独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
メニュー
閉じる
閉じる
閉じる

添付文書、患者向医薬品ガイド、
承認情報等の情報は、
製品毎の検索ボタンをクリックしてください。

安全対策業務

平成20年度 第3回医薬品・医療機器安全使用対策検討結果報告(医療機器関連事例) 別添2

本文別添1|別添2|別添3別添4

 

製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例 (ヒヤリ・ハット)

      具体的内容 背景・要因 改善策 調査結果








1 第11回 アラームが鳴り、訪室すると呼吸器(NIPPV・ナイトスター)の表示画面が固まった状態であり、送気されていなかった。患者は自発呼吸があり車椅子に移乗した。主電源を押しても電源が切れない状態であった。夜間にアラームが鳴ることはなく、突然画面が固まった。再度電源を入れてテストすると「44」のメッセージがでた。 呼吸器の停止事例が2件続いて発生していたため、注意喚起を徹底していたため対応が迅速にとれた。
  • 自発の弱い患者に関して、評価し呼吸器の変更を実施した。
製造販売業者の報告によると、「44」はブロアーモーターの不良を示すエラーメッセージである。本事象の原因は22日間の連続使用による機械的ストレスであり、当該部品を含む定期交換部品を交換し、対応したとのこと。今後、同様事象が発生するようであれば、適切な対策を講じる必要がある。
2 第11回 人工呼吸器( フジレスピロニクスPLV -100)を在宅で使用しており、訪問診療の際、回路交換を行った。主電源を入れた後、数秒して呼吸器が作動しなくなった。吸気流量の増量のランプが3回点滅し、主電源を入れなおすと作動しはじめたが、再度、吸気流量増量のランプが点滅した。その後は正常に作動した 医療機器の管理、点検の問題。調査、解析を依頼したところ器械内部のメイン制御基板(デジタルボード)に搭載されているマイクロプロセッサーの通信不良が考えられると結果が報告された。
  • 業者に報告。
  • 定期点検の項目に細部まで点検してもらうよう依頼する。
製造販売業者にて点検するも事象の再現はなく、異常箇所を確認できなかった。一時的な電波障害等による外的要因も考えられるが、メイン制御基板の故障の可能性もあり、当該基板を交換したとのこと。今後、同様事象が発生するようであれば、適切な対策を講じる必要がある。
3 第13回 カリオペαHFDにて人工呼吸管理中の小児患者に対し、1 時間チェックを行っていた。3時のチェックでは問題なかった。4時のチェック時、平均気道内圧の設定が、「12」のところ「5」になっており実測値も「5」であった。アラームは鳴らなかった。患者の状態に変化はなく、以降も安定していた。日勤で機器を交換し点検を依頼した。 設定が変わった時は、アラームが鳴るはずだったが鳴らなかった。人工呼吸器は定期的に医療機器管理課が点検している。以前、今回とは別のカリオペαの不具合があった。
  • 医療機器管理課へ上記の旨報告し、さらに購入業者に点検を依頼した。
製造販売業者にて点検・修理を行った。現象は再現されなかったが、念の為、当該現象に関連すると考えられるエンコーダーを交換したとのこと。今後、同様事象が発生すようであれば、適切な対策を講じる必要がある。








4 第11回 輸液ポンプを使用し点滴を行った。ポンプ内でルートが屈曲していたが、ポンプのアラームが鳴らず、丸1日滴下されなかった。 輸液ポンプの保守管理の不徹底。
  • 確認の徹底。
当該事象においては機種が不明であるが、平成15年3月18日付医薬発第0318001号医薬食品局長通知「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策について」により、輸液ポンプには輸液セットが正しく装着されるよう構造的に促す装着ガイドを装備することとしている。
5 第11回 インスリン20単位入りのメインの輸液を20mL/h で持続点滴していた。当日分のメインの輸液に交換した際、輸液ポンプ(テルフュージョン輸液ポンプ)内のルートをはさみ直した。きちんとはさまれているかどうかの確認を1人で行った。日勤帯の看護師は滴下の確認をし、輸液ポンプも通常通り作動しており、残量の確認も行っていた。準夜、深夜でもポンプは正常に作動しており、積算量に問題はなかった。しかし準夜帯の看護師は積算だけを確認し、滴下や残量は確認しなかった。翌朝訪室すると、メイン残量が多いことに気付き、他看護師と確認すると滴下がされていなかった。ポンプ内を確認するとルートがしっかりとセットされていないことを発見した。積算は時間通りにカウントされていたが、残量が多くほぼ落下していないと推測された。インシデント発見までにポンプのアラームは作動しなかった。 土曜勤務で人が少なかったこともありポンプ内のルートのセットし直しを1人で行ってしまった。また、その後の観察が不十分であった。14時のトータル計算時も20mL/h であり、残量は目視で大丈夫だと判断し、インシデントに全く気付かなかった。ポンプのアラームも作動せず積算のカウントも通常通り進んでおり、準夜の看護師も異常に気付くことができなかった。
  • 輸液ポンプ設定し直しの際のダブルチェックの徹底。
  • 滴下・残量チェックの徹底。
  • 機器が正常に作動していれば点滴は滴下されているだろうという思い込みをなくす。
当該事象においては機種が不明であるが、平成15年3月18日付医薬発第0318001号医薬食品局長通知「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策について」により、輸液ポンプには輸液セットが正しく装着されるよう構造的に促す装着ガイドを装備することとしている。
6 第11回 輸液ポンプ内フィンガー部でルートがよじれていたため、輸液されていないことを翌日の日勤看護師が気付いた。 朝9時にフルカリックを交換した際、輸液ポンプ内のルートの位置を移動させて開始した。15時の検温時のチェックでポンプの積算量480mL に比べ、袋の減りは少ないと思い、クレンメや刺入部の確認を行ったが、滴下筒・ポンプ内は確認しなかった。点滴がハイカリックに変更になったため、交換したが差し替えしか行なっていない。この患者は術後でシリンジポンプを5 台使用しており、それに注意が集中してしまった。
  • 輸液ポンプの積算量を過信せず、滴下筒で滴下を確認する。
  • 輸液ポンプ内のチューブの装着を確実に行なう。
当該事象においては機種が不明であるが、平成15年3月18日付医薬発第0318001号医薬食品局長通知「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策について」により、輸液ポンプには輸液セットが正しく装着されるよう構造的に促す装着ガイドを装備することとしている。
7 第11回 朝6時の輸液ポンプチェック時に、輸液ポンプの表示上は積算量が増量していたがボトル内の残量は全く減っていなかったことに気付いた。ポンプを開いてみるとルートが中で屈曲して通っていた。閉塞アラームは鳴らなかった。 点滴ルートをポンプの中のルート固定部にしっかり固定されたか確認しないで閉めてしまった。
  • 更新時ルートをポンプ内固定部にしっかり通し、ロックが確実にされているか確認してから開始する。
  • ポンプチェック時に滴下、積算量を確認すると共に、ボトル内の残量を確認する。
当該事象においては機種が不明であるが、平成15年3月18日付医薬発第0318001号医薬食品局長通知「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策について」により、輸液ポンプには輸液セットが正しく装着されるよう構造的に促す装着ガイドを装備することとしている。
8 第11回 時間指定のある抗生剤の点滴を輸液ポンプで施行していた。施行時、ポンプ内の溝にルートを押し込み、設定と滴下していることを確認した。完了のアラームが鳴り、看護師が訪室すると全量近く残っていた。ポンプの設定をし直して、再開したら4mL 滴下したので退室した。しかし、その後再度アラームが鳴り、他看護師が確認したところ、滴下していなかったのでポンプを開けるとポンプ内のルートがはみ出していた。 1 時間の点滴であったが、その間、訪室し確認ができていなかった。ポンプ内のルートの設定が正しくセットできていなかった。アラームが鳴ったにも関わらず、ポンプを開けて確認する作業ができていなかった。
  • 点滴施行中は、何度か訪室し、異常がないか確認をする。
  • ポンプのアラームが鳴った際、ポンプ内のルート異常が無いか確認する。
当該事象においては機種が不明であるが、平成15年3月18日付医薬発第0318001号医薬食品局長通知「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策について」により、輸液ポンプには輸液セットが正しく装着されるよう構造的に促す装着ガイドを装備することとしている。
9 第11回 輸液ポンプで持続点滴を行なっている患者に点滴を更新しようとしてクレンメを閉じて輸液ポンプの電源を入れ直し、新たに流量42mL/h と設定量500mL を入れた。チェックシートを見てもう一度流量と設定量を指示と確認しクレンメを開け、開始ボタンを押して退室した。その10分後に別の看護師が流量500mL/h、設定量42mLと逆に入力していたことに気付き、すぐに入力し直した。 輸液ポンプの設定を新たに入力し直そうとし、口には出さずに、頭の中で流量と設定量を言いながら入力してしまった。自分で流量と設定量を確認したつもりになっており、点滴を開始した際に滴下状況を見てはいなかった。ポンプのチェックシートに沿って確認したつもりになっていた。
  • 指差し確認と口に出しながら輸液ポンプの流量と設定量を確認する。
  • 開始ボタンを押した後には必ず滴下状態を観察する。
  • 確認をするときには流量と設定量とをもう一度声に出して指さしをしながら指示とチェックシートと再度確認する。
当該事象においては機種が不明であるが、平成15年3月18日付医薬発第0318001号医薬食品局長通知「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策について」により、輸液ポンプは入力間違いを容易に発見できるよう流量及び予定量の入力画面を独立表示とすること、及び入力間違いを防止するために設定した予定量よりも流量が大きい場合には一時停止の機能を搭載することとしている。
10 第11回 持続点滴を追加し80mL/h で設定したが1時間半後に輸液が終了した。当事者は正しく設定したといっていたが、メーカーで輸液ポンプ(輸液ポンプTE-161C)の履歴を調査したところ、予定量と設定量を間違えていた。ボタン1つで予定と設定を切り替えるタイプだったため、量の設定を誤った。 流量設定後の確認が不十分だった。設定後に確認巡回をしていない。
  • 指さし呼称を徹底する。
  • 機種が2種類あり古いタイプは間違いが生じる危険性が高いことを周知する。
  • 設定10分後に巡回して滴下状態、ポンプ作動状態を再確認する。
平成15年3月18日付医薬発第0318001号医薬食品局長通知「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策について」により、輸液ポンプは入力間違いを容易に発見できるよう流量及び予定量の入力画面を独立表示とすること、及び入力間違いを防止するため設定した予定量よりも流量が大きい場合には一時停止の機能を搭載することとしているが、当該機種はその対策前の製品であった。
11 第12回 輸液ポンプを使用して持続点滴実施中、23時にボトル交換した。3時の巡視時に輸液が減っていないことに気付いた。ポンプを開けてみるとルートが折れ曲がった状態になっていた。ルートを吸引し逆血を確認して再セットした。 ボトル交換してポンプを再セットした後、滴下筒の部分の滴下を確認しなかった。テルモ輸液ポンプ508タイプは、輸液セットを溝に入れる時に緩みがあってずれやすい。
  • テルモ輸液ポンプ508タイプを使用時の注意事項について「お知らせ」を配布する。
  • 輸液ポンプの勉強会を企画実施した。
平成15年3月18日付医薬発第0318001号医薬食品局長通知「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策について」により、輸液ポンプには輸液セットが正しく装着されるよう構造的に促す装着ガイドを装備することとしているが、当該機種はその対策前の製品であった。
12 第11回 プレドパ200mg 10mL/h で施行中であった。輸液が終了したので同薬剤を追加した。その際に、積算をクリアしてスタートボタンを押すだけでよいところ、誤って設定切り替えボタンを押した。30分弱後に同患者が腹痛を訴えナースコールしたため、当直医とともに訪室し、流量が200mL/h にセットされていることに気付いた。 看護師は、中途採用で配属1ヶ月位であった。輸液ポンプの操作指導は行われていたが、まだ不慣れな点はあった。また、使用していた輸液ポンプは予定量設定中10秒経過すると自動的に流量設定画面に切り変わるタイプであったため、予定量200mL を設定するつもりで流量200mL と設定した可能性がある。また、スタートボタンを押す前と部屋をでる前に設定を再確認するというマニュアルが守られていなかった。
  • 個別には、輸液ポンプについて再教育。
  • 全体には、10秒経過すると予定量が流量に切り替わることを広報し、周知した。
  • また、カテコラミン類にはこのタイプの輸液ポンプは使用しないこととした。
当該事象においては機種が不明であるが、平成15年3月18日付医薬発第0318001号医薬食品局長通知「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策について」により、輸液ポンプは入力間違いを容易に発見できるよう流量及び予定量の入力画面を独立表示とすること、及び入入力間違いを防止するために設定した予定量よりも流量が大きい場合には一時停止の機能を搭載することとしている。
13 第12回 救急入院してきた患者に0時ごろより生食500mL にヘパリン2V入りの点滴を20mL/h、輸液ポンプで開始した。同日9時ごろ主治医が点滴の投与量が50~60mL しか減っていないのに気付き、輸液ポンプ(STC-508)のドアをオープンすると、ポンプ内のルートが外れていた。 経年の看護師でポンプについては熟知していたが、それが返って機器の過信につながった。ポンプの表示していた積算量の確認だけ行い、実際の輸液の残量確認ができていなかった。そして機械の不備・異常があれば、アラームが鳴るとだろうと思っていて、アラーム音がなかったため、正常に作動しているとし、確認しなかった。また、勤務状況として他の重症患者がほぼ同時に入院してきたため、そちらのほうに気をとられていた事も要因として挙げられる。またポンプのチェックシートを活用していなかった。
  • 輸液ポンプを使用する場合は全てポンプチェックシートを使用することとし、ポンプの近くに設置する。
  • 医療機器に対しての使用方法の確認と、機械の過信をしないことの注意を喚起する院内メールを配布した。
  • そして業務量の適正について病棟でカンファレンスを持ち、適正な配置ができる援助体制を構築する。
平成15年3月18日付医薬発第0318001号医薬食品局長通知「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策について」により、輸液ポンプには輸液セットが正しく装着されるよう構造的に促す装着ガイドを装備することとしているが、当該機種はその対策前の製品であった。
14 第12回 フサン使用のため輸液ポンプを使用していたが、明らかに指示量より遅かった。輸液ポンプの作動状況を確認したところ、輸液セットをロックさせる所がしっかりと作動部分に挟まっていなかったために滴下に狂いが生じた。 輸液ポンプ、シリンジポンプにはそれぞれ確認事項のカードが付いているがその確認を怠った。
  • 業務手順の遵守を促す。
当該事象においては機種が不明であるが、平成15年3月18日付医薬発第0318001号医薬食品局長通知「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策について」により、輸液ポンプには輸液セットが正しく装着されるよう構造的に促す装着ガイドを装備することとしている。
15 第12回 輸液ポンプ(テルフュージョン輸液ポンプTE-161)を使用して化学療法を行っていた。最後に生理食塩液を実施する際に「予定量500mL を250mL/h」で実施すべきを流量と予定量を逆に設定してしまった。250mL 入って輸液完了アラームが鳴って気付いた。 ポンプ操作に不慣れな状態であった。化学療法中の患者の点滴流量はダブルチェックシステムになっているが守られていなかった。
  • 該当病棟管理者へ厳重注意と再指導・周知徹底した。
  • 看護部リスクマネージメント会議で事例を紹介し、手順の遵守について指導する。
平成15年3月18日付医薬発第0318001号医薬食品局長通知「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策について」により、輸液ポンプには入力間違いを防止するために設定した予定量よりも流量が大きい場合には一時停止の機能を搭載することとしているが、当該機種はその対策前の製品であった。
16 第12回 R-CHOP(化学療法)2クール目施行の患者。予定よりも早く、輸液完了のポンプアラームが鳴った。100mL/h で1時間投与したあと、200mL/h に流量変更して全量投与する指示であった。流量を変更する際、流量200mL/h と設定するところを予定輸液量の700mL/h と設定し、投与した。部屋持ち看護師が気付くまでの間、15分間程で100mL 強のリツキサンが注入された。 ポンプ設定変更の際、流量と積算を変更したが、各項目の確認不足があった。設定変更の際、ダブルチェックをしていなかった。
  • ポンプ設定変更の際はダブルチェックをし、指差し声だしで十分に確認を行なう。
当該事象においては機種が不明であるが、平成15年3月18日付医薬発第0318001号医薬食品局長通知「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策について」により、輸液ポンプは入力間違いを容易に発見できるよう流量及び予定量の入力画面を独立表示とすること、及び入力間違いを防止するために設定した予定量よりも流量が大きい場合には一時停止の機能を搭載することとしている。










17 第11回 患者はCV 挿入の処置をしていた。介助には看護師がついていた。介助中にフローラン(シリンジポンプ)を看護師が交換した。20時に処置が終わりフローランのシリンジの残量を確認し印をつけた(残5mL)。その後他の看護師が患者の身の回りを整理し再度フローランを確認すると残量が減っていないことに気付いた。確認すると押し子にスライダーが密着しておらず、離れた状態であった。直ぐに押し子にスライダーを密着させ正常に作動している事を確認した。 フローラン交換する際に看護師がダブルチェックをしていたか不明である。20時に印をつけた際、フローラン更新をした際のチェックがなく何時に更新して残量が何mL だったのかすぐに把握が出来なかった。20時に確認した際に押し子がスライダーに密着していなかった可能性が高いが確認できていなかった。介助を交替する際に場所が狭く、医師が清潔操作していたため点滴のダブルチェックが出来ていなかった。何時に更新したたか残量がどれくらいか申し送りを聞く声かけが出来ていなかった。
  • 介助した看護師、受け持ち看護師、準夜のフリーの看護師が関わり情報共有が上手く行えておらず、また責任の所在も曖昧であった。
  • 介助の看護師が、点滴更新をしたが準夜の看護師が一緒にダブルチェックに行くべきであった。
  • 介助を交替する際にはお互い声をかけあって申し送り、情報を共有する。
  • 交替の際には必ずダブルチェックを必ず行う。
当該事象においては機種が不明であるが、平成15年3月18日付医薬発第0318001号医薬食品局長通知「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策について」により、シリンジポンプにはシリンジの押し子を正しく位置づける手段として押し子外れ警報を装備することとしている。
18 第12回 午前3時ころ深夜看護師がイノバンシリンジをシリンジポンプ(テルフュージョンテルモシリンジポンプTE-331)に変更した。日勤看護師が午前10時ころにアラームが鳴って止まったので確認するとシリンジポンプのスリットにシリンジがはまっていなかった。薬剤はほぼ予定通りの量が注入されていたため患者への影響はなかった。 院内のシリンジポンプは型番が統一されていない。シリンジポンプが古い型番で、シリンジを感知するセンサーのある機種でなかったため、シリンジがきちんとセットされなくても作動してしまった。シリンジポンプは、レバーのところでシリンジの太さを感知するが、その感知には余裕があるため、シリンジの羽をはさみこんでも、シリンジの太さの誤差をすぐには感知できなかった。シリンジポンプにあるスリット部分が、溝にはめるのか、溝の手前にはめるのか分かりにくい。
  • シリンジポンプの機種による安全装置の違いについて周知・教育する。
  • 今後、買い替えの時期には安全装置付のシリンジポンプの機種への統一する。
  • シリンジポンプのスリット部分に色をつけるとか、矢印をつけるなどし、スリットを目立たせる。
平成15年3月18日付医薬発第0318001号医薬食品局長通知「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策について」により、シリンジポンプにはシリンジを正しく位置づける手段としてシリンジ外れ警報を装備することとしているが、当該機種は対策前の製品であった。
19 第12回 重度の心疾患患者の治療で麻薬の持続投与がシリンジポンプで施行されていた。シリンジ交換の際シリンジがポンプに確実にセッティングされなかった為、ポンプが作動できず薬剤が投与されなかった。 1 度も使用したことが無いシリンジポンプを、1度見学で見ていて出来ると思い込んで、自分一人でシリンジ交換をしてしまった。
  • 一度見学したからという事だけでなく実際自分で実施し出来ると許可されてから行なう。
  • CCU内の教育、プリセプタ-について見直し指導者が共通の認識を持ち情報共有する。
  • 安全管理についても現場責任者はスタッフ教育・指導を行う。
当該事象においては機種が不明であるが、平成15年3月18日付医薬発第0318001号医薬食品局長通知「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策について」により、シリンジポンプにはシリンジを正しく位置づける手段としてシリンジ外れ警報を装備することとしている。
20 第12回 エホチールの時間注入量が4mL/hで投与されるところ、40mL/h で投与されていた。 40mL の設定を4mL と読み間違えた。前日にシリンジポンプのメンテナンスを実施した時に注入速度を変えていたがリセットせずに実施をしてしまった。シリンジポンプの注入速度をリセットする事がマニュアルに記載されていなかった。
  • マニュアルに記載する。メンテナンス記録表に注入速度確認欄、ゼロを加える。
  • 透析経過表に注入速度を記録する。
  • 院内使用のシリンジポンプ使用経過表を使用する。
当該事象においては機種が不明であるが、平成15年3月18日付医薬発第0318001号医薬食品局長通知「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策について」により、シリンジポンプはに入力間違いを防止するために電源投入時の流量表示は0ml/h及び予定量表示は0mlとなる機能を搭載することとしている。