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安全対策業務

第17回ジェネリック医薬品品質情報検討会

開催日時等

日時 2016年9月7日(水曜日) 10時から12時25分
場所 東海大学校友会館 富士の間
 

出席委員等 (敬称略)

出席委員(11名)

緒方宏泰、川西徹、喜多村孝幸、楠本正明、澤木康平(杉山茂夫代理)、西島正弘、檜垣和孝、武藤正樹、村松章伊、守安貴子、渡邊善照

欠席委員(2名)

鈴木邦彦、四方田千佳子

参考人

山田良太(日本製薬団体連合会)、伏見環(日本ジェネリック製薬協会)、浅見宗俊(日本ジェネリック製薬協会)

オブザーバー

鈴木仁人、深澤秀輔(国立感染症研究所)

事務局

国立医薬品食品衛生研究所・薬品部

合田幸広、伊豆津健一、阿曽幸男、坂本知昭、柴田寛子、吉田寛幸、阿部康弘

厚生労働省等

山田雅信(医薬品審査管理課)、松田紘美(医薬品審査管理課)、大井恒宏(安全対策課)、清水政博(監視指導・麻薬対策課)、蛭田浩一(医薬品医療機器総合機構ジェネリック医薬品等審査部)

 

審議概要

(1)開会

 委員10名に代理出席1名を加えた11名で開会が告げられた。

(2)第14回検討会で検討対象となった抗パーキンソン剤および高脂血症用剤の溶出試験結果報告

 第14回検討会(2015年2月)において選定された抗パーキンソン剤5成分(ドロキシドパカプセル、カベルゴリン錠、プラミペキソール塩酸塩錠、ペルゴリドメシル酸塩錠、レボドパ・カルビドパ錠)及び高脂血症用剤4成分(アトルバスタチン錠、シンバスタチン錠、ピタバスタチンカルシウム錠、フルバスタチン錠)について、製剤試験ワーキンググループ(製剤試験WG)にて溶出挙動の検討を行い、その結果が資料17-1のように報告された。
 カベルゴリン錠の1製剤が、規格には適合するものの水での溶出が遅く、先発品およびオレンジブックの溶出曲線と類似の範囲になかった。メーカーの調査により、原薬の凝集性が承認取得時より増していることが確認された。凝集性を改善した原薬の安定的な入手が困難なことから、販売を中止する予定との報告がなされた。
 検討会におけるこれまでの評価品目の中で、原薬の粒子径や凝集性などに由来すると思われる溶出挙動の変動が数件見られた。製剤の継続的な品質確保に向けて、原薬の変更時などの対応について、事務局を中心として整理することとされた。
 アトルバスタチン錠の溶出性評価では、先発品において試験中にベッセル底部でマウントまたはコーン(円錐状堆積物)の形成が認められたため、後発品との溶出性の比較は行わないこととなった。同様な場合には、回転数を上げるなどコーン形成を抑制する条件での評価も検討すべきとの意見が出された。
 シンバスタチン錠の溶出挙動はpH1.2以外の3試験液においていずれの製剤も先発品と類似性を示した。シンバスタチンは酸性条件で不安定であり、pH1.2の試験液では試験中の分解による溶出率(未変化体)の減少が認められた。なお、同製剤のオレンジブック作成時の評価法には、分解物を含めた数値を溶出率としたため、異なる曲線となったことが説明された。
 今回のように溶出試験挙動の比較が難しい場合には、データの解釈に誤解が生じないよう十分な説明を付した上で、情報を公表すべきとの提案がなされた。
 以上の内容について、確認され了承された。

 

 製剤試験ワーキンググループ(製剤試験WG):ジェネリック医薬品の品質に関して、試験検査を実施し確認を行うため、国立医薬品食品衛生研究所及び地方衛生研究所の担当者から構成されるワーキンググループ。

(3)2014年度「後発医薬品品質確保対策事業」 検査結果報告

 都道府県等の協力のもと、2014年度の「後発医薬品品質確保対策事業」として実施された医薬品等一斉監視指導の検査結果について、資料17-2のように報告された。22有効成分398品目について、溶出試験、力価試験及び純度試験に係る検査を実施した結果、22有効成分390品目が適合とされ、不適合品目はなかったものの、3有効成分8品目については試験結果に対する疑義が生じた等により、判定不能とされた。試験方法の改善等により判定不能の発生を避けるとともに、再試験が必要との意見が出された。

(4)学会等での発表・論文及び医薬品医療機器総合機構への相談内容に関する審議

 2015年10月から2016年3月までの間の文献及び学会発表(資料17-3)並びに2015年度下半期の医薬品医療機器総合機構への相談内容(資料17-4)について報告された。
 リトドリン塩酸塩注射液については、製剤間の差あるいは添加剤を疑う臨床報告がなされているが、安全性との相関を説明するには至っていないため、引き続き注視していくこととされた。
 本検討会では有効性・安全性に関連する事項を中心に、品質の課題を評価・審議してきた。一方でジェネリック医薬品の普及とともに、医療機関や薬局における製品選定や患者への説明の重要性が高まっていることから、経口剤の味覚や外用剤の使用感等の情報についても、薬剤師による収集・活用と、メーカーからの情報提供が重要であることが指摘された。
 以上の内容について、了承された。

(5)ジェネリック医薬品品質情報検討会の経口固形製剤の溶出性評価における「先発医薬品と溶出挙動が異なる製剤を用いて生物学的同等性を確認し承認された」後発医薬品の今後の扱いについて

 製剤試験WGが行う経口固形製剤の溶出性評価において、溶出挙動が先発医薬品の類似範囲外となった後発医薬品のうち、「先発医薬品と溶出挙動が異なる製剤を用いた生物学的同等性(ヒト)試験により同等性を確認し承認されている」ことが確認された製剤については、これまでメーカーへの問い合わせ等を行ってこなかったが、今後は該当製剤を製造するメーカーに対し、これらの製剤が開発時の溶出特性を保持していることを確認することとされた(資料17-5)。

(6)その他

 第16回検討会で後発品の品質に関して情報収集を行うこととされたセボフルラン吸入麻酔液について、資料17-6のように説明がなされた。添付文書やインタビューフォームに記載された、気化器を含めた適切な管理・使用の継続が重要であることが確認された。

 厚生労働省医薬品審査管理課より、後発医薬品品質情報No.6の発刊について報告された(参考資料1)。

 溶出試験の規格と4液性での評価に関するデータの見方について、医療従事者・アカデミア向けの解説書が提案された(参考資料2)。

 委員より、本検討会の活動内容の周知が未だ不十分であることから、医療現場で医師・薬剤師により多く活用されるよう、関連学会や薬剤師会などを通じてより積極的な情報発信をするよう提案があった。
 

提出資料

  1. 議事次第
  2. ジェネリック医薬品品質情報検討会メンバー
  3. 資料17-1 第14回検討会で検討対象となった抗パーキンソン剤および高脂血症用剤の溶出試験結果
  4. 資料17-2 平成26年度「後発医薬品品質確保対策事業」 検査結果報告書
  5. 資料17-3-1 後発医薬品文献調査報告書(概要)
  6. 資料17-3-2 文献一覧表
  7. 資料17-3-3 問題指摘論文集(上記一覧表の一部。著作権の関係で掲載できません。)
  8. 資料17-4 医薬品医療機器総合機構 後発医薬品相談受付状況
  9. 資料17-5 経口固形製剤の溶出性評価における「先発医薬品と溶出挙動が異なる製剤を用いて生物学的同等性を確認し承認をされた」後発医薬品の今後の扱いについて(案)
  10. 資料17-6 セボフルラン吸入麻酔薬の安定性等に関する文献情報まとめ
  11. 参考資料1 後発医薬品品質情報No.6
  12. 参考資料2 溶出試験の規格と4液性での評価について(医療従事者・アカデミア向け解説)
 

連絡先 ジェネリック医薬品品質情報検討会事務局
E-メール oecqaged_●_nihs.go.jp
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ファックス 03-3707-6950
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