独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

第13回医薬品・医療機器等対策部会 別添2

本文別添1|別添2|別添3別添4


第13回医薬品・医療機器等対策部会

 医薬品・医療機器の製造販売業者による安全使用に関する対策がすでにとられているもの(医薬品関連)
 
  事例の内容 背景・要因 誤り又は影響を与えた医薬品名 検討内容
1 前病棟にてオリベスKを開始。転棟後、午前中にオリベスKを交換。翌日の午前中に輸液ポン プの気泡混入アラームが鳴った為、訪室すると、輸液ルートがつぶれており、気泡が多量に混 入している状態で発見した。よく見るとエア針が入っていなかった。積算量と実際に入った量 にかなりの誤差があった。 薬剤ボトル交換時にエア針を刺し忘れた。その後の検温や巡視などでもエア針がないことが発見されなかった。 オリベスK点滴用1%(販売終了) オリベスKはエア針が必要なガラス瓶からバッグ製剤「オベリス点滴用1%」に変更になった。
2 医師が顔面神経麻痺の患者に対してソルコーテフ(ステロイド)を点滴入力する際、アンプル の100mgと500mgを間違え、300mgと入力すべきところを1500mgと入力し てしまった。看護師が約600mg投与したところで中止した。患者には点滴の内容を変える と話した。結果として明らかな副作用はなかった。 医師・看護師の確認不十分、連携不足。 ソル・コーテフ500 今回の事象はオーダリングシステムの入力ミスの事例と推察される。本事例の直接的対策とは ならないが、変則的な販売名であるソル・コーテフ、ソルコーテフ250、ソル・コーテフ500、ソル・コーテフ1000とは、平成12年9月19日付医薬発第935号通知別添5に従っ た措置が必要であり、現在メーカーは名称変更の予定で準備を進めている。
3 FFP(新鮮凍結血漿)2単位を解凍する予定で、手洗い用のシンクにぬるま湯を入れた桶を 置いていた。解凍できた頃に確認したところ、桶の湯が熱くなっていた。当直科長と主治医に 報告し、FFPを確認してもらうがFFPのパック内で凝固し使用できなくなり、在庫のFF P2単位を解凍し使用した。他のチームやスタッフに確認したが湯は使用していなかった。 FFPを解凍していた場所は手洗いと同じである。解凍に一定の温度で解凍できる条件でない。 解凍できる時間までの途中の状況を確かめていなかった。 新鮮凍結血漿 添付文書に「容器のまま30~37℃で融解し、融解後3時間以内にろ過装置を具備した輸血用器 具を用いて、静脈内に必要量を輸注する。」「不適切な加温  不適切な加温により蛋白変性 を起こすことがあるので取扱いに注意すること。」と記載がある。また、日本赤十字社のホー ムページにも具体的解凍の方法等の情報が掲載されている。
4 不眠の訴えあり。指示のアタラックスPを静脈注射で施行しようとし、シリンジ内へ本体のア ミノトリパ2号を引くと、白濁し、施行を中止した。 配合変化をおこした可能性があった。薬剤師に問い合わせメーカーに聞いてもらったが、メー カーの配合変化の情報には載ってないとのことであった。 アタラックス-P25mg
アミノトリパ2号
メーカーの配合変化情報に追加を依頼し、情報提供出来るよう両メーカーに対応を依頼した。


 医薬品・医療機器の製造販売者等による安全使用対策がすでにとられているもの(医療機器関連)


  事例の内容 背景・要因 関与した機器の種類 検討内容
1 胸腔ドレーン持続吸引を開始した。開始時よりリークが点滅していた。胸部レントゲンにて他 の部位にも気胸あり、リークがあるのではということで経過をみていた。その後、排液バック とドレーンの接続部位の緩みに気付いた。呼吸器病棟に電話をし確認したが、同様に接続して いると言われ、その時点でもアダプターをつけて接続するという事に気付かなかった。テープ を接続部で固定し一時吸引圧が上昇、SPO2も60%代から90%以上に上昇した。日勤に て再びリークアラームが鳴っているため、他の看護師が訪室し、アダプター使用がされていな いのが原因とわかり接続した。胸腔ドレーン挿入時にアダプターがついてきたにもかかわらず、 気付かなかった。 接続部より気胸によるものと思っていた。メラバック変更のお知らせが配布されていたが、読んでいなかった。 排液バックカテーテルコネクタ 当該ドレーン及びチューブは、接続部の規格変更が行われた際に、旧製品でも接続できるアダプターを 添付したが、その存在について周知が十分ではなく、誤接続が多発したため自主回収が行われた。対策 済み。
2 胃瘻チューブ(カンガルーボタン)交換のため、オプチュレーターを挿入してバンパーを伸展 させようとしたところ、ポキッと小さな音がして、その後抵抗がなくなった(抜去不能となっ た)。レントゲン透視下でバンパーの状態を確認しながら、ネラトンチューブ内にゾンデを入 れた物を、オプチュレーター代わりに胃瘻チューブへ挿入し抜去した。出血は軽度であった。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル 排液バックカテーテルコネクタ 当該胃瘻用ボタンは長期使用目的のものであるが、使用中に材質のウレタン樹脂の劣化が起こっ たか、バンパーを強く伸展させすぎたものと思われる。当該事例では約150日留置されていた ことがわかっており、製造販売業者は4ヶ月を目安に交換するよう添付文書の改訂を行ってお り、対応済み。
3 定時のオムツ交換時に、下腹部上に、PEG(胃瘻)が抜けているのを発見。チューブのバルー ン部は、蒸留水がなく、バルーン部分が破れた状態。発見30分前は、異常はなかった。発見 後、直ちに、PEGを挿入し、交換後、胃液の逆流を確認。注入時は、要観察を行うが、異常 なく経過した。PEG:ネオフィード、ガストロストミーチューブ20Fr、20ml。 18日前に、PEG交換を実施(交換目安1ヶ月)。4日前には、バルーン水(蒸留水)の確 認と蒸留水(18ml)入れ換えを行っていた。製品メーカに提示後、製造工程中の製品の取 り扱い時の傷等が発生したとの回答があった。同一患者の場合、胃酸の影響によりバルーン表 面が劣化する。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル 当該胃瘻チューブのバンパーバルーンは10mLが推奨容量となっており、最大容量(20mL)に近 いバルーン水が入れられていたことがわかっている。このため、材質劣化により、早めに破裂 したものと思われる。製造販売業者は、バルーンへの注入量を最大容量ではなく推奨容量で行 うよう添付文書を改訂しており、対策済み。