独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

平成21年度 第2回医薬品・医療機器安全使用対策検討結果報告(医療機器関連事例) 別添2

本文別添1|別添2|別添3別添4

 

製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例(事故事例)

  報告回 分類 発生場所 事故の程度 事例概要 調査結果
1 第14回 回路 病室 障害の
可能性なし
看護師は人工呼吸器の点検を臨床工学士に依頼した。人工呼吸器の回路交換を確認する際、加温加湿器を使用する回路に人工鼻を接続し、患者に装着した。呼気抵抗の増加による呼吸障害を起こした。 人工鼻と加温加湿器の併用に関しては、平成20年9月11日付薬食審査発第0911004号・薬食安発第0911002号連名通知「人工呼吸器における人工鼻と加温加湿器の併用に係る添付文書の自主点検等について」等により注意喚起を実施し、関係企業の添付文書の改訂等も行っているところ。
2 第16回 回路 手術室 障害の可能性
(高い)
医師は酸素を投与するため、人工呼吸回路にジャクソンリース回路(ORジャクソンリースセット)を接続した。その後、医師がフィルタ付人工鼻を接続したところ、患者が換気不能の状態となり気胸となった。 ジャクソンリース回路と人工鼻の併用に関しては、既に同様の事例が過去にも発生しており、当該ジャクソンリース回路は、平成13年~14年にかけてメーカーによる自主回収が行われていた。しかし、回収対象製品による同様の事故が発生したため、平成20年11月19日付薬食安発第1119001号通知「ジャクソンリース回路の回収等について」等により注意喚起を行っているところ。また、関係企業に対して、東京都より回収命令が出されている。
3 第16回 回路 病室 障害の可能性
なし
人工呼吸器回路(サーボ900)の水抜きを行い再装着した後にアラームが鳴りSpO2が低下した。痰が貯まっていると思い吸引を行ったが、痰は引けず呼吸状態さらに悪化した。人工呼吸器を点検したところ、ウォータートラップがゆるんでいたことが判明した。 人工呼吸器回路内のウォータートラップの取扱いに関しては、平成21年3月5日付薬食安発第0305001号通知「人工呼吸器回路内のウォータートラップの取扱いに関する医療事故防止対策について」により注意喚起等を実施しているところ。
4 第16回 呼吸器本体 病室 障害なし 患者は人工呼吸器(ニューポートベンチレータHT50)により呼吸管理を行っていた。訪室時、患者は、顔面・前胸部に多量の発汗があり、開眼しているが呼びかけに反応がなく、HR = 128 SpO299~100%であった。テストラングにより確認すると、人工呼吸器のアラームは鳴らなかったが回路に水滴が多く付着し、回路を持ち上げると水がテストラングと呼気回路に流れた。アンビューバックで換気すると数分で患者の意識がレベル改善した。呼吸回路の異常を疑い、蛇管を交換した。その後、PEEP圧は0であったが呼気終末圧が5までしか下がらない状態が続いたため人工呼吸器を交換した。 当該事例については、当該企業から不具合報告が行われており、企業による検証の結果、当該事象の再現はなく、機器に故障等がないことが確認されている。原因は呼気弁キャリブレーションが適正に実施されていなかったこと、及び呼吸回路に水滴が付着していたことであった。
呼気弁キャリブレーションを適切に行うこと及び呼吸回路内の水分を適切に排水することについては、添付文書等で注意喚起済みである。

 

製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例(ヒヤリ・ハット事例)

  報告回 具体的内容 背景・要因 改善策 調査結果
1 第14回 呼吸器(ニューポートE 100 M)の始業前点検を行ったところデジタル表示が「8.88」になっており、普段は点灯していないランプも全部点灯していた。リセットボタンを押しても復旧しなかった。呼吸器は作動しており、換気量の実測値も指示通りであった。患者も異常はなかったが予備の呼吸器と交換した。 毎年点検をしているので、呼吸器の故障ではないかと考えた。
  • 業者に点検を依頼したところ、正常作動であるとの返事だったが、持ち帰ってもらった。
製造販売業者による検証の結果、当該事例は再現されず問題は確認されなかった。しかし、念のため、当該企業は当該機器のオーバーホールを実施したとのこと。
2 第15回 ウォータートラップの水を廃棄し、呼吸器に装着した。3時間後、患者から「空気が入ってこない」と訴えがあり、確認するとウォータートラップのパッキンが半分脱落していた。 形状の変更があったが、業者から取り扱いについて説明がなかった。
  • 他の施設からの情報で業者が取り扱い説明の用紙を出した。
  • その情報と取り扱いを伝達した。
当該事例については、当該企業から不具合報告が行われており、ウォータートラップの品質上の問題から当該企業により自主回収が実施されているところ。
3 第16回 DPAPを装着中の患者。加湿加温器の水を補給した後、回路が加温加湿器本体に接続されていないことを他の看護師が発見した。担当者は水を補給してその場を離れた後、患者の元へは戻っていなかった。発見されるまで40分ほどの間、加湿されていなかったと考えた。 本体に入っていた水を捨て、新しい水を入れて温度が適温に下がるのを待ち、再び接続した。
  • 回路をはずした際は、患者の側を離れる前に必ず指差し確認をし、回路が正しく本体に接続されていることを確認する。
当該事例については、平成16年11月26日付薬食審査発第1126009号・薬食安発第1126001号連名通知「加温加湿器に係る使用上の注意等の改訂について」により、 加温加湿器に給水する際に、ガスポートを使用することを禁止する旨の添付文書改訂が行われているところ。
4 第16回 人工呼吸器(E500)アラームが鳴っており、確認に行くと、液晶モニターが消え、パネルと呼吸器本体の間より白煙があがり、焦げ臭いにおいがたちこめているのを発見した。患者のバイタルサインに変化無く、直ぐにジャクソンリースによる手動換気を行い、リークテストを行った呼吸器に変更すると共に、ME当直者、ICU指導医、夜勤係長へ報告し、ICU指導医により呼吸状態とバイタルに異常のない事確認された。MEにより原因を調べる為、呼吸器を点検に出した。 点滴や、水滴等の影響がある場所での設置ではなかった。
  • MEセンター、業者により原因を追求する。
  • 機械は故障する可能性があるものという意識で、人工呼吸器管理の患者にすぐバック換気ができるように環境整備を行ってゆく。
  • 院内のE500を使用する各部署へ注意喚起を行う。
当該事例については、当該企業から不具合報告が行われており、検証の結果、原因は当該人工呼吸器の外部グラフィックディスプレイ内の電源基板上のハンダ付け不良によるものと判明している。既に当該機器については当該企業により自主改修が実施されているところ。