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安全対策業務

第13回医薬品・医療機器等対策部会 別添4

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第13回医薬品・医療機器等対策部会

◎ 医療機器の製造販売業者等による対策の必要性が低いと考えられたヒヤリ・ハット事例(人工呼吸器関連)
 
    事例の内容 背景・要因 関与した機器の種類
1 電源に関する事例 勤務交代時に呼吸器の確認を行ったところ、呼吸器の電源が落ちてしまった。
  • 6ヶ月間同一の呼吸器を使用しており、点検が行われていなかった。
  • 呼吸器の故障があった。
人工呼吸器
2 人工呼吸器装着患者よりナースコールがあり訪室した。呼吸器本体より「ギーギー」と異常音があり、内部バッテリーランプが点滅してい た。コンセントに問題はなかった。別の呼吸器へ交換した。
  •  呼吸器電源コードの断線。
人工呼吸器
3 酸素供給に関する事例 呼吸器装着し、20時より酸素2L/分で送気している患者の酸素が送気されていないのを、他の担当の看護師が発見した。
  • 酸素コネクターのみ接続し、他の身の回りの準備に気を取られており、送気の確認を忘れていた。
  • 気管内を吸引する処置に気を取られていた。
人工呼吸器
4 食道癌手術直後の患者が気管挿管の状態で入室し。受け持ち看護師は人工呼吸器を起動した。点検表にて人工呼吸器の確認は済んでいた。 麻酔科医が呼吸器を装着した後、担当医が血液ガスを測定した。その後血液ガスの値が低いので担当医が酸素濃度を確認すると、酸素濃度21%になっており、 予定より低い値に設定されていた。
  • 点検項目の確認の他、個別の患者の病状医に対応して様々に設定する項目は確認することとしているが、今回は確認しなかった。
  • 手順の省略があった。
人工呼吸器
5 2L/分の酸素流量の簡易式レスピレーター装着患者のモニター警報アラームが鳴り、SpO2(経皮的酸素飽和度)が40%台まで下が り、全身にチアノーゼ出現していた。中央配管と酸素コネクターのネジが緩んでいたため、酸素が漏れていたために酸素投与不足を来したものと判明した。すぐ にネジを締め直し、その後SpO2は90%台に改善した。その間は約5分間であった。コネクターを交換した時期は不明であった。
  • ネジの緩みの有無等のコネクターの確認が定着していなかった。
  • 酸素コネクターの器具がまだ新しいため、取り扱いに慣れていなかった。
酸素配管
6 児はG C U(Growing Care Unit) の一番奥のクベース(保育器)で加療しており、器内酸素濃度は23%に設定されていた。酸素流量計からは、緑のゴムの連結管を針のキャップで細工した連結 管で連結させ、長くして使用していた。1本の連結管では短すぎるためこのような対応を行っていた。窓越し面会のため、廊下と平行にクベースを少し動かし た。他児のケアから本児のクベースに戻ってきて酸素濃度計を見ると、21%に低下していた。再度濃度計を校正し直して測定しても21%だった。クベースの 後面を見ると、連結管が外れ、流量計に連結管が巻かれた状態で、児に指示量である23%の酸素が投与されていなかった。
  • クベース後ろのコード類は、まとめるようにしている。
  • 端のクベースは、観察し易さに配慮して特に斜めに配置することが多く、他のクベースと異なりコード類をきれいにまとめることができない場所である。
  • 本児の加療を行っていたクベースの後ろは、消毒後のクベースを収容している場所であり、特に繁雑になり易かった。
  • 誰かコード類の整理の目的でまとめた際に、連結管を外してしまい、それに気づかなかったのかもしれない。
  • 酸素流量計には、水が入っていなかったため水中で気泡が生じていることにより酸素投与中であることを確認することができない状況だった。また、酸素の流量 自体も少量であったため、酸素投与中であることが分かりにくかった。
  • 入院準備等のために、実際に使用していない流量計も同じ場所に置いてあったことも酸素投与中であることが分かりにくくなる要因であった。
保育器
7 酸素供給に関する事例 呼吸不全で呼吸器装着中(CPAP,FiO2 0.3%,PA5,PEEP3)の体位変換後にナースコールあり。他チーム看護師が訪室すると顔色不良、末梢チアノーゼ出現、発汗あり、反応も鈍くなって おりSPO2測定できず。よくみると呼吸器加湿器の接続が外れていた。すぐに100%酸素投与にきりかえると数秒でチアノーゼ消失し会話もできるように なった。
  • 体位変換後に回路チェックをしていなかった。
  • 日頃より過換気で頻回にアラームがなっている患者であったため、「また鳴っている」という思いがあり軽視しているところがあった。
呼吸回路
8 看護室のモニターで心拍数が130台と上昇しており、訪室するとチアノーゼ出現していた。sp02も80台と低下。当直医に報告し、 アンビューバッグによる換気を実施。チアノーゼ消失。FiO2を60から80%へ変更した。呼吸器確認後に吸痰し、排水した際、吸気回路のゆるみと排液 キャップのはずれが発見された。患者はすぐ安定した。 人工呼吸器の確認の手技が逆になっている。安全に作動しているかどうか確認するのは人工呼吸器の吸痰、排液が終わってから実施するべ きであった。呼吸器管理に不慣れであったことが要因。また、一般病棟で管理する人工呼吸器の台数が多い。3 人夜勤で5 台の呼吸器管理は危険である。 呼吸回路
9 術後、人工呼吸器管理中の患者。人工呼吸器のアラームが鳴ったため、すぐに看護師がかけつけたところ、低酸素アラームがなっており、 血中酸素飽和度も低下していた。すぐに医師を呼び、用手換気を行って状態回復した。当初、人工呼吸器に原因があると思われたため、技師及び業者が対応した が、呼吸器に故障はみられなかった。結果的に酸素の配管が僅かにゆるんでおり、酸素が漏れていることが判明した。 酸素業者を呼び、接続部の点検を行ってもらったが、接続部の故障は認められなかった。業者と共にいろいろと検証したところ、接続が僅 かにゆるんでいる状況から、はじめの接続時にアウトレットを回した状態で酸素ホースアッセンブリのピンアダプターを差し込んだと思われた(本来は接続をは ずす時のみアウトレットを回す操作を行う)。このような接続をした場合、はじめは通常通りに酸素が流れ始め、しばらくは酸素供給が問題なく行われるが、時 間の経過とともに配管内の圧力が接続部にかかったり、僅かな接触などで接続部がゆるんでしまうという事象 酸素配管
10 回路に関する事例 人工呼吸器の低圧アラームが鳴ると、呼吸器回路の蛇腹に穴が開いており破損していた。
  • 再使用可能な蛇腹の交換時期の問題。
呼吸回路
11 呼吸器装着患者のオムツ交換施行。10分後、呼吸器蛇管に水が入っているのを発見。呼吸器マスクとウイスパースイベル部が外れた事に より、水が入ってしまった。
  • オムツ交換後のため、手が不潔という理由で呼吸器の作動状態・マスクのずれ・蛇腹の接続確認を手で触れず目視のみの確認であったため、接続の緩みを見落と した。
呼吸回路
12 夜間と昼間人工呼吸器装着患者とのマスク交換時、PIP(peak inspiratory pressure : 最高気道内圧)の上昇が悪くマスク確認すると、塞がらなければならない部分が開いていた。
  • 新しいマスク準備時、穴が塞がっているかの確認が不十分であった。
人工呼吸器用マスク
13 人工呼吸器を持って外泊中患者の呼吸器に不具合が生じ、交換するにあたり蛇腹を接続する時、気道内圧ラインに付けるブルーフィルター を呼気弁ラインに接続した。
  • 急いでいたため、焦っていた。
  • 確認が不十分であった。
呼吸回路
フィルター
14 回路に関する事例 24時間呼吸器装着患者の呼吸器アラームが鳴り、マスクが外れているのを発見。マスクカニューレ部分とチューブ部分が完全に外れてい た。SaO2は96-97%であったので、患者は著しい変化はなかった。
  • マスクの内圧が上がり、マスクカニューレ部分とチューブ部分が少しずつ外れてきた可能性ある。
  • 接続部の確認が不十分であった。
人工呼吸器用マスク
15 病室にて清拭を実施中に、患者の顔面のチアノーゼ発現に気が付き、喀痰吸引後、酸素100%で流すも改善せず。人工呼吸器の回路を点 検するも異常を発見できず(アラーム音についての記憶がはっきりしていない)。アンビューバッグなどで救急処置に対応中、別の看護師が低圧アラーム異常で 再度点検したところ、人工呼吸器の機器本体と吸気の出口部分の回路が外れていることに気がつき、すぐに接続する。この間、病棟担当医などへの連絡、輸液・ 心臓マッサージなど処置にて対応し、状態に改善がみられた。
  • 人工呼吸器の作動状況について、チェックリストをもとに点検していたが、チェック項目に「回路」が入っていなかった。
  • 該当の機種の回路は4週間に一度の交換となっているが、問題となった箇所は「はめ込み」式で少しの負荷でも外れやすい状態であった。
  • 人工呼吸器の使用・管理アラームに対する理解不足があった。特に今回の場合は、低圧アラームについての理解・対応がなかった。
呼吸回路
16 他の看護師による人工呼吸器装着中の患者の体位交換直後、アラームが鳴ったのを聞いて病室へ入ると呼気弁とコルゲートホース(高圧用 ホース)の接続部が外れているのを発見した。直ぐにアンビューで補助呼吸しながら点検し、接続部を確認した。 体位交換後は呼吸器回路のゆとりが十分か、確認が不十分だった。 呼吸回路
17 呼吸器装着30分後、呼吸器のダブルチェック時、呼吸器回路の吸気側と呼気側が逆についているのを発見。すぐに付け直す。 回路をたどって確実に見ていない。呼吸器の設定はダブルチェックしたが回路までたどって確認していない。点検シートが無かった。ME (臨床工学士)の点検済みのカードがあったので大丈夫だと思い込んでいた。 呼吸回路
18 呼吸器の蛇管の部分に水がたまっているため、除こうと考え接続部外した。水を取り除き、元のように接続したが、アラームが鳴り続けて いた。調べた結果、加湿器の温度センサー接続部が外れていたためであった。
  • 確認、観察不足であった。
加温加湿器
19 人工呼吸器のアラームが鳴り、訪室。回路が外れていたため、呼吸器回路の反対側より回路を引っ張り、接続しようとしたらフローセン サー部回路を破損した。破損後、同僚の看護師に報告してSpO2が低下していない事を確認して、フローセンサー部回路を取り変えた。患者の呼吸状態には変 化はなかった。
  • 新人の人工呼吸器及び医療器具の正しい取り扱いについての教育。
  • 患者の安全性を考えたケアが実行されていないため、二次的な事故が生じる可能性があった。
  • 夜間帯の医療者の連携不足。
呼吸回路
20 回路に関する事例 人工呼吸器装着中の患者からナースコールがあり訪床した。ベッドギャッジアップを希望され、一度頭元を下げた時に患者が自力で上がろ うとしたため、患者を見守った。その時ベッドの間に回路の一部が挟まりウォータートラップを破損した。患者の呼吸状態を確認して主治医に報告後、診察をし た。人工呼吸器は臨床工学士が部品を取替え、正常に作動した。
  • リハビリ期にある患者のケアの安全性の確保について認識が低かった。
  • 患者の生活環境について十分観察、確認をしていなかった。
  • 人工呼吸器の安全な管理について教育不足であった。
ウォータートラップ
21 体位交換し退室後に、人工呼吸器の低圧アラームが鳴っているのを発見した同室患者から、ナースコールがあった。
  • 呼吸器本体と加湿器との間の回路が、呼吸器側から外れていた。
  • 呼吸器本体(パネル)と加湿器とが離れた位置にあり、回路が引っ張られた状態になっていた。
呼吸回路
22 抜管後、再挿管になったが、その際、蛇管に人工鼻をつけず、直接トラックケアに接続してしまった。翌日の日勤で人工鼻を付け忘れてい ることを受け持ちナースより指摘され、ミスに気が付いた。
  • 再挿管になり、慌てていたため、人工鼻がないことに気づかなかった。
  • 処置が終わった後や、ベッドサイドの申し送りの際、蛇管を確認していなかった。
人工鼻
23 吸気側の蛇管部分から水滴があるのを母親が発見。水が漏れており小さな破損があった。患者に影響がでるほどの呼気圧の低下はなかっ た。
  • チェックが呼吸器の条件のみに限定されていたため、わずかな変化ではあったが見つけられなかった。
呼吸回路
24 人工呼吸器装着中の児の体重測定を保育器外で行い、保育器にもどし人工呼吸器を装着した。しかし、その後最高気道内圧が1から2と低 下した。回路を調べたところ加湿器の温度センサーが外れていた。
  • 人工呼吸器回路の接続方法が十分に理解されていなかった。
呼吸回路
加温加湿器
25 人工呼吸器による呼吸管理を約1ヶ月間行い、現在CPAPモードまで回復した患者。観察のため訪室した際に、通常より酸素飽和度が低 値を示していた。インジゲータを確認したところ、エアー漏れを示すものであったため確認したところ、呼吸器回路の「蛇管」に亀裂が入っていた。直ぐ新しい 回路と交換した。患者には実質的影響は無かった。患者は、入院以降呼吸状態が悪く、長期に呼吸管理がなされているが、回路交換の時期を逸していた。そのた め、回路の劣化が原因ではないかと考えられる。
  • 呼吸器回路交換を定期的に実施していなかったが、その情報が伝わっていなかった。
  • 重要な情報を伝える方法を検討し、周知徹底することとした。
  • 今回の事例では、患者の呼吸状態改善があったにも関わらず、回路交換が計画されていなかった。
呼吸回路
26 回路に関する事例 保育器内で人工呼吸器にて呼吸管理されている児に気管洗浄吸引後、体位変換を実施する。その後人工呼吸器のアラームが作動し、確認し たところ呼気側のウォータートラップが外れて(患児側)電熱線が5cm程露出していた。
  • 人工呼吸器の設定変更時、蛇管の確認を形式的な目視のみで行ったため気が付かなかった。
呼吸回路
27 保育器内で体重測定をしようと挿管チューブの向きを変え、人工呼吸器の回路を少し保育器内へ引き入れたところ低圧アラームが鳴り、気 道内圧が低下した。
  • 自動注水の加温加湿器とインピーダンスバルブの接続が緩いところにウォータートラップの凸部が引っかかっており、回路を引き入れたところでインピーダンス バルブが浮き上がり外れた。
呼吸回路
28 事故当日、病棟は朝からバタバタしており、母体搬送後、すぐCS(帝王切開)との情報あり。10時CS、10時43分入院(双胎)。 入院準備(前日より)されていた、クベース、レスピレーターをそのまま当日の入院用として使用。挿管、バギングされ入院となったベビーにレスピレーター装 着。装着後より、加湿器、温度(30.8-31.2)があがらず、加湿器アラームがなっていた。温度プクーベ・エレクトリアルアダプター、加湿器本体を交 換するが、アラーム鳴りつづける。再度回路チェックしたスタッフにより、回路の組み間違いが発見される。
  • レスピレーター回路組み立て時には、確実なWチェックを行う。
  • レスピレーターを実際に稼動させる前にも再度回路の確認を行う。
  • レスピレーターのアラーム(加温器)がなった時も同様にまず回路の確認を行う。
呼吸回路
29 ネブライザー回路取り付け時、蛇管のみを持ってねじったため、呼気蛇管に亀裂が入り、換気量低下アラームが頻回に鳴った。すぐ患者の 一般状態と回路確認し、亀裂を見つけ回路を交換した。
  • 当事者が、人工呼吸器の扱いに不慣れであったにもかかわらず、蛇管をねじったくらいでは破損すると思わず、丁寧な扱いをしなかったために起こった。
  • 防止教育として器械器具の扱いについて、部品を外す、取り付けるなど行うにあたり、回したり、引っ張ったりするとき所定の箇所を持って丁寧な扱いをするよ う指導する必要があった。
呼吸回路
30 回路に関する事例 日勤帯にて回路交換を実施、そのときのアンプリチュードは39で正常であった。夕方18時のバイタルサインチェックの際、呼吸器回路 の確認をした。19時50分、医師が呼吸器の条件を変更したところ、突然「カタカタ…」と大きな音が鳴ったので、ピストンの交換を行った。(このとき医師 も呼吸器回路を確認している。)21時40分、再度音が鳴り出したので、医師が確認したところ、バルブ駆動用アダプターチューブが本体に正常に差し込まれ ていないことが判明した。すぐに、チューブを差し込んだが、アンプリチュードが38から48まで上昇したので、医師がストロークボリュームを調節した。患 児は、SpO2値に若干低下を認めたのみであった。
  • マニュアルにおける人工呼吸器使用時のチェック項目については確認したが、直接触る、押し込んでみる等のバルブ駆動用アダプターチューブと呼吸器の接続確 認については未実施であった。
呼吸回路
31 呼吸器を装着した患者が外泊から帰院した。設定とコンセントの接続、加湿器の電源のONは確認したが、蛇管と加湿器の接続を見落とし てしまった。翌朝、ラウンドにきたMEによって蛇管と加湿器が接続されていないことが発見された。
  • 人工呼吸器のコンセントや接続に気をとられていて、全体的な蛇管の接続の確認を怠ってしまった。
  • 普段出棟時等の人工呼吸器運搬等や加湿器取り付け等はMEに頼ってしまっており、経験が浅かった。
  • 休日でME不在で全ての確認を看護師が行わざるをえなかった。
呼吸回路
32 呼吸器を装着した患者が外泊から帰院した。設定とコンセントの接続、加湿器の電源のONは確認したが、蛇管と加湿器の接続を見落とし てしまった。翌朝、ラウンドにきたMEによって蛇管と加湿器が接続されていないことが発見された。
  • 人工呼吸器のコンセントや接続に気をとられていて、全体的な蛇管の接続の確認を怠ってしまった。
  • 普段出棟時等の人工呼吸器運搬等や加湿器取り付け等はMEに頼ってしまっており、経験が浅かった。
  • 休日でME不在で全ての確認を看護師が行わざるをえなかった。
呼吸回路
33 呼吸器を装着した患者が外泊から帰院した。設定とコンセントの接続、加湿器の電源のONは確認したが、蛇管と加湿器の接続を見落とし てしまった。翌朝、ラウンドにきたMEによって蛇管と加湿器が接続されていないことが発見された。
  • 人工呼吸器のコンセントや接続に気をとられていて、全体的な蛇管の接続の確認を怠ってしまった。
  • 普段出棟時等の人工呼吸器運搬等や加湿器取り付け等はMEに頼ってしまっており、経験が浅かった。
  • 休日でME不在で全ての確認を看護師が行わざるをえなかった。
呼吸回路
34 回路に関する事例 朝、主治医にて気管支鏡施行後、唾液の垂れ込みが多いため、患者自身に自己吸引をさせてはどうかとの指示があった。説明し吸引チュー ブを渡したところ、上手く口腔内の吸引ができたため、そのまま手に持たせ日勤への申送りをしていた。人工呼吸器のアラームがなり、止まらないため訪室する と、挿菅チューブがほとんど抜けていた。ジャクソンリースにて用手的に酸素吸入開始し、インスピロン10l 100%下でSPO2 90代後半保持できて いた為、そのまま回診まで待つことにした。 深夜から日勤の受け持ちへの申し送り中であり、他のスタッフは清拭にまわっている最中で、観察するものが誰もいなかった。患者の状態 把握が不十分であった。 呼吸回路
35 呼吸器を装着した患者が外泊から帰院した。設定とコンセントの接続、加湿器の電源のONは確認したが、蛇管と加湿器の接続を見落とし てしまった。翌朝、ラウンドにきたMEによって蛇管と加湿器が接続されていないことが発見された。
  • 人工呼吸器のコンセントや接続に気をとられていて、全体的な蛇管の接続の確認を怠ってしまった。
  • 普段出棟時等の人工呼吸器運搬等や加湿器取り付け等はMEに頼ってしまっており、経験が浅かった。
  • 休日でME不在で全ての確認を看護師が行わざるをえなかった。
呼吸回路
36 加温加湿器に関する事例 HCUより患者が転入した。人工呼吸器を接続したが、加温加湿器の電源を入れ忘れていた。2時間後電源が入っていないことを指摘され 気が付いた。
  • 呼吸器装着後の作動チェックが不十分であった。
加温加湿器
37 ディスポーザブルの加湿器を使用している。使用開始後より加湿器の通気孔を開け忘れていることに気が付かずに経過し、約10時間後深 夜勤務者が勤務開始時に発見した。通気孔が閉じた状態でもボトル内の水は減っており、加湿機能は働いていたようであり、患者の状態にも変化はなかった
  • 器材に慣れ、確認が甘くなっていた。
  • 通気孔のキャップが閉じた状態で加湿を行うことはないが、製品自体にキャップがついている。(外し忘れが生じる)
  • 使用呼吸器について:エビタ2デュラ EV-05、2002 年製、2003年購入、2004年10月メーカー点検済み。2005年7月院内点検済み、毎日1回MEによる作動確認、使用頻度:月20日以上。
加温加湿器
38 加温加湿器に関する事例 人工呼吸器装着児のSpO2が88%に低下が認められたため、医師に確認したところ、人工呼吸器の加湿器の水の量が指定の線を超えて いると指摘された。
  • 人工呼吸器の回路を点検した際、加湿器が斜めになっており、水量の確認が不十分であった。
加温加湿器
39 人工呼吸器の呼吸回数過多のアラームが1分間隔で鳴っていた。呼吸回数上限設定を上げたら患者が頻回のアラームに悩まされなくなるの ではないかと思い、呼吸回数上限設定をあげるつもりが呼吸回数の設定を14から34に上げてしまった。1時間後に訪室した別の看護師により間違いが発見さ れ、直ちに14に戻した。患者に異常は見られなかった。
  • 呼吸回数上限アラームと呼吸回数の設定が同じものだと思い込んでいた。
人工呼吸器
40 設定・操作部に関する事例 人工呼吸器装着中の患者が緊急の検査から帰室した際、主治医が人工呼吸器の設定をPSVからSIMV+PSに変更しSIMV10回に 設定した。看護師は医師から設定を変更したと聞いていた。7時間後の引き継ぎ時に看護師がSIMVの切り替えスイッチがLOWになっていてSIMVは実際 には1回となっていることに気がついた。この間患者は一時的に分時換気量下限アラーム(設定3L/分)が鳴ることがあったが、看護師が駆けつけた時には分 時換気量は上昇しており、SpO2の低下も認めなかった。直ちに主治医に報告したが、設定はそのまま続行(SIMV1回)と指示を受けた。
  • SIMVの設定に「LOW RATE」と「HIGH RATE」の切り替えがあることを知ってはいたが、確認をする習慣が当事者になかった。
  • 医師が設定したことで正しいと思いこんでおり、すべてのダイアル、スイッチ、目盛りの確認をしていなかった。
  • 分時換気アラームが鳴ってもすぐに上昇したことでおかしいと気づかなかった。
  • 変更後のTIDAL VOLUME400 SIMV10という設定では分時換気量は4Lとなるため、下限アラームが鳴ることはおかしいと思わないといけないのに考えられなかった。
人工呼吸器
41 人工呼吸器装着患者の吸入施行時、吸入管を蛇管へ接続する際に呼吸器を停止し接続する。15秒後に呼吸器アラーム音が鳴り、鼻マスク 調節時、アラーム音が鳴ったので駆けつけた他の看護師が呼吸器作動していない事を発見した。
  • 蛇管と吸入管の状態しか見ていなかった。
  • 確認不足だった。
  • 呼吸器使用患者様の停止時、その後の状況を考えずに行動していた。
人工呼吸器
42 夜間睡眠時カプノオキシメーターモニターリング検査のため、回路仮合わせを行った際、呼吸器電源を切って行った。その後、呼吸器ア ラームにてスイッチが入っていないことを看護師が発見する。患者は著しい変化はなかった。
  • 昼休み時間に単独で行い、看護師への声掛けを行っていなかった。
人工呼吸器
43 設定・操作部に関する事例 人工呼吸器のSIMVの回数設定を毎分6回に変更したが、回数切り替えのレバーを切り替え忘れており、実際は毎分0.6回になってい た。1回換気量は低めであったが、分時換気量の下限は超えていたためアラームは鳴らなかった。約4時間後に、人工呼吸器の設定を確認した際に、間違いに気 がついた。患者の循環動態や血中酸素飽和度などに変化はなかった。
  • 人工呼吸器のSIMV回数設定が、毎分5回以上と未満でHighとLowに切り替える必要があるタイプであった。
  • 設定確認時の手順が不徹底であった。
人工呼吸器
44 呼吸器管理中、呼吸状態の改善に伴い呼吸器の設定変更をした時、SIMV4回から2回に変更するのをスイッチの変更ミスで20回と設 定してしまっていた。設定変更の間違いに気が付いた後、患者の状態を確認して問題がない事を確認の上、2回に変更した。
  • 人工呼吸器の設定変更は、複数の医療者で確認が必要と考えられるが、医師一人で設定の変更をしていた。
  • 夜勤帯の時間に変更をしており、看護師の確認も手薄になる時間帯であった。
人工呼吸器
45 患者はCPAPモードで人工呼吸器使用を使用していた。当日、長期呼吸管理を要するため、気管切開を行った。その際、医師がOFFに した。気管切開終了し、人工呼吸器を装着し、約2時間後に呼吸器のスイッチOFFが巡回時に看護師によって発見された。患者はその間、バイタルサインの変 化はなく、酸素飽和度95%を維持し身体的な障害は見られなかった。患者の呼吸器管理の目的は窒息予防であった。そのため今回は呼吸上問題ないものの、患 者の呼吸状態が悪くなった場合、目的が果たせない上に、患者の生命に重大な危険を及ぼした可能性がある。
  • 生命維持装置を使用する場合の事前作動状況確認を怠っていた。
  • また、これらの行為は複数の医師が関与して行われたため、それぞれの責任が希薄となり発見が遅れた。
  • また、看護師に対してスイッチOFFの情報が伝わっていなかった。
  • 人工呼吸器使用中の作動に関しては、定期点検を2時間毎に行っていたが、点検には至っていない時間帯であったため発見が遅れた。
  • 患者の呼吸状態と人工呼吸器の管理不適切があった。
  • 患者の呼吸管理目的が、窒息予防と言うことから、目の前での危険と言うより予防的な呼吸器の使用であったため、管理する医療者の危機感が薄れていたのでは ないかと考えられる。
人工呼吸器
46 設定・操作部に関する事例 気管チューブの入れ替え処置時、アラームが鳴ることをうるさく感じた医師が人工呼吸器の電源をOFFにした。処置終了後、電源をON にすることを忘れた。この事実を看護師は知らなかった。その後、看護師は1時間後に呼吸器の作動確認をしていたが、ひとつひとつについて丁寧確認していな かった。その状態で次の看護師に引継ぎをした。2時間後勤務交代があり、別の看護師が受け持ち、呼吸器の作動点検を行った際に電源がOFFになっているこ とを発見した。患者の呼吸はある程度自立していたが、無気肺予防のため、CPAPモードにしていた。そのため、アラームはならない状態が続き処置後の早期 発見にはつながらなかった。呼吸が確立しない状態の患者に同様の事象を起こし、更に発見まで同様の時間を要した場合には、体内に酸素が投与されない、いわ ゆる窒息状態となり生命を脅かし死亡などに至る可能性があった。
  • 気管チューブの入れ替えに気を取られていた。
  • 生命維持装置の電源入れ忘れは、非常に重要な事象であり、うっかりしていたでは済ませられないことであるため、医師・看護師の合同カンファレンスで注意を 喚起する
  • こととした。
  • また、目的、患者の呼吸の状態に関わらず、人工呼吸器を使用している患者の看護観察においては触れる、聴く、観る等の行為とともに確実な方法で確認するこ との指導をした。
  • 医師、看護師の連携を密にすることも重要である。
人工呼吸器
47 呼吸器設定を確認時、呼吸器に貼付されている設定値記載テープの値と実際の設定とを確認した。申し送りでは設定を変更したと言われた が、実際の設定と記載テープは変更前のままであったことに気が付かなかった。申し送り後に再度設定が変更されていたことが判明した。
  • 当事者の呼吸器設定の確認の仕方が不適切であった。
  • 前勤務者より呼吸器の最終設定の報告、記録記載がなかった。
  • 医師が設定変更した時、口頭のみの指示で指示変更の記載がなかった。
人工呼吸器
48 患者が急変したため挿管し、人工呼吸器を装着した。薬剤を使用し患者の自発呼吸を抑制したにもかかわらず、強制換気、呼吸回数12回 の設定のところ呼吸回数30回を表示した。誤作動と判断し別の呼吸器に交換した。
  • 使用人工呼吸器はニューポートE200であった。
  • 後日業者の点検によりホースリークが原因と考えられるとの結果であった。
  • 呼吸回路はディスポーザブル使用ではなく再滅菌をして使用している。1次消毒を使用病棟で施行し中材に滅菌を依頼している。
  • 呼吸器は常に使用できるようセットし点検を実施していた。
人工呼吸器
49 呼吸器本体 心肺停止状態で発見され、挿管、心肺蘇生しながら救急搬送された患者に対し、病棟の呼吸器を用意し装着し、作動しようとしたが作動し なかった。他の機器で対応し、大事には至らなかった。点検した結果、機器のヒューズが切れていた。
  • 病棟における日常の点検・確認が不十分であった。
人工呼吸器
50 人工呼吸器の回路固定のアーム(患者側)を動かしたところ、呼吸器モニターの表示がすべて0になり換気が停止した。アンビュー・バッ グにて換気し、医師に連絡し他の呼吸器に切り替えた。点検で一旦落とした電源を入れたところ、モニター表示は0のままで、「深呼吸ボタン」を押すと「患者 設定」の表示が出て再起動した。患者は、薬剤により鎮静中だった。
  • 臨床工学技士による日常の点検は実施しているが、それでは不十分であった。
  • メーカーによるメンテナンスは確実に実施できていない。
人工呼吸器
51 患者使用中の人工呼吸器にテクニカルエラー(技術者による修理が必要なエラー)が発生、エラー中も呼吸器は換気動作をしていたが、焦 げ臭い匂いがしておりME担当技士に連絡をしようとしていた時に呼吸器が停止した。患者の換気を用手換気(アンビュー・バッグ)に換えすぐに別の人工呼吸 器に交換し患者には問題はなかった。その後ME担当(報告者)へ連絡あり。エラーの出た人工呼吸器を点検したところ、電源は入るが最初から「ピッ、ピッ」 と鳴ってエラーも出ず換気動作しない状態、表示もおかしく電源関係のトラブルのような匂いがする状態であった。
  • 機器の故障であった。同故障は3度目であった。
  • 1度目は異常なしとして、メーカーより返却されたが、その後テクニカルエラーにて再度回収。その時は機器動作には問題なくエラー表示のみ。
  • 2度目は、メーカーに考えられる部品を交換してもらい修理を完了した。1度目、2度目とも3ヶ月以上メーカーによる点検を受けたにもかかわらず3度目のト ラブルが起きた。
  • 人工呼吸器が停止したのは今回が初めてである。
人工呼吸器
52 気管内挿管しており「エコキャス」(閉鎖式気管内吸引カテーテル)を装着していた。前日の日勤で新しい物に交換したばかりだった。エ コキャスより吸引しようとした際、呼吸器とエコキャスの接続部が突然折れて外れた。折れた部分はエコキャス部分の部品だった。破損物品を医療安全室に届け た。
  • 呼吸器とエコキャスが確実に接続されていることは手で触り確認したが、エコキャスそのものについては見た目での確認のみであった。
  • リーク音などの異常音は聞こえず、エコキャスが壊れていることに気がつかなかった。
閉鎖式気管内吸引カテーテル
53 呼吸器本体 人工呼吸器(CV5000)定時点検時、気道内圧の値が本来(12-13)値に対して (10-11)値と低く示していたので、人工 呼吸器をスパイロメーターで実測した結果(10-11)値であった。医師へ状況を報告した。医師にて患者の動脈血のガス分析を施行したが異常なかった。患 者に呼吸苦なし、一般状態変化なく経過した。予備の人工呼吸器に交替し業者へ点検を依頼した。
  •  人工呼吸器の故障と考えられる。
人工呼吸器
54 PCI施行し、13:40帰室。帰室時よりレスピレーター(サーボ900C)のPEEP設定が10になっていた。16:00帰宅して いた主治医に電話で確認し、PEEPを10から4に下げるという指示を口頭で受けた。PEEPを4に下げるつもりが、横のプレッシャーサポートのダイアル を4に下げてしまった。このため、3日間PEEP4プレッシャーサポート10のはずが、PEEP10プレッシャーサポート4で駆動させていた。3日後に管 理夜勤師長(係長)が巡回時に訪室し、誤りに気付き深夜看護師に確認した後主治医へ報告。設定を正常に変更した。設定間違い後のバイタルサインや呼吸状態 に変化はなかった。しかし、誤った設定でこのまま駆動させることで、呼吸状態や循環動態にも影響を及ぼす恐れがあった。
  • 人工呼吸器(サーボ900C)の取り扱いの経験が浅かった。技術・知識不足。
  • 設定変更時、他のスタッフにダブルチェックを依頼しなかった。
  • 口頭指示を受け、看護師が人工呼吸器の設定を変更した。
  • 人工呼吸器の実測値の観察不足。
  • 人工呼吸器装着時の患者の観察ポイントを熟知していなかった。また、人工呼吸器取り扱い・観察マニュアルが十分でなかった。
  • 人工呼吸器の設定ダイアルの表示が分かりにくい。
人工呼吸器

◎ 医療機器の製造販売業者等による対策の必要性が低いと考えられたヒヤリ・ハット事例(経管栄養チューブ関連)

 

    事例の内容 背景・要因 関与した機器の種類
1 経鼻栄養チューブの初回挿入に関する事例 研修医が経鼻栄養チューブを挿入したところ、酸素飽和度が低下した。聴診器で位置確認をしたが、はっきりしないため、気管支鏡で観察 したところ、チューブは気管に入っていた。直ちにチューブを抜去し、再挿入した。 意識の悪い患者に臥位で挿入するときは、困難なことが多い。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
2 筋ジストロフィーの患者で腹部膨満が強かったため、胃管カテーテルを看護師が挿入した。挿入はスムーズであったが、胃液の吸引も胃内 の空気音確認もできなかった。看護師は腹部膨満が強く見られるためと考え、エアを吸引した。エア吸引時に空気音が聴取でき、他の看護師と音を確認した。胃 液の吸引はできなかった。腹部膨満持続したため胃管カテーテルは自然開放にした。翌日、レントゲン撮影により、チューブが胃ではなく気管内に入っているこ とが分かった。胃管カテーテルから注入は行っていなかったため、影響はなかった。患者は意識状態が低下しており、咳漱反射もみられなかった。 胃管カテーテルの確認方法が胃液の吸引で必ず確認する手順になっていなかった。挿入後、吸引と胃内の空気音の確認を行っていたが、そ の後の確認方法が吸引時の音になってしまっていた。看護師が正しい看護技術を行っていたか問題である。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
3 経鼻栄養チューブの
チューブの交換に関する事例
挿入困難な患者に看護師が2人で経鼻栄養チューブの交換を実施した。エアー音によりチューブの位置を確認し経管栄養の注入を開始し た。開始後、4時間半経過したところで噴水様の嘔吐があり、レントゲンで確認したところ、上頸部でチューブがとぐろを巻いていた。 エアー音は確認したが胃液吸引を実施しなかった。看護師の手技にバラツキがある。確実な確認方法(レントゲン撮影)を実施しな
かった。
栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
4 経鼻栄養チューブからの経管栄養注入時に、気管支に先端部が誤挿入されており、栄養剤を気管支に一部注入した。気泡音を確認し経管栄 養を開始、その後のラウンドで、口角より唾液様の嘔吐があり中止した。 不穏状態にある患者が自己抜去しており、再挿入する際、抵抗が強く、看護師2人で挿入した。1年目の看護師が気泡音を確認したが、胃 液の逆流は確認していない。患者の咳嗽反射も無く開始。体動が激しく、車いすで座位保持していた。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
5 経鼻栄養チューブの栄養剤等の注入に関する事例 ミルクシリンジでミルクを30ml/時間で60mlの注入を実施していたところ、途中でシリンジとチューブの接続部がはずれ、ミルク 20ml程度が漏れた。医師に報告し、バイタルサインに変化なければ様子観察となった。 確認、観察が不十分であった。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
6 経管栄養中、アラーム音にて訪室した。経鼻栄養チューブと経管栄養チューブの接続が外れているのを発見した。 経鼻栄養チューブと経管栄養チューブとの接続が緩かった。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
7 経管栄養の注入開始約10分後、咳嗽が聞こえたのですぐ振り向くと、口腔より経管栄養内容物が流れていた。直ちにチューブ栄養を止め て口腔内を確認すると、口内の奥でューブがループになり、患者がチューブを噛んでいる状態だった。 注入開始後、咳嗽が出現した際に、チューブが抜けてきた。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
8 A看護師が白湯200mlを経鼻栄養チューブから(経鼻栄養チューブと思い込み)注入を開始した。その後、B看護師が訪室し、患者の 衣類とシーツが濡れていることに気付き、経管栄養チューブの接続部を確認したところ、経鼻栄養チューブではなく、気管カニューレのサイドルーメンのチュー ブに接続されていたのを発見した。白湯は注入されず接続部から漏れていた。当直医師へ報告、診察、指示にて胸部レントゲン撮影、胸部CT、血液検査を施行 した。肺炎の所見は診られなかった。 注入前のエアー確認を怠った(マニュアルを遵守しなかった)。他患者からのナースコールが気になり、焦っていた。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
9 経鼻栄養チューブより経管栄養を開始していたが、三方活栓の向きを間違い、栄養400mlのうち300mlが患者に投与されず排液 パック内へ流れていた。 通常より多忙、当事者がそのことのリスクを理解していなかった。当事者の知識不足とルートの確認不足。新人へのフォロー不足、新人看 護師への教育指導の問題。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
10 訪室すると、経鼻栄養チューブが途中まで抜け、口鼻腔よりエンシュアが噴き出していた。すぐに注入を中止し、口鼻腔内と気管内の吸引 を行う。呼吸状態に変化は見られなかった。当直医師に報告し、経過観察となる。 不明。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
11 閉塞した経鼻栄養チューブに圧力を加えてフラッシュを行い、水の通りがスムーズになったところでミルクを注入した。1時間後患者の鼻 腔よりミルクが流れ出ているのを発見し、ミルクの注入を中断し、医師に連絡する。診察の結果、呼吸状態も著変ないため、注入中止し様子観察となる。その 後、主治医にて経鼻栄養チューブを交換する。交換前の経鼻栄養チューブの先端より20cmのところで亀裂が入っていた。 判断に誤りがあった。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
12 経管栄養チューブからの注入が終了し、白湯で洗い流すため、チューブを折り曲げクランプ、接続部をはずす為引っ張ると、チューブの接 続部が切れてしまった。吸引チューブの接続部と繋げ、エアー確認後、白湯を注入した。 注入後、チューブを折り曲げクランプをし、接続部を離し、白湯で流す手順を行っていた。事項を認識していなかった。患者の体調が悪 かった為、医師の指示によりチューブ交換を延期していた。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
13 前日、救急病棟より転入した経鼻栄養チューブ挿入中の患者に、エンシュアリキッド2缶と微温湯を注入後20mlの微温湯で溶かしたア ルタット、セロクラール、アルサルミンを注入した。その際、やや抵抗あるも20mlの微温湯を追加し終了した。次の勤務者への申し送りをしなかった。翌 朝、栄養チューブから栄養を開始するも注入できず、入院時のレントゲン写真で、栄養チューブの位置を確認すると食道裂孔ヘルニアがあり、胃の上部が横隔膜 の上部に突き出ている為チューブが横隔膜の下の胃に入っていた。又、家庭でも抵抗があったとの情報があり、経鼻栄養チューブを再挿入した。 情報不足。転入時、家族より情報伝達不足。抵抗感のあった勤務者から次の勤務者への情報が伝達されなかった。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
14 患者は胃管より栄養を24時間注入中であった。受け持ち看護師が三方活栓の向き等を確認し、休憩に入った。休憩から戻り患者のもとへ 行くと、三方活栓の向きがOFFになっており、そこからインパクト(栄養剤)が漏れていたのを発見した。 体位変換後に三方活栓の向きがOFFになっていたと考えられる。体位変換時、後のライン確認不足していた。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
15 経鼻栄養チューブの観察・管理に関する事例 風呂場で患者をリフトよりストレッチャーに移動する際、リフトに引っ掛けて経鼻栄養チューブが抜けた。 患者に気を取られ過ぎて、経鼻栄養チューブを見ていない。入浴患者が多く、慌てていた。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
16 呼吸器使用中の患者に、オムツ、検査着、シーツ交換を補佐と2人で行っていた。経鼻栄養チューブが検査着に安全ピンで固定してあった が、はずし忘れていたため、検査着を取ろうとした時、引っ張られてしまい、経鼻栄養チューブが7cmほど抜けてしまった。 補佐が先に検査着を脱がしていたので、安全ピンも外れていると思っていた。オムツ交換中に呼吸器のアラームが鳴り、気になっていた。 補佐の休憩交替の時間であり、午後、補佐に集中治療室の時間前に介助の手伝いを頼んだため、早く終わらせなければならないと思っていた。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
17 頬に経鼻栄養チューブを固定していたテープがはずれそうだと知っていたが、ペアンで衣類に固定していたので大丈夫だと判断し、体位変 換を行った。しかし、ペアンがはずれテンションがかかり頬に固定していたテープもはずれチューブの位置が2~3cm抜けていた。 経鼻栄養チューブの固定方法が不十分であるのに、そのまま体位変換をした(当事者過信、判断ミス)。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
18 体位変換時、左上肢抑制帯を外し、体位を変えたときに左上肢が胃管に引っかかり、管が抜けかけてしまった。1度抜去し胃液排液あり、 腹鳴も聴取できないため再挿入する。 意識障害があり、ラインの事故抜去の危険性あるため抑制帯不動グリップ使用していた。しかし、体位変換時抑制帯を外したときに、手の 動きの早さを注意していなかったことが原因と考える。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
19 咳嗽後、口腔内に経鼻栄養チューブが抜け出ていることに患者自身が気付き、看護師を呼んだ。観察すると、口腔内に経鼻栄養チューブが 抜け出ていたため、抜去した。その際、鼻腔、頬部のチューブの固定は緩んでいなかった。また、患者の意識は清明で、不穏徴候はなく、また意図的な抜去では なかった。 経鼻栄養チューブは80cmの位置で固定されており、医師、看護師ともに、チューブ先端は十二指腸内に留置されているものと思ってい たため、咳嗽反射で抜去されるとは考えていなかった。抜去後、当該科担当医師から、チューブ先端は胃内にあり、咽頭部辺りで緩んでいる状態であったのに、 そのまま放置していたことを知らされる。咳嗽反射により排出されたと考える。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
20 胃瘻の初回挿入に
関する事例
PEG(胃瘻)造設を行った。次の日午後回診し、経過問題ないためPEGのはねを1cmゆるめた。注入許可あり。30分後注入を開始 した。注入はスムーズであった。1時間半後、うめき声あり、表情しかめ顔であり、医師に状態報告した。PEG造設後、疼痛時にボルタレン坐薬の指示あり、 ボルタレン坐剤を挿入した。夕方PEG回診し、夕の注入をゆっくり開始(左手抑制)、胃液吸引は問題なかった。エア音確認せず注入を開始した。1時間後う めき声あり一旦注入を中止する。その後訪室すると、PEGが抜去されていた。夕注入量のエンシュアは200ml~300mlであった。シリコンバルン 18Frを挿入した。 PEGルートの誘導方法。抑制が手だけでは、体がずれて創に届いた可能性が高い。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
21 胃瘻のチューブの交換に関する事例 内視鏡下胃瘻造設の初回チューブ交換後、吸引は少量であったが、水分注入はスムーズであった。帰宅後エンシュア注入始めたところ、様 子がおかしくなったため受診した。CTにてチューブ先端が胃壁に接しているが、胃内になかったため抜去した。入院して抗生剤投与を行った。 寝たきりで拘縮が強く亀背著明で臥位を取ることができなかった。初回交換で瘻孔形成も弱かった可能性もある。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
22 胃瘻チューブをボタン型へ交換したが胃内へ届いていなかった。初回作成は約10 ヶ月前に他院にて造設していたが、ボタン型への交換希望で来院した患者であった。診察し、交換を開始した。瘻孔が腹壁に対し斜めになっていたが、確認後慎 重に交換、交換後は生食、空気を注入し大丈夫だと判断した。家族へ異常時はすぐに来院するよう説明し帰宅したが、夕方、家族が白湯注入時に抵抗感があり、 患者が苦痛を訴えるため注入を中止し来院した。消化管造影を行ったところ造影剤が腹腔内へ漏出した。ボタン型栄養チューブが瘻孔途中までしか入っていな かった。 腹壁に対し斜めで、瘻孔が長く位置が悪かったが、大丈夫だろうと判断した。透視下でガイドワイヤーを用いて交換していればよかった。 専門家である医師の判断であったが、同様の事例が今後発生する可能性もあり、適応基準やマニュアルの整備が必要である。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
23 胃瘻交換時、挿入したチューブが横行結腸を穿通し、横行結腸内に留置された。発熱、腹部圧痛を認めた。腹膜炎症状はなかったが緊急手 術を行った。手術所見は、先に留置されていたチューブが横行結腸の下方ぎりぎりの腸間膜を通過して胃に達していたことを示す陳旧性の瘻孔が切除形成され、 その瘻孔側面より、横行結腸内に達する新鮮な瘻孔が見られた。横行結腸部分を切除、外科的胃瘻術が行われた。本患者の場合、結腸と胃瘻チューブが接した状 態で固定されており、形成されていた胃瘻の方向よりやや頭側に向けて、交換チューブが再挿入され、結腸に達したと考えられる。担当医師より家族に状況説明 をして理解を得られており、術後の経過も良好である。 多くは、横行結腸が胃瘻チューブより下方の離れた位置にあり、交換時に横行結腸の穿痛はあり得ない。しかし、例外的に大腸が存在する 可能性があることを認識する必要がある。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
24 胃瘻の栄養剤等の注入に関する事例 胃瘻栄養の患者に注入を実施。2経路の接続アダプターを使用しているので、注入孔でない方の蓋が閉まっていることは、目で見て確認し た。注入開始30分後に訪室した際に、患者の寝衣が濡れていたため、接続を確認すると、注入孔でない方の蓋が開いて注入物が漏れているのを発見した。汚染 は10cm四方程度と少ない為、追加注入はせず、様子観察となった。患者はその後も特に問題なく経過した。 接続アダプターの使用しない方の蓋の閉め方があまかった。以前にも同様の事象があった。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
25 経腸チューブから注入されるべきラコールが胃管チューブより注入されてしまった。指示書には経腸チューブから注入と書かれていた。手 術記録には経腸チューブの場所が書かれていないため医師に胃管から注入してよいかを確認した。その結果、よいと返事があり胃管チューブからラコール 400ml注入した。 経腸チューブより注入する根拠が正しく理解できていなかった。患者のベッドサイドにいきチューブの挿入箇所や長さを確認していない。 記録だけで判断しようとした。術式を理解していなかった。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
26 昼食終了後、内服薬を注入しようとした時、胃瘻ボタン部と延長チューブとの接続部位から注入食が少量漏れているのに気が付いた。指示 量の注入が入らず、水分不足、必要栄養量の摂取不足及び、患者に汚染による不快感を与えた。 注入時、接続部の確認不十分で緩みに気が付かなかった。注入開始後5分間の観察を怠った。他に注入患者が15名及び、食事介助者が 30名あり、また、看護師も交替で昼休憩をとる時間帯であった。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
27 朝食の注入が終了し、内服薬を注入すると、腹帯、寝衣に染みがあり、胃瘻ボタン部と延長チューブとの接続部から漏れがあることに気が 付いた。必要な栄養、水分、薬剤が注入されず、治癒が遅延する。 使用期間が長くなると、接続口が大きくなり緩みやすい。水分が注入されると、更に管が滑りやすく抜けやすい。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
28 朝の注入終了後、胃瘻チューブをタオルで腹帯代わりに巻いた。しかし、チューブを寝衣の中にきちんと入れずに退室した。申し送り前に ラウンドをすると、胃瘻チューブの蓋が外れ、注入食が逆流し、チューブは患者の襟元から少し見える状態だった。チューブから逆流した注入量は少量であり、 バイタルサインも異常はなかった。 起床、洗面、トイレ介助、食事介助等、朝の忙しい時間帯であり、蓋がぱちっと音がするまで閉まっていることを確認できていなかった。 注入チューブを簡易にタオルで巻いただけで、チューブが飛び出したりするとは予想していなかった。腹帯が見当たらなかった。胃瘻チューブの種類が多く、取 り扱いが異なっていた。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
29 ボタン式胃瘻チューブに注入食を接続し、終了後に外そうと布団を開けると接続が外れ注入食がもれていた。 患者の体動や腕の動きによる接続はずれ。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
30 毎食注入時には、PEG(胃瘻)チューブを軽く引き固定を確認して注入を行っている。昼食時にはチューブは固定されていた。夕食注入 時、チューブの固定を確認しようとしたところ、固定液が抜けた状態でチューブが抜けていた。すぐに抜けたチューブを挿入し、主治医により再挿入した。カフ は破裂していた。チューブの交換は1ヶ月毎となっており本事例は交換後2週間が経過していた。固定液の確認は行っていなかった。 固定液の確認について週1回と推奨されているが、行っていなかった。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
31 人工呼吸器装着状態で転院してきた患者であった。臥床状態で意志の疎通ができず、PEG(胃瘻)栄養注入中の患者であった。入院3日 目、夕食の注入が終わり、接続チューブをはずそうと黒い線に合わせて取ろうとするが取れず、再度取ろうとすると、逆流防止弁ごと接続チューブが取れた。 前病院からの看護サマリーには、胃瘻の次回交換予定日は、最終入れ替え日の6ヶ月後になっていた。入院時に、PEGウイザード型は、 1ヶ月交換なので、おかしいと思い、主治医に報告した。転院後、翌月にPEG交換予定だった。本来1ヶ月交換する物を5ヶ月使用していたため、老朽化して いたのではないか。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
32 経鼻栄養チューブと腸瘻チューブ留置中の患者。経管栄養は腸瘻からの指示であったが、胃チューブに接続し開始した。直後に同僚の指摘 で間違いに気付いた。経管栄養を病室に持参し、接続前に、吸痰、胃チューブから胃液の吸引を行った。その後、無意識に胃チューブに接続していた。 胃チューブは、嘔吐防止のため排液、排気目的で留置していた。経管栄養開始前に、胃内容の確認をする手順になっていた。注意を促すた めに「胃チューブ注入禁止」のテープをベッド柵に貼っていた。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
33 胃瘻造設の患者に微温湯を注入する時に、サイズの違う方に接続して漏らしてしまった。 胃瘻チューブが1つしかないと思い、強く押し込み注入を開始した。注入後、滴下は観察したが、接続部を見ていなかった。チューブを見 るともう1つ注入口がある事が分かった。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
34 経鼻栄養チューブより経腸栄養している患者に対し、ラコールを追加するとき、クレンメを閉じたまま再スタートしてしまった。開始直後 流れていると思っていると、他の患者からナースコールがあり退室した。流れているか確認しようと思ったが、引継ぎの時間で訪室できず、準夜の看護師が気付 き、2時間後注入となった。 経腸栄養実施の確認、点検の問題(クレンメを閉じたままスタートした)。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
35 胃瘻より経管栄養投与中の患者で、注入が終了した為内服薬を注入しようとしたとき、注入食の漏れを発見する。発見直後血糖測定する と、36mg/dlであったが、低血糖症状なく、バイタルサインに異常がないため再度注入食400ml開始する。その後、血糖値は86mg/dlとなる。 胃瘻のチューブは、接続部が二股になっており、大小2種類の接続部となっている。常時大の方から接続し、小の方は殆んど使う事がな い。その小の方の蓋が開いていて、注入食が全て流れ出ていた。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
36 経管栄養終了15分後、PEG(胃瘻)のキャップがはずれ、夕食分の経管栄養と負荷水100ml程度が流出した。 PEG造設されて以来、挿入されていたが、数日前から劣化が認められ、ルート接続部がうまく閉まらない状態であった。医師には報告し ていたが、そのまま経過観察となっていた。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
37 多発性硬化症の患者であり、毎食PEG(胃瘻)より経管栄養を行っていた。昼食分をイリゲーターから注入を開始した。接続部位など ルートを確認したが、漏れはなかった。その30分後他看護師が訪室すると、PEGの側管が開いており、栄養剤が全て漏れてしまっていた。 PEGの側管が開き、そこから栄養剤が漏れ出してしまう事は考えられたが、テープなどで固定されていなかったため、自分が実施する際 もそのままにしてしまった。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
38 胃瘻の観察・管理に関する事項 朝、患者の枕元に血性の嘔吐跡があった。他スタッフを呼び、確認すると、胃瘻のチューブが深く入りすぎていた。 胃瘻のチューブが深く入りすぎていたことから、胃内で傷をつけてしまったことが考えられる。注入の前と注入中に、胃瘻の状況の確認が 不十分あった。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
39 入浴準備のため訪室する。服が濡れており、胃瘻接続部がはずれているのを発見する。患者に影響はなかった。 患者管理不十分。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
40 体位変換時、衣類が濡れているのを発見する。胃瘻チューブの確認不足、キャップが外れていたため逆流した。 ルートクランプエラー。確認が不十分。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
41 胃瘻造設後、当日は出血などの合併症の早期発見のため、開放しておかなければならないのに、帰室後の腹部状態観察、バイタルチェック に気をとられ、閉鎖のままにしてしまった。準夜の申し送りの際、指摘され、開放した。患者に異常はなかった。 当事者は経験年数は長いが、部署配属年数は1 年未満であり、胃瘻造設に関しては、初めての経験であり、開放しておくことを知らなかった。経験年数があるという安心感から指導が不十分となってしまっ た。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
42 一人で体位変換を行った時、鈍い音とともにPEG(胃瘻)バンパーが抜去された。 介助時の人員。PEGの固定方法。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
43 胃瘻チューブより薬を入れようとしたら、抜けていた。検証したらバルン上方より水が飛び出てしまう状態だった。 医療材料の欠陥。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
44 検温時に胃瘻チューブが浮いており、固定水の確認をしたところ3mlほど抜けていたので再固定した。その後、沐浴時に衣服を脱がせた ところ、胃瘻チューブが抜けていた。 固定水の漏れを発見したが、それをピンホールからのものと思い、チューブ抜けを発見できなかった。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
45 初回ラウンド時腸瘻の固定を確認した。その後痰多く5回位吸引施行。内服薬注入時、白湯は通ったが内服薬は通らず閉塞し、挿入部を見 ると腸瘻が固定のガーゼ、レストン、優肌絆ごと抜けていた。上腹部のエラストポア固定は残ったままだった。 元々腸瘻のストッパーが抜け易く、不随意運動があり、痰が多く吸引頻回で腹圧がかかり、白湯の注入により固定が外れ腸瘻が抜けたと考 えられる。体動後、吸引後、内服、経管栄養投与直前に、マーキングをし、ずれなく固定されているか確認が不足していた。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
46 保清しかけたときにPEG(胃瘻)チューブがないことに気づく。ボタン式PEGが体の横に抜け落ちていた。その時点で固定の蒸留水は ほとんど入っていない状態であった。挿入後24日目であった。 固定液の確認が出来ていなかった。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
47 PEG(胃瘻)に接続するルートのY管の普段使用しないほうの蓋が開いたままの状態で、注入を開始した。半分以上漏れている所を発見 した。 PEGに接続する際や訪室の際、蓋が開いていないかルートの弛みがないかなど普段から、チェックする習慣が身についていない。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
48 リハビリの後ベッドに寝かせ、バルーンのチューブを元に戻そうとした時、誤って胃瘻チューブに接続してしまった。 チューブの先端だけをみて接続した。何のためのチューブであるか理解が不足していた。患者の状態を把握していなかった。確認が不足し ていた。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
49 清拭後、身体の位置を直すのに看護師2人で抱え移動した際、患者の左前腕に胃瘻チューブが巻き付いていたため、引っ張られバルーンが 膨らんだまま抜けてしまった。すぐに主治医へ報告した。 移動の際に、チューブ類に対する確認を怠った。固定水が4mlのところ1mlに減少していた。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
50 オムツ交換をする際、左側臥位をとったところ、鉗子がベッド脇に引っかかりPEG(胃瘻)の接続部付近がちぎれた。 鉗子をつけていることを忘れていた。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル
51 胃瘻のその他の事例 週1回の胃瘻固定水の交換時、7mlの固定水が1mlしか吸引されず、胃瘻チューブ挿入23日目、次回交換期限前の状況、医師報告す るが様子観察の指示があり、4時間後、再度点検すると明らかに固定水4mlの漏れがあった。患者への影響はなかった。 胃瘻チューブバルーンの劣化(バルーンを確認すると多数の水滴が漏れ出てきた)。 栄養用滅菌済みチューブ及びカテーテル

◎ 医療機器の製造販売業者等による対策の必要性が低いと考えられたヒヤリ・ハット事例(その他の医療機器関連)

 

  事例の内容 背景・要因 関与した機器の種類
1 深夜勤に、血圧低下し塩酸ドパミン2ml/時間の指示で開始する。開始後1時間、日勤看護師より点滴ルートは成人用であるが、輸液ポ ンプの滴下設定は小児の設定であったと指摘された。 確認する余裕がないほど仕事量が自分の能力より超えていた。助けを呼べる余裕がなかった。 輸液ポンプ
2 手術終了後、抜管直前に頸部のガーゼをエラテックステープで止める際、挿管チューブのカフも一緒に切断した。直ぐコッヘルでカフが抜 けないように止め、吸引後抜管となった。 確認不足でカフも一緒に切ってしまった。 滅菌済み気管内チューブ及びカテーテル
3 肥満の患者に、仙骨部の硬膜外ブロック中操作が困難であったため、繰返し針を刺入するうち に神経ブロック針が根元より折れた。 神経ブロック針の材質的な問題だと思われる。 硬膜外投与用針
4 造影CTにて、マニュアルに沿って20Gサーフロー(静脈留置針)にてライン確保を実施し た。テスト注入でも血管外漏出は無かった。実施に入り、シリンジポンプに圧をかけたところ、少量造影剤が血管外漏出あり、直ぐに中止し、他の腕からライン 確保し実施した。このとき医師への報告はしなかった。問題なく終了後、輸液の続行にて処置室にて経過観察を行った。副作用発症時のマニュアルはあったが、 血管外漏出時の対応マニュアルはなかったため、他の看護師と、救急当番医に報告した。このとき診察はしなったため、救急当番医の記録はなかった。漏出時の 処置を参考にアクリノール湿布を実施した。 副作用発生時の対応マニュアルはあったが、造影CTの造影剤血管外漏出対応のマニュアルが無かったため、対応が不十分となった。 プラスチックカニューレ型滅菌済み穿刺針
5 心臓の手術中、清潔介助の途中交代に入る。交代前、機械、針等の申し送りを聞き、6-0プローリン(縫合糸)が術野に出ている事を確 認する。交代時持針器返って来ている事、医師が糸を結んでいたのを見て6-0プローリンの針(2本)はもう返って来たと思い込んで空ケースをどけて置く。 手術終了後空ケースを見て、針が返って来た事を確認していないと思い、片付け終えてから清潔介助看護師に連絡するが、「針は帰って来ていない。」と聞い た。 交代時持針器が戻って来ていた事、糸を結んで縫合が終わりかけていた事から、針は戻っており術野には無いと勝手に判断し確認しなかっ た。 結さつ(紮)・縫合用器械器具
6 輸血セットラインと二連三方活栓との接続部が外れ脱血した。リネンに隠れていたため、床に血液が飛散するまで気付かなかった。脱血し た血液量は約100mlと、測定できない血液が少量あった。麻酔科医師に報告し、ルート再確認した。脱血直後、バイタルサインを確認し、血圧 100/65mmHgであったが、その後もバイタルサインに注意を払った。また、引継ぎの外回り看護師へ脱血の事実を報告し、継続して確認、観察を依頼し た。 ルート接続確認をしっかりと行なうべきであった。体位交換後やコンプレッセン(手術で患者にかぶせる布)がかかった後に、再度ルート 確認を行ない、事故防止に努めるべきであった。 輸血セット
7 透析開始直後、シャントからの脱血不良あり、針先を確認しようとして回路を針から外した。その際、針側に補液ラインのコッヘルを外し て使用した。脱血良好になったため運転を再開した。シャント肢のルートを固定して補液ラインのコッヘルを戻そうとした時に、補液ラインのローラークランプ が甘く生理食塩液が入っていたことに気付いた。その間、2~3分で300mlの生理食塩液が入った。 補液ラインのコッヘルは、ローラークランプがしまっていることを確認して外すことになっている。当日看護師はローラークランプが閉 まっていることを確認しているが、充分に閉まってはいなかった。 透析用血液回路セット
8 気管切開カニューレ挿入中の患者に、一時カニューレの内筒を外し、洗浄し、再挿入する際、患者から内筒がないほうが呼吸が楽だとの訴 えがあった。疑問に思ったが、傍にいた同期の看護師と相談し内筒を取る。深夜帯看護師が発見し、その後呼吸状態が悪化した。 気管切開患者の管理についての勉強、知識不足でケアに臨んだ。内筒を抜いたままで大丈夫かという疑問はあったが、一人に相談し、良い だろうという考えに至ってしまったため、それ以上の確認はしなかった。 滅菌済み気管切開チューブ及びカテーテル
9 気管カニューレ交換後の患者より、カニューレの紐を再度装着し直しの希望があった。2人の看護師で気管カニューレの紐をハサミで切っ た。その際、気管カニューレのカフエアチューブまで切断してしまい、人工呼吸器の気道内圧がいつもより上昇していないことで切断に気付く。 気管カニューレの紐を切る際、気管カニューレのカフエアチューブの位置を十分に確認しておらず、紐だけだと思い込んで意識せずにハサ ミを入れてしまった。 滅菌済み気管切開チューブ及びカテーテル
10 除細動器を使用した。設定をする際、本来なら200J(ジュール)と設定するところ、「360J(ジュール)ですか」という確認を し、医師から了承を得て設定をした。360J(ジュール)で1回実施後、設定値の間違いに気付く。 除細動器を使用する際、自分のするべき行動に対して認識の浅さがあった。 除細動器
11 心疾患のある患児で経鼻酸素投与中。酸素流量計に延長チューブ+吸引チューブに穴を開けたものを使用していた。吸引チューブに穴を開 けたものでは固定方法によって鼻腔に酸素が吸入されにくくなっていたため、経鼻酸素カニューラに変更し、酸素を投与していた。その際、コネクターを用いて 酸素チューブと経鼻酸素カニューラの接続を行わなければならないところ、経鼻酸素カニューラのコネクターがはまる白色の部分を切断し、直接酸素チューブに はめ込んでいた。発見後、すぐにコネクターを使用し接続をし直したところ、やや不安定であった患児のSPO2が安定した。接続部より酸素がもれ、流量計が 示す酸素の流量が確実に患児に用よされていなかった可能性がある。 酸素カニューラと延長チューブの接続を誤って、コネクターを使用せず酸素カニューラの先端の接続部分を切断し、延長チューブの先端に 差し込みテープで固定してしまった。テープ固定部から酸素の流れが漏れていないか確認したが、微量の流量でしか確認していなかったため、漏れていないと思 い込みそのままにしていた。経鼻カニューラを酸素流量計にそのまま接続することも可能であったが、以前から延長チューブを使用していたため、そこに接続す るものと思い込んでおり、コネクターを使用することは考え付いていなかった。接続がスムーズでないと思ったが、リーダーに相談せず実施した。その後5日 間、数人の看護師が患児を担当したが、接続部の確認が不十分であった。また、接続部の確認が不十分であったため、酸素の漏れはないと思い込んでいた。 酸素供給用経鼻カニューレ
12 透析開始時に、技師から手渡された回路を動脈針と静脈針を間違えて接続してしまった。そのため、血液の循環により、普段の透析効率が 得られていないと考えられる。透析終了に入った看護師が、回路に動脈針と静脈針が逆に接続してあるのに気付いた。 動脈・静脈の順で穿刺し、穿刺した順で回路に接続し、動脈側・静脈側の回路の確認を怠った。接続後も、穿刺した部位と回路の色(動脈 側は赤、静脈側は青)を確認しなかった。穿刺中に患者と話をしており、手技に集中していなかった。 透析用血液回路セット
13 人工関節手術時、ドリルにて2mm骨に穴を開けていた際、ドリル先が折れて骨内に残存した。ドリルを見ると何カ所か亀裂があり先端が 折れていた。術者が気付き取り出そうとするがなかなか取れず、骨を削り取り出した。確認のため術中レントゲン撮影し残存していないことを確認した。 使用器具の破損。重要な結果になり得る。 手術用ドリルビット
14 他院から胸腔ドレーン挿入してきた患者のドレーンバックを交換する際に、コネクターが必要にもかかわらず(現在ドレーンの規格変更中 で、旧式のドレーンの場合、接続部の大きさが違うため付属のコネクターが必要だった)、つけずに接続した。そのため体幹側から一瞬リークしてしまった。医 師に報告、診察後、呼吸状態変化ないことから経過観察となった。 胸腔ドレーンの接続コネクターの規格があわず一時的に回路リークが発生した。患者には障害なかったが、胸腔ドレーンの管理が不適切で あれば呼吸状態の増悪に繋がる恐れがある。 排液バック
カテーテルコネクタ
15 切り出し用メス替え刃交換中に、手技を誤り右手第三指の先端を切創してしまった。使用中の替え刃はTPHA(梅毒)陽性患者の切り出 しに使用されたものと判明した。 慣れない作業のため慎重に対応していたが、手技を誤ってしまった。 メス
16 MRI室で「点滴が入らないから来てください」との連絡があり、病棟から慌てて降りた。MRIへ入室時ポケットの中はすべて確認した が、点滴セットを確認しないで入室してしまった。しばらくして点滴セットの中にあったハサミが飛んだ。患者にも、機械にもあたらなかった。 患者が不穏で、点滴も早くと言われ焦っていた。点滴セットにハサミがあるとは思わなかった。 MRI
17 骨接合術後の患者で、手術前は足指、足関節共に動きがあり背屈も可能であった。術後は左大腿部の腫脹が著明であった。手術前より肢位 は良好であり外旋することはなかった。術後両下肢に血栓予防弾力ストッキングを着用していた。腫脹のためストッキングが膝関節までずれ、腓骨骨頭近くに圧 迫痕がみられた。回診で主治医よりストッキングを大腿まではかせること、腫脹が軽減するまでは着用するように指示があった。5日の日中までは足指、足関節 ともに動きが見られたが、同日準夜勤務では背屈が不可能であり、腓骨骨頭部の圧痛の訴えもあった。7日主治医診察にて腓骨神経麻痺との診断があった。 弾力ストッキングによる圧迫。不適切な体位。 弾性ストッキング
18 膀胱内へ100ml注入するインジゴ生食をシリンジで吸い、シリンジの注入口に合う尿道カテーテル固定水用注入口から40ml注入し てしまった。直ちに吸引し、改めてカテーテルチップでインジゴ生食を吸い、注入し直した。手術後抜去したカテーテルのバルーン部には破損はなかった。患者 の全身状態に問題なく、尿の流出に異常は認められず、術後の回復は順調である。 薬剤投与ルートの確認行動ができていなかった。一つ一つの業務の根拠や目的を考えずに行動する傾向があった。得た情報や受けた指示に ついて考えないため、適切な行動につなげるために必要な判断ができていなかった。誤った判断をした場合の対処行動が不足していた。看護師として必要な業務 遂行上の責任感や危機感が不足していた。 尿道カテーテル