独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

平成21年度 第1回医薬品・医療機器安全使用対策検討結果報告(医薬品関連事例) 別添1

本文|別添1|別添2別添3別添4

 

製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例(事故事例)

    事故の程度 発生段階 事例概要 調査結果
1 第16回 障害の可能性
(低い)
準備段階 羊水検査の前処置として、ストック薬からウテメリン1錠を準備し、患者に投与した。30分後、メテナリンを内服させた事に気付いた。入院直後の検査であったため、前投薬を病棟のストック薬から準備した。また、ストック薬はウテメリンとメテナリンが同じ引き出しにあった。メテナリンはシートを1錠に切った場合、薬効や効能の表示が全く見えない部分があり、今回使われた錠剤も表示がない部分であった。 ウテメリンとメテナリンの名称類似性については、平成15年11月27日付医政発第1127004号・薬食発第1127001号連名通知「医療機関における医療事故防止対策の強化について」及び平成20年12月4日付医政発第1204001号・薬食発第1204001号連名通知「医薬品の販売名の類似性等による医療事故防止対策の強化・徹底について(注意喚起)」等により、医療機関により注意喚起しているところであり、製造販売業者においても誤用防止のために製品に関する情報提供及び表示の変更等を実施しているところである。
しかしながら、注射製剤を含め、繰り返し同様事例が報告されており、両薬剤は、逆の薬理作用を有することから重大な健康被害を生じる可能性があること、また、平成14年8月29日付医薬発第0829009号「医療安全推進総合対策への取り組みの推進について」においても企業は、患者の安全を最優先に考えた医療安全を確保するための積極的な取り組みが求められており、今般、再発防止の観点から名称の変更が必要であると考える。

 

製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例(ヒヤリ・ハット事例)

    具体的内容 背景・要因 改善策 調査結果
1 第14回 一般注射オーダーにおいてタキソテール70mg とカルボプラチン120mgの抗癌剤無菌調整依頼があった。両薬剤とも静脈注射であったため主治医に点滴静注である事を確認し、加筆修正した指示簿をFAXするよう依頼した。数分後、主治医よりタキソテール70mgはタキソール70mgの間違いで、正しく入力し直したので、そちらで調整してもらいたいとの連絡があったため、タキソールを調剤し、病棟へ払い出した。今回の処方のタキソテールの投与量は3~4週毎投与の場合は通常量であり、投与量による処方チェックは困難であった。 タキソテールとタキソール間違えによるオーダーミス。「タキソ」3文字検索では「タキソール」「タキソテール」が表示され医師が選択間違いをした。
  • 「タキソ」の場合は4文字出ないと表示できない工夫をシステムで行う。
  • また、抗癌剤をオーダーする時は、レジメンオーダーで入力するようにする。
タキソテールとタキソールの名称類似性については、平成15年11月27日付医政発第1127004号・薬食発第1127001号連名通知「医療機関における医療事故防止対策の強化について」及び平成20年12月4日付医政発第1204001号・薬食発第1204001号連名通知「医薬品の販売名の類似性等による医療事故防止対策の強化・徹底について(注意喚起)」等により、医療機関に注意喚起しているところであり、製造販売業者においても誤用防止のために製品に関する情報提供及び表示の変更等を実施しているところである。
しかしながら、過去より死亡を含む事例が繰り返し報告されており、本事例のように当該製品は、先頭3文字が同一で入力時のミスや記載間違いを誘引していること、また、平成14年8月29日付医薬発第0829009号「医療安全推進総合対策への取り組みの推進について」においても企業は、患者の安全を最優先に考えた医療安全を確保するための積極的な取り組みが求められており、今般、再発防止の観点から名称の変更が必要であると考える。

なお、当該医療機関の改善策として、3文字検索を4文字でないと表示できない工夫を行うとのことであるが、本来は取り間違えのリスクの高い医薬品については、システム上に確認画面や警告画面などを表示させるような工夫が必要と考える。
2 第16回 化学療法の指示受けをした際、プロトコールはタキソールであったがワークシートではタキソテールになっていたことに気付かずに指示受けをした。指示受けは週末であったために当日の朝薬剤部から指摘されて気付いた。実際はタキソールの使用であった。点滴調剤前に気付いた。 タキソールとタキソテールはもともと間違えやすい薬剤としてあげられていたが、主治医のサイン、ダブルチェックのサインもされていたために確認が間違えていないだろうという先入観があった。
  • 今後は指示受けの際に患者の施行している治療を再度確認するとともに一つ一つを声に出して確認するように心がける。