シリンジ,同アンプル750(中外製薬)
(2)エポジン注シリンジ,同アンプル1500・3000(中外製薬)
(3)エポジン注シリンジ,同アンプル6000(中外製薬)
(4)エポジン注シリンジ,同アンプル9000・12000(中外製薬)
薬効分類等 他に分類されない代謝性医薬品
効能効果 (1)透析施行中の腎性貧血,透析導入前の腎性貧血
(2)透析施行中の腎性貧血,透析導入前の腎性貧血,貯血量が800mL以上で1週間以上の貯血期間を予定する手術施行患者の自己血貯血
(3)連続携行式腹膜灌流(CAPD)施行中の腎性貧血,透析導入前の腎性貧血,貯血量が800mL以上で1週間以上の貯血期間を予定する手術施行患者の自己血貯血
(4)連続携行式腹膜灌流(CAPD)施行中の腎性貧血,透析導入前の腎性貧血

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[重要な基本的注意]
 
抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれることがあるので,本剤使用中に貧血の改善がない,あるいは悪化する場合等は同疾患を疑い,赤芽球癆と診断された場合には本剤の投与を中止すること。また,他のエリスロポエチン製剤への切り替えは避け,適切な処置を行うこと。
 
[副作用(重大な副作用)] 赤芽球癆:抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれることがあるので,その場合は投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
60代
腎性貧血
(高血圧症,気管支喘息,消化管出血,2型糖尿病,高脂血症,蛋白尿,末梢神経炎,白内障)
6000IU
(1回/2週)
9回

12000IU
(1回/2週)
2回

6000IU
(1回/週)
2回

9000IU
(1回/週)
1回
赤血球無形成(赤芽球癆)
投与1年3ヵ月前 急性心不全,肺水腫にてA病院に約1ヵ月間入院,腎機能障害の指摘を受ける。
投与9ヵ月前 肺炎発現。
投与74日前 心不全にて,A病院に入院。
投与70日前 CTにて肺のうっ血,胸膜浸出液,骨盤内腹水を認める。
投与開始日 腎機能悪化,腎性貧血にて本剤6000IUの皮下投与開始(1回/2週)。
投与28日目 本剤投与終了。
投与71日目 本剤6000IUの皮下投与開始(1回/2週)。
投与102日目 うっ血にて1週間入院。
投与137日目 本剤投与終了。
投与162日目 本剤6000IU皮下投与。ヘモグロビン9.8g/dLまで改善。
投与175日目 ヘモグロビン8.5g/dLまで低下。本剤12000IUの皮下投与開始(1回/2週)
投与203日目 ヘモグロビン5.4g/dLにて,人赤血球濃厚液1単位4日間輸血。
投与210日目 人赤血球濃厚液2単位2日間輸血。貧血改善なし。
投与219日目 本剤6000IUの皮下投与開始(1回/週)。腎機能悪化。
投与230日目 本剤投与終了。
投与231日目 B病院に入院。ヘモグロビン5.7g/dL
投与234日目 本剤6000IU皮下投与。貧血改善なし。
投与236日目 人赤血球濃厚液2単位輸血。ヘモグロビン値改善みられる。
投与238日目 抗エリスロポエチン抗体検査実施(結果:陽性,中和能あり)。
投与240日目 骨髄生検実施。結果:cellularity(骨髄細胞密度)約30%,骨髄系,巨核球の各成熟段階がみられたが,赤血球系が著明に減少(M/E=9.05)。免疫組織化学染色:Glycophorin C陽性赤血球系細胞減少。赤芽球癆と診断。
投与241日目
(投与中止日)
貧血の改善ないため,本剤9000IU皮下投与するも改善せず。ヘモグロビン5.0g/dL
中止1日目 人赤血球濃厚液2単位輸血。エリスロポエチン濃度測定:<1.0mIU/mL(基準値:2.8~17.2mIU/mL),パルボウイルスIgM測定:0.05(基準値:<0.8)
中止7日目 エポエチンアルファ12000IU皮下投与。
以後,エリスロポエチン製剤投与中止。
中止11日目 人赤血球濃厚液2単位輸血。抗エリスロポエチン抗体検査実施(結果:陽性,中和能あり)。ヘモグロビン4.5g/dL
中止15日目 C病院へ転院。
中止19日目 骨髄検査により,hypocellular marrow(骨髄低形成)(M/E=147),赤血球系の消失,赤芽球癆として再確認した。人赤血球濃厚液4単位輸血。
中止32日目 人赤血球濃厚液4単位輸血。C病院退院。
中止36日目 C病院外来。抗エリスロポエチン抗体検査実施(結果:陽性)。人赤血球濃厚液4単位輸血。
中止45日目 C病院へ入院。ヘモグロビン5.8g/dL
中止46日目 血液透析導入。
中止60日目 人赤血球濃厚液4単位輸血。
中止77日目 人赤血球濃厚液2単位輸血。
中止82日目 シクロスポリン200mg継続経口投与開始。人赤血球濃厚液2単位輸血。
中止97日目 人赤血球濃厚液2単位輸血。
中止104日目 人赤血球濃厚液2単位輸血。
中止113日目 人赤血球濃厚液2単位輸血。C病院退院。
中止119日目 ヘモグロビンは6.5g/dLに上昇するも赤芽球癆は未回復。
企業報告
臨床検査値
   投与開始
454日前
投与開始
315日前
投与開始
189日前
投与
1日目
投与
56日目
投与
162日目
投与
175日目
投与
189日目
投与
203日目
投与
231日目
投与
232日目
赤血球数(×104/mm3 273 318 321 273 216 178 199 189
ヘモグロビン(g/dL) 12.2 10.9 10.3 8.5 10.0 9.8 8.5 6.6 5.4 5.7 5.4
ヘマトクリット(%) 24.6 29.1 28.5 24.3 18.7 15.1
BUN(mg/dL) 23 23 30 45 43 53 59 59 79 89 91
血清クレアチニン(mg/dL) 1.2 1.4 1.5 2.5 2.8 4.1 4.3 4.6 5.2 6.8 6.8

 

   投与
236日目
投与
238日目
投与
240日目
(発現日)
中止
1日後
中止
6日後
中止
11日後
中止
45日後
中止
60日後
中止
74日後
中止
89日後
中止
119日後
赤血球数(×104/mm3 158 207 177 186 158 197 169 202 238 223
ヘモグロビン(g/dL) 4.5 5.9 5.0 5.4 4.5 5.8 5.0 6.0 7.1 6.5
ヘマトクリット(%) 17.3 16.7 14.7 17.4 20.5 18.8
BUN(mg/dL) 81 75 75 96 71 61 53 77.2
血清クレアチニン(mg/dL) 6.4 6.7 6.7 7.5 10.1 9.1 6.9 10.74
併用薬:塩酸ベニジピン,メシル酸ドキサゾシン,フロセミド,ブロチゾラム,メチルジゴキシン,塩酸テモカプリル,スピロノラクトン,ベシル酸アムロジピン,プラバスタチンナトリウム,モンテルカストナトリウム,ニフェジピン,バルサルタン,クエン酸第一鉄ナトリウム,ゾピクロン,カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム
 


【4】コルヒチン

販売名(会社名) コルヒチン錠(三菱ウェルファーマ)
コルヒチン錠「シオノギ」(塩野義製薬)
薬効分類等 痛風治療剤
効能効果 痛風発作の緩解及び予防

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[慎重投与]
 
腎障害のある患者
 
[重要な基本的注意]
 
血液障害,腎障害,肝障害,横紋筋融解症,ミオパチー,末梢神経障害等があらわれることがあるので,投与中はこれらの異常の有無を定期的な血液検査,生化学検査,尿検査等を施行して注意深く観察すること。
 
[副作用(重大な副作用)] 再生不良性貧血,顆粒球減少,白血球減少,血小板減少:これらの副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止すること。
横紋筋融解症,ミオパチー:筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇等を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので,このような場合には,直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また,ミオパチーがあらわれることがあるので,筋肉痛,筋力低下,CK(CPK)上昇等があらわれた場合には,直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
末梢神経障害末梢神経障害があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
70代
痛風発作
(慢性腎不全,高血圧,便秘症)
1mg
29日間
横紋筋融解症
投与約6年前 慢性腎不全発症。近医にて加療。
投与44日前 腎機能が急激に悪化したため,入院。高血圧に対し,ベシル酸アムロジピン5mg投与開始。
投与42日前 尿酸高値11.1mg/dLのためアロプリノール200mg投与開始。
痛風発作を数回繰り返す。
投与38日前 便秘症に対し,センノシド24mg投与開始。
投与24日前 蕁麻疹に対し,マレイン酸クロルフェニラミン6mg投与開始。
投与14日前 退院。
投与開始日 退院後,初回外来受診。
痛風発作に対し,本剤1mg投与開始。
投与22日目 下肢のだるさを自覚する。
CK(CPK)4312IU/L
投与28日目 近医にて肝機能障害指摘。
AST(GOT)300IU/L,ALT(GPT)300IU/L,LDH1700IU/L
投与29日目
(投与中止日)
CK(CPK)1643IU/L,肝機能障害のため入院。
本剤,アロプリノール投与中止。
補液(塩化ナトリウム,ブドウ糖剤)2000mL点滴開始(5日間)。
中止4日後 DLST施行:本剤陽性。
中止6日後 下肢のだるさ軽快。
CK(CPK)336IU/L
中止10日後 CK(CPK)117IU/L
企業報告
臨床検査値
   投与
24日前
投与
開始日
投与始
22日目
投与
28日目
投与中止日 中止
4日後
中止
6日後
中止
10日後
AST(GOT)(IU/L) 10 259 300 65 51
ALT(GPT)(IU/L) 13 173 300 93 66
LDH(IU/L) 407 2166 1700 1384 566
BUN(mg/dL) 53.1 38.1 28.4 25.3 38.1
血清クレアチニン(mg/dL) 3.5 3.0 3.0 2.3 2.9
尿酸(mg/dL) 7.4 5.0 5.9 7.9
CK(CPK)(IU/L) 4312 1643 962 336 117
CK-MB(IU/L) 91 22
血清Na(mEq/L) 140 143 140 140 136
血清K(mEq/L) 4.2 4.5 3.7 3.5 4.8
尿潜血 (-) (-) (3+) (2+) (±)
併用薬:ベシル酸アムロジピン,アロプリノール,センノシド,マレイン酸クロルフェニラミン
 


【5】ボグリボース

販売名(会社名) ベイスン錠0.2,同錠0.3(武田薬品工業)
薬効分類等 糖尿病用剤
効能効果 糖尿病の食後過血糖の改善(ただし,食事療法・運動療法を行っている患者で十分な効果が得られない場合,又は食事療法・運動療法に加えて経口血糖降下剤若しくはインスリン製剤を使用している患者で十分な効果が得られない場合に限る)

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用(重大な副作用)] 劇症肝炎,AST(GOT),ALT(GPT)の上昇等を伴う重篤な肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
30代
1型糖尿病
(子宮筋腫,無月経,不妊)
0.9mg
79日間
劇症肝炎
14ヵ月前に1型糖尿病の診断の下,インスリン自己注射開始。8ヵ月前にアカルボース,2ヵ月前にエパルレスタットの投与を開始。
投与開始日 アカルボースに替え,本剤の投与を開始。
投与42日目 AST(GOT)及びALT(GPT)の上昇を認める。
投与61日目 出産後無月経のため産婦人科にてジドロゲステロン5mg,結合型エストロゲン0.625mg投与。この頃より血糖コントロール悪くなり,全身倦怠,食思不振,腹部不快感が出現。
投与71日目 他院A外来受診し,インスリン用量を調節し,ファモチジンを投与。診察上は理学的に異常は認めなかった。
投与72日目 ジドロゲステロン,結合型エストロゲン投与中止。
投与79日目
(投与中止日)
症状悪化,皮膚の黄染に気付き他院A外来受診。AST(GOT)2703IU/L,ALT(GPT)3770IU/Lにて急性肝炎と診断。ウイルス検査実施:IgMHAAb(-),HBsAg(-),HBsAb:0.4,HCVAb(-)。本剤,エパルレスタット及びインスリンの投与を中止。
中止1日後 他院Bへ紹介入院。副腎皮質ステロイド投与。
中止10日後 意識レベル低下(昏睡度III~IV)。
中止11日後 劇症肝炎と診断。アフェレーシス(血漿交換,血液濾過透析)開始。
中止13日後 意識改善なく,当院に連絡あり。他院Bにて肝生検(針)を実施(病理報告:薬物起因性肝炎疑い)。人工呼吸管理開始。アフェレーシスは継続。
中止14日後 脳圧モニターを挿入(20mmHg)。DLST実施したところジドロゲステロンは陰性(結合型エストロゲンも陰性:実施日不明)。
中止15日後 当院転入院,ICU入室。入院後,持続的高置換量血液濾過透析施行等により意識レベルは改善。
中止19日後 抜管。
中止24日後 上行結腸穿孔にて,右半結腸切除。回腸ストーマ造設。潰瘍穿孔の原因は不明。
中止32日後 持続的高置換量血液濾過透析離脱。脳梗塞あるが保存的に経過観察。
中止35日後 一般病床に移り肝臓は良好に推移。
中止48日後 熱発あり,副腎皮質ステロイド使用。
中止55日後 他院Bへ帰院。以後,副腎皮質ステロイドを中止するとAST(GOT)/ALT(GPT)軽度上昇するため,プレドニゾロン5mgで継続。
糖尿病コントロールはインスリン自己注射で良好。
中止97日後 退院。以後,当院外科外来にて経過観察となる。
転帰:回復
企業報告
臨床検査値
   投与開始日 投与42日目 投与79日目
(投与中止日)
中止11日後 中止56日後
AST(GOT)(IU/L) 17 32 2703 144 79
ALT(GPT)(IU/L) 16 48 3770 486 92
LDH(IU/L) 1867 599 36
Al-P(IU/L) 180 857
γ-GTP(IU/L) 116 67 296
総ビリルビン(mg/dL) 1.6 1.8 10.6 23.3 4.4
直接ビリルビン(mg/dL) 6.7 16.9 3.1
白血球数(/mm3 5660 8400 6700
赤血球数(×104/mm3 477 387 277
血小板数(×104/mm3 14.5 6.2 17.6
プロトロンビン時間(%) 33 61
併用薬:インスリンリスプロ(遺伝子組換え),エパルレスタット,結合型エストロゲン,ジドロゲステロン,ファモチジン

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
60代
糖尿病
(なし)
0.6mg
376日間
黄疸
約9年前に糖尿病と診断され,3年前から食事療法及びグリベンクラミド内服にて,HbA1cは5%台にコントロールされていた。
投与開始日 本剤投与開始(グリベンクラミドは約1ヵ月前に投与中止)。
投与341日目 エパルレスタット投与開始。
投与371日目 全身に黄疸出現。
投与376日目
(投与中止日)
黄疸悪化したため受診。肝障害(AST(GOT)・ALT(GPT)・Al-P・LDH・γ-GTP・総ビリルビン上昇)を認めたが,腹部エコー,腹部CTでは異常所見認めず。本剤の投与を中止。
中止1日後 入院。急性肝炎のマーカーはHAV,HBV,HCVともに陰性。
全身倦怠感も徐々に増強。グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤,肝臓エキス・フラビンアデニンジヌクレオチド,補液投与。
中止3日後 DLST実施:本剤(+),エパルレスタット(+)。
中止5日後 食欲回復しないため,IVHカテーテル挿入。
中止6日後 自己免疫性肝炎疑い,プレドニゾロン60mg経口投与開始したが改善せず。
中止9日後 高カロリー輸液開始。
中止20日後 水溶性プレドニゾロン60mg点滴静注に変更。浮腫出現。
速効型ヒトインスリン(遺伝子組換え)で血糖200mg/dL前後にコントロール。
中止24日後 低蛋白血症進行し,肝の蛋白合成能低下著明。浮腫に対してフロセミド,カンレノ酸カリウム連日静注。
中止40日後 アルブミン輸液開始。
中止42日後 発熱38℃認めたため,塩酸セフォゾプラン投与。
中止44日後 意識レベル低下し,傾眠傾向となる。
中止48日後 アンモニア102mg/dL,コリンエステラーゼ27IU/L,総蛋白4.2g/dLと著明低下。症状重症化し,死亡(死因:敗血症疑い,剖検:なし)。
企業報告
臨床検査値
   投与開始
35日前
投与
341日目
投与376日目
(投与中止日)
中止
3日後
中止
6日後
中止
24日後
中止
38日後
中止
45日後
AST(GOT)(IU/L) 21 35 1654 601 236 95 119 131
ALT(GPT)(IU/L) 13 41 1912 1204 635 121 90 90
LDH(IU/L) 399 412 1422 632 657 913 901 1145
Al-P(IU/L) 229 214 711 562 474 714 865
γ-GTP(IU/L) 18 37 234 168 128 166 140 114
コリンエステラーゼ(IU/L) 116 116 66 53 27
総ビリルビン(mg/dL) 0.5 0.4 9.6 12.3 21.9 13.6 18.1
直接ビリルビン(mg/dL) 9.9 14.8 10.5 14.0
総蛋白(g/dL) 6.1 4.4 4.2
白血球数(/mm3 4300 3500 10300 14700 16200
赤血球数(×104/mm3 402 398 358 347 291
血小板数(×104/mm3 14.6 19.6 6.1 6.2 6.3
プロトロンビン時間(秒) 14.2 14.8 18.7
ヘパプラスチンテスト(%) 58 24
併用薬:エパルレスタット

 

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使用上の注意の改訂について(その149)

 前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.192)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「2 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について,改訂内容,主な該当販売名,参考文献等をお知らせいたします。

 

1 〈精神神経用剤〉
塩酸パロキセチン水和物
[販売名] パキシル錠10mg,同錠20mg(グラクソ・スミスクライン)
[禁忌]
18歳未満の患者(大うつ病性障害患者)
[重要な基本的注意] うつ病・うつ状態の患者は自殺企図のおそれがあるので,このような患者には,特に治療開始早期は注意深く観察しながら投与すること。
また,うつ病・うつ状態以外で本剤の適応となる精神疾患においても自殺企図のおそれがあり,さらにうつ病・うつ状態を伴う場合もあるので,このような患者にも注意深く観察しながら投与すること。
投与中止(特に突然の中止)により,めまい,知覚障害(錯感覚,電気ショック様感覚等),睡眠障害,激越,不安,嘔気,発汗等があらわれることがあるので,突然の投与中止は避けること。投与を中止する際は,徐々に減量すること。
減量又は投与中止後に耐えられない症状が発現した場合には,減量又は中止前の用量にて投与を再開し,より緩やかに減量することを検討すること。
〈参   考〉 企業報告
高橋祥友:日医雑誌,124(1):59(2000)
坂上紀幸,他:臨床精神医学講座,4:424(1998)

 

2 〈その他の循環器官用薬〉
インドメタシンナトリウム
[販売名] インダシン静注用(萬有製薬)
[副作用(重大な副作用)] ショック:血圧低下,チアノーゼ等があらわれることがあるので,観察を十分に行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

3 〈脳下垂体ホルモン剤〉
ソマトロピン(遺伝子組換え)(プラダーウィリー症候群の効能を有する製剤)
[販売名] ジェノトロピン1.3mg,同5.3mg,同カビクイック0.7mg,同カビクイック1.0mg,同カビクイック1.3mg,同注射用12mg(ファイザー)
[禁忌]
プラダーウィリー症候群の患者のうち,高度な肥満又は重篤な呼吸器障害のある患者
[重要な基本的注意] 高度な肥満,呼吸器障害又は睡眠時無呼吸の既往,呼吸器感染の要因をもつプラダーウィリー症候群の小児患者において,本剤投与に伴う死亡例が報告されている。また,これら要因をもつ男性患者ではさらに危険性が高まる可能性がある。従って,プラダーウィリー症候群の患者のうち,高度な肥満又は重篤な呼吸器障害のある患者には投与しないこと。また,プラダーウィリー症候群における低身長の患者に投与する場合,以下の点に注意すること。
 投与に際し,上気道閉塞がないことを確認すること。本剤投与中に上気道閉塞の徴候(いびきの発現又は増加等も含む)を示した場合は,本剤の投与を中止すること。
 睡眠時無呼吸の有無を確認し,睡眠時無呼吸が疑われる場合は観察を十分に行うこと。
 患者が効果的な体重管理を行っていることを確認すること。
 呼吸器感染の徴候の有無を十分に観察し,感染症に対する適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

4 〈他に分類されない代謝性医薬品〉
メトトレキサート(カプセル剤)
[販売名] リウマトレックスカプセル2mg(日本ワイスレダリー)
[重要な基本的注意] インフリキシマブとの併用療法を行う際には,両剤の添付文書を熟読し,リスク・ベネフィットを判断した上で投与すること。
[副作用(重大な副作用)] 感染症:カリニ肺炎,肺炎,敗血症,サイトメガロウイルス感染症,帯状疱疹等の重篤な感染症(日和見感染症を含む)があらわれることがあるので,患者の状態を十分観察し,異常が認められた場合には投与を中止し,抗生剤,抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

5 〈代謝拮抗剤〉
メトトレキサート(錠剤,注射剤)
[販売名] メソトレキセート錠2.5mg,同注射液200mg,注射用メソトレキセート5mg,注射用メソトレキセート50mg(日本ワイスレダリー)
[副作用(重大な副作用)] 感染症:カリニ肺炎,肺炎,敗血症,サイトメガロウイルス感染症,帯状疱疹等の重篤な感染症(日和見感染症を含む)があらわれることがあるので,患者の状態を十分観察し,異常が認められた場合には投与を中止し,抗生剤,抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

6 〈その他の腫瘍用薬〉
クエン酸トレミフェン
[販売名] フェアストン錠40,同錠60(日本化薬)
[副作用(重大な副作用)] 子宮筋腫:子宮筋腫があらわれることがあるので,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

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お知らせ

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なお,医薬品情報提供ホームページ(http://www.pharmasys.gr.jp/)又は厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)からも入手可能です。