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安全対策業務

医薬品・医療用具等安全性情報 No.198

目次

  1. 重要な副作用等に関する情報
    1. エダラボン
    2. 塩酸ランジオロール
    3. コレスチミド
    4. 酢酸クロルマジノン(25mg、50mg)
    5. チアマゾール
    6. パクリタキセル
    7. ポリスチレンスルホン酸カルシウム
  2. 使用上の注意の改訂について(その153)
    塩酸セフェピム他(4件)

 

この医薬品・医療用具等安全性情報は、厚生労働省において収集された副作用情報をもとに、医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために、医療関係者に対して情報提供されるものです。

平成16年(2004年)2月
厚生労働省医薬食品局

重要な副作用等に関する情報

前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.197)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。

【1】 エダラボン

販売名(会社名) ラジカット注30mg(三菱ウェルファーマ)
薬効分類等 その他の中枢神経系用薬
効能効果 脳梗塞急性期に伴う神経症候、日常生活動作障害、機能障害の改善

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[慎重投与]
 
腎機能障害、脱水のある患者〔急性腎不全や腎機能障害の悪化を来すことがある。特に投与前のBUN/クレアチニン比が高い患者では致命的な経過をたどる例が多く報告されている。(「重要な基本的注意」の項参照)
肝機能障害のある患者〔肝機能障害が悪化するおそれがある。(「重要な基本的注意」の項参照)
感染症のある患者〔全身状態の悪化により急性腎不全や腎機能障害の悪化を来すことがある。(「重要な基本的注意」の項参照)〕
高度な意識障害(Japan Coma Scale 100以上:刺激しても覚醒しない)のある患者〔致命的な経過をたどる例が多く報告されている。(「重要な基本的注意」の項参照)〕
 
[重要な基本
的注意]
急性腎不全又は腎機能障害の増悪、肝炎、播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれ、致命的な経過をたどることがある。これらの症例では、腎機能障害、肝機能障害、血液障害等を同時に発現する重篤な症例が報告されている。
  
 1)検査値の急激な悪化は、投与開始初期に発現することが多いので、投与前又は投与開始後速やかにBUN、クレアチニン、AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH、CK(CPK)、赤血球、血小板等の腎機能検査、肝機能検査及び血液検査を実施すること。本剤投与中も、腎機能検査、肝機能検査及び血液検査を頻回に実施し、検査値の異常や乏尿等の症状が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、投与後も継続して十分な観察を行うこと。
 2)投与前にBUN/クレアチニン比が高いなど脱水状態が認められた患者では、致命的な経過をたどる例が多く報告されているので、投与に際し全身管理を徹底すること。
 3)投与中に感染症等の合併症を発症し、抗生物質を併用した場合には、投与継続の可否を慎重に検討し、投与を継続する場合は特に頻回に検査を実施すること。また、投与終了後も頻回の検査を実施して観察を十分に行うこと。(「相互作用」の項参照)
 4)投与中に腎機能障害が発現した場合は、直ちに投与を中止し、腎機能不全の治療に十分な知識と経験を有する医師との連携のもとで適切な処置を行うこと。
 5)感染症を合併した患者、高度な意識障害(Japan Coma Scale 100以上)のある患者においては、致命的な経過をたどる例が多く報告されているので、投与に際してはリスクとベネフィットを十分考慮すること。
 6)特に高齢者においては、致命的な経過をたどる例が多く報告されているので注意すること。
   本剤の投与は、本剤に関する十分な知識及び脳梗塞の治療経験を持つ医師との連携のもとで行うこと。
投与に際しては、患者又はそれに代わり得る適切な者に対して、本剤の副作用等について十分な説明を行うこと。

 
[副作用
(重大な副作用)]
急性腎不全、ネフローゼ症候群:急性腎不全、ネフローゼ症候群があらわれることがあるので、頻回に腎機能検査を実施し観察を十分に行うこと。腎機能低下所見や乏尿等の症状が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
肝炎、肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTP、LDH、ビリルビン等の著しい上昇を伴う肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、頻回に肝機能検査を実施し観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
血小板減少、顆粒球減少:血小板減少、顆粒球減少があらわれることがあるので、頻回に血液検査を実施し観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
急性肺障害:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常を伴う急性肺障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤投与等の適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症:横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
70代
脳梗塞
(糖尿病、心筋梗塞、心房細動、閉塞性動脈硬化症)
60mg
2日間
 ↓
30mg
1日間
腎不全、肝不全、呼吸不全
投与開始日 脳梗塞に対して本剤投与開始。
投与2日目 肝不全発現。トランスアミナーゼ上昇。凝固、線溶異常。FFP(新鮮凍結人血漿)輸血。
腎不全発現。腎機能低下、乏尿。CHDF(持続的血液透析濾過法)実施。
呼吸不全発現。頻呼吸、酸素化不良、肺野透過性低下。パニペネム・ベタミプロン配合剤投与開始。
脳単純CTにて、左前頭側頭葉梗塞。
投与3日目
(投与中止日)
肝庇護薬投与(11日間)。人工呼吸実施(7日間)。本剤投与中止。
血液ガス分析
 室空気;pH7.430、PaCO223.8mmHg、PaO2 58.6mmHg、BE-6.6mEq/L
 挿管後O2 50%
 同期式間欠的強制呼吸;pH7.375、PaCO2 27.2mmHg、PaO286.8mmHg、BE -8.1mEq/L
中止4日後 FFP輸血、CHDF終了。
中止5日後 補液及び利尿剤投与。
中止6日後 抜管、自発呼吸、酸素化良好、呼吸不全軽快。
血液ガス分析
 経鼻3L;pH7.439、PaCO239.6mmHg、PaO2 95.3mmHg、BE+2.0mEq/L
中止10日後 トランスアミナーゼ、ビリルビン低下。凝固、線溶改善傾向。
尿素窒素、血清クレアチニン低下傾向。自尿増加。
補液及び利尿剤終了。
肝不全、腎不全軽快。
〈DLST〉    S.I.119%陰性
企業報告
臨床検査値
   投与開始日 投与2日目 投与3日目
(投与中止日)
中止3日後 中止6日後 中止10日後
BUN(mg/dL) 35.4 57.2 54.4 41.8 49.3 39.3
血清クレアチニン(mg/dL) 1.1 4.1 3.7 3.4 3.2 0.8
白血球数(/mm3 7500 14100 15500 9600 9600 6900
血清カリウム(mEq/L) 5.7 6.1 4.4 4.0 3.7 3.9
尿量(mL/24h) 405 394 3800 2810
AST(GOT)(IU/L) 64 13070 8970 324 66 42
ALT(GPT)(IU/L) 40 4640 3670 458 140 62
Al-P(IU/L) 187 281 353 293 310 309
LDH(IU/L) 14850 10420 360 266 276
併用薬:ヘパリンナトリウム、パニペネム・ベタミプロン配合剤、アスピリン、ジゴキシン、スピロノラクトン、プラバスタチンナトリウム、ファモチジン、フロセミド、塩酸メキシレチン、ボグリボース、ヒトインスリン(遺伝子組換え)

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
50代
脳梗塞
(慢性腎不全、狭心症)
60mg
5日間
慢性腎不全急性増悪、肝機能障害
投与開始日 脳梗塞に対して本剤投与開始。
投与4日目 血清クレアチニン1.15mg/dLから1.46mg/dLに上昇。
AST(GOT)127IU/L、ALT(GPT)79IU/L、LDH670IU/L、γ-GTP86IU/L。
投与5日目
(投与中止日)
血小板数20×104/mm3から11×104/mm3と低下を伴い、D-ダイマー上昇、AT-III低下(63%)を伴ったため、pre DICとしてヘパリンナトリウム、メシル酸ナファモスタット、乾燥濃縮人アンチトロンビンIII投与。
午前 AST(GOT)1252IU/L、ALT(GPT)697IU/L、LDH2064IU/L、総ビリルビン3.5mg/dL。
午後 AST(GOT)1331IU/L、ALT(GPT)722IU/L、LDH1487IU/L。
中止8日後 血清クレアチニン3.99mg/dLと上昇。BUN 71mg/dLを伴ったため、CHDF(持続的血液透析濾過法)施行。
中止10日後 AST(GOT)32IU/L、ALT(GPT)44IU/L、γ-GTP96IU/L、総ビリルビン1.0mg/dL、血小板数25×104/mm3
中止17日後 CHDF終了。
中止24日後 肝機能障害回復。
中止26日後 クレアチニン1.79mg/dL。強制利尿。
慢性腎不全急性増悪軽快。
企業報告
臨床検査値
   投与
開始日
投与
4日目
投与5日目
(投与中止日)
中止
4日後
中止
6日後
中止
8日後
中止
17日後
中止
24日後
BUN(mg/dL) 14 33 40 32 38 71 44 56
血清クレアチニン(mg/dL) 1.15 1.46 午前 1.62
午後 1.53
1.53 2.06 3.99 1.96 2.01
白血球数(/mm3 9100 11200 11300 11210 10300 14100 9900 9100
血清カリウム(mEq/L) 3.7 4.2 4.9 3.9 4.0 4.2 3.9 3.8
AST(GOT)(IU/L) 22 127 午前 1252
午後 1331
291 91 47 35 31
ALT(GPT)(IU/L) 17 79 午前 697
午後 722
395 176 53 26 27
γ-GTP(IU/L) 52 86 108 100 98 461 339
総ビリルビン(mg/dL) 0.7 3.5 1.9 2.3 1.8 0.6
LDH(IU/L) 256 670 午前 2064
午後 1487
579
血小板数(×104/mm3 20.2 11.8 11.5 14.3 14.9 23.3 40.2 53.4
併用薬:デキストラン40・ブドウ糖、ファモチジン、ヘパリンナトリウム、オメプラゾール、フロセミド、ミダゾラム

 

【2】 塩酸ランジオロール

販売名(会社名) 注射用オノアクト50(小野薬品工業)
薬効分類等 不整脈用剤
効能効果 手術時の下記の頻脈性不整脈に対する緊急処置
心房細動、心房粗動、洞性頻脈

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
心停止、完全房室ブロック:心停止、完全房室ブロックがあらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
50代
手術時洞性頻脈
(C型肝炎、壊疽、DIC)
2.5mg
1日間
心停止、高度徐脈
手 術 前 高度脱水およびDIC状態であり、ガス壊疽のため、緊急切開排膿およびデブリードメント開始。
麻酔開始時 血圧100mmHg台。
麻酔開始
35分後
手術開始。開始後、出血とともに血圧低下、心拍数上昇。
麻酔開始
40分後
血圧さらに低下し、輸液を増量したが徐々に頻脈となる。
麻酔開始
1時間20分後
心電図上、ST上昇を認め、ニトログリセリン処置。
麻酔開始
1時間25分後
ミダゾラム処置後、挿管。
投与開始時
(麻酔開始
1時間30分後)
心拍数160回/分台。本剤2.5mgを投与したところ房室ブロックとなり、心拍数が半分に低下したため、塩酸ドブタミン処置。
投与5分後
(麻酔開始
1時間35分後)
血圧50mmHg台、心拍数40回/分台。ノルエピネフリン、硫酸アトロピン処置。
投与15分後
(麻酔開始
1時間45分後
さらに血圧は低下し、心拍数30回/分台となったため、心臓マッサージを開始し、エピネフリン処置。その後、心室細動となったため、除細動(200J、300J、360J×2回)施行。同時に、エピネフリン(計9mg)、リドカイン100mg処置したが効果得られず、心停止状態。
赤血球数94×104/mm3、ヘモグロビン3g/dL、ヘマトクリット8.6%
投与35分後
(手術終了時)
手術終了。心臓マッサージ継続。
投与40分後
(手術終了5分後)
急速輸血によって心拍再開。次第に血圧、心拍数が上昇し、心エコー上でも収縮良好。
投与1時間30分後
(手術終了55分後)
血圧110mmHg台、心拍数140回/分台。Wide QRSがNarrow QRSに移行したところで手術室退室。
企業報告
併用薬:メロペネム三水和物、ペンタゾシン、ミダゾラム、ニトログリセリン、塩酸ドパミン、ノルエピネフリン

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
80代
手術時頻脈性不整脈
(虚血性心疾患、BUN上昇、クレアチニン上昇、腹部大動脈瘤)
3.1mg
1日間
完全房室ブロック
投与1年半前 2回目のPTCA施行。
手 術 前 虚血性心疾患に対しカルベジロール10mgを手術日の朝まで服用。
腹部大動脈血管置換術開始。
投与開始時
(麻酔開始
1時間20分後)
吸入麻酔剤(セボフルラン)の濃度を2%以上にしなければ、心拍数が80回/分以上になる状態が約45分続いた。合併症(虚血性心疾患)を考慮し、セボフルランの濃度を低下させ、同時に心拍数を60~70回/分に維持するため、本剤(5mg/hr)の投与開始。
投与開始20分後
(麻酔開始
1時間40分後)
セボフルラン濃度は1.5%、心拍数は60回/分台に低下したため、本剤を半量に減量し投与継続。循環動態は安定(血圧105mmHg)。
投与開始55分後
(麻酔開始
2時間15分後)
突然、完全房室ブロックが出現。QRS波、動脈波形、パルスオキシメーター波形が消失したことより、完全房室ブロックと判断。本剤の投与を中止し、心臓マッサージを数回施行したところ、心拍再開。心電図は正常化。心拍数60回/分台、血圧120~140mmHgとなり、循環動態は安定。
企業報告
併用薬:硫酸マグネシウム、カルベジロール、臭化ベクロニウム

 

【3】 コレスチミド

販売名(会社名) コレバイン顆粒70%、コレバインミニ83%、コレバイン錠500mg(三菱ウェルファーマ)
薬効分類等 高脂血症用剤
効能効果 高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[禁  忌]
腸閉塞の患者

[慎重投与]
 

便秘の患者又は便秘を起こしやすい患者
腸管狭窄のある患者
腸管憩室のある患者

 
[重要な基本
的注意]
 
腸管穿孔、腸閉塞に至った症例が報告されているので、投与中は腹痛、嘔吐等の症状に注意すること。
 
[副作用
(重大な副作用)]
腸管穿孔、腸閉塞:腸管穿孔、腸閉塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、高度の便秘、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
30代
高リン血症
(慢性糸球体腎炎、拡張型心筋症、喘息、逆流性食道炎、胃炎)
3g
105日間
直腸憩室穿孔
投与開始日 本剤投与開始。特に便秘も訴えておらず、問題はなかった。
投与104日目 腹部痛で他院受診。便秘の診断で帰宅。
投与105日目
(投与中止日)
腹痛が治まらず、来院。X線上、横隔膜の下にfree airが見えたので、汎発性腹膜炎、急性腹症の診断で他院に紹介。緊急手術を行った。直腸憩室穿孔。人工肛門造設。
その後、リンのコントロールがつかず、水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム配合剤に変更するが、それでもコントロールできず。
企業報告
臨床検査値
   投与16日前 投与15日目 投与78日目 中止127日後
体温(℃) 34.7 36.6 35.7 35.8
白血球数(/mm3 8700 8400 5100 7300
血小板数(×104/mm3 21.7 17.0 21.2 18.5
Al-P(IU/L) 99 121 375 292
LDH(IU/L) 406 489 609 206
BUN(mg/dL) 89.2 95.6 105 103.3
クレアチニン(mg/dL) 12.6 12.1 12.2 12.1
血清P(mg/dL) 8.1 6.4 6.3 8.3
併用薬:テオフィリン、ランソプラゾール、沈降炭酸カルシウム、テプレノン

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
50代
高コレステロール血症
(逆流性食道炎、糖尿病、高血圧症、高度房室ブロックのためペースメーカーを植え込まれている、脂肪肝、腎のう胞)
3g
62日間
腸閉塞
投与29日目 外来受診時、特に症状の訴えなし。
投与61日目 21:00 間欠的腹痛出現。便は出るが少量普通便。
投与62日目
(投与中止日)
腹痛が軽快しないため外来受診。腹部所見は、腸雑音の亢進、臍周囲の圧痛を認めた(腹膜刺激症状は認めず)。腹部X線上、小腸ガス及びniveau(鏡面像)を認めイレウスの診断で入院〔白血球数、CK(CPK)上昇〕。
入院後、絶飲食して補液を行い症状改善。
中止7日後 腹部X線の結果、小腸ガスの消失を確認。
消化管精査予定であったが、患者の事情により長期入院は無理とのことで外来にて行うこととした。退院。
中止16日後 イレウスの再発は認めていない。
企業報告
臨床検査値
   投与開始日 投与29日目 投与62日目
(投与中止日)
白血球数(/mm3 6200 6300 10000
CK(CPK)(IU/L) 232 262 418
併用薬:塩酸イミダプリル、ベザフィブラート、シメチジン、水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム配合剤、グリベンクラミド

 

【4】 酢酸クロルマジノン(25mg、50mg)

販売名(会社名)
アプタコール錠、同L錠(大洋薬品)
ヴェロニカ錠(陽進堂)
エフミン錠(富士製薬工業)
キシリノン錠「25」(辰巳化学)
クロキナン錠、同L錠(三和化学研究所)
ゲシン錠、同L錠(小林化工)
サキオジール錠(大正薬品工業)
酢酸クロルマジノン錠25mg「EMEC」
(サンノーバ)
ジルスタンL錠(東和薬品)
ナロットL錠(模範薬品研究所)
パパコール錠25(沢井製薬)
プラクサン錠25(日本ガレン)
プレストロン、同L錠(ローマン工業)
プレニバール錠(三菱ウェルファーマ)
プロエスL錠(東亜薬品)
プロコサイド錠(日本薬品工業)
プロスタット錠(日本新薬)
プロスタール錠25、同L錠(帝国臓器製薬)
プロターゲンS錠(太田製薬)
メドンサン錠25mg(帝三製薬)
レコルク錠(日本医薬品工業)
ロンステロン錠(日新製薬)
薬効分類等 卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤
効能効果 前立腺肥大症
前立腺癌(ただし、転移のある前立腺癌症例に対しては、他療法による治療の困難な場合に使用する)(25mgのみ)

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[重要な基本
的注意]
 
劇症肝炎等の重篤な肝機能障害による死亡例が報告されているので、投与開始後3ヵ月までは少なくとも1ヵ月に1回、それ以降も定期的に肝機能検査を行うこと。
 
[副作用
(重大な副作用)]
本剤投与1~2ヵ月後に劇症肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれ、死亡に至った症例が報告されているので、投与開始後3ヵ月間は少なくとも1ヵ月に1回、それ以降も定期的に肝機能検査を行い、悪心・嘔吐、食欲不振、全身倦怠感等の異常が認められた場合には直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
70代
前立腺癌
(なし)
100mg
45日間
劇症肝炎
投 与 前 健康診断で前立腺マーカーPSAの異常高値を指摘される。
前医にて前立腺生検で前立腺癌の診断、前立腺全摘術を予定するも、本人が手術を希望せず。抗男性ホルモン療法を施行。
投与開始日 前医にて本剤服用開始。
投与15日目 酢酸リュープロレリン投与(1回)。
投与45日目
(投与中止日)
血液検査データでAST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、総ビリルビンの異常値が判明。
薬剤の服用中止指示。
中止2日後 黄疸、腹水著明にて報告施設入院〔総ビリルビン11.6mg/dL、AST(GOT)6574IU/L、ALT(GPT)1663IU/L〕。
中止3日後 グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤開始(36日間投与)。
中止7日後 プレドニゾロン開始(31日間投与)。
中止12日後 脳症II度出現。
中止24日後 脳症IV度出現。プロトロンビン時間(PT)測定(31.5%)、劇症肝炎(亜急性炎)と診断。FFP輸血。
中止32日後 FFP輸血。
中止34日後 FFP輸血。
中止35日後 FFP輸血。
中止38日後 血漿交換(FFP30IU)。血液透析開始。
中止40日後 死亡(死因:劇症肝炎)。
DLSTテスト 陰性
HA-IgG(-)、HBs-Ag(-)、HCV-Ab(-)、ANA(-)
企業報告
臨床検査値
   投与
開始日
投与
15日目
投与45日目
(投与中止日)
中止
2日後
中止
6日後
中止
24日後
中止
38日後
白血球数(/mm3 7200 11330 16120 9400
血小板数(×104/mm3 13.5 11.7 9.9 14.2 11.1 5.8
AST(GOT)(IU/L) 26 25 7535 6574 7202 1261 380
ALT(GPT)(IU/L) 20 19 1659 1663 1633 307 115
γ-GTP(IU/L) 327 116 138
LDH(IU/L) 411 416 1558 1268 848 1010
Al-P(IU/L) 230 238 982 830 304 491
総ビリルビン(mg/dL) 0.6 0.4 9.2 11.6 18.2 34.3 34.5
BUN(mg/dL) 18 16 10 9.1 48.2 94.7
クレアチニン(mg/dL) 1.0 0.8 0.8 0.6 1.1 3.8
総蛋白(g/dL) 7.6 7.1 7.2 6.8 4.7 3.8
総コレステロール(mg/dL) 183 170 110 121 61 45
プロトロンビン時間(%) 31.5
ヘパプラスチンテスト(%) 40 17 10未満
併用薬:酢酸リュープロレリン

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
60代
前立腺癌
(なし)
100mg
54日間
急性肝炎(劇症)
投与34日前 人間ドックにより前立腺肥大を指摘され、他施設で二次検査を受けたところ前立腺癌と診断。報告病院(泌尿器科)を受診。
投与開始日 本剤投与開始。
投与30日目 前立腺の生検実施(ステージの確定診断はしていないが、B~Cステージと推定)。
投与48日目 急性肝炎(劇症)発生。
投与54日目
(投与中止日)
入院。本剤投与中止。DLSTテスト(陰性)。 グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤2A、ラクツロース60%、プレドニゾロン30mg投与開始。絶食の上でIVH管理。
内服中止後も著明な黄疸、腹水を呈し、改善傾向みられず。
中止4日後 内科に転科。
中止5日後 FFP輸血(15日間 総輸血量45IU)。
中止11日後 プレドニゾロン25mgに減量。
中止19日後 グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤、ラクツロース、プレドニゾロン投与中止。
肝機能の改善傾向みられず、死に至るおそれがあり、透析導入を検討(腎機能の低下を伴う肝性脳症I)。
中止20日後 血液濾過、透析実施。
中止21日後 死亡(死因:劇症肝炎、急性腎不全)。剖検なし。
DLSTテスト 陰性
各種肝炎ウイルスマーカー(A、B、C)…陰性、HBS-Ag(-)、HBS-Ab(-)、IgM(-)
企業報告
臨床検査値
   投与12日前 投与48日目 投与54日目
(投与中止日)
中止5日後 中止13日後 中止19日後
白血球数(/mm3 10500 12100 15900
血小板数(×104/mm3 18.2
AST(GOT)(IU/L) 32 1540 1310 699 122 179
ALT(GPT)(IU/L) 23 2440 1163 649 93 152
γ-GTP(IU/L) 81 64 68
LDH(IU/L) 359 1520 979 677 569 882
Al-P(IU/L) 248 964 979 654 494 376
総ビリルビン(mg/dL) 23.8 34.2 48.5
直接ビリルビン(mg/dL) 16.2 23.1 35.5
BUN(mg/dL) 23.8 22.6 14.2 18.5 33.5 83.7
クレアチニン(mg/dL) 1.0 0.9 0.8 1.3 1.9 4.0
プロトロンビン時間(秒) 25.0 18.5 24.7
APTT(秒) 56.6 44.6 45.2
ヘパプラスチンテスト(%) 19.0 28.7 25.9
フィブリノーゲン(mg/dL) 75 103 41
FDP(μg/mL) 40 20
アンモニア(μg/dL) 154 137
併用薬:塩酸セフォチアム

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
3
70代
前立腺癌
(特発性血小板減少性紫斑病)
100mg
111日間
劇症肝炎(急性肝不全)
投与約1ヵ月前 人間ドックにて前立腺癌を疑われ、報告施設泌尿器科にて生検。前立腺癌(Stage B1)の診断。
投与開始日 本剤投与開始。
投与111日目
(投与中止日)
黄疸、食思不振強く、報告施設来院。
総ビリルビン30.7mg/dL、ヘパプラスチンテスト34.4%、AST(GOT)1518IU/L、ALT(GPT)1232IU/Lにて肝不全の診断で入院。本剤投与中止。
グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤、糖液点滴開始。
中止3日後 総ビリルビン26.9mg/dL、AST(GOT)1740IU/L、ALT(GPT)1151IU/L、HPT18.1%、アンモニア 115μg/dLと肝不全の進行を認める。FFP投与開始。
中止5日後 意識障害、ショック、呼吸不全となり、O2投与開始。
昇圧剤投与にて血圧回復するも、呼吸不全、腎不全、肝性脳症による多臓器不全となる。
中止8日後 対症的治療継続するも呼吸停止。
心停止。死亡確認(死因:肝不全)。
DLSTテスト 未実施
IgM-HA(-)、HCV-RNA PCR(-)、HBV-DNA(-)、ANA(±)
企業報告
臨床検査値
   投与
48日前
投与
42日前
投与
29日目
投与
57日目
投与111日目
(投与中止日)
中止
3日後
中止
5日後
中止
6日後
白血球数(/mm3 8100 3400 3000 5100 5100 5200 9400 11800
血小板数(×104/mm3 11.1 18.7 19.9 17.7 16.6 9.7 6.8 6.1
AST(GOT)(IU/L) 21 23 55 23 1518 1740 1393 1931
ALT(GPT)(IU/L) 17 18 50 16 1232 1151 1010 938
γ-GTP(IU/L) 238 101
LDH(IU/L) 371 413 560 435 1081 1191 4360
Al-P(IU/L) 106 106 105 85 242 220 223 197
総ビリルビン(mg/dL) 2.1 0.8 0.6 0.8 30.7 26.9 24.3 27.0
BUN(mg/dL) 15.2 12.1 11.2 16.9 15.4 14.3 13.5 30.1
クレアチニン(mg/dL) 0.9 0.8 0.7 0.7 1.0 1.1 1.1 4.7
プロトロンビン時間(%) 128 192 42 27 11
ヘパプラスチンテスト(%) 34.4 18.1 7.0
アンモニア(μg/dL) 36 115 320
併用薬:塩酸タムスロシン、塩酸ベニジピン、プレドニゾロン、酢酸ゴセレリン

 

【5】 チアマゾール

販売名(会社名) メルカゾール錠(味の素ファルマ)
メルカゾール注(中外製薬)
薬効分類等 甲状腺、副甲状腺ホルモン剤
効能効果 甲状腺機能亢進症

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[重要な基本
的注意]
重篤な無顆粒球症が主に投与開始後2ヶ月以内に発現し、死亡に至った症例も報告されている。
  
 (1)少なくとも投与開始後2ヶ月間は、原則として2週に1回、それ以降も定期的に白血球分画を含めた血液検査を実施し、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、一度投与を中止して投与を再開する場合にも同様に注意すること。
 (2)定期的な血液検査において、白血球数が正常域であったとしても、減少傾向にある場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 (3)本剤の投与開始に先立ち、無顆粒球症等の副作用、用法・用量等の留意点を患者に説明するとともに、特に咽頭痛、発熱等の症状がみられた場合には、速やかに主治医に連絡するように指示すること。また、患者の状態から無顆粒球症の発現等が疑われた場合には、白血球分画を含めた血液検査を行い、顆粒球の著しい減少等の異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 
[副作用
(重大な副作用)]
汎血球減少、再生不良性貧血、無顆粒球症、白血球減少汎血球減少、再生不良性貧血、無顆粒球症、白血球減少(初期症状:発熱、全身倦怠、咽頭痛等)があらわれることがあるので、本剤投与中は少なくとも投与開始後2ヶ月間は、原則として2週に1回、それ以降も定期的に白血球分画を含めた血液検査を行い、異常が認められた場合は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
60代
バセドウ病
(心不全、心房細動、うっ血性肝硬変)
30mg
14日間
 ↓
45mg
33日間
汎血球減少症、敗血症性ショック
投与44日目 無顆粒球症発症。
投与46日目 白血球数1100/mm3、ヘモグロビン8.6g/dL、 血小板数2.6×104/mm3と汎血球減少症を認めるも、通常より肝線維症、甲状腺機能亢進症による汎血球減少を認めたため、経過観察。
投与47日目
(投与中止日)
午前 咽頭痛発症。
午後 血圧低下傾向となる(普段80-100/40-60mmHg→発症時64/32mmHg)。補液にも反応せず39℃台の発熱も生じる。血液検査、血液ガス分析にて敗血症性ショックと診断し、ICU入室。抗生剤、抗真菌剤、人免疫グロブリン、G-CSF製剤投与開始。胸部XPにて肺炎なし。抗生剤、抗真菌剤、昇圧剤、強心剤等で原因療法、循環管理を行いつつ経過観察するも、汎血球減少症悪化。輸血(赤血球、血小板輸血頻回施行)。
中止6日後 血圧低下著明となり意識レベル低下、無尿となる。30分後、心肺停止。直ちに蘇生。混合性アシドーシス補正しつつ、心停止のために蘇生数回施行。約6時間後、死亡確認。
死亡疾患 敗血症性ショックに起因する多臓器不全
剖検結果 肺水腫、肝線維症、軽度心肥大、軽度脾腫、両腎腫大
企業報告
臨床検査値
   投与開始
100日前
投与開始
76日前
投与
16日目
投与
30日目
投与
44日目
投与
46日目
投与47日目
(投与中止日)
中止
1日後
中止
2日後
中止
3日後
中止
4日後
中止
5日後
中止
6日後
赤血球数
(×104/mm3
270 308 315 368 264 261 261 283 283 268 238 222 203
白血球数
(/mm3
3700 3800 3700 3800 1600 1100 700 800 800 900 700 700 900
好中球(%) 52.5 39.8 35.0 0.5 0.5 0.5 0.5
血小板数
(×104/mm3
3.7 9.0 8.8 6.3 3.5 2.6 2.6 1.9 1.5 1.0 3.8 1.5 1.7
併用薬:スピロノラクトン、アゾセミド、ワルファリンカリウム、塩酸ラニチジン、テプレノン、塩酸プロプラノロール、肝不全用アミノ酸製剤、混合ビタミンB製剤

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
30代
バセドウ病
(なし)
15mg
27日間
無顆粒球症
投与開始3日前 夏頃より頸部腫大自覚し、外来受診。
TSH0.03μU/mL未満、FT316.72pg/mL、FT47.35ng/dL、抗サイログロブリン抗体23.7U/mL、抗TPO抗体315U/mL、TSHレセプター抗体81.5%よりバセドウ病と診断。(白血球数7200/mm3、好中球64.5%)
投与開始日 バセドウ病に対し、本剤15mg、頻脈に対し、塩酸プロプラノロール30mg、皮膚そう痒症に対し、メキタジン6mgの内服開始。
投与14日目 SH0.03μU/mL未満、FT33.99pg/mL、FT41.14ng/dLと甲状腺機能亢進は軽減。(白血球数8300/mm3、好中球53.4%)
投与27日目
(投与中止日)
昼頃より39℃台の発熱、当院外来受診。
白血球数1100/mm3より無顆粒球症と考え、内科入院。本剤の内服中止。メロペネム三水和物0.5g×2、硫酸イセパマイシン400mgを投与開始。また、G-CSF製剤100μg皮下注開始。
中止1日後 白血球数1100/mm3、好中球0%、CRP9.2mg/dL。
中止2日後 消化管感染症予防のため、硫酸ポリミキシンB 300万IU、フルコナゾール100mgの内服開始。
中止4日後 CRP14.53mg/dL。
中止5日後 白血球数1100/mm3(好中球0%)と無顆粒球症の改善認めず。39℃台の発熱持続しており、クリンダマイシン600mg×2併用へ。
中止9日後 白血球数1700/mm3(好中球25%)まで改善。解熱も得られる。
中止10日後 メロペネム三水和物、硫酸イセパマイシン、クリンダマイシン、硫酸ポリミキシンB、フルコナゾール中止。レボフロキサシン300mg投与。
中止12日後 白血球数5900/mm3(好中球54%)まで改善。CRP1.44mg/dLに低下。
中止14日後 白血球数10200/mm3まで上昇し、G-CSF製剤中止。CRP0.46mg/dLまで低下し、レボフロキサシン中止。
中止26日後 白血球数4600/mm3(好中球41%)と正常域。
企業報告
臨床検査値
   投与開始
3日前
投与
14日目
投与27日目
(投与中止日)
中止
1日後
中止
5日後
中止
7日後
中止
9日後
中止
10日後
中止
12日後
中止
14日後
中止
19日後
中止
23日後
中止
26日後
赤血球数
(×104/mm3
423 450 435 459 413 406 378 393 398 387 427 414 405
白血球数
(/mm3
7200 8300 1100 1100 1100 1400 1700 2700 5900 10200 3600 10800 4600
好中球(%) 64.5 53.4 0 0 25.0 36.0 54.0 22.0 72.3 41.0
血小板数
(×104/mm3
26.0 29.5 29.5 23.0 23.7 30.4 41.1
FT3(pg/mL) 16.72 3.99 6.60 20.00
FT4(ng/dL) 7.35 1.14 1.07 17.00
TSH(μU/mL) 0.03 0.03 0.03 0.03
併用薬:塩酸プロプラノロール、メキタジン

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
3
40代
甲状腺機能亢進症
(高血圧)
30mg
29日間
無顆粒球症
投与開始日 甲状腺機能亢進症の診断。
本剤30mg開始。白血球数3500/mm3(好中球41%)。
投与15日目 白血球数3200/mm3(好中球61%)。
投与29日目
(投与中止日)
白血球数2800/mm3(好中球13%)。本剤中止。
中止2日後 38~39℃発熱。
中止3日後 来院。白血球数1500/mm3(好中球1%)。
骨髄穿刺にて顆粒球系細胞をほとんど認めず。
緊急入院。CRP10.0mg/dL、40℃まで発熱。
イミペネム・シラスタチン配合剤0.5g×2回(朝、夕)開始。
レノグラスチム100μg皮下注開始。
中止9日後 39℃前後の発熱持続。
中止10日後 37℃台に解熱。レノグラスチム中止。白血球数4700/mm3。無顆粒球症軽快。イミペネム・シラスタチン配合剤続行。
中止13日後 四肢、体幹に皮疹出現。イミペネム・シラスタチン配合剤中止。
企業報告
臨床検査値
   投与
開始日
投与
15日目
投与29日目
(投与中止日)
中止
3日後
中止
5日後
中止
10日後
中止
13日後
中止
17日後
赤血球数(×104/mm3 436 485 449 443 405 389 409 407
白血球数(/mm3 3500 3200 2800 1500 1300 4700 8700 4900
好中球(%) 41 61 13 1 19 29
血小板数(×104/mm3 19.0 17.3 29.9 25.3 16.7 32.9 35.9 25.4
併用薬:塩酸プロプラノロール、ベシル酸アムロジピン

 

【6】 パクリタキセル

販売名(会社名) タキソール注(ブリストル製薬)
薬効分類等 抗腫瘍性植物成分製剤
効能効果 卵巣癌、非小細胞肺癌、乳癌、胃癌

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
急性呼吸窮迫症候群:急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、急速に進行する呼吸困難、低酸素症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
播種性血管内凝固症候群(DIC):播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血小板数、血清FDP値、血漿フィブリノゲン濃度等の血液検査に異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
70代
非小細胞肺癌
(なし)
315mg
1クール
急性呼吸窮迫症候群
投与開始日 再発非小細胞肺癌(所属リンパ節転移、StageIIIに対して本剤315mg、カルボプラチン450mg点滴開始。
投与2日目 呼吸苦と腹満の訴えあり、利尿剤と浣腸等で落ち着く。尿量は1400mLを確保。念のためコハク酸ヒドロコルチゾンナトリウムを継続。
投与4日目 38.3℃の発熱、軽度の呼吸苦あり、抗生剤開始。その後も間欠的に発熱あり。人免疫グロブリン併用。深夜帯の胸部X線でARDS~肺水腫様所見を認めた。
投与5日目 AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH、他の上昇、血小板低下等を認め、メシル酸ガベキサート等含む薬剤の投与開始。コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム増量。夜間に呼吸苦も消失し、やや小康を得た。
投与6日目 早朝(自分でトイレに行こうとして)倒れているのを発見。自発呼吸不良のため、気管内挿管の上、レスピレーター管理とした。意識は改善されたが、その後乏尿や血圧低下等徐々に全身状態悪化。夕刻より、塩酸ドパミン、塩酸ドブタミン等開始するも血圧、心拍維持不能。その後もCPR行ったが、同夜死亡。
〈ARDS所見〉
肺疾患、呼吸困難(頻呼吸)、X-Pのびまん性浸潤像(間質性陰影、肺胞性陰影)、F1O2>0.6でPaO2<50mmHg
〈処置〉
気管内挿管
レスピレーター管理
メシル酸ガベキサート等
ステロイド使用(コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム)
企業報告
臨床検査値
   投与
5日前
投与
3日前
投与
開始日
投与
2日目
投与
3日目
投与
5日目
投与
6日目
赤血球数(×104/mm3 397 386 351 339
ヘモグロビン(g/dL) 12.5 12.3 11.2 10.5
白血球数(/mm3 6100 8900 4200 5700





好酸球(%) 0.0
好中球(%) 65.0
好塩基球(%) 1.0
リンパ球(%) 21.0
単球(%) 12.0
血小板数(×104/mm3 27.7 18.7 8.3 2.9
AST(GOT)(IU/L) 26 29 76 110
ALT(GPT)(IU/L) 25 17 74 102
Al-P(IU/L) 207 133 178
LDH(IU/L) 356 430 608 1080
総ビリルビン(mg/dL) 0.4 2.6
血清Na(mEq/L) 127 130 125 128
血清K(mEq/L) 4.1 3.2 3.2 3.4
血清Cl(mEq/L) 97 99 92 92
BUN(mg/dL) 4.0 21.0 18.2 29.7
血清クレアチニン(mg/dL) 0.6 0.8 0.5 0.9
クレアチニン・クリアランス(mL/min) 182.5
蛋白(-) (-)
糖(-) (-)
CRP(mg/dL) 3.9 32.0
SpO2(%) 96 95~96 94 83~95
併用薬:カルボプラチン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ラニチジン、硫酸モルヒネ、ジゴキシン、パニペネム・ベタミプロン配合剤、ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン、フロセミド、半夏瀉心湯

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
50代
非小細胞肺癌
(糖尿病)
270mg
2クール
DIC
投与開始日 非小細胞肺癌のIV期に対して本剤270mg/body+カルボプラチン300mg/bodyにて化学療法1クール目施行。
GradeIVの好中球減少発現。G-CSF投与にて3日目には改善。
GradeIIの消化器症状発現。点滴にて改善。
投与27日目 本剤270mg/body+カルボプラチン400mg/bodyにて化学療法2クール目施行。
投与30日目 右IV、V指の循環不全の徴候あり。重篤なものでなく経過観察。
投与36日目 未明に下部消化管出血発現。血圧低下。両足先の循環不全も出現。
投与37日目 DIC発現。治療。
投与41日目 治療の効なく死亡。
<処置> DIC メシル酸ガベキサート
企業報告
臨床検査値
   投与前 投与3日目 投与30日目 投与36日目 投与37日目 投与38日目
体温(℃) 37.1 36.6 36.8 37.6
赤血球数(×104/mm3 313 322 277 233
ヘモグロビン(g/dL) 9.2 9.5 7.8 6.6
白血球数(/mm3 10200 11800 8000 4100





好酸球(%) 4.4 0.1 0.1 6.2
好中球(%) 65.9 90.6 91.7 44.2
好塩基球(%) 0.6 0.3 0.2 0.6
リンパ球(%) 16.9 6.2 5.0 16.4
単球(%) 12.2 2.8 3.0 32.6
血小板数(×104/mm3 31.3 33.9 22.0 7.5
AST(GOT)(IU/L) 17 20 15
ALT(GPT)(IU/L) 9 12 6
Al-P(IU/L) 372 291
LDH(IU/L) 333 319 277
γ-GTP(IU/L) 59 47 36
総ビリルビン(mg/dL)
0.6 0.6
血清Na(mEq/L) 140 142 140
血清K(mEq/L) 4.3 4.5 4.9
血清Cl(mEq/L) 100 100 103
血清クレアチニン(mg/dL) 0.6 0.5 1.6
血圧(mmHg) 125/75 120/70 133/75
CRP(mg/dL) 16.0 4.3
プロトロンビン時間(秒) 12.6 12.6
フィブリノーゲン(mg/dL) 265 182
FDP(μg/mL) 122.9
D-ダイマー(μg/mL) 27.2 33.1
併用薬:カルボプラチン

 

【7】 ポリスチレンスルホン酸カルシウム

販売名(会社名) アーガメイトゼリー(三和化学研究所)
エクスメート散(ニプロファーマ)
カリエード、同プラス散(分包)(東洋製薬化成)
カリセラム末(扶桑薬品工業)
カリメート、同ドライシロップ(日研化学)
ポスカール(シオエ製薬)
ミタピラリン(東洋ファルマー)
薬効分類等 その他の循環器官用薬
効能効果 急性および慢性腎不全に伴う高カリウム血症

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[禁  忌]
腸閉塞の患者

[慎重投与]
 

便秘を起こしやすい患者
腸管狭窄のある患者
消化管潰瘍のある患者

 
[重要な基本
的注意]
 
腸管穿孔、腸閉塞があらわれることがあるので、高度の便秘、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
本剤を経口投与するにあたっては、患者に排便状況を確認させ、便秘に引き続き腹痛、腹部膨満感、嘔吐等の症状があらわれた場合には、医師等に相談するように患者に指導すること。

 
[副作用
(重大な副作用)]
腸管穿孔、腸閉塞があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。これらの病態を疑わせる高度の便秘、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には、投与を中止し、聴診、触診、画像診断等を実施し、適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
60代
高カリウム血症
(慢性腎不全、腎炎、血管炎、蛋白尿、ネフローゼ症候群、便秘、非定型抗酸菌感染症、カリニ肺炎、シェーグレン症候群)
15g
11日間
閉塞性イレウス、大腸穿孔、汎発性腹膜炎、敗血症
投与開始日 高カリウム血症のため、本剤経口投与開始。
本剤投与前、排便は日に1~2回あったが、本剤投与後2~3日は1日おきに排便。
投与5日目 便秘出現。酸化マグネシウム、センノシドA・B投与開始。
投与8日目 ピコスルファートナトリウム投与開始。
腹部単純X線写真、CTにより、小腸および上部大腸に本剤の便塊を確認。腸管ガス貯留が目立ち、絶飲食、パンテノールを点滴投与したが排便なし。
投与11日目
(投与中止日)
本剤投与中止。
中止7日後 腹部膨満著しく、X線写真上、大腸の拡張を認めるが、フリーエアーはなし。閉塞性イレウスと判断し、イレウスチューブ挿入。
血小板減少のため骨髄穿刺施行し、血球貪食像を認めた。
中止8日後 腸管ガスはやや改善。血圧低下、無尿となりICU入室。敗血症も疑われ抗菌剤投与開始。持続透析となる。
中止12日後 排便確認できないためイレウスチューブ留置。
血球貪食に対してコハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム点滴。3日間のミニパルス療法および抗菌剤、免疫グロブリン製剤投与。
中止17日後 血液培養によりグラム陰性菌検出。
敗血症と判断し、抗菌剤2剤併用。
中止18日後 コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム点滴。3日間のミニパルス療法。
中止23日後 血圧の上昇見られず午後1時死亡。
剖検所見では、腹部は大腸穿孔による汎発性腹膜炎であり、壊死傾向が強く、解剖学的な腸管の区別は不可能な状態であった。
企業報告
併用薬:プレドニゾロン、コハク酸プレドニゾロンナトリウム、ベタメタゾン、リファンピシン、塩酸エタンブトール、塩酸シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤、D-ソルビトール、イセチオン酸ペンタミジン、酸化マグネシウム、センノシドA・B

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
70代
不明
(腎機能障害、貧血、慢性心不全)
6g
不明
糞石イレウス、腸管穿孔疑い、汎発性腹膜炎
不   明 本剤経口投与開始。
発現10日前 慢性心不全、高カリウム血症で近医入院。
発現5日前 退院。
退院後から、腹痛、微熱発現。入院中より排便なし。
食事は少量摂取していたが、症状徐々に増悪。
発 現 日 早朝に嘔吐。
近医受診し、腹部単純X線で鏡面像形成を認めたため、イレウスと診断。当科紹介受診。本剤投与中止。
腹部全体に圧痛。反跳圧痛(+)、筋性防御(+)、蠕動音は聞こえず、左右の下腹部に拡張した大腸を触れた。
糞便イレウスにて緊急開腹術施行。
腹腔内は少量の混濁した腹水を認め、下行結腸~直腸にかけて石のように硬い糞便を認めた。
盲腸~横行結腸にかけて大腸は非常に拡張しており腸管壁は薄く、脆弱になっていた。
腸管の穿孔ははっきりとしなかった。
S状結腸に縦切開をいれ、便を摘出。回腸末端で、双口式人工肛門造設。人工呼吸器にて管理。
発現6日後 気管切開。
発現11日後 DICとなり、下血を認める。
発現15日後 死亡。
企業報告
併用薬:ドカルパミン、酸化マグネシウム、アルファカルシドール、フロセミド、アロプリノール

 

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使用上の注意の改訂について(その153)

 前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.197)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「1 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について、改訂内容、主な該当販売名、参考文献等をお知らせいたします。

 

1 〈主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの〉
塩酸セフェピム
[販売名] 注射用マキシピーム0.5g、同1g(ブリストル製薬)
[副作用
(重大な副作用)]
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
精神神経症状:意識障害、昏睡、痙攣、振戦、ミオクローヌス等の精神神経症状があらわれることがある。特に腎機能障害患者で減量を行わなかった場合にあらわれやすい。
〈参   考〉 企業報告

 

2 〈抗ウイルス剤〉
エファビレンツ
[販売名] ストックリンカプセル200(萬有製薬)
[副作用
(重大な副作用)]
肝不全:重篤な肝障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

3 〈抗ウイルス剤〉
ネビラピン
[販売名] ビラミューン錠200(日本ベーリンガーインゲルハイム)
[警告]

警 告

  本剤の投与により、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、過敏症症候群を含め、重篤で致死的な皮膚障害が発現することがあるので、次の事項に注意すること。
本剤による発疹は、投与開始後概ね18週までに(重篤な発疹は投与開始後概ね6週までに)発現する場合が多いので、当該期間中は特に観察を十分に行うこと。
[禁忌]
重篤な肝機能障害のある患者
[慎重投与] CD4値の高い患者(女性:250/mm3以上、男性:400/mm3以上)
女性の患者
[重要な基本
的注意]
本剤の主な副作用は発疹であること。本剤による発疹は投与開始後概ね18週までに(重篤な発疹は投与開始後概ね6週までに)発現しているので、当該期間中は特に注意すること。また、発疹が発現した場合には、直ちに担当医に報告すること。
CD4値の高い患者(女性:250/mm3以上、男性:400/mm3以上)では、低い患者に比べて本剤による肝機能障害の発現率が高いことから、CD4の測定とともに肝機能検査を合わせて行うこと。また肝機能検査値の異常が認められた場合は、本剤の投与を中止すること。
発疹の副作用の発現に伴って肝機能障害の副作用が発現する症例が報告されているので、発疹があらわれた患者では肝機能検査も合わせて行うこと。
女性の患者では、本剤による発疹や発疹に伴う肝機能障害の発現率が高いことから、本剤を女性に投与する場合は、発疹や肝機能障害の発現に十分注意すること。
[副作用
(重大な副作用)]
肝炎(劇症肝炎を含む)、肝機能障害(AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-P、総ビリルビン等の上昇)、黄疸、肝不全:定期的、かつ必要に応じて検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
過敏症症候群:初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状(薬剤性過敏症症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
〈参   考〉 企業報告

 

4 〈抗ウイルス剤〉
硫酸インジナビルエタノール付加物
[販売名] クリキシバンカプセル(萬有製薬)
[副作用
(重大な副作用)]
白血球減少
脳梗塞、一過性脳虚血発作:脳梗塞や一過性脳虚血発作等の虚血性脳血管障害があらわれることがある。
〈参   考〉 企業報告

 

5 一般用医薬品
塩酸ロペラミドを含有する製剤
[販売名] イノック下痢止め(湧永製薬)、シグナル下痢止め(エスエス製薬)、ロペラマックサイト(佐藤製薬)
[してはいけな
いこと]
服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと(眠気があらわれることがある。)
[相談すること] 次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談すること
 授乳中の人
次の場合は、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師又は薬剤師に相談すること
 服用後、次の症状があらわれた場合
  精神神経系:めまい
 まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けること。
  皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、中毒性表皮壊死症(ライエル症候群):高熱を伴って、発疹・発赤、火傷様の水ぶくれ等の激しい症状が、全身の皮ふ、口や目の粘膜にあらわれる。
〈参   考〉 企業報告

 

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お知らせ

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なお、医薬品情報提供ホームページ(http://www.pharmasys.gr.jp/)又は厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)からも入手可能です。