独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
メニュー
閉じる
閉じる
閉じる

添付文書、患者向医薬品ガイド、
承認情報等の情報は、
製品毎の検索ボタンをクリックしてください。

安全対策業務

医薬品・医療用具等安全性情報 No.195

目次

  1. 重要な副作用等に関する情報
    1. アジスロマイシン水和物
    2. インターフェロンアルファ(NAMALWA)
    3. インターフェロンアルファ-2a(遺伝子組換え)
    4. インターフェロンアルファ-2b(遺伝子組換え)
    5. インターフェロンアルファコン-1(遺伝子組換え)
    6. インターフェロンベータ
    7. 塩酸セベラマー
    8. クエン酸マグネシウム
    9. リバビリン
  2. 使用上の注意の改訂について(その150)
    アセメタシン他(8件)

 

この医薬品・医療用具等安全性情報は、厚生労働省において収集された副作用情報をもとに、医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために、医療関係者に対して情報提供されるものです。

平成15年(2003年)11月
厚生労働省医薬食品局

重要な副作用等に関する情報

 前々号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.193)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。

 

【1】 アジスロマイシン水和物

販売名(会社名) ジスロマック細粒小児用、同カプセル小児用100mg、同錠250mg、同錠600mg(ファイザー)
薬効分類等 主としてグラム陽性菌、マイコプラズマに作用するもの
効能効果 (細粒、カプセル:小児用)
アジスロマイシン感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、マイコプラズマ属、クラミジア・ニューモニエによる下記感染症
  • 咽喉頭炎(咽喉膿瘍)、急性気管支炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍)、肺炎、肺化膿症
  • 中耳炎(含、乳様突起炎、錐体尖端炎)
(錠剤:250mg)
アジスロマイシン感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属、マイコプラズマ属、クラミジア・ニューモニエによる下記感染症
  • せつ、せつ腫症、よう、丹毒、蜂巣炎、リンパ管(節)炎、ひょう疽、化膿性爪囲炎
  • 咽喉頭炎(咽喉膿瘍)、急性気管支炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍)、慢性気管支炎、気管支拡張症(感染時)、慢性呼吸器疾患の二次感染、肺炎、肺化膿症
  • 副鼻腔炎
  • 歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎
(錠剤:600mg)
進行したHIV感染者における播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症の発症抑制及び治療

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[慎重投与] 心疾患のある患者
[副作用
(重大な副作用)]
QT延長、心室性頻脈(Torsades de pointesを含む):QT延長、心室性頻脈(Torsades de pointesを含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、QT延長等の心疾患のある患者には特に注意すること。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
70代
肺炎
(急性冠症候群、心不全、バセドウ病、僧帽弁狭窄症、高血圧症、大動脈弁逆流症、心房細動)
500mg
2日間
QT延長
既往歴:不明
バセドウ病、高血圧、僧帽弁狭窄症、心房細動のため通院中であった。
粘稠痰、発熱を主訴に来院した。肺炎に急性冠症候群を合併し、入院となった。入院時意識清明、血圧160/90mmHg、脈拍72回/分(不整)、III音とLevineII/VI収縮期雑音及び拡張期ランブルを聴取、肺野清であった。下腿浮腫が認められた。心電図上V3-5のST上昇を認め、トロポニンT陽性であったため、冠動脈造影を施行した。左前下行枝のびまん性99%狭窄を含む二枝病変で、左室駆出率は42%であった。インターベンション困難なため保存的に加療した。
投与開始日 肺炎に対して、本剤500mgの内服を開始した。
12:30 心電図上、QT延長(QTc 701msec)が認められた。
投与2日目 QTcは735msecまで延長した。
投与3日目
(投与中止日)
本剤の内服を中止した。
中止3日後 朝には正常化(QTc 433msec)した。
企業報告
心電図所見
   施設正常値 投与53日前 投与日 投与2日目 投与3日目
(投与中止日)
中止3日後
QTc(msec) 440以下 403 701 735 680 433
併用薬:アスピリン、フロセミド、ファモチジン、チアマゾール、硝酸イソソルビド、ヘパリンナトリウム

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
30代
風邪
(頭痛、先天性QT延長症候群)
500mg
1日間
Torsades de pointes
既往歴:19歳の時、失神の既往があったが、以後30歳代まで特に症状はみられなかった。
投与2週間前より 仕事の関係で睡眠不足であった。
投与開始2、3日前 感冒様症状が出現した。
投与開始日 近医を受診し本剤を処方された。
夜、500mgを服用した。患者判断により1回のみの服用で以降中止した。
中止4日後 6:00 自宅にて、失神発作が出現した。
    夫がEMT(救急救命士)を要請した。
8:00 精査のためA病院に入院した。
    頭部CT、脳波検査を行うも異常は認められなかった。
15:30 入院中、再び失神発作が出現した。
    心電図にてQT延長及び多発性心室性期外収縮が認められた。
夕方  B病院集中治療室へ搬送された。
22:03 硫酸マグネシウム・ブドウ糖配合剤を1A静注した。
中止5日後 4:53 Torsades de pointesが出現した。(自然に洞調律へ)。
5:33 再度、出現した(自然に洞調律へ)。
10:09 再度、出現した(自然に洞調律へ)。
11:30 一時的ペーシングを開始した。
中止6日後 昼より、塩酸プロプラノロール90mgの服用を開始した。
中止7日後 13:40 一時的ペーシングを中止した。
中止11日後 退院し、外来にて経過観察となった。
企業報告
併用薬:ロキソプロフェンナトリウム、総合感冒剤、アスピリン・ダイアルミネート


 

【2】 インターフェロンアルファ(NAMALWA)

販売名(会社名) スミフェロン300、同600、同900注、同DS300、同DS600(住友製薬)
薬効分類等 その他の生物学的製剤
効能効果 (300、600、DS300、DS600)
  • 腎癌、多発性骨髄腫、ヘアリー細胞白血病
  • 慢性骨髄性白血病
  • HBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝炎のウイルス血症の改善
  • C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善(血中HCV RNA量が高い場合を除く)
  • 亜急性硬化性全脳炎におけるイノシン プラノベクスとの併用による臨床症状の進展抑制(スミフェロン300のみ)
  • HTLV-I脊髄症(HAM)(スミフェロン300、DS300のみ)
(900注)
  • C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善(血中HCV RNA量が高い場合を除く)

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
汎血球減少;無顆粒球症;白血球減少(2000/mm3未満)、血小板減少(50000/mm3未満);貧血、赤芽球癆:定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常の程度が著しい場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
脳梗塞:観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚潰瘍、皮膚壊死:皮膚潰瘍、皮膚壊死があらわれることがあるので(主に投与部位)、観察を十分に行い、異常があらわれた場合には適切な処置を行うこと。なお、筋肉内・皮下への投与にあたっては同一部位に短期間に繰り返し注射しないこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
60代
左腎癌術後療法
(なし)
600万IU
38日間
脳梗塞
投与3週間前 左腎摘出術施行。
術中、左腎腫瘍は大動脈リンパ節以外に腸腰筋にも直接浸潤を来しており、大動脈リンパ節の転移部は完全には切除しきれず残存した。
術後、経過良好であった。
投与開始日 本剤投与を開始した。
投与8日目 特に副作用を認めず退院となった。
本剤は連日自己注射とした。
投与38日目
(投与中止日)
朝より頭痛の自覚あり。15:00より疼痛強く、18:00にトイレに立ち転倒後、右片麻痺出現。19:15救命救急センターへ来院。来院時、血圧190/100mmHg、心拍数72回/分、顔面を含む右片麻痺と構語障害が認められた。
直ちに脳血管造影施行。画像上明らかな梗塞部を認めず、血管造影中に発話も可能となったため、再開通と考え経過観察とした。
本剤投与は中止した。
中止1日後 follow up CTにて左内包にlow density areaが認められた。
左内包穿通枝梗塞と診断した。
中止2週間後 顔面を含む右片麻痺、仮性球麻痺が残存している。
企業報告
併用薬:なし


 

 【3】 インターフェロンアルファ-2a(遺伝子組換え)

販売名(会社名) キャンフェロンA300、同A600、同A900、同A1800(武田薬品工業)
ロフェロンA300、同A600、同A900(中外製薬)
薬効分類等 その他の生物学的製剤
効能効果
  • C型慢性活動性肝炎におけるウイルス血症の改善(A300、A600、A900のみ)
  • HBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝炎ウイルス血症の改善
  • 腎癌、多発性骨髄腫

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
脳梗塞:観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
50代
C型慢性活動性肝炎
(なし)
900万IU
(連日)
4週間
 ↓
600万IU
(週3回)
20週間
脳梗塞
投与開始日 本剤連日投与開始。
発熱、全身倦怠感、関節痛、食欲不振あり。ジクロフェナクナトリウム坐薬投与開始。
投与7日目 発熱、全身倦怠感消失。
投与14日目 血小板減少発現。
投与15日目 関節痛、食欲不振消失。
投与30日目 本剤減量し、週3回投与に変更。
投与159日目 右上肢の軽い不全麻痺を発症。CT、MRIにて脳梗塞と診断。
投与172日目
(投与中止日)
本剤投与終了。
中止約6ヵ月後 当初は箸、ペンを持てなかったが、持てるようになる。
中止263日後 軽快。
企業報告
併用薬:ジクロフェナクナトリウム


 

【4】 インターフェロンアルファ-2b(遺伝子組換え)

販売名(会社名) イントロンA注射用300、同A注射用600、同A注射用1000(シェリング・プラウ)
薬効分類等 その他の生物学的製剤
効能効果
  • 次のいずれかのC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
    1. 本剤単独の場合
      • (1)血中HCV RNA量が高値ではない患者
    1. リバビリンとの併用の場合
      • (1)血中HCV RNA量が高値の患者
      • (2)インターフェロン製剤単独療法で無効の患者又はインターフェロン製剤単独療法後再燃した患者
  • HBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝炎ウイルス血症の改善
  • 腎癌、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
  • 本剤単独の場合
間質性肺炎、肺線維症、肺水腫:発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状、また、胸部X線異常があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合にはただちに連絡するよう患者に対し注意を与えること。なお、間質性肺炎は小柴胡湯との併用例で多く報告されているため、併用を避けること。
心筋症、心不全、心筋梗塞、狭心症:定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い、これら疾患等の心筋障害があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
不整脈:心室性不整脈、高度房室ブロック、洞停止、高度徐脈、心房細動等があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
敗血症:易感染性となり、感染症及び感染症の増悪を誘発し敗血症に至ることがあるので、患者の全身状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
脳梗塞:脳梗塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)等の重篤な皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症:横紋筋融解症があらわれることがあるので、脱力感、筋肉痛、CK(CPK)上昇等に注意し、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  • リバビリンとの併用の場合
無顆粒球症、白血球減少(2000/mm3未満)、顆粒球減少(1000/mm3未満):定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常の程度が著しい場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血、汎血球減少:骨髄機能の抑制による再生不良性貧血の発現を含む高度な血球減少が報告されているので、定期的に臨床検査(血液検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、「用法・用量に関連する使用上の注意」の項を参照の上、減量又は中止等の処置を行うこと。
意識障害、痙攣、見当識障害、せん妄、錯乱、幻覚、躁状態、妄想、昏迷、攻撃的行動、統合失調症様症状、失神、痴呆様症状(特に高齢者)、興奮、難聴:観察を十分に行い、異常があらわれた場合には、投与継続の可否について検討すること。症状の激しい場合及び減量しても消失しない場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
消化管出血(下血、血便等)、消化性潰瘍、虚血性大腸炎:観察を十分に行い、異常があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
脳梗塞:脳梗塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎、肺線維症、肺水腫:発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状、また、胸部X線異常があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合にはただちに連絡するよう患者に対し注意を与えること。
糖尿病:糖尿病[インスリン依存型(IDDM)及びインスリン非依存型(NIDDM)]が増悪又は発症することがあり、昏睡に至ることがあるので、定期的に検査(血糖値、尿糖等)を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
急性腎不全等の重篤な腎障害:定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心筋症、心不全、心筋梗塞、狭心症:定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い、これら疾患等の心筋障害があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
不整脈:心室性不整脈、高度房室ブロック、洞停止、高度徐脈、心房細動等があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
敗血症:易感染性となり、感染症及び感染症の増悪を誘発し敗血症に至ることがあるので、患者の全身状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
網膜症:網膜症があらわれることがあるので、網膜出血や糖尿病網膜症の増悪に注意し、定期的に眼底検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。また、視力低下、視野中の暗点が出現した場合は速やかに医師の診察を受けるよう患者を指導すること。
自己免疫現象:自己免疫現象によると思われる症状・徴候[甲状腺機能異常、肝炎、溶血性貧血、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、インスリン依存型糖尿病(IDDM)の増悪又は発症等]があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)等の重篤な皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症:横紋筋融解症があらわれることがあるので、脱力感、筋肉痛、CK(CPK)上昇等に注意し、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
50代
C型慢性活動性肝炎
(なし)
600万IU
(週6回)
14日間
 ↓
600万IU
(週3回)
152日間
脳梗塞
本剤投与前より白血球減少(軽度)あり。
投与開始日 本剤600万IU(週6回)にて投与開始。
投与15日目 本剤600万IU(週3回)に変更。
投与43日目 白血球減少発現。
投与71日目 血小板減少発現。
投与166日目
(投与中止日)
本剤の投与終了。
終了42日後 脳梗塞(中等度)発現。特に処置は行わず。
終了57日後 白血球減少、血小板減少、軽快。
終了112日後 脳梗塞は軽快。
企業報告
臨床検査値
   投与
開始日
投与
29日目
投与
43日目
投与
71日目
投与
113日目
終了
3日後
終了
31日後
終了
56日後
終了
87日後
終了
171日後
白血球数(/mm3 3600 5130 2510 2970 4450 3440 3630 5470 5380 4440




好中球(%) 34.0 42.0 56.8 48.9 47.7 28.0 53.2 55.0 52.6 51.0
好酸球(%) 5.2 0 0.9 2.0 0.8 1.0 0.8 1.0 1.2 3.0
好塩基球(%) 1.5 0 1.1 0.8 0.6 1.0 1.1 1.0 0.4 2.0
リンパ球(%) 41.1 56.0 31.7 39.1 40.4 57.0 33.4 33.3 36.8 37.0
単球(%) 13.4 2.0 6.7 8.0 8.7 13.0 8.7 8.0 6.3 7.0
血小板数(×104/mm3 10.0 9.2 8.0 6.9 8.5 7.4 13.7 14.8 10.8 10.5
併用薬:酸化マグネシウム、ジアゼパム、センノシド、トリアゾラム


 

【5】 インターフェロンアルファコン-1(遺伝子組換え)

販売名(会社名) アドバフェロン注射液1200、同注射液1800(山之内製薬)
薬効分類等 その他の生物学的製剤
効能効果 C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
脳梗塞:観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
50代
C型慢性肝炎
(不眠)
1800万IU
97日間
脳梗塞
投与開始日 C型慢性肝炎に対し本剤1800万IU皮下投与開始。
投与15日目 本剤週3回投与に変更。
投与51日目 16:00頃 本剤投与30回目の注射後に、左片麻痺・言語障害が発現。
投与52日目 10:00頃 脳外科受診。
CTにて脳梗塞を認め、入院。
投与97日目
(投与中止日)
リハビリのため、他施設に転院予定となり、本剤の投与を中止(50回目)。
中止5日後 左片麻痺が残る。
企業報告
臨床検査値
   投与30日前 投与8日目 投与44日目 投与52日目 投与56日目 投与77日目
赤血球数(×104/mm3 490 556 508 506 469 445
ヘモグロビン(g/dL) 14.7 17.0 15.3 14.9 14.0 13.1
ヘマトクリット(%) 43.8 51.1 45.0 43.8 40.8 38.7
血小板数(×104/mm3 18.4 8.8 8.8 7.9 8.5 9.3
白血球数(/mm3 7400 3000 3100 4100 3300 3600
血圧(収縮期)(mmHg) 106 123 150 90
血圧(拡張期)(mmHg) 72 88 82 58
併用薬:ポリエンホスファチジルコリン、ウルソデオキシコール酸、酒石酸ゾルピデム、クアゼパム


 

【6】 インターフェロンベータ

販売名(会社名) IFNβモチダ(100万IU)、同(300万IU)、同(600万IU)(持田製薬)
フエロン(100万IU)、同(300万IU)、同(600万IU)(東レ)
薬効分類等 その他の生物学的製剤
効能効果
  • 皮膚悪性黒色腫、膠芽腫、髄芽腫、星細胞腫
  • HBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝炎のウイルス血症の改善
  • C型慢性活動性肝炎におけるウイルス血症の改善(IFNβモチダのみ)
  • 亜急性硬化性全脳炎患者におけるイノシン プラノベクスとの併用による臨床症状の進展抑制(IFNβモチダのみ)
  • C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善(フエロンのみ)

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
心不全、狭心症、心筋梗塞:異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
脳梗塞:観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
50代
C型慢性肝炎
(なし)
600万IU
84日間
 ↓
600万IU
(週3回)
98日間
脳梗塞
投与開始日 本剤投与開始。
投与181日目 午前6時起床。第一声よりろれつが回らないことを自覚。
投与182日目
(投与中止日)
外来にて受診。上記訴えにより、神経内科にて精査。脳梗塞と診断され、緊急入院。brain MRIにて左被殻~内包後脚に梗塞巣を確認。本剤投与終了。アルガトロバン60mg投与開始。
中止2日後 アルガトロバンを60mgから20mgに減量。
中止6日後 アルガトロバン投与終了。
中止7日後 塩酸チクロピジン、アスピリン・ダイアルミネート投与開始。
順調にリハビリ進行。
中止16日後 退院。
中止116日後 脳梗塞が軽快。塩酸チクロピジン、アスピリン・ダイアルミネート投与継続中。
企業報告
併用薬:なし

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
60代
C型慢性活動性肝炎
(なし)
600万IU
12日間
左小脳半球梗塞
投与開始日より発熱みられるも、その他の副作用なし。
投与12日目
(投与中止日)
頭痛、めまい、歩行障害出現。全薬剤投与中止。
中止1日後 脳CTにより左小脳半球梗塞を確認。入院し、梗塞の治療開始。
中止18日後 リハビリにより歩行障害回復。
企業報告
併用薬:インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム、レバミピド

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
3
50代
C型慢性活動性肝炎
(後縦靱骨化症)
600万IU
15日間
 ↓
(6日間休薬)
 ↓
600万IU
13日間
脳幹梗塞
投与14日目 回転性めまい、嘔気、嘔吐発現。頭部CT異常なし。炭酸水素ナトリウム投与開始。
投与15日目
(投与中止日)
めまいあり。本剤投与中止。メニエールの疑い。
中止2日後 めまい消失。炭酸水素ナトリウム投与終了。
中止7日後
(再投与開始日)
本剤投与再開。
再投与2日目 耳鼻科受診(難聴あり)、めまいを伴う突発性難聴(右)と診断される。対症療法施行(~投与28日目)。
再投与9日目 夜中、急に右耳が痛くなる。その後右耳の痛み、耳鳴り繰り返す。
再投与13日目
(投与中止日)
朝、本剤投与後、高熱発現。血圧118/70mmHg。ジクロフェナクナトリウム坐薬投与後、体温36.5℃。
夜、本剤投与(最終投与)。悪寒、だるさ訴え、嘔吐あり。体温39.9℃。ジクロフェナクナトリウム坐薬投与。尿失禁、下痢、嘔吐、発汗多量、興奮あり。
最終投与から2時間後、めまいあり。血圧74/50mmHg。
塩酸ヒドロキシジン、塩酸メトクロプラミド投与。
中止1日後 大量に嘔吐、めまいあり。
最終投与から4時間後、意識消失。自発呼吸微弱、瞳孔縮小。挿管。気管内異物、吐血なし。心電図・胸部X線は正常。
頭部CTにて脳幹~視床にかけて広範な低吸収化と腫脹あり、脳幹梗塞と考える。
出血所見なし。
瞳孔散大、深昏睡。血圧38/32mmHg。SpO297%。エピネフリン、塩酸ドパミン投与。
血圧一時的に上昇するも、再度36/24mmHgまで低下。
無尿にてフロセミド投与。濃グリセリン・果糖配合剤点滴。人工呼吸器装着するも、血圧40mmHg程度。尿量流出ほとんどなし。
中止2日後 死亡。
企業報告
併用薬:ジクロフェナクナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩酸ラニチジン、コハク酸プレドニゾロンナトリウム、レバミピド


 

【7】 塩酸セベラマー

販売名(会社名) フォスブロック錠250mg(麒麟麦酒)
レナジェル錠250mg(中外製薬)
薬効分類等 その他の循環器官用薬
効能効果 下記患者における高リン血症の改善
 透析中の慢性腎不全患者

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[禁  忌]
腸閉塞の患者〔本剤が腸管内で膨潤し、腸管穿孔を起こすおそれがある。〕

[慎重投与]
 
痔疾患のある患者〔本剤が腸管内で膨潤し、症状を悪化させるおそれがある。〕
腸管狭窄のある患者または便秘のある患者〔本剤が腸管内で膨潤し、腸閉塞、腸管穿孔を起こすおそれがある。
[重要な基本的注意]
 
腸管穿孔、腸閉塞があらわれることがあるので、高度の便秘、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 
[副作用
(重大な副作用)]
腸管穿孔、腸閉塞:腸管穿孔、腸閉塞があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。これらの病態を疑わせる高度の便秘、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には、投与を中止し、触診、画像診断等を実施し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
60代
高リン血症
(二次性副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、高尿酸血症、高血圧)
750mg
15日間
 ↓
1.5g
2日間
腸管穿孔
投与18年前 血液透析導入。
投与4年前 二次性副甲状腺機能亢進症発現。
投与開始日 本剤750mg投与開始。
投与13日目 白血球数3800/mm3
投与15日目 本剤1.5gに増量。
投与16日目
(投与中止日)
本剤投与中止。
中止1日後 朝、腹痛。4日間の排便停止の訴えにより、グリセリン浣腸にて多量の固形便排出。
40分後、血液透析開始。
1時間30分後、便意あり、グリセリン浣腸にて排便。中等量黄色便あり。腹痛に対して臭化ブチルスコポラミン20mg筋注。
2時間30分後、気分不良持続のため血液透析中止。
3時間後、腹部単純X線撮影、鏡面像を認めず。セフトリアキソンナトリウム点滴静注。
5時間30分後、腹痛がやや軽減のため帰宅。
中止2日後 腹痛持続のため他院へ入院。
白血球数6900/mm3、CRP21.8mg/dL。
腹部全体に痛みを訴え、腹膜炎疑い。レントゲンにて腹部にガスを認めたため腸閉塞の診断にて緊急手術(S字状結腸に穿孔を認め大腸の便汁が腹腔内に流出、穿孔部位の上と下で切断、人工肛門設置術施行)。
中止3日後 午後、透析施行(3時間)。終了後、メシル酸ナファモスタット投与。
中止5日後 午前、透析施行(4時間)。透析時、強い腰痛あり。透析終了後、エポエチンベータ(遺伝子組換え)、マキサカルシトール投与。血圧102/66mmHg。
中止8日後 午前、透析施行(3.5時間)。透析終了時しんどいとの訴え。イミペネム・シラスタチンナトリウム配合剤0.5g、リン酸クリンダマイシン800mg投与。血圧140/90mmHg。
中止9日後 前日までは比較的安定していたが、夕方、腹痛出現、血圧低下。
夜、心停止、30分後、永眠。死因:敗血症。
企業報告
併用薬:マキサカルシトール、乾燥甲状腺、アロプリノール、塩酸プロプラノロール

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
60代
高リン血症
〔統合失調症、続発性副甲状腺機能亢進症、
高血圧、高脂血症、便秘症、糖尿病性網膜症(失明)〕
750mg
25日間
腸閉塞
投与7ヵ月前 透析導入。
投与26日前 便秘、腹痛、腹満で入院。絶食、点滴。グリセリン浣腸で排便あり。
投与23日前 食事開始。
投与18日前 腸閉塞を併発したため再び絶食。
投与15日前 高圧酸素治療を施行(合計5回)。
投与8日前 食事を再開。
投与開始日 本剤投与開始。
投与25日目
(投与中止日)
グリセリン浣腸併用で排便みられていたが、再度腸閉塞となり、絶食。
中止3日後 高圧酸素治療施行(~投与中止9日目まで、合計5回)。
中止8日後 食事を再開。以後、排便良好。
転帰:回復
企業報告
併用薬:塩酸クロルプロマジン、ハロペリドール、塩酸トリヘキシフェニジル、アルファカルシドール、アスピリン・ダイアルミネート、フロセミド、メシル酸ドキサゾシン、プラバスタチンナトリウム、センノシド、ニフェジピン、ベシル酸アムロジピン


 

【8】 クエン酸マグネシウム

  • クエン酸マグネシウム(散剤)(高張液・等張液投与製剤)
販売名(会社名) マグコロールP(堀井薬品工業)
マグチトンD.S.(シオノケミカル)
薬効分類等 大腸検査・腹部外科手術前処置用下剤
効能効果 大腸検査(X線・内視鏡)前処置における腸管内容物の排除
腹部外科手術時における前処置用下剤

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[禁  忌]
 
消化管に閉塞のある患者又はその疑いのある患者及び重症の硬結便のある患者

(消化管に閉塞のある患者を削除)
 
[用法・用量に関連する使用上の注意]
 
等張液を投与する場合には、次の事項に注意すること。
 1)200mL投与するごとに排便、腹痛等の状況を確認しながら、慎重に投与するとともに、腹痛等の消化器症状があらわれた場合は投与を中断し、適切な検査等を行い、投与継続の可否について、慎重に検討すること。
 2)1.8Lを投与しても排便がない場合は、投与を中断し、腹痛等がないことを確認するとともに、触診や画像診断等を行い、投与継続の可否について、慎重に検討すること。
 3)高齢者では特に時間をかけて投与すること。
 
[慎重投与]
 
腹部外科手術の既往歴のある患者
腸管狭窄及び高度な便秘の患者

 
[重要な基本的注意]
 
(腸管内圧の上昇により虚血性大腸炎が、また排便直後、腸管内圧の急激な低下による一過性の血圧低下が発症することが報告されているので、特に腸管の狭窄あるいは便秘等により腸管内に内容物が貯留している時には注意して投与すること。を削除)
まれに腸管穿孔、腸閉塞、虚血性大腸炎及び高マグネシウム血症を起こすことがある。腸管穿孔、腸閉塞及び虚血性大腸炎は腸管内容物の増大、蠕動運動の亢進による腸管内圧の上昇により発症し、高マグネシウム血症は、腸閉塞により本剤が腸管内に貯留しマグネシウムの吸収が亢進することにより発症するので、投与に際しては次の点に留意すること。
 1)患者の日常の排便の状況を確認し、本剤投与前日あるいは投与前にも通常程度の排便があったことを確認した後投与すること。
 2)等張液を投与する場合には、短時間での投与は避けるとともに、腸管の狭窄あるいは便秘等で腸管内に内容物が貯留している場合には注意して投与すること。
 3)本剤の投与により排便があった後も腹痛が継続する場合には、適切な検査等を行い、腸管穿孔等がないか確認すること。
自宅で服用させる場合には、次の点に留意すること。
 1)患者の日常の排便の状況を確認させるとともに、前日あるいは服用前に通常程度の排便があったことを確認させ、排便がない場合は相談するよう指導すること。
 2)副作用があらわれた場合、対応が困難な場合があるので、一人での服用は避けるよう指導すること。
 3)嘔気、嘔吐、腹痛等の消化器症状やめまい、ふらつき、血圧低下等の本剤の副作用について事前に患者等に説明し、このような症状があらわれた場合は、直ちに受診する旨伝えること。また、服用後についても同様の症状があらわれた場合には、直ちに受診する旨伝えること。
排便に伴う腸管内圧の変動により、めまい、ふらつき、一過性の血圧低下等が発現することがあるので、十分に観察しながら投与すること。
 
[副作用
(重大な副作用)]
 
腸管穿孔、腸閉塞を起こすことがあるので、観察を十分に行い、腹痛等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
虚血性大腸炎を起こすことがあるので、観察を十分に行い、腹痛、血便等の異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
高マグネシウム血症を起こすことがあるので、観察を十分に行い、嘔気、嘔吐、徐脈、筋力低下、傾眠等の症状が認められた場合には、電解質の測定を行うとともに、適切な処置を行うこと。

 
[高齢者への投与] 高齢者では、生理機能(腎機能等)が低下していることが多く、血清中マグネシウム濃度の上昇等の電解質異常が起こりやすいので、減量するなど注意すること。また、等張液を投与する場合には、時間をかけて投与し、投与中は観察を十分に行い、腹痛、めまい、ふらつき、血圧低下等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 

 

  • クエン酸マグネシウム(液剤)
販売名(会社名) マグコロール(堀井薬品工業)
マグチトン液(日新製薬)
薬効分類等 大腸検査・腹部外科手術前処置用下剤
効能効果 大腸検査(X線・内視鏡)前処置における腸管内容物の排除
腹部外科手術時における前処置用下剤

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[禁  忌]
消化管に閉塞のある患者又はその疑いのある患者及び重症の硬結便のある患者
中毒性巨大結腸症の患者

[慎重投与]
 

腹部外科手術の既往歴のある患者
腸管狭窄及び高度な便秘の患者

 
[重要な基本的注意]
 
(腸管内圧の上昇により虚血性大腸炎が、また排便直後、腸管内圧の急激な低下による一過性の血圧低下が発症することが報告されているので、特に腸管の狭窄あるいは便秘等により腸管内に内容物が貯留している時には注意して投与すること。を削除)
まれに腸管穿孔、腸閉塞、虚血性大腸炎及び高マグネシウム血症を起こすことがある。腸管穿孔、腸閉塞及び虚血性大腸炎は腸管内容物の増大、蠕動運動の亢進による腸管内圧の上昇により発症し、高マグネシウム血症は、腸閉塞により本剤が腸管内に貯留しマグネシウムの吸収が亢進することにより発症するので、投与に際しては次の点に留意すること。
 1)患者の日常の排便の状況を確認し、本剤投与前日あるいは投与前にも通常程度の排便があったことを確認した後投与すること。
 2)腸管の狭窄あるいは便秘等で腸管内に内容物が貯留している場合には注意して投与すること。
 3)本剤の投与により排便があった後も腹痛が継続する場合には、適切な検査等を行い、腸管穿孔等がないか確認すること。
自宅で服用させる場合には、次の点に留意すること。
 1)患者の日常の排便の状況を確認させるとともに、前日あるいは服用前に通常程度の排便があったことを確認させ、排便がない場合は相談するよう指導すること。
 2)副作用があらわれた場合、対応が困難な場合があるので、一人での服用は避けるよう指導すること。
 3)嘔気、嘔吐、腹痛等の消化器症状やめまい、ふらつき、血圧低下等の本剤の副作用について事前に患者等に説明し、このような症状があらわれた場合は、直ちに受診する旨伝えること。
排便に伴う腸管内圧の変動により、めまい、ふらつき、一過性の血圧低下等が発現することがあるので、十分に観察しながら投与すること。
 
[副作用
(重大な副作用)]
 
腸管穿孔、腸閉塞を起こすことがあるので、観察を十分に行い、腹痛等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
虚血性大腸炎を起こすことがあるので、観察を十分に行い、腹痛、血便等の異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
高マグネシウム血症を起こすことがあるので、観察を十分に行い、嘔気、嘔吐、徐脈、筋力低下、傾眠等の症状が認められた場合には、電解質の測定を行うとともに、適切な処置を行うこと。

 
[高齢者への投与] 高齢者では、生理機能(腎機能等)が低下していることが多く、血清中マグネシウム濃度の上昇等の電解質異常が起こりやすいので、減量するなど注意すること。また、観察を十分に行い、腹痛、めまい、ふらつき、血圧低下等の異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 

 

  • クエン酸マグネシウム(散剤)(高張液投与製剤)
販売名(会社名) テクトロール散(大洋薬品工業)
薬効分類等 大腸検査・腹部外科手術前処置用下剤
効能効果 大腸検査(X線・内視鏡)前処置における腸管内容物の排除
腹部外科手術時における前処置用下剤

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[禁  忌]
 
消化管に閉塞のある患者又はその疑いのある患者及び重症の硬結便のある患者

(消化管に閉塞のある患者を削除)
 
[慎重投与]
 
腹部外科手術の既往歴のある患者
腸管狭窄及び高度な便秘の患者

 
[重要な基本的注意]
 
(腸管内圧の上昇により虚血性大腸炎が、また排便直後、腸管内圧の急激な低下による一過性の血圧低下が発症することが報告されているので、特に腸管の狭窄あるいは便秘等により腸管内に内容物が貯留している時には注意して投与すること。を削除)
まれに腸管穿孔、腸閉塞、虚血性大腸炎及び高マグネシウム血症を起こすことがある。腸管穿孔、腸閉塞及び虚血性大腸炎は腸管内容物の増大、蠕動運動の亢進による腸管内圧の上昇により発症し、高マグネシウム血症は、腸閉塞により本剤が腸管内に貯留しマグネシウムの吸収が亢進することにより発症するので、投与に際しては次の点に留意すること。
 1)患者の日常の排便の状況を確認し、本剤投与前日あるいは投与前にも通常程度の排便があったことを確認した後投与すること。
 2)腸管の狭窄あるいは便秘等で腸管内に内容物が貯留している場合には注意して投与すること。
 3)本剤の投与により排便があった後も腹痛が継続する場合には、適切な検査等を行い、腸管穿孔等がないか確認すること。
自宅で服用させる場合には、次の点に留意すること。
 1)患者の日常の排便の状況を確認させるとともに、前日あるいは服用前に通常程度の排便があったことを確認させ、排便がない場合は相談するよう指導すること。
 2)副作用があらわれた場合、対応が困難な場合があるので、一人での服用は避けるよう指導すること。
 3)嘔気、嘔吐、腹痛等の消化器症状やめまい、ふらつき、血圧低下等の本剤の副作用について事前に患者等に説明し、このような症状があらわれた場合は、直ちに受診する旨伝えること。
排便に伴う腸管内圧の変動により、めまい、ふらつき、一過性の血圧低下等が発現することがあるので、十分に観察しながら投与すること。
 
[副作用
(重大な副作用)]
 
腸管穿孔、腸閉塞を起こすことがあるので、観察を十分に行い、腹痛等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
虚血性大腸炎を起こすことがあるので、観察を十分に行い、腹痛、血便等の異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
高マグネシウム血症を起こすことがあるので、観察を十分に行い、嘔気、嘔吐、徐脈、筋力低下、傾眠等の症状が認められた場合には、電解質の測定を行うとともに、適切な処置を行うこと。

 
[高齢者への投与] 高齢者では、生理機能(腎機能等)が低下していることが多く、血清中マグネシウム濃度の上昇等の電解質異常が起こりやすいので、減量するなど注意すること。また、観察を十分に行い、腹痛、めまい、ふらつき、血圧低下等の異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
60代
大腸X線検査前処置
(糖尿病)
高張液
250mL
1日間
腸閉塞
約30年前に虫垂切除歴あり。糖尿病で教育入院中。
投与3時間後 左側腹部痛、腹部全体膨隆。その後、右腹部に拡張腸管を触知。
腹部単純撮影にて、ニボーを形成した小腸ガスを認める。
腹部CTにて、右側腹部の小腸拡張像・液体貯留を認める。症状増悪のため、絞扼性イレウスを疑い、緊急手術施行。
手術所見:虫垂切除創部腹膜に大網が癒着、バンドを形成。
この部に小腸が陥入し、約130cmにわたる壊死が生じていた。
索状物切除術、壊死腸管切除術施行。
企業報告
併用薬:不明

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
70代
便秘 高張液
180mL
1日間
腸閉塞、高マグネシウム血症
投 与 日 5日前より排便がなく、本剤の投与を受ける。
投与1日後 意識レベルの低下、低血圧が出現し、当院緊急入院。
カテコラミン不応性の低血圧(<50mmHg)、補充調律を伴う洞停止を認める。腹部CTにてイレウスによる腸管内液貯留を認める。
血中Mg濃度16.6mg/dL。
摘便・大腸内視鏡下腸管洗浄、S状結腸に虚血性大腸炎を認め、一時的心房ペーシングにて、血圧上昇・利尿増加とともに、血中Mg濃度は低下。
投与4日後 洞調律に復し、血圧も回復した。
企業報告
併用薬:不明

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
3
70代
大腸内視鏡検査前処置
(なし)
等張液
約500mL
1日間
腸閉塞
約2ヵ月前より少量の下血あり。当院消化器内科受診約1週間前より腹痛があり、便秘気味となる。その後下腹部痛、便秘、血便、嘔吐を認める。
投与1日前 就寝前、大腸内視鏡検査前処置のため、センノシド錠36mg、ピコスルファートナトリウム液75mgを服用する。
投 与 日 本剤を水1800mLに溶解した等張液の服用を開始するが、約1/3量(500mL)を服用した時点で、腹痛増強のため、服用困難となった。
投与1時間後 腹痛のため来院。
全身冷感(+)、腹痛(+)、嘔気(+)、嘔吐(-)、四肢冷感強くチアノーゼあり、血圧70/48mmHgとショック状態。乳酸リンゲル液500mLにてルート確保。
投与1時間40分後 血圧の上昇みられず、塩酸ドパミン5mL/hrにて開始。O23L/min投与開始。CTにより、腸管拡張、液貯留を認め、イレウス状態であった。
投与8時間後 イレウス管挿入開始。痛みが強く、塩酸ペンタゾシン、塩酸モルヒネ効果なし。塩酸ドパミン反応せず。
投与19.5時間後 容態急変。血圧60mmHg、血液ガス分析:pH6.96、PCO274mmHg、PO278.9mmHg、HCO315.8mEq/L、BE+9.8mEq/L。
投与22時間後 死亡確認。
企業報告
併用薬:センノシド、ピコスルファートナトリウム

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
4
50代
大腸内視鏡検査前処置
(なし)
等張液
1800mL
1日間
腸管穿孔
便潜血陽性、左腹部の痛み等自覚症状もあるため、大腸検査を受診。
検査当日 朝、少量の排便あり。
投 与 日 本剤を水1800mLに溶解した等張液を全量服用。服用後3~4回排便があったが、いずれも少量の普通便であった。
投与5時間後 検査の予定であったが、腹痛のため中止し、腹部単純撮影を実施。ニボー像らしきものを認める。
エラスター挿入後、点滴内に臭化ブチルスコポラミンを20mg混入する。以降、腹痛やや軽減する。
投与7時間後 腹痛増強し、激痛のため塩酸ペンタゾシン、臭化ブチルスコポラミンを投与するが効果なし。
投与7.5時間後 CT検査により、上行結腸に握りこぶし大の腫瘍を認める。小腸内は液体貯留著明。
投与9時間後 直ちに他院に搬送し、緊急開腹手術施行。
手術所見:上行結腸に全周性の大腸癌があり、これより口側の腸管拡張著明。穿孔は病変部の口側にあり後腹膜側に内容が漏れていた。病変部口側には壁内血腫もみられた。変化は後腹膜に限局し、通常の右半結腸切除により、根治的手術施行。
企業報告
併用薬:なし


 

【9】 リバビリン

販売名(会社名) レベトールカプセル200mg(シェリング・プラウ)
薬効分類等 抗ウイルス剤
効能効果 インターフェロンアルファ-2b(遺伝子組換え)との併用による次のいずれかのC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
  1. 血中HCV RNA量が高値の患者
  2. インターフェロン製剤単独療法で無効の患者又はインターフェロン製剤単独療法後再燃した患者

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[慎重投与]
 
高血圧症の患者〔脳出血を含む脳血管障害が生じたとの報告がある。〕
 
[副作用
(重大な副作用)]
無顆粒球症、白血球減少(2000/mm3未満)、顆粒球減少(1000/mm3未満):定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常の程度が著しい場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血、汎血球減少:骨髄機能の抑制による再生不良性貧血の発現を含む高度な血球減少が報告されているので、定期的に臨床検査(血液検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、「用法・用量に関連する使用上の注意」の項を参照の上、減量又は中止等の処置を行うこと。
意識障害、痙攣、見当識障害、せん妄、錯乱、幻覚、躁状態、妄想、昏迷、攻撃的行動、統合失調症様症状、失神、痴呆様症状(特に高齢者)、興奮、難聴:観察を十分に行い、異常があらわれた場合には、投与継続の可否について検討すること。症状の激しい場合及び減量しても消失しない場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
消化管出血(下血、血便等)、消化性潰瘍、虚血性大腸炎:観察を十分に行い、異常があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
脳梗塞:脳梗塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎、肺線維症、肺水腫:発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状、また、胸部X線異常があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合にはただちに連絡するよう患者に対し注意を与えること。
糖尿病:糖尿病[インスリン依存型(IDDM)及びインスリン非依存型(NIDDM)]が増悪又は発症することがあり、昏睡に至ることがあるので、定期的に検査(血糖値、尿糖等)を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
急性腎不全等の重篤な腎障害:定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心筋症、心不全、心筋梗塞、狭心症:定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い、これら疾患等の心筋障害があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
不整脈:心室性不整脈、高度房室ブロック、洞停止、高度徐脈、心房細動等があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
敗血症:易感染性となり、感染症及び感染症の増悪を誘発し敗血症に至ることがあるので、患者の全身状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
網膜症:網膜症があらわれることがあるので、網膜出血や糖尿病網膜症の増悪に注意し、定期的に眼底検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。また、視力低下、視野中の暗点が出現した場合は速やかに医師の診察を受けるよう患者を指導すること。
自己免疫現象:自己免疫現象によると思われる症状・徴候[甲状腺機能異常、肝炎、溶血性貧血、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、インスリン依存型糖尿病(IDDM)の増悪又は発症等]があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)等の重篤な皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症:横紋筋融解症があらわれることがあるので、脱力感、筋肉痛、CK(CPK)上昇等に注意し、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
40代
C型慢性肝炎
(高血圧症)
800mg
157日間

インターフェロン
アルファ-2b
(遺伝子組換え)
600万IU
(連日)
14日間
 ↓
(週3回)
141日間
脳梗塞
脳梗塞(TIAを含む)の既往なし。腎機能障害なし。
高血圧症の合併あり。
罹病期間:5年以上
薬物治療:ロサルタンカリウム(100mg/日)、ニフェジピン(40mg/日)
喫煙歴:18~29歳時は10本/日
飲酒歴:18~38歳時はビール1本/日
投与開始時はいずれもなし。
投与開始日 併用療法開始。
投与29日目 ヘモグロビン、ヘマトクリット、赤血球数が低下。
投与157日目
(投与中止日)
脳梗塞(分類不明/改善型)発現。朝トイレにて突然左手指の巧緻運動障害出現。他医受診。投与開始前~脳梗塞発症前に慢性的な頭痛、めまい、手足のしびれ等の自覚症状はなかった。CT上には、異常所見認めず。脳梗塞の疑いで、デキストラン40 500mL(点滴)施行。
併用療法中止〔最終投与日インターフェロンアルファ-2b(遺伝子組換え)投与156日目、本剤投与157日目〕。
中止1日後 当院脳神経外科受診。
MRI(頭部)にて脳梗塞と診断し、入院。
 所見:右前頭葉2ヵ所(運動野直上、側脳室前角の前方)にsmall high intensity lesionを認めた。
入院後、エダラボン(7日間)、濃グリセリン・果糖配合剤(3日間)、デキストラン40(中止2日後から5日間)の点滴を施行。
その後、症状の改善を認める。
心電図検査:異常所見なし。
ヘモグロビン、ヘマトクリット、赤血球数の低下は未回復(経過観察中)。
中止3日後 アルガトロバンの点滴実施。
中止5日後 胸部X線検査:異常所見なし。
中止6日後 左手指の症状改善。血柱症検索のためホルターECG、VCG、MRA(頚部)施行したが異常所見なし。
中止9日後 アスピリン投与開始(~継続中)。
症状は軽快し、退院。
企業報告
臨床検査値
   投与開始日 投与105日目 中止1日後
赤血球数(×104/mm3 485 393 395
ヘモグロビン(g/dL) 15.4 12.4 12.4
ヘマトクリット(%) 44.3 36.8 36.7
白血球数(/mm3 5500 4100 4600
好中球(%) 42 51
好酸球(%) 3 1
好塩基球(%) 0 0
リンパ球(%) 54 41
単球(%) 1 7
血小板数(×104/mm3 22 20.4
AST(GOT)(IU/L) 53 20 20
ALT(GPT)(IU/L) 138 16 17
総ビリルビン(mg/dL) 1.0 0.6 0.5
直接ビリルビン(mg/dL) 0.5 0.4
Al-P(IU/L) 142 140 148
γ-GTP(IU/mL) 70 26 25
ZTT(K-U) 4.8
LDH(IU/L) 166 169 166
総蛋白(g/dL) 7.5 7.2 7.5
アルブミン(g/dL) 4.0 3.9 4.1
BUN(mg/dL) 15 13 13
尿酸(mg/dL) 4.8 4.2
クレアチニン(mg/dL) 0.9 0.8 0.8
血清鉄(μg/dL) 167
フェリチン(ng/dL) 337
尿蛋白 (±)
尿糖 (-)
尿ウロビリノーゲン (+)
尿潜血 (-)
尿沈渣 WNL
血圧値(mmHg) 130/88 148/100
総コレステロール(mg/dL) 141 153
中性脂肪(食後)(mg/dL) 116 184
併用薬:ウルソデオキシコール酸、ニフェジピン、ロサルタンカリウム、インドメタシン、テプレノン、酸化マグネシウム

 

目次へ

使用上の注意の改訂について(その150)

 前々号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.193)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「1 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について、改訂内容、主な該当販売名、参考文献等をお知らせいたします。

 

1 〈解熱鎮痛消炎剤〉
アセメタシン
[販 売 名] ランツジールコーワ錠(興和)他
[副作用(重大な副作用)] 間質性腎炎、ネフローゼ症候群があらわれたとの報告があるので、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

2 〈解熱鎮痛消炎剤〉
マレイン酸プログルメタシン
[販 売 名] ミリダシン錠(大鵬薬品工業)
[副作用(重大な副作用)] 血小板減少、出血傾向、白血球減少、溶血性貧血:血小板減少、出血傾向、白血球減少、溶血性貧血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
[副作用(重大な副作用(活性代謝物))] 間質性腎炎
〈参   考〉 企業報告

 

3 〈不整脈用剤〉
塩酸アセブトロール
[販 売 名] アセタノールカプセル100mg、同カプセル200mg(アベンティスファーマ)他
[副作用(重大な副作用)] 間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

4 〈止しゃ剤、整腸剤〉
塩酸ロペラミド
[販 売 名] ロペミン細粒、同カプセル、同小児用(ヤンセンファーマ)他
[重要な基本的注意] 眠気、めまいが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
[副作用(重大な副作用) イレウス、巨大結腸:消化器症状とともにイレウス、巨大結腸があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止すること。
ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

5 〈抗腫瘍性植物成分製剤〉
酒石酸ビノレルビン
[販 売 名] ナベルビン注10、同注40(協和発酵工業)
[副作用(重大な副作用)] 急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

6 〈その他のアレルギー用薬〉
イブジラスト(経口剤)
[販 売 名] ケタスカプセル10mg(杏林製薬)他
[副作用(重大な副作用)] 肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTP、総ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

7 〈主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの〉
セフタジジム
[販 売 名] モダシン静注用0.5g、同静注用1g、同静注用1g点滴用(グラクソ・スミスクライン)
[副作用(重大な副作用)] 精神神経症状:脳症、昏睡、意識障害、痙攣、振戦、ミオクローヌス等の精神・神経症状があらわれることがある。特に、腎機能障害患者で減量を行わなかった場合にあらわれやすい。
〈参   考〉 企業報告

 

8 〈合成抗菌剤〉
ガチフロキサシン水和物
[販 売 名] ガチフロ錠100mg(杏林製薬)
[副作用(重大な副作用)] 錯乱、せん妄、幻覚等の精神症状
白血球減少、無顆粒球症
〈参   考〉 企業報告

 

9 〈その他の生物学的製剤〉
インターフェロンアルファ(BALL-1)
[販 売 名] IFNαモチダ250、同500、同1000(持田製薬)
オーアイエフ250万IU、同500万IU、同1000万IU(大塚製薬)
[副作用(重大な副作用(類薬))] 脳梗塞:類薬(他のインターフェロン-α製剤)で脳梗塞があらわれたとの報告がある。
〈参   考〉 企業報告

 

目次へ

お知らせ

NTTのファクシミリ通信網サービス「Fネット」を通じ、最近1年間の「医薬品・医療用具等安全性情報」がお手元のファクシミリから随時入手できます(利用者負担)。

「Fネット」への加入等についての問い合わせ先:0120-161-011

なお、医薬品情報提供ホームページ(http://www.pharmasys.gr.jp/)又は厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)からも入手可能です。