独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

平成21年度 第4回医薬品・医療機器安全使用対策検討結果報告(医薬品関連事例) 別添3

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No. 報告回 事故の
程度
段階 事故の内容 背景・要因 改善策 調査結果
【血管外漏出】
1 第17回 障害
の可能性
(低い)
実施段階 患者には、左鼠径よりCVカテーテル挿入されていたが、認知症がありCVカテーテルに触れる動作が見られていたため両上肢の抑制を行っていた。1週間後、左手の抑制をはずしたが、CVカテーテルを引っ張る行為が見られた。固定していたガーゼが剥がれていたが、縫合部は外れていなかったため、経過観察を行っていた。その翌日、左下肢の腫脹が強く見られたため確認したところ、挿入時35cmで固定されていたCVカテーテルが5cmしか挿入されていないことを発見した。約1400mLの点滴液が皮下に漏れていた。 抑制中の患者観察が不十分であった。CVカテーテル挿入者の観察、確認が不十分であった。
  • 各勤務で挿入状態が分かるようにマーキングを行い、刺入部の観察確認を確実に行っていく。

  • 抑制時の観察、確認は看護手順に沿って適切に行い、看護記録に残す。
  • 観察が不十分であった
2 第17回 障害なし 実施段階 患者は3日前よりより輸液ポンプ使用して輸液を投与していた。10:00 担当看護師Aは、他の患者が急変して処置中であったため看護師Bが患者の点滴交換し、血液の逆流を確認した。11:30担当看護師は、一緒に看護援助をしていた看護師Cに点滴漏れを指摘されが、ナースコールがあり、「後でしよう」と思って忘れてしまった。点滴漏れに気付いた看護師Cは、担当に伝えたため大丈夫と思い退室した。14:00担当看護師Aは点滴チェックリストに添ってチェックしている時に、点滴漏れをしていたことを思い出したが検温中だったので他のメンバーに伝えようと思ったが忘れてしまった。17:00準夜看護師Dに右足背が腫脹していると言われ、自分が忘れていたことに気付いた。点滴を差し替えた。翌朝、患者の右足背に水泡が4個形成されてた。 点滴漏れ発見時に、すぐ行動していないため損傷を拡大させた。疼痛を訴えられない患者で、点滴漏れの分かりにくい体型だった。点滴が漏れているか、はっきりしない時は、担当看護師に報告して担当に確認を依頼する時もあった。輸液ポンプを使用していたため、液を押し込んでしまった。チームで、受け持っていたため、メンバーに依頼しようと思った。チーム内での連携が不適切だった。担当看護師は、患者が急変して精神的に混乱していたため注意力が低下していた可能性がある。点滴漏れの液を吸収しやすくするために靴下を履かせたが、腫脹部位が見えずに水泡の発見が遅れた。フィジオ35は、浸透圧が高いため水泡を形成する可能性がある。
  • 点滴が漏れていると、気が付いた時点で滴下を止める。または、抜針する。
  • 浸透圧の高い薬液の点滴漏れは、水泡形成する可能性が高く、特に注意が必要である事をスタッフに周知する。
  • 輸液ポンプは、薬液のコントロールの必要な患者に使用する。
  • 判断に誤りがあった
     
  • 連携
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
3 第18回 障害
の可能性
なし
実施段階 乳癌にてドセタキセル単独の化学療法を実施していた。12時頃、観察時刺入部異常無く、テープ剥がれもなく経過していた。13時頃、輸液ポンプ閉塞アラーム鳴り、看護師が駆けつけると点滴刺入部の固定テープが剥がれかけており、留置針が抜けかかっているところ発見した。直ちにポンプ停止、逆血確認を行ない逆血あり。腫脹・発赤ないが疼痛あるため抜針した。医師により再留置を行なった。抜去後、腫脹・熱感・発赤なく疼痛は消失した。主治医の診察もあり様子観察する。処置をした看護師は固定テープが少し濡れていたことに気付いた。 留置部位・患者の活動範囲のアセスメントが不足していた。患者への点滴留置に伴う説明不足していた。固定テープが甘かった。
  • テープの固定を強固に行なったつもりであったが、右手背への留置であり、活動・汗などの状況を踏まえ、いつも以上に強固な固定、及び剥がれかけていないかの観察を行なう。
  • 観察が不十分であった
【造影剤アレルギー】
4 第18回 障害
の可能性
なし
準備段階 患者にCT検査を計画した。CT依頼箋に喘息及び造影剤のアレルギー歴有りと記載されていた。放射線CT担当医師は、これを見て経静脈性造影剤を使用しない「単純CT」を計画したが、経口ガストログラフィン希釈液にはマークをつけた。上級医はこれに気付かなかった。検査当日、経口ガストログラフィン希釈液の投与指示を受けた看護師は、患者が「ヨードアレルギーがあるが大丈夫か?」と質問されたが、否定せず造影剤を服用させた。調べて中止させたときすでに半量を服用していた。気分不快、息苦しさ、顔面紅潮、嘔気嘔吐などの症状が出現した。 経口造影剤は吸収されにくいがアレルギーの申告時に配慮する知識が不足していた。ヨードアレルギーと関連する薬品名が関連づけられなかった。
  • インフォームドコンセントを充実させること。
  • 薬物アレルギーに関する教育を充実させること。
  • 確認が不十分であった
     
  • 知識が不足していた・知識に誤りがあった
5 第18回 障害
の可能性
なし
実施段階 造影剤イオメロンとソルメドロール125mg静脈内注射後、CT検査を施行した。その後、患者に息苦しさ、冷汗、チアノーゼが出現し、意識混濁状態となった。造影剤アレルギー(ヨードアレルギー、オムニパーク)の患者に造影剤使用の指示が出ていた。造影剤アレルギーがあり、前処置後の患者であるという情報がCT室担当看護師に伝わっていなかった。 造影剤アレルギーの患者に造影剤使用の指示が出ていた。造影剤アレルギーがあり、前処置後の患者であるという情報がCT室担当看護師に伝わっていなかった。患者はショックを起こしていたにもかかわらず、緊急事態のレッドコールがされなかったため、応援が現場に到着するまでに時間がかかり、結果応急処置も遅れた(約5分程度)。
  • ヨードアレルギーのある患者は造影検査はしない。
  • 造影剤アレルギーがある患者でも、あえて造影検査をする場合には救急カートなどの物品を確認の上、医師が立会う。
  • 救急カートは1週間に1度定期的に実施しているが、再度点検を実施する。
  • 院内の緊急体制(レッドコール)について、スタッフに周知徹底する。
  • 造影剤アレルギーについての情報共有方法を再検討する(今回の事例では、電子カルテ患者基本情報には入力してあった)。
  • 状況に応じて静脈留置針を使用する。
  • 連携
     
  • 報告等(忘れた・不十分・間違い・不適切)
【薬剤間違い】
6 第17回 障害
の可能性
なし
準備段階 トリプル負荷試験(朝食を食べずに、7時半よりインスリン、LH-RH、TRHをゆっくり静注し、30分ごとに採血し2時間で終了の検査)を予定していた。注射薬を作成する際に2人で確認し、インスリンを1単位/mLにして作った10mLのシリンジから、使用量1.1mL(1.1単位)をとり、LH-RH、TRHと混ぜて作成し、10mLのシリンジに患者の名前を黒ペンで書いてトレイに置いた。残ったインスリン8.9mL(8.9単位)のシリンジも並べて置いた。静注時に、実際投与するはずだった患者の名前の書いた混合液のシリンジではなく、インスリン8.9mLが入ったシリンジをとり、患者に投与したため、予定していた量より9倍近くインスリンが静注され、またLH-RH、TRHが投与されなかった。 残った8.9mL(=8.9単位)のインスリンも捨てずに別のトレーに載せていた。検査開始予定時刻より30分近く遅れてしまったため、急いで検査を始めなければいけないと思ったせいか、トレーに載っているインスリン8.9単位の方が先に目に入ったことから負荷薬剤と思いこんだ。
  • 負荷試験など、医師が薬剤を作成し投与する場合は、薬剤作成時は必ず2人以上で確認し、薬剤にラベルを貼ってわかりやすくする。
  • 使わないシリンジはすぐに廃棄する。
  • 投与前に2人以上で薬剤を確認する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
7 第17回 障害
の可能性
(低い)
準備段階 「エスカゾール1日3回 1回1錠」の指示であったが、薬剤科よりメルカゾールが病棟に届いた。看護師2名でダブルチェックを行ったが、薬剤が違うことに気付かず、患者に20回投与した。1週間後に同じ薬剤が処方されたが、薬剤科から前回と違う薬剤が届き、薬剤間違いに気付いた。 薬品名、規格などの確認、自己鑑査の徹底が不十分であった。
  • 新規のマスター作成などの情報の管理、周知、表示を徹底する。
  • 名称類似、注意喚起の表示をする。
  • マニュアルの遵守とダブルチェックを確実に実施していく。
  • 確認が不十分であった
     
  • 類似名称
8 第17回 死亡 準備段階 医師は硫酸アトロピンとボスミンを持ってくるよう口答で看護師に指示した。看護師Aは救急カートから取り出す際、ワソランを硫酸アトロピンだと思いこみ、ワソラン5Aとボスミンを持って病室に行った。病室で看護師Bはその薬剤を注射器に準備し医師に手渡し、医師は硫酸アトロピンだと思いこみワソランを3回投与した。 看護師Aは、救急カートを病室へ移動させず、薬剤のみ取り出し準備をした。
救急カート内の薬品配置が、硫酸アトロピンの手前にワソランがあり、隣りあわせであったため、間違えて取り出した。
アンプルには、薬剤名が見えない状態で保管されており、看護師Bは、硫酸アトロピンと思い込みラベルを見ずに注射器につめた。
医師は、看護師に渡された薬品が正しいと思い込み、確認せずに投与した。
  • 注射薬の確認は3回(1.準備する時、2.つめる時 3.捨てる時)を遵守する。
  • 急変時は救急カートを病室へ移動し処置をする。
  • 薬品は、薬品名が見えるよう保管する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
9 第17回 障害
の可能性
なし
準備段階 看護師は、医師より希釈したボスミン液を浸したコメガーゼを作成する指示を受け、冷蔵庫に保管してあった薬液をシャーレに移し、コメガーゼを作成し医師に渡した。医師は、そのガーゼを患者の鼻腔内に挿入した。約30分後、患者は咽頭痛を訴えた。コメガーゼを作成したシャーレに生食を入れたところ、結晶が形成されたため、コメガーゼを作成する際、ボスミンを使用するところ、隣に置いてあった10%硝酸銀を使用した可能性が判明した。 該当部署に配属されたばかりであり、一人で処置の介助についていた。以前、該当部署で勤務経験があり看護師としての経験も長いため大丈夫であろうと判断した。また、ボスミンと硝酸銀の容器が同一の物であった。
  • 薬剤容器の変更を薬剤部に要求した。
  • 冷蔵庫内での薬品管理を見直す(5S、危険薬表示等)。
  • 看護師の教育(与薬の5R)を行う。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
10 第17回 障害なし 準備段階 患者は食前にヒューマリンRを血糖値に応じた量を投与していたが、〇/28朝から「ノボラピッド300フレックスペン」の固定打ち(2‐2‐2‐0)に変更となった。看護師は、インスリンを患者に手渡し、患者がそれを管理していた。〇/29昼食前インスリン投与の確認をする際、インスリンを見ると、患者は「ノボラピッド30ミックス注フレックスペン」を持っていた。〇/28朝から〇/29の朝まで、指示とは違うインスリンを投与していた。看護師は、患者の名前が書かれたインスリンがあったため、薬剤名を確認せず患者に渡した。 当科では手術時に、術前から投与していた内服薬・インスリンは全てナースステーションに一旦回収し、術後再開指示が出るまで保管していた。インスリンの自己注射導入時には看護師が手技指導を行うが、今回のケースは患者が自己注射を習熟しているため、インスリン製剤の手渡しで十分と考えた。
患者の名前が書かれたインスリンがあるからという申し送りでダブルチェックせず、薬剤名も確認せず手渡した。その後に受け持った看護師も手技は問題ないため、単位数だけ口頭で確認しインスリンそのものを改めて確認しなかった。
  • インスリンに関しても、他の点滴と同様、看護師が投与する時、患者に手渡す時は必ずダブルチェックを徹底するよう呼びかける。
  • インスリン投与中の患者にはすべてワークシートをオーバーテーブルに設置する。
  • 自己注射している患者もテンプレートで自己管理能力を確認したうえで自己注射を実施する。
  • システムとして、術前に使用したインスリンは手術で絶食になるとき一旦家族に持って帰ってもらうか又は破棄するかを説明しナースステーションに回収するのはやめる。
  • 再開時は新たに処方してもらう。
  • 2年目看護師対象にインスリンの自己学習・勉強会を計画する。
  • 確認が不十分であった
11 第17回 障害
の可能性
(低い)
準備段階 通常、アバスチン硝子体注入を行う際、0.02%ヘキザック液で眼洗浄液を行うが、看護師は、誤って70%エタノールを洗眼瓶に準備した。当日、アバスチン硝子体注入は外来で8人の患者に予定されていた。1例目の患者は、眼洗浄時に痛みを訴えたが、処置自体が疼痛を伴うものであり、また眼洗浄後の顕微鏡下の所見では異常を認めなかったため、洗眼液の成分を疑わなかった。その後、3例の患者も続けて同様に眼洗浄を行った。4例目の患者では、洗眼後に軽度の角膜浮腫を認めたため、何らかのシステム上の異常を疑った。念のために0.02%ヘキザック液の洗眼瓶を保存し、別に準備した0.02%ヘキザック液を使用した。その後、最初に使用した洗眼瓶を調べたところ、その内容が70%エタノールであることが判明した。専用処置のワゴンの上には通常置かれている0.02%ヘキザック水500mLではなく、70%エタノール液500mLが置かれていた。ワゴンの上にある70%エタノール液をヘキザック液だと思い込み、確認をせず洗眼瓶に準備した。 専用処置ワゴンの定位置に、0.02%ヘキザック水500mLボトルはなく、離れた位置にエタノール液500mLのボトルが置かれていた。エタノール液500mLの定位置は、ワゴンの上ではなく、別の場所であった。ワゴンの上にあるエタノール液をヘキザック水と思い込み、確認をせず洗眼瓶に準備した。専用処置のワゴンの上に通常置かれている0.02%ヘキザック水500mLはなく、エタノール液500mLが置かれていた。洗浄時に痛みを訴えた患者がいたが、深く原因を追求しなかった。視力測定機顎台などの消毒を行う技術職が、指荒れを防ぐために綿花に乾燥部分が残った酒精綿を作る目的でエタノールを使用していた。
  • 硝子体注入術介助の担当のスタッフが準備から介助まで専念する。
  • 事故発生当日までは、洗眼時の消毒薬は0.02%ヘキザック水500mLと8倍希釈ポピドンヨード液を使用していた。0.02%ヘキザック水は無色透明であり、目視で区別がつかないため、着色された8倍希釈ポピドンヨード液のみとする。
  • 洗眼用の消毒液を必ず術者(医師)と介助者(医師または看護師)とともに、ダブルチェックする。術者の目視下で洗眼瓶に移し変える。
  • 当院では、8年前よりアルコール綿の作成は中止し、既成のアルウェッティを使用している。ルール通り、酒精綿を作ることを禁止し、不必要なエタノール液のストックを廃止した。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
12 第17回 障害
の可能性
なし
準備段階 イトリゾールを投与する指示があり、看護師は薬剤部に取りに行った。薬剤師はワークシートに書いてあったイトリゾール1%20mLをイソゾールだと思い、「イソゾールね」と言って看護師にイソゾールを渡した。看護師はそれをイトリゾールだと思って受け取った。看護師はイソゾールをイトリゾールだと思いゆっくり静脈注射した。しばらくその場にいたが、患者の呼吸状態に変化はなかった。その後、意識状態の悪化が見られたが、発熱のためと考えていた。翌日、薬剤部でイソゾールの在庫確認中、1本不足していることより、薬剤を間違えたことに気付いた。 類似した名前の薬剤があった(イトリゾールとイソゾール)。確認作業を手順どおり行っていなかった。看護師はイソゾールもイトリゾールも取り扱ったことがなかった。
  • 採用薬剤を変更する。
  • 薬剤のオーダー票表記方法を変更する。
  • 指差し呼称を徹底する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
     
  • 類似名称
13 第17回 障害
の可能性
なし
準備段階 病棟定時処方を調剤する際、フェノバルビタール散120㎎をフェニトインで秤量した。分包・鑑査においても誤りに気付かず病棟へ払い出し、患者に投与された。1ヶ月後の血液検査でフェノバルビタールの血中濃度が低いため主治医が薬剤科へ連絡した。薬剤科で原因調査した結果、調剤する際、フェノバルビタール散とフェニトインと取り違えたことが判明した。 薬剤名が類似した同効薬剤が棚に並んでいた。
分包および検薬における鑑査時の思い込みがあり、確認が不十分であった。フェノバールは薄い桃色、フェニトインは白色の散剤で色が違うが橙色の散剤であるギャバロンとの混合の調剤であったため、外観から判断することは難しかった。
  • フェニトインとフェノバルビタールは薬剤名称が類似しているためフェニトイン散10%をアレビアチン散10%に変更する。
  • 類似した薬剤散剤瓶は離して設置する。
  • 確認鑑査をさらに注意して行う。
  • 事故発生(判明)後の報告、連絡は適切に行う。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
     
  • 類似名称
14 第17回 障害なし 準備段階 看護師は、内服薬を薬杯に準備する際、無記名の薬杯の中に患者Aの内服薬(アマリール3mg1錠)を入れた後に重ねて患者Bの内服薬を入れ、患者Bに与薬した。そのため、患者Bは患者Aのアマリールを内服した。 与薬車から患者用容器に薬を準備する際、容器には予め患者名を明記しておかなければならないが、準備後に患者名を書いた。患者用容器を複数分準備してしたため、間違えた。与薬直前の照合を怠った。
  • 与薬マニュアル手順を徹底する。
  • 薬剤準備場所を整理整頓する。
    薬袋と処方箋・ワークシートを照合する。
  • 与薬容器は1患者ずつ準備する。
  • 与薬容器には予めフルネームで患者名を明記しておく。
  • 与薬直前にワークシートで5R(患者名、薬剤名、投与量、投与方法、投与時間)を確認する。
  • 確認が不十分であった
15 第18回 障害
の可能性
なし
準備段階 入院中の患者に痙攣が起こり、医師はセルシンを口頭で指示した。准看護師が救急カートの表示を見た上で、ジゴシンをセルシンと思い込み準備した。医師は用意された薬剤を確認せず注入した。 ジゴシンをセルシンだと思い込んだ。医師は、用意された薬剤を確認せずに患者に投与した。
  • 看護手順の内容確認、医療安全管理マニュアルについて口頭指示の場合の指示受けについて確認し、行動を統一する。
  • 1処置1トレイ、復唱、声出し、指差しの徹底
  • ダブルチェックの確実に実施する。(医師と看護師間、看護師と看護師)
  • 救急カートの薬剤保管の並べ方やカバーをつけるなどの見直しを検討する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
16 第18回 障害
の可能性
(低い)
実施段階 扁桃腺摘出術のため、執刀医が看護師に渡されたシリンジを用いて右扁桃腺周囲局注を実施した。この際、粘膜の色が白いこと、泡が出ることに疑問を持ち、確認したところ局麻剤の0.5%キシロカインEとオキシドールを取り違えて、オキシドールを局注したことが判明した。 薬液を吸ったシリンジに薬剤名のラベルを表示していなかった。薬液をコップに出した後、外用薬であることを表示していなかった。手術の最後に使用する薬剤を最初から手術台に出していたため、局麻剤との区別が付かなかった。
  • シリンジに薬剤名を記載したラベルを貼る。
  • 外用薬は、コップに出した後、綿球・ガーゼを入れておき、他の薬剤と区別する。
  • 確認が不十分であった
【薬剤量間違い】
17 第17回 障害
の可能性
なし
指示段階 当直医がKCL4.5mL(原液)1.5mL/hの指示を出し、準夜勤の看護師が開始した。その後、徐脈、ECG上ワイドQRSが認められSpO2が不安定になった。確認すると、KCL 0.45mLを指示すべきところを計算間違いにより、4.5mLの指示を出しており、10倍量投与したことに気付いた。 重症患者が多い状況のなかで特に当該患者の状態が不安定であったため、指示を出した医師はバイタルサインの変動に気をとられていた。危険薬の取り扱いに対する院内マニュアルがなかった。
  • 他の病院の現状を調査し、危険薬に対する院内マニュアル(今回はKCL)を作成した。
  • 確認が不十分であった
18 第17回 障害
の可能性
なし
指示段階 〇月△日、医師は、患者に息切れや黄色い痰を認めたため、上気道炎を疑い、メイアクト、ムコソルバンを処方した。2週間後、患者は下痢を認め、救急外来を受診した。医師は、前回外来診察時にメイアクトを処方したことを認識せず、クラビット、ビオフェルミン、ロペミンを処方した。患者の状態は軽快せず、その2日後、急性腸炎の診断で緊急入院となった。典型的な偽膜性腸炎の所見であり、バンコマイシン内服が開始となった。医師は、処方を見直したところ、○月△日の外来カルテにはメイアクト5日投与と書いたが、コンピューターには28日と入力していたことに気付いた。 他の薬は28日分の処方であり、内服期間の違う薬が存在していた。
  • いつもと違う薬を処方した時は内容の再確認を特に行う。
  • 患者への説明をもっと丁寧に行う。
  • このような抗生剤の長期投与は普通行われないので、コンピューターの画面に警告や長期処方が出来ないようにすることを検討する。
  • 確認が不十分であった
19 第17回 障害なし 指示段階 患者にTS-1を120mg分2(20mgカプセル6C)処方するところ、医療事務補佐の入力ミスにより150mg分2(25mgカプセル6C)が処方された。入力する際、警告が出たが、日常の診療上、頻回に出る警告だと思いこみ無意識に解除してしまった。院外処方であったため、その後、チェック機構が働かず、患者は4日間(合計8カプセル)内服した。 処方時にアラートが出たが、日常診療上頻繁にでるアラートと思い込み、無意識に突破してしまった。
  • コンピュータシステム上、25mgカプセルに関しては6カプセル分2のオーダーができないように改良した。
  • 口頭指示に関しては必ず、その場で確認することを徹底した。
  • アラートが出た場合は必ず医師にその都度、フィードバックするように再確認した。
  • 確認が不十分であった
     
  • オーダリング時等の誤入力
20 第17回 障害
の可能性
なし
準備段階 ケタラールを20mg投与するところ、誤って200mg投与した。 ケタラールは1バイアルに20mLの薬液が入っており、薬効量は200mgである。そのうちの10分の1を使用し、残りは使わないことになる。「20mL」と「20mg」では単位の間違いが起こりやすく、また、ケタラール200mgは通常の診療で使われることもある量であった。
  • ダブルチェックを行うことを徹底した。
  • アンプルやバイアルの一部しか使わない点滴メニューの時は、文書でも口頭でも申し送りを徹底する。
  • 以上のことについて、病棟担当医に対して、文書を配布し周知を図った。
  • 確認が不十分であった
21 第17回 障害なし 準備段階 応需薬局から「当薬局の薬剤師が『アスピリン15mg1日1回朝食後30日分』の指示を誤って150mgで調剤し、患者に渡したため、小児患者が2回内服した」と、当院に連絡があった。 単純なミスであるが、薬剤の種類および間違った調剤量によっては、致死的になる場合もあるため十分な注意と確認が必要であり、その由を調剤薬局に病院として申し出た。
  • 調剤前後の処方量の十分なチェックシステムを作成する。
  • 確認が不十分であった
22 第17回 障害なし 準備段階 看護師により間違った体重の記録が電子カルテに記載されており、それに基づいて医師によりニフレック投薬量が設定された。ニフレックによる排便後ややぐったりしたとの母親からの訴えがあり、診察上もやや元気がなかったため、点滴量を確認した。点滴量もこの年齢にしては多めと考えられたため、電子カルテ上の体重を確認しところ、最初の記録が誤りであったことが判明した。 入院時の体重測定を行った際、体重は母親も確認しているが、入院を受け持った看護師は体重を記憶しておらず、測定値を誤ったのか記録を誤ったのかは定かではない。当事者は、他病院の成人病棟で3年の臨床経験があるが、小児病棟での経験は1年目であるため、年齢による平均的な体重との比較が出来なかった可能性がある。また、本事例では、全身状態に問題がなく、手術前日まではほとんど外泊しており、複数のスタッフが継続して観察する期間も乏しかった。
  • 小児の体重は治療に直結する情報であるので、測定するだけでなく前後のデータとの比較をして異常がないか確認すること、特に検査や術前の体重は測定者だけでなく、前後の受け持ちスタッフも確認するようスタッフに周知した。
  • 電子カルテ内に、身長・体重を入力すると、成長曲線を見ることが出来るシステムがあるので、それを活用する。
  • 確認が不十分であった
23 第17回 障害なし 準備段階 看護師がMSツワイスロン(60)を指示量より少ない量を患者に投与した。 残薬のチェックは他者がしており、投与者は処方箋で再確認していない。患者も聞き直しているのに処方箋の確認を怠った。
  • 麻薬の投与については改めて厳重に注意し処方箋と確認し投与する。 
  • 他者の準備したものはダブルチェックの意味でも再度確認する。
  • 薬剤投与について改めて声出し指差しの確認を徹底する。
  • 麻薬についてはダブルチェックを行うことをカンファレンスにて話し合う。
  • 確認が不十分であった
24 第17回 障害
の可能性
(低い)
準備段階 退院前日の夜、小児科病棟の医師は7日分の退院時処方(デパケンシロップ)を出した。当直薬剤師は調剤し自己チェック後に病棟に払い出した。3日後、患者が再入院した際、病棟看護師は、依頼した処方内容と退院時に処方された薬剤の内容が違うことに気付き、薬剤科に確認を依頼した。その結果、薬剤師がデパケンシロップを倍量秤量し、調剤したことがわかった。 主治医が退院時処方を交付し忘れて退院前日の夜間に処方オーダーしたため、薬剤師の確認作業に焦りが生じた。薬剤師が投与量のmgからmLへの変換を暗算に頼り、かつ数量を再チェックせずに、1日分投与量を間違えた。薬剤師が1人しかいない時間帯であり、自己チェック体制が不十分であった。加水の必要な調剤及び小児科の水剤の内容について、病棟スタッフに情報提供されなかったため、病棟スタッフによる確認が出来なかった。
  • 1日分の秤量数を算出する場合は、あらかじめ用意した換算表を用いて確認する。
  • 薬剤師の1人勤務時間帯での自己チェック体制は時間をおいて行い、翌日に他の薬剤師が確認を行うことでのダブルチェックを行う。
  • 加水が必要な小児科の調剤については、調剤手順を所定の様式に記入し、病棟にも提出し、表示根拠を病棟スタッフと薬剤情報を共有する。
  • 小児科の水剤については、交付時に薬剤師が口頭で調剤記録を病棟スタッフに説明する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
     
  • 勤務状況
25 第18回 障害なし 指示段階 化学療法目的で当院の整形外科に入院した患者の持参薬を確認したところ、ワーファリン錠(5mg)が4錠分2で処方されていた。疑問に思った主治医は電子カルテを確認したところ、1ヶ月前の外来でもワーファリン錠(5mg)4錠分2が処方されていた。処方した医師の意図はワーファリン(1mg)4錠分2であったが、処方する際、電子カルテにワーファリンと入力し、提示された5mg錠を選んだ。そのため、患者にワーファリンを過量投与し翌日より開始する化学療法が延期となった。 医師は処方する際、電子カルテにワーファリンと入力し、提示された5mg錠を選んだ。診察当日は患者に対する外来処方の初回であった。同薬が他院で以前より処方されていた薬の継続処方であった。主治医が診察している主疾患とは別の疾患に対する治療薬であった。
  • 処方薬のミリグラム数の確認を怠らないように教育する。
  • 確認が不十分であった
     
  • オーダーリング時等の誤入力
26 第18回 障害
の可能性
なし
指示段階 医師はレミケード治療目的で入院した患者に、前医からの内服薬がなくなるため当院で処方を行なった。その際、プレドニン1mg5処方するところ、5mgを5錠で処方した。3ヵ月後、浮腫や円形顔貌が出現し、コレステロール値の上昇及び血圧の上昇が認められた。更に、2ヵ月後、当院循環器科受診し、精査と降圧剤の投薬が行なわれ、2週間後の5回目のレミケード治療入院の際、処方量の間違いに気付いた。 レミケード治療入院は、一泊入院で、内服薬の変更が殆どないため、入院時持参薬管理・退院時薬剤指導などの薬歴管理が充分行われていなかった。内服内容の変更がなかったため、オーダリング上で複写してオーダーしていた。プレドニンの1mgと5mgで規格は違うが、薬剤名が同じであるため規格の違いに気付かなかった。処方した医師は、1mgで処方していると思い込んでいた。
  • 全入院患者を対象とした薬歴管理システムの構築。
  • その他は検討中である。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
     
  • オーダーリング時等の誤入力
27 第18回 障害
の可能性
なし
指示段階 入院中に持参薬(A病院処方)を内服していたが、薬が足りなくなったため、退院する2日前に退院処方をした際、本来、アスペノンカプセル10mg 4C分2を処方するところアスペノンカプセル20mg 4C分2で処方した。コンピュータ入力の際は、B病院からの紹介状を確認しながら行なった。紹介状には「アスペノンカプセル10 4C分2朝夕食後」と記載してあった。当院では、規格が10mgのものは採用されていないため、コンピュータで「アスペノン」と入力したところ、20mgの規格が表示された。患者の母親も、いつもと色の違うカプセルと思ったが、アスペノンとの記載があったため、内服させた。退院から5日後の朝、自宅で睡眠中に痙攣、失禁し、B病院に救急搬送され入院した。入院から5日後、当院に精査加療目的で転院した。この時、当院での退院処方を確認したところ、アスペノンの倍量処方に気付いた。 用量が違うことに気付かなかった。当院では、規格が10mgのものは採用されていないため、コンピュータで「アスペノン」と入力したところ、20mgの規格が表示された。
  • 処方入力時は成分量や剤形までしっかりと確認する。
  • 今回の処方量は成人量を超えており、コンピュータ入力時にこのような場合、何らかの警告が出ると再発予防にはなると思われる。
  • 確認が不十分であった
     
  • オーダーリング時等の誤入力
28 第18回 障害なし 準備段階 バリキサ錠(散剤にして処方)を内服していた患児の母親より小児科医に内服薬が足りないと電話があった。薬剤部に確認すると、14日分で調剤上計算していた薬剤を、7日分に分包し、払い出していたことが発覚した。その結果、1包中の薬剤量が2倍量となり、計7日間、過剰内服していたことが判明した。 バリキサ錠は毒薬で粉砕不可薬であったが、患者は小児のため処方医師より粉砕指示があった。そのため、錠剤を粉砕し紙に包んで分包する手巻き式の調剤を行なった。手巻き式の調剤は、電子的な鑑査システムが困難であり、処方箋のみで確認した。1日2回、14日分の処方に対し、本来28包調剤するところを投与日数の14日を見て、14包分包してしまった。鑑査者もこれに気付くことなく交付してしまった。
  • 錠剤を粉砕し、手巻き式で調剤する薬剤については、調剤過程において「1日の服用回数×日数」を記載して医師の処方と照合する。
  • 確認が不十分であった
29 第18回 障害
の可能性
(低い)
準備段階 患者にサンディミュン15mg+生理食塩水(=30mL)を5mL/h、6時間で、9時、21時の1日2回投与という指示が出されていた。サンディミュン15mgが何mLであるか、この紙の指示には記載されていなかった(普段は(0.3mL)と記載されている)。ある休日の9時、看護師Aはサンディミュン15mgのところ15mL(250mg/A×3A=750mg)を準備し、看護師Bがチェックし投与した。翌日の9時、看護師Aが前日と同様に準備し、看護師Cがチェックした際に間違いに気付いた。 医師の指示における配慮が不足していた。薬剤の知識不足及び薬剤準備、指示受けの際の注意が不足していた。チェック方法に不備があった。注射薬剤の準備・作成を看護師で実施しており薬剤師の支援が得られない体制であった。休日の勤務態勢で看護師の人数が少なかった。病棟処置台が狭く薬剤準備作成のための環境が十分でなかった。
  • 小児の指示において、薬剤のmgとmLを明記するルールを遵守する。
  • 各種薬剤の溶解方法など標準化をはかる。紙の指示からオーダリングの検討をし、薬剤師の支援を得られる体制を整備する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 知識が不足していた・知識に誤りがあった
30 第18回 死亡 準備段階 プレドニゾロン10mg-10mg-0-0が処方された。ODP調剤を行なう際、薬剤部の機械が「mg」を「錠数」で変換した。その結果、プレドニゾロン1日20mgのところを100mgで調剤した。5日間気付くことなく患者が内服した。看護師はODPにプレドニゾロン1mgが10錠入っていると判断した。薬剤部では機械払い出しのため処方鑑査されず、調剤鑑査においても気付くことができなかった。 ODPの不均等指示入力の画面でオーダーするとシステム上、正しく処理させず不均等指示部分において「mg」が「錠」に変換されたデータが送信された。
  • 不均等指示時のオーダー画面の単位調整院内で採用されているプレドニゾロンの見直し。
  • 薬剤師による服薬指導を充実させる。
  • 確認が不十分であった
     
  • システム
31 第18回 障害
の可能性
なし
準備段階 術後鎮痛薬としてケタラールの持続静注(3mg、0.3mL)を予定していた。医師Aに対して責任医師Bが「時間当たり3ミリ投与するように」指示した。医師Aは時間当たり3mLと解釈し、投与した。術後時間が経過しても呼名反応がないため、ケタラールの影響を疑い、投与を中止した。投与量の確認を行なったところ、予定の10倍量が約1時間投与されていたことがわかった。 医師Bは薬剤の単位を省略して、口頭指示した。医師Aは内容を復唱して、医師Bに確認しなかった。
  • やむを得ず口頭指示を行う場合は、薬剤名や単位、量、希釈の条件などを省略せず、明確に伝える。
  • 医師の口頭指示を受けた者は指示内容を復唱し、その内容を指示した医師と確認する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
     
  • 連携
【速度間違い】
32 第17回 障害
の可能性
(高い)
準備段階 指示のプロポフォールを14mL/hに設定し投与するところ、140mL/hで設定し輸液ポンプを開始した。1時間後、輸液ポンプのアラームにて訪室、プロポフォールの点滴が輸液完了となっていたため、輸液ポンプの流量設定を間違えたことに気付いた。 輸液ポンプ開始時、流量、滴下数の設定に誤りはないと思い込んでいた。また、点滴開始後は他の業務のために訪室を行っていなかった。
  • 麻酔剤、麻薬など特殊な薬剤を使用する時は輸液ポンプ開始後、必ず違うスタッフが設定量などの確認を行い、輸液ポンプ使用チェック表に記載することを実施していくことにした。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
33 第17回 障害なし 準備段階 患者に「500mL+アトニンO5単位 1A 8mL/h」を輸液ポンプで 投与するところ、輸液ポンプにセットする前に輸液のクレンメを全開にしたため、3分間に80mLの輸液が投与された。 輸液ポンプセット取扱手順を守らずに輸液開始ボタンを押した事であり、取扱手順の認識はあったが確認行動が習慣化していなかった。
  • 輸液ポンプ、シリンジポンプ取扱手順の周知徹底と確認行動を遵守する。
  • 分娩誘導時の管理基準の見直し、明文化する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 技術(手技)が未熟だった・技術(手技)を誤った
34 第17回 障害
の可能性
なし
準備段階 患者は、鎖骨下静脈にダブルルーメンのCVカテーテルが挿入され、メインルートから「ラクテックG 500mLが125mL/h」、サブルートからは「カタボンLow 12mL/h」が同じ点滴スタンドを使用して輸液ポンプで持続投与されていた。メインルートを更新する際、カタボンLow側の輸液ポンプをメインルート側の輸液ポンプだと思い、予定量と流量を設定した。その結果、カタボンLowが時間12mL/hのところ、25mL/hで約45分間投与した。 同一点滴スタンドに2台の輸液ポンプを装着していた。ポンプ本体には、ダブルルーメンの白ルート、茶ルートの表示はあったが、ハイリスク薬にもかかわらず、薬品名の表示をしていなかった。また、1台のポンプは斜めに取り付けてあり、一目ではポンプの違いに気付きにくくなったいた。点滴更新時、ポンプの設定内容と点滴があっているかどうか確認していなかった。
  • 輸液ポンプ本体と点滴ルートに薬品名を表示する。
  • ハイリスク薬品の場合は、点滴スタンドを単独で使用する。
  • 持続点滴施行中の確認項目の徹底。輸液ポンプ使用時は開始時、5分後チェックの徹底をはかる。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
35 第17回 障害
の可能性
なし
実施段階 患者に大量のステロイドによる治療が開始され、シリンジポンプを使用してインシュリンを持続で投与していた。深夜看護師はシリンジポンプが停止していることに気付いた。翌日、確認したところ、前勤務者は、22時の時点で残量と流量は確認したがポンプが作動しているかを確認していなかった。 シリンジポンプの作動状況、インシュリンの投与状況の確認、観察が不足していた。
  • 患者病状を把握し、行われている治療内容を熟知する。
  • シリンジポンプ等、機器を使用して行われている治療については、チェックリストを使用し、確認項目を確実に観察するようにする。
  • 確認が不十分であった
     
  • 観察が不十分であった
36 第17回 障害なし 実施段階 患者の疼痛増強のため、塩酸モルヒネ希釈薬を投与する際、医師は、病棟ナースセンターで注射指示書を確認し、0.3mL/hの流速を目視で確認した。ベッドサイドに行き、シリンジポンプの表示切替に触れてしまい、「積算量表示」に切り替わったことに気付かず、その表示を「流速」と思い込み、3.3mLを早送りをした。また、看護師の指摘後、再度、注射指示書を確認したところ、静脈注射ではなく、皮下注射すべきであることに気付いた。 医師は、他院から戻って来たばかりであり、塩酸モルヒネ希釈薬を皮下注射したことがなく、どの位の量でどの程度効くかの認識がなかった。
当直体制の時間帯であったため、患者の詳しい状態が引き継がれていなかった。また、対応時に他の業務も抱えていたため急いでいた。
  • 注射オーダーシステム画面での項目確認を2人で行う。
  • 当直医に対する重症患者の情報の申し送り、配置換え直後の医師に対する協力、指導体制の強化する。
  • 指示量の再確認を行う。
  • 確認が不十分であった
37 第18回 障害
の可能性
(低い)
指示受け・申し送り段階 研修医Aは主治医Bの監督下で、患者に対し生食にフェンタニルを混ぜたものを、シリンジポンプにより6mL/hで持続静注投与し、看護師が8時間ごとにシリンジを更新していた。これを1日ごとの更新にするため、研修医Aはフェンタニルの濃度を3倍に流速を2mL/hに変更し翌日から投与するため、当日の注射オーダーを入力した。この時、研修医Aは、注射指示簿の更新を行なわず、注射濃度・流速が変更となっていることを看護師にも報告しなかった。当日のリーダーであった看護師Cは、患者にフェンタニルのオーダーがあることを確認したが、組成と流量が変更になっていることを確認しなかった。翌日の早朝、フェンタニルの輸液を更新する際、研修医Dは注射オーダー通りに調整した。看護師Eと看護師Fは、ラベルと注射指示簿でダブルチェックを行なった。流量を確認する段階で看護師Eと看護師Fは、これまで6mL/hで持続投与されており、流量・組成変更の申し送りがないため、ラベルに2mL/hと記載されていたが6mL/hと書き直した上で患者に投与した。 根本的な原因としてオピオイドという危険性の高い薬剤を使用するに当たっての医師及び看護師の危険性認識、それを踏まえての指示徹底・チェック徹底の意識が希薄であった。研修医Aと主治医Bはら看護師へ組成の変更・増量と、流量の変更について連絡しなかった。手書き指示簿を使用していたが、書き直し・指示変更がされなかった。主治医Bは1月に着任したところであり、当院のオーダー・指示システムに不慣れであった。主治医が輸液の準備をしておらず、かつ注射更新時間が早朝となり当直医による調製であった。関係した看護師は、前日と組成を比較しておらず誰も組成の違いに気付いていない。頻回に流量が変更される場合に手書き指示簿を併用していたが、指示が2つになるという欠点があった。また手書き指示簿には薬剤名のみ記載され薬剤量が記載されていなかった。
  • オピオイドなどの重要薬剤をシリンジポンプで投与する場合注射オーダー及び指示を主治医と病棟スタッフでダブルチェックする。
  • リーダー・指示受け看護師は、その組成と流量について前日分と比較するなど薬剤の投与量を把握し常に流量・投与量の変更を含めた確認を行なう。
  • 確認が不十分であった
     
  • 報告等(忘れた・不十分・間違い・不適切)
     
  • 連携
38 第18回 障害
の可能性
(低い)
実施段階 患者はドルミカム5A+生食40mLを0.5mL/hで投与していた。血圧が低下したため、主治医の指示によりドルミカム一旦中断したが、不穏状態となったため指示によりドルミカム5mLフラッシュし0.5mL/hで再開することとなった。その際、流量を5mL/hで設定し、患者に投与した。6時間半後、流量が誤っていることに気付いた。 ドルミカム再開時と勤務交代時に確認が不十分であった。システム的に確認する行為を行なっていない。バイタルサインの観察時にも輸液の残量の確認を行なっていたが指示量の確認を行なっていなかった。
  • 院内危険薬の明示と危険薬使用時の輸液ポンプ、シリンジポンプの使用時の確認をルール化をする。
  • 確認が不十分であった
【対象者間違い】
39 第17回 障害なし 実施段階 医師は、看護師Aに患者の点滴が漏れたため、再度、点滴を投与するように依頼された。医師は、病室に入り患者の名前を呼んだところ、カーテン越しに返事があったため、もう一度名前を呼んでベットサイドへ行った。医師は、点滴漏れを確認し、新たに点滴を投与した。その後、看護師Bに点滴投与の報告をした。看護師Bがすぐに確認に行くと、別の患者の点滴が患者に投与されていた。同じ病室の2名の患者が点滴漏れによる静脈ラインの差し替えが必要であった。 同じ部屋で二人の患者の点滴が漏れており、いずれも差し替えが必要であった。
本来その点滴をするはずの患者は部屋におらず、誤って点滴を挿入された患者は軽度の難聴であった。
担当医以外の医師が血管確保に行った。
他の業務している最中に依頼された仕事で、少し急いでいた。
  • ネームバンドによる名前の確認を必ず行う。
  • こちらから名前を呼ぶだけではなく、患者に名乗ってもらい名前の確認を行う。
  • 名前と顔が一致しない初めて会う患者に対する医療行為であることを認識しながら上記行動を遵守する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
40 第17回 障害
の可能性
なし
実施段階 患者Aに朝の内服薬の薬包(抗精神科薬とダオニール錠1.25㎎2錠を名前の部分から切り離し開封をし、開封した状態の薬包を配薬車の上に載せて置いた。そこへ薬を要求してきた患者Bに与薬をした。患者Aに与薬をしようとした際に、患者Bの薬が残っていたことで、患者Bに患者Aの薬を飲ませたことに気付いた。 薬包紙の名前の部分を切り離したため、名前の確認が出来なかった。その場で与薬が出来ていなかったが、開封した薬を本人の与薬ボックスに戻さず、与薬車の上に置いた。配置換え後の深夜勤務リーダー2回目で、観察室対応や申し送りに間に合わせるために焦りがあった。残り2名で与薬が終了することへの油断があった。
  • 薬包紙を開封する際には名前の部分は残す。
  • その場で服薬できないときは本人の与薬ボックス内に戻す。
  • ダブルチェックを確実に行なう。
  • 与薬時本人へ名前の確認をしてもらう。
  • 患者が内服できる状況が整ってから薬包を開封する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
41 第18回 障害なし 準備段階 患者Aは腹痛を訴え、対応した看護師Bは主治医に報告し生食100mL+ブスコパン1Aの点滴を30分で滴下する指示を受けた。その際、メモ紙に指示内容を記載した。看護師Cは看護師Bより指示内容の伝達を受け、看護師Dが実施した。メモには注射薬が記入してあり、患者の氏名の記載がなかったため、看護師Dは、患者Eの指示だと思い込み実施した。その後、主治医より問い合わせがあり、点滴を誤って実施したことが判明した。 指示を受けた看護師と実施する看護師が交代し、伝達が確実に出来なかった。
交代した看護師に気の焦りがあり、引継ぎ事項に集中出来ていなかった。
  • 指示を実施する場合は、指示を受けた看護師が施行する。
  • やむを得ず引き継ぐ場合はメモに患者氏名、指示内容を記載したものを使用する。
  • 口頭指示を受ける際は、ルールに沿ってメモを行なう。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
     
  • 連携
42 第18回 障害
の可能性
なし
準備段階 夕方、注射係りの看護師Aが、6人分の抗生剤をワゴンに乗せて注射を行なった。患者Bの注射をワゴンからトレーに取り分ける時、患者Cのセファメジンαキットを患者Bのものと思い込み、トレーに載せて病室に持ち込んだ。患者Bは、寝たきり状態で発語が出来ず、ネームバンドをつけていた。看護師Aは、注射実施時の名前確認をせずに患者Bに患者Cの抗生剤を投与した。その後、4名の患者に抗生剤を投与し、ユナシンsバックが残った。看護師Aは、残っているユナシンsバックが最後の注射予定の患者Cのものと思い込み、薬剤の名前シールを確認せずにトレーにとりわけた。患者Cに投与する際、「Cさん」と呼びかけ、患者が「はい」と返事をし、注射器に貼られているラベルの名前を見ずに注射を実施した。45分後、患者Cは看護師Eに、「いつもと違い体がかゆい。注射の名前を見たら、違っていた」と訴えた。確認すると、注射薬剤の取り違えがわかった。 注射ワゴン車が小さくチームの複数患者の注射をまとめて載せていた。注射ファイルもその上で開き、確認を行なっているため、誤認が発生しやすい。患者氏名ラベルの印字が小さく見にくい。患者氏名ラベルの印字が薄い。注射の最終患者確認は、1名の看護師で行なっている。患者認証システムが導入されていない。バーコードリーダーによるオーダリング画面での認証システムはあるが、使用していない。注射施行時の患者確認手順が配布されていたが、遵守されていなかった。持続点滴と抗生剤の時間薬と一緒に持ち歩いている。インシデント発生時、他人事であると受け止める職場風土がある。多くの文書や連絡事項を部署内回覧をしているが、確認サインは60%~70%ほどであり、短い期間で100%になることが少ない。安全対策の周知後、各部署のリスクマネージャーによる実施状況の確認が行われていなかった。患者本人が認知患者であった。就業間際に注射業務を実施している。注射係りの役割と業務責任、勤務時間への考慮などが病棟によってバラバラである。当事者は実務経験20年以上で、仕事に対する慣れがあった。認知症患者であると思い、患者確認を怠った。注射を患者のところに持っていく時、最後に残ったものを該当患者と思い込み確認業務をしていない。
  • 注射ワゴンに実施時間が異なる注射薬を同時に運搬することを避ける。
  • 認証システムの導入を検討する。特に、認知症患者や発語ができない患者のネームバンドによる認証システムの検討を行う。
  • 患者氏名ラベルの印字を太くし、字体の変更や行間を空けて患者氏名を見やすくする。
  • 輸液調合後は、注射薬を1患者1トレー保管とする。
  • マニュアルの遵守の周知徹底とスタッフの実施状況の実態調査を行う。
  • 部署内医療事故発生時の連絡フローチャート作成する。
  • 全体師長会でリスクマネージャーの役割機能について周知を行う。
  • 部署内において注射係りの業務責任や役割分担内容、勤務時間帯などを見直し、注射施行時のさまざまなリスクを考慮した内容へ変更することを指示した。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
【用法・用量間違い】
43 第18回 障害
の可能性
(低い)
指示段階 患者は、心不全のため入院することとなった。主治医が不在であったため、代行医が入院後の診察、指示を行なった。その際、内服薬の持参がなかったため循環器病薬、血液内科治療薬も併せて処方した。血液内科治療薬は化学療法のための抗癌剤であり、月に1回、4日間のみの内服であったが、代行医は連日内服するものと誤認し処方した。患者は、その月の抗癌剤内服(4日間)をすでに終えていたが、更に3日間内服した。 担当医は当該薬剤の処方の必要性について確認が不十分であった。代行医は処方内容の確認が不十分であった。患者画面を開くと患者掲示板があり、そこに化学療法の投与方法が記載されていたが、記載時期が古く画面をスクロールしないと気付かない。
  • 処方前に前回処方者との連絡をする。
  • 確認が不十分であった
【その他】
44 第17回 障害なし 指示段階 入院時より、患者にバンコマイシン投与を開始して軽快していたが、バンコマイシンから他の薬剤への変更が検討された。その結果、ペニシリン系抗生剤を投与することとなった。また、前回入院時のサマリーにはアレルギーの記載がなかったため、サワシリンの投与を開始した。翌日より頸部を中心に発赤・発熱を認めたため、皮膚科にコンサルトを行ったが、薬疹には否定的であった。その後、過去のサマリーの患者情報欄にペニシリンアレルギーが記載されていたことに気付いた。 ペニシリンアレルギーについては患者情報欄に記載あったが、特定薬剤名でなく一般名のフリー入力であり、今回使用したサワシリンはオーダー時にチェックされなった。
そのため、発生後よりペニシンリン系の薬剤名を追加入力したが、それでも当院採用のペニシリンの全てはカバーできていない状態である。
  • フリー入力されているアレルギー情報を薬剤オーダー時にチェックができるように、各診療科へ再登録を依頼した。
  • 確認が不十分であった
45 第17回 障害なし 準備段階 注射補給室廊下において注射薬の返品作業を行っていたところ、病棟から返却カートの上面が濡れており、ホルマリンによる異臭を放っていた。返品作業を行っていたものも、目に刺激を覚え、手指にもかなりの灼熱感があった。病棟に問い合わせたところ、中央検査部に提出する検体をカートに乗せて運ぶ途中にこぼしてたことが判った。 検体を病理部に運ぶ際の検体を入れる容器が整備されていなかった。
  • 病理部、薬剤部、看護部、医師を入れ、ホルマリンが入った検体容器の検討と運用について検討する。
  • 諸物品
46 第17回 不明 準備段階 看護係長と当事者とで薬剤部で調剤された抗癌剤(MTX)の確認を行った。その後、当事者と日勤リーダーが実施時の確認を行い、予定時間より無菌製剤の調剤が15分遅れ、焦りながら抗癌剤(HDMTX)の滴下方法を確認せずに開始した。夜勤への申し送りの際、点滴( ソリタT 2 500mL 十メイロン1A)を70mL/h で滴下している側管から抗癌剤(メトトレキセート1770mg 十ソリタT 2 480mL)を20mL/hで滴下すべきところ、点滴(ソリタT 2 500mL 十メイロン1A)をとめて、メトトレキセートの入った輸液のみ投与したことに気付いた。 MTX療法を看護師は理解していなかった。病棟責任者は当事者の技術看護のレベルを査定せず何回か経験していることから、患者の担当にしていた。
  • 病棟責任者はスタッフの技術、看護のレベルを査定し担当について調整する。
  • 担当する看護師の基準として、病棟内で企画した化学療法の講義を受け、基礎知識がある者、リーダーと共に、化学療法を受けている患者を日中勤務時2回担当し、病棟責任者が、化学療法の看護ができると判断した者とする。
  • 抗癌剤のダブルチェックについて今までは、準備時のみ病棟責任者と行っていたが、次に変更する。日中準備時、実施時ともに病棟責任者がダブルチェックを行う。夜間は病棟責任者が指示したリーダー看護師がダブルチェックを行う。
  • 注射指示書の記載方法を統一する。
  • 今回の内容をスタッフ全体に周知し、化学療法について医師と共同で学習会を実施する。 
  • 今回のことを踏まえ、先に提示した対策を、今後病棟責任者としスタッフヘの教育を徹底する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 知識が不足していた・知識に誤りがあった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
47 第17回 障害なし 準備段階 ジゴシン散0 . 1 % は2003年7月30日に購入、同年11月4日に開封、2007年12月31日期限切れとなっていた。2009年12月に散薬充填のため予備棚内を確認する際にジゴシンの使用期限が切れていることに気付いた。期限切れを発見するまでの間、患者13人に交付した。 システム改正に伴い、2004年4月1日時点で在庫があるにも関わらずシステム上の在庫数が0g となってしまい、期限切れの警告表示(使用期限3ヶ月前に警告)がうまく作動しなかった。棚卸し時も在庫量を記録したのみで使用期限の確認をしなかった。
  • 当該部門で棚卸しの確認方法を検討すると共に、システムチェック(薬品登録に関して)を行う。
  • 確認が不十分であった
48 第17回 障害
の可能性
なし
準備段階 患者は発熱したため、緊急入院し、看護師Aは患者にアレルギーはないことを確認した。前回入院時の情報にはアレルギー欄に「ボルタレン」と記載されていた。アレルギーがある場合は患者の個人ワークシートに記載することとなっていたが、看護師Aは個人ワークシートへの記載を忘れた。看護師Aは主治医Bからの発熱時の指示がボルタレン座薬50mg の入院指示を受けた。翌日、患者に発熱があり、ロキソニン1錠を投与した。看護師Cはインフルエンザの可能性も考慮し、当直医Dに症状を報告し、ボルタレン座薬50mg 投与の口頭指示を受けた。この時、当直医Dと看護師Cはともにアレルギー情報の有無の確認をしなかった。看護師Cは受けた指示を看護師Eに伝え、看護師Eが患者にボルタレン座薬50mg を投与した。その1時間半後、看護師Cが訪室すると、患者の下腿に蕁麻疹を発見した。その後、患者に呼吸困難等が出現し、加療により症状は軽快した。看護師Aは前回入院時の看護プロファイルのアレルギー欄にボルタレンが記載されていたことに気付いた。 看護師は指示を受ける前や薬剤を使用する前にアレルギーの有無や内容を転記しているワークシートでのみ確認しており、コンピューターのプロフィールや患者から直接確認する必要性が習慣化されていなかった。当直医は解熱剤の指示を出す前にアレルギーの有無や内容について確認する必要があった事を失念していた。当直医は電話連絡があった15分前まで仕事をしており、入眠直後であった。医師はアレルギー情報を確認することが習慣化していなかった。
  • 看護師は入院時にできるだけ早く患者にアレルギーの有無を確認し次の事項を遵守する。
  • 入院患者には直ちにアレルギーの有無や内容を確認し、リーダー・サブリーダーに報告する。
  • アレルギーがある場合は病棟ルールに従う(患者の了解を得てベッドネームに赤字で禁忌薬剤名を記入する)。
  • 患者情報に入力し、アレルギー患者確認表に記載する。
  • アレルギーなどの記載漏れを発見した時には代理で記入する。
  • 各勤務の申し送りの際にアレルギー患者確認表の病室と患者名を読み上げ、担当看護師はコンピューターで確認する。
  • 看護師は薬剤投与の指示を受ける前に次の事項を遵守する。
  • 患者のアレルギーの有無を医療ナビの患者情報から確認する。
  • 投与実施前にも患者情報・指示書などからアレルギーの有無を確認する。
  • 医師は指示を出す前にアレルギーの有無や内容を確認する。
  • 投与前には次の事項を確認する。
  • 投与前に患者にアレルギーの有無を確認する。
  • ベッドネームに禁忌薬記載の有無を確認する。
  • 医師・看護師は電子カルテ内の患者情報を確認することを習慣化する。
  • 転記ミスを減らすため、個人ワークシートからアレルギー記入欄を削除し、転記しないこととする。
  • 確認が不十分であった
     
  • 身体的状況(寝不足・体調不良等)
49 第17回 障害なし 実施段階 患者は、ベイスンをヒートごと内服した。 看護師が患者に渡した「ヒートに入った薬を入れるカップ」と「内服するためにヒートから出した薬を入れる為のカップ」が同じものであった。患者は、看護師が渡したヒートに入った薬を入れたカップをヒートから出した薬が入ったカップだと思い中を見ずに内服した。
  • 患者に必要に応じて、薬がヒートに入ってまま配薬していることを説明する。
  • 患者のADL に応じて内服薬をヒートから出して渡し、誤飲防止に努める。
  • 観察が不十分であった
     
  • 患者・家族への説明
50 第17回 障害なし 実施後の
観察及び
管理段階
患者は、外来受診時に白内障手術の入院申し込みを行った。その際、医師は、患者にワーファリンの休薬について聞かれ、「循環器内科の医師から休薬の許可が出れば休薬した方が無難ですが、休薬は必須ではありません。また内科の医師に聞いて下さい。」と説明し、対診依頼は出さなかった。その後、患者は、約1ヶ月半後に入院したが、入院1週前から、患者の自己判断でワーファリンを休薬していたことがわかり、入院時のPT(INR)が1. 28となっていた。 患者が自己判断でワーファリンを休薬することを想定しなかったことが原因と考えられる。また、後で分かったことだが、本患者は納豆が大好物で、ワーファリン服用中に納豆が食べられないことがずっと不満であった。今回の眼科医の「休薬した方が無難」という発言をいい方向に解釈して、循環器医師に相談せずにワーファリンを休薬して、納豆を食べていた。
  • 抗凝固剤に限らず、眼科手術の際に休薬が望ましいと思われる投薬が他院または他科からなされている場合は、必ず当該主治医に連絡の上、休薬の可否につき相談する。
  • 文面でのやり取りと基本とするが、それが不可能な場合、相談内容とその結果を眼科主治医がカルテに記載する。
  • 休薬については、患者本人に対し、自己判断で休薬することは絶対にしないように説明し、曖昧な発言はしないようにする。
  • 抗凝固剤の休薬については、白内障手術及び薬物硝子体内注射を行う場合は、抗凝固剤の休薬を行わない。
  • 上記のことを、週に1回行われる医局会(眼科医師(大学院生を含む)、眼科検査員、病棟師長、病棟主任、外来師長が出席)で、当該症例についてのプレゼンテーションを行い、周知徹底した。
  • 上記の再発防止策はすでに施行されている。
  • 患者・家族への説明
51 第17回 障害
の可能性
なし
実施後の
観察及び
管理段階
手術終了後、麻酔担当医は気管チューブを抜去した。その際、麻酔担当医が輸液ボトルが空になっていることに気付き、新しい輸液ボトルに交換した。回復室で患者をストレッチャーから病棟のベッドへ移動させる際、麻酔担当医と麻酔責任者が患者の意識消失・呼吸停止に気付いた。直ちに下顎挙上による気道確保を行ったが、自発呼吸を認めず、蘇生バックによる用手的人工呼吸を開始した。その後は自発呼吸が出現、意識レベルも改善した。回復室での意識消失・呼吸停止の原因検索を行った結果、手術終了時に持続投与を停止した麻酔用麻薬アルチバ(レミフェンタニル)が輸液回路内に残存しており、輸液ボトルの交換によって一過性に急速過量投与されたことが原因と考えられた。 抜管後の必須観察項目の取り決めがなかった。抜管後に手術室から回復室へ移動させる時の判断基準が明確でなかった。抜管後に麻酔用麻薬アルチバ(レミフェンタニル)が急速投与されると呼吸停止を生じる可能性があるという認識が、全ての麻酔科医に周知徹底されていなかった。持続投与する薬液は、輸液ボトルの交換により一過性に大量投与となり得るという認識が低かった。麻酔用麻薬アルチバ(レミフェンタニル)の急速投与により意識消失・換気困難が発生するという認識が低かった。
  • 手術終了後に回復室に移送する直前のチェック項目として以下の取り決めをした。
  1. 麻酔用麻薬アルチバ(レミフェンタニル)投薬ラインを輸液ラインから切り離して5 分以上経過している。
  2. 1)の確認後、呼吸に異常がない自発呼吸がある。
  3. 2)の確認後、移送直前に呼吸数を1分間計測する。なお、このチェック後、電子麻酔記録上に「OR呼吸数」ないし「OR―RR」として、上記の3)で計測した呼吸数を記録する。これがなければ回復室へ移送しないこととした。
  • 上記の内容を記載したカードを作成し、ラミネート加工して麻酔器の机上(キーボード手前)に貼り付けた。
  • 電子麻酔記録上に簡単に記録できるようにリマークスの麻酔管理に「OR―RR:呼吸数○回/ 分」という項目を作成し、入力の省力化を図った。
  • 知識が不足していた・知識に誤りがあった
     
  • 技術(手技)が未熟だった・技術(手技)を誤った
52 第17回 障害なし その他 化学療法(MTX)を行うにあたり、薬剤調合は薬剤部で実施している(前日12時頃)。7時交換予定のソリタT2 500+ メソトレキセート50mg を確認したところ、白色に混濁していることに気付いた。1時から7時で投与中のソリタT2 500 メソトレキセートを確認すると、白色混濁していた。ソリタT2とメソトレキセートは配合禁忌薬剤として明らかになってないものであった。 配合禁忌の薬剤として明らかになっていないものであった。
  • 今回の薬剤のミキシングは薬剤部ではなく交換直前に病棟で行っていく。
  • 製薬会社からの情報を待つ。
  • 確認が不十分であった
53 第18回 障害
の可能性
なし
その他 化学療法のためTS-1内服を開始した。化学療法開始7日目に手掌、足底に水疱ができたため、その翌日に皮膚科を受診し、TS-1内服が継続となった。化学療法17日目、患者は、顔面紅斑及び皮膚症状が出現し、化学療法22日目に皮膚科を受診した。皮膚科では、顔用・体幹用ステロイド外用薬処方され、TS-1中止の指示はなかった。化学療法26日目、患者は、顔面の皮疹・発赤、手・足の水疱及び皮疹がさらに増悪し、胸部と下肢に発赤が新たに出現した。翌日、主治医が不在であったため、代行医が回診を行なったが、TS-1の中止はされなかった。化学療法28日目に主治医の診察によりTS-1中止となった。情報伝達の不備から抗癌剤による副作用を悪化させた。 化学療法医師が非常勤だった。担当薬剤師、代診医師がすぐに主治医に連絡しなかった。
副作用に関して当事者同士が誰とも相談しなかった。
治療に関する責任の所在が明確でなかった。
  • 副作用を認めた場合の報告ルートを作成し、徹底する。
  • 担当薬剤師が判断に困った場合は、複数の薬剤師で直接患者を訪問することとなった。
  • 判断に誤りがあった
     
  • 報告等(忘れた・不十分・間違い・不適切)
     
  • 連携
54 第18回 障害なし 指示段階 胃ESD施行、抗潰瘍薬の8週間継続内服とし、患者は退院した。2週間後の外来受診の際、残り6週間分の抗潰瘍薬を処方するのを失念した。退院から約1ヶ月半後、腹部X線にて上腹部穿孔の所見を認めた。 内視鏡ESD後の人工潰瘍が拡大し穿孔したと考えられる。抗潰瘍剤と穿孔の因果関係は明確ではない。
  • ESD後の退院時、8週間分投薬のシステム化を周知徹底する。
  • 確認が不十分であった
55 第18回 障害
の可能性(高い)
指示受け・申し送り
段階
患者は腎炎に対し当院第二内科外来に定期的に通院加療していたが、今年のある時期以降、内服薬(プレドニゾロン他)を自己中断していた。3ヶ月後、腎機能障害進行、腎炎再燃を認め、プレドニゾロン15mg内服を再開した。その後、加療目的で当院第二内科入院し、ステロイドパルス療法を2日間行なった。プレドニゾロン内服はパルス療法の間、中止していた。パルス療法終了後、プレドニゾロン内服を再開する指示していたが、医師、看護師、薬剤師の連携が悪く再開されていなかった。パルス療法の2日後、腎機能の悪化が進行し、肺炎を合併した。その後、血液透析を週3回行い、肺炎に対し抗生剤治療も行なったが、呼吸状態やX線写真上の改善にも関わらず炎症反応が続いた。パルス療法終了10日後、薬を改めて見直したところプレドニゾロンを内服していないことに気付いた。 医師・看護師・薬剤師間の連携が不適切であった。
  • 医療者間の連携及び相互に注意を喚起するシステムを構築する。
  • 連携
56 第18回 障害なし 指示受け・申し送り
段階
患者は「持参薬が残り少なくなったため処方してほしい」と準夜帯に申し出た。看護師は、研修医に処方を依頼した。その時、内服開始日を入力せず、処方日が内服開始日で打ち出された。払い出された薬を、その日、その患者を担当していない看護師が患者のところへ持っていき、翌日からの内服を指示した。4日後、患者が体調不良を訴えた。患者は内科受診し、脱水と診断された。確認すると、患者が5日間ラシックスなどが重複して内服していたことがわかった。入院時より、薬剤師が内服に関与していたが、病棟訪問時カルテが見つからなかったため、服薬指導を行なっていなかった。 担当以外の看護師が「単に薬を渡す」業務をした。(患者把握不足、残薬確認不足) 医師が安易に処方した。残数に基づいた処方でなかった。(当院では臨時薬、定期薬の決まりがあるが、定期薬として処方した。)処方が決まり通りされてないことに気付かず、定期薬として患者に渡された。入院時から薬剤師が介入していたが、処方された日にたまたまカルテが病棟になく薬剤師が介入しなかった。患者は処方されたものを内服した。
  • 医師は持参薬については残数を確認し、重複しないように臨時薬・定期薬の処方をする。
  • 看護師が患者に渡すときには残数確認をして、内服開始を指示する。
  • 薬について意識的に観察する。
  • 薬剤師は薬歴を確認し服薬指導を行なう。
  • 確認が不十分であった
57 第18回 障害なし 準備段階 発作性心房細動、脳梗塞の既往があり、ワーファリンによる抗凝固療法中の患者に対し、大腸内視鏡検査を施行した。下行結腸に径7mmのポリープが確認され、病理組織診の検体を採取した。 その時点では検査に関わっていた者全員、患者がワーファリン内服中であることを認識できていなかった。 今回の事故の背景には、スタッフ間の情報共有が不十分であったことがある。処置者への申し送りなどが行なわれておらず、また処置者自身も確認を怠ったため発生したと思われる。
  • 処置の前にスタッフ全体で申し送りを行う。
  • 患者情報を簡単に供覧(例えば、内視鏡をモニターに表示)出来るようにする。
  • 確認が不十分であった
     
  • 連携
58 第18回 障害
の可能性
なし
実施段階 両眼白内障の手術目的で入院した患者は、日常生活は自立していた。入院後も内服薬は自己管理していた。翌日、右側手術後も生活に支障はなかった。入院3日後の夕方、患者より「薬をそのまま飲み込んだ(シートごと)」と訴えがあった。患者には、息苦しさ無く、違和感があった。その後、主治医へ報告、病棟にいた他科医師が喉頭鏡下で取り除こうとするが出来なかった。X線撮影し、上部食道にとどまっているのを確認した。消化器科医師により内視鏡で除去することとなった。 自己管理薬であり、一回分づつ切り分けてあった。患者はシートから薬を出す行為を自ら行なっており、いつも通り押し出しただろうと思い込み確認をしなかった。
  • 独居生活であり、退院後も自己管理継続するため、服薬にシートから出したことを確認する行為を追加し、習慣となるよう援助した。
  • シートから一旦薬杯に薬を入れる。
  • 出したシートは側に置く。
  • 看護師が全てシートから出ているか確認する。
  • 観察が不十分であった
     
  • 患者・家族への説明
59 第18回 障害なし 実施段階 看護師は、患者が21時頃マイスリー(5mg)1錠内服の希望したため、包装された状態で1錠手渡した。患者は、前日もマイスリーを1錠内服しており、他の内服薬も自己管理していた。看護師は、消灯して退室後、数分後に「げー」と吐くような声が聞こえたため、訪室すると、「殻ごと飲んでしまった。喉に引っかかっている」と患者から報告を受けた。ベッド周囲を探してもマイスリーの包装がみつからず、患者はPTP包装から薬剤を出さずに内服した。 自己管理をしておりいつも自分で内服している患者であったため、看護師は配薬後に患者が内服したことを確認する前に退室した。患者は暗がりで確認せず内服した。
  • 配薬後は可能な限り患者が内服したことを見届ける。
  • 小さい錠剤は、特に配薬時に患者に注意を促す。
  • 内服をする時は、明るい照明の元で、ひとつずつ確認するよう患者指導する。
  • 観察が不十分であった
     
  • 患者・家族への説明
60 第18回 障害
の可能性
なし
実施段階 患者は、呼吸状態が悪化し、意識レベル低下、血圧低下が認められ、再挿管を行なった。体動激しいため、ディプリバン3mL/h投与、自己抜管のリスクがあったため、ミトンと抑制帯を使用していた。オムツ交換をするため、看護師2人で抑制帯を外し右側臥位にすると、上肢が挿管チューブにあたり、2cmチューブが外れた。指示書と照らし合わせずディプリバン2mLフラッシュした。その後、患者は脈拍が低下し、顔面蒼白となった。 体動が激しい場合は、ディプリバン1mLのフラッシュの指示があったが、体交時や清拭時のフラッシュについては指示されていなかった。
  • カンファレンスを行う。
  • 看護師は今まで何回フラッシュしているかを明確にしておく。
  • 抑制の仕方について再度指導した。
  • 確認が不十分であった
     
  • 判断に誤りがあった
61 第18回 障害なし 実施段階 同じルートからハンプとフラグミンを投与し、配合変化が起った。医師の診察により、全身状態に変化はないことを確認した。ハンプとフラグミンをそれぞれ別に単独で投与出来るよう、新たに末梢ライン確保し、単独投与を行なった。 フラグミンとハンプの配合変化についての情報が今現在なく、原因は不明である。
  • 配合変化不明の場合、極力ラインを別とする。
  • 確認が不十分であった
62 第18回 障害なし 実施段階 麻酔覚醒、抜管直後の患者においてメインルート内に残存していたレミフェンタニルが輸液速度の変更に伴い、急激に静脈内投与された。その結果、アルチバ(レミフェンタニル)の血中濃度が急激に上昇し、一時的に呼吸が停止した。このときアルチバ(レミフェンタニル)で報告されているような鉛管現象は見られなかった。そして、マスクによる酸素投与下であったにもかかわらず、酸素飽和度が低下した。しかし患者への呼びかけにより患者は自発的に呼吸を再開し、直ぐに酸素飽和度で98%まで回復した。 レミフェンタニルの持続静脈内投与における問題点についての情報不足がその要因と考えられた。レミフェンタニルは非常に新しい薬であり、呼吸抑制も非常に強いことが指摘されている。しかし、その静脈内持続投与中にメインルート内にレミフェンタニルが濃縮、存在する可能性が指摘されておらず、わずかな輸液投与速度の変更により患者体内の血液濃度が急上昇することが指摘されていなかった。
  • レミフェンタニル使用中は、輸液投与速度のわずかな変化がその血中濃度の変化をきたす可能性を認識する。
  • 知識が不足していた・知識に誤りがあった
     
  • 技術(手技)が未熟だった・技術(手技)を誤った
 

ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考えられた事例(ヒヤリ・ハット事例)

No. 報告回 具体的内容 背景・要因 改善策 調査結果
【薬剤間違い】
1 第17回 ナウゼリン錠10mg3錠分3処方を、ナイキサン錠で調剤し、第1・第2鑑査をすり抜けて払い出した。患者に投与する際、看護師が確認したところ間違いに気付いた。 薬品名が類似していたため薬品を取り違えた。薬品の規格の見落としが重なって発生した。
  • 1規格しかない薬品も、規格(mg・数)まで確認する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 類似名称
2 第17回 他院でビクシリンが投与されていたが、それを“ビクリン”と同じ薬だと思い誤って使用した。処方して2日後に当事者が気付いた。 当院にビクシリンは採用されていないが薬剤の名前の類似による思い込みが発生した。
  • 他院からの紹介状の確認と、当院にない薬剤については、薬剤師への問い合わせ等を行う。
  • 確認が不十分であった
     
  • 類似名称
3 第17回 主治医より、○月7日夕よりエクセグラン開始の指示があり、処方された薬をセットした。しかし、患者は既にエクセミドという(ジェネリック薬)同一成分の薬を内服していた。準夜勤務者が同効薬を重複与薬したが、患者のバイタルサイン、一般状態には問題がなかった。○月8日主治医に報告し、エクセミドの内服を終了し、エクセグランを内服することになった。 薬が処方され、セットする時点で現在飲んでいる薬は何か確認を怠ったために、同一成分の薬が処方されている事に気付かなかった。持参薬一覧のコピーがカルテに綴られてれていなかった。持参薬一覧表に記載されていたが気付かずセットしてしまった。
  • 処方された薬をセットする時は現在飲んでいる薬を必ず確認する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 類似名称
4 第17回 血圧が高値であった為、頓用のセパミットを投薬しようとしたところ、頓用の残薬がなかった為、定時のセパミットを使用することになった。看護師間でダブルチェックを行った後、患者へ投与した。その後、屯用薬はセパミット細粒1%10mg、定時薬はセパミットR10mgであり、誤薬したことが判明した。 思い込みで行動した。
  • 思い込みで行動せず、ワークシートの最後まで確認を行う。
  • 薬の代用はせず、屯用薬がない場合は再度医師へ依頼する。
  • 屯用薬の残りがなくなった場合は引き続き使用するか確認後、医師へ処方を依頼する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
5 第17回 サワシリン(250)3C3×のところ、誤ってサンリズム(25)3C3×で調剤されているものを鑑査し、間違いを見逃した。病棟看護師が気付き薬剤部へ連絡した。 気が散漫としている中、鑑査に入り、確認を怠った。いつも行っている鑑査手順を踏まず、確認不十分のままになった。
  • ピッキング時に見る薬剤名が表示されているレシートの薬名表記を似ている薬名について注意喚起の印をつける。
     
  • 鑑査業務にはいる準備、環境を整えた上で、手順に沿った鑑査方法を行う。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
6 第17回 入院臨時処方でグリミクロン錠、2錠調剤するところ、誤ってオイグルコン錠、2錠調剤した。間違った薬が病棟に行ってしまったが、内服前に看護師が気付き、患者には投与されなかった。 土曜日の日直時間帯であり、注意力が不足していた。また引き出しが一緒だったため、よく確認を行わず、グリミクロン錠だと思いこんで調剤をした。また、2次救急であったため別の薬剤師が鑑査を行ったが、間違いに気付かず病棟へ払い出した。
  • 引き出しが同じために取り違いが起きてしまったため、薬剤の場所をより判別し易いように変更し、取り違えがないようにした。
  • 特に引き出しに何種類かの薬があるものを調剤する場合は良く確認を行い調剤をする。
  • 思い込みは持たず、ヒートに記載の薬剤名を確認する等注意する。
  • 鑑査の際にも十分注意を払い確認を行う。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
7 第17回 化学療法中(R-CHOP)の患者に対し、誤ってプロトコルに含まれない他の化学療法薬(ラステット)を投与した。 入院後に内服薬を院内処方に切り替える際、以前に外来で短期間だけ投与していたラステットを含めて院内処方としてしまった。当日は体調不良であり、処方内容の確認を忘れた。
  • 院内処方に切り替える際、個々の薬剤に関して必要性を吟味しつつ処方し直す。
  • 確認が不十分であった
     
  • 身体的状況(寝不足・体調不良等)
8 第17回 インフューザーポンプで化学療法施行予定であったが、患者の希望によりインフューザーポンプを使用せずに化学療法を行うことになった。新しい処方で化学療法を行う予定であったが、抗悪性腫瘍剤が入っていない点滴は処方内容が同じであると思い、それを施行した。本来ならカイトリル・デキサート・プリンペランを生食100mLで溶解したものと、アイソボリンを5%ブドウ糖250mLで溶解したものを投与する予定であったが、デキサート・プリンペラン・グラニセトロンを生食100mLで溶解したものとレボホリナートを5%ブドウ糖250mLで溶解したものを投与した。他の看護師に中止オーダーの点滴を施行していることを指摘され、誤って投与したことに気付いた。 中止された時点でその点滴を返納していなかった。中止された処方と新処方の内容について、無菌調整のものだけ違うと思い込み、抗悪性腫瘍剤が入っていない点滴内容は同じであると思い、中止されたものを使用した。中止された処方と新処方の内容を確認していなかった。手順を確認せず、医師と看護師の点滴内容の確認をしていなかった。
  • 中止オーダーを確認したら、誤って投与しないようにすぐに返納する。
  • オーダーが変更された時に何が変更されたか確認する。
  • 化学療法施行時の手順を再度確認する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
9 第18回 3クール目までの前投薬はカイトリル・デキサート・レスタミンであったが、今回からガスターが入っていた(カルテ、注射伝票とも)。カルテに貼る処方シールが新しいものに変わっていたため、オーダー誤りと思い医師に確認した。医師は「コピーペイストをしたのに何故このようになったのだろう。」と話した。再度、医師に指示受けした。 当該患者における化学療法の投与方法(前投薬含め)は、アレルギー対策を考慮し乳腺内で移行中である。そのため患者により様々な投与方法が混在している状態であるが、セット処方やカルテ用処方シールがそれに伴っていないため、指示出しの時に修正を行なわないと、前回と違う投与方法になってしまう。
  • 投与方法の統一を行う。
  • 医師は、移行中であることを考慮し、指示出し時には患者に合わせて確認を行なう。
  • 確認が不十分であった
10 第18回 無菌製剤室でのケモの混注で、本来5%ブドウ糖液250mLにエルプラットを混注しようとしていたが、誤って、事前にレボホリナートを混注した5%ブドウ糖液250mLにエルプラットを混注してしまった。鑑査者もそのことに気付かず観察室に払い出した。観察室にて、一方の5%ブドウ糖液250mLが未開封であったことに看護師が気付き、発見に至った。 確認が不十分であった。混注後、すぐに薬剤に「混注済み」のラベルを貼らなかったため、混同した。
  • 「混注済み」のラベルは、混注を行なったその都度、貼り付けることを再度徹底する。
     
  • 混注する時は、安全キャビネットに1患者ごとに入れ混注を行う。
  • 確認が不十分であった
11 第18回 KCL1アンプル混注の指示を受けたが、引き出しにあるアスパラギン酸カリウムを取り出し、使用した。看護師2人で確認したが、アスパラギン酸カリウムをKCLのことだと思っていたため、間違いに気付かなかった。 当院でKCLを取り扱うのが初めての看護師であった。事故防止のため、KCLは外来には置いていなかったが、アスパラギン酸カリウムは定数管理で保管してあった。その引き出しには「KCL⇔アスパラギン酸カリウム 類似注意」と記載されていたが、そのことでかえって誤解を招いた。
  • 再教育する。
  • 表示の変更(引き出し内に、KCLは薬局へ注文と記載する)。
  • 知識が不足していた・知識に誤りがあった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
12 第18回 外来処方時、マイスリー5mgを処方するところ、マイスタン5mgを選択してしまった。当院の電子カルテオーダリングシステムでは先頭3文字検索機能がある。 類似名薬があることの注意喚起するワーニングが出ない。先頭3文字検索でヒットする薬剤が複数存在する。
  • 選択画面にて製剤名と薬効分類を表示する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 類似名称
     
  • オーダーリング時等の誤入力
13 第18回 フェジンを生理食塩水で希釈する指示がでたため、患者に投与した。薬剤師より誤りを指摘された。1回投与のみの誤りであり、患者への影響は不明である。 フェジンの使用方法について、医師も誤っていた。実施した看護師も生食溶解禁ということを知らなかった。
  • フェジンの薬剤棚に「生食禁」のラベルを貼った。
  • 安全対策ニュースに掲載した。
  • 知識が不足していた・知識に誤りがあった
14 第18回 患者の内服薬には「カルナクリン」と「カルデナリン」があった。「カルナクリン」の内服について、呼吸器科医師に確認し、内服中止となった。ワークシートに記載する際、「カルナクリン」の欄に中止と記載するところ「カルデナリン」の欄に「中止」と記載し、看護師が内服欄に×をつけてた。降圧剤の指示を担当していた腎臓内科の医師は、カルデナリンが中止されているとは知らずに、血圧が高かった為に「ワイテンス」を追加処方した。ワイテンスが処方された翌々日にカルデナリンが中止となっていることに気付き、カルナクリンと間違っていたことがわかった。 「カルナクリンは飲まない」という指示が、「カルデナリン中止」と指示が摩り替わってしまった。
  • 口頭指示で動いていた為、変更や中止の指示は医師にワークシートにサインとともに指示をもらうようにする。
  • タイムリーにワークシートに反映出来ない場合は口頭指示受け用紙を用いる。
  • 確認が不十分であった
     
  • 記録等の記載
     
  • 類似名称
     
  • オーダーリング時等の誤入力
15 第18回 セロクラール10が処方されていたが、調剤補助者の事務職員が薬剤棚からセレプトロール100を出した。薬剤師が、カルテ記載の処方内容と出す薬剤を確認して渡すことになっているが、薬剤の取り違いに気付かずに、患者に与薬した。翌日、患者が持参していた、残薬(セロクラール)を確認した際に、渡した薬(セレプトロール)との剤形の違いにより、薬剤を間違えたことに気付いた。患者は、処方薬を服用前であった。患者が、β遮断剤のセレプトロールを実際に与薬通りに、内服したら、徐脈や、心機能低下をきたし、心不全を起こす危険性があった。 薬剤の棚からの取り出しと、薬剤名の確認は、二重チェックするルールになっていたが行なっていなかった。薬剤師がカルテ内容と、薬剤名の最終確認することになっていたが、慣れが生じ、確認作業を怠った。似た名前の薬剤がある場合に、薬剤棚に注意喚起の表示をすることになっているが、今回の薬剤にはその表示がなかった。
  • 二重チェックの原則を徹底する。
  • 似た薬剤名の再確認及び、薬剤棚に表示をした。
  • 必ず規格確認も徹底する。
  • 確認が不十分であった
【薬剤量間違い】
16 第17回 定期の夕食直前のインスリン注射のオーダー(注射ラベル)が出ておらず、スタッフステーションで担当看護師が、夕食直前のインスリン投与量を電子カルテで確認して病室で実施したが、投与量を誤認し、6単位のところを10単位皮下注射をした。翌朝の食直前のインスリン注射する際、間違いに気付き医師に報告した。患者は、夜間低血糖発作もなく朝食直前であったので、経過観察となった。 定期のオーダーが切れている事に早く気付かなかった。整形外科の患者であったが、インスリンのオーダーは内科の医師であったことも背景にある。
  • 指示を確認する時に、紙に書き写しダブルチェックを行い、ベッドサイドで再度確認をしてから実施する。
  • 電子カルテをベッドサイドへ持って行き、その場で確認し実施する。
  • 部署内に周知し注意喚起を行う。
  • 確認が不十分であった
17 第17回 髄液よりグラム陽性菌の検出あり、予防的に塩酸バンコマイシン0.5g(4回/日)、メロペン2g(3回/日)開始になった。メロペンは0.5gの規格であり、1回4V投与する必要があったが、1Vしか投与しなかった。 作成時のワークシート確認では、メロペンとバンコマイシンともに0.5gの規格であった。ワークシートに上下に並んで記載されていたため、1回量を読み間違えていた。投与時も十分に確認せず投与した。投与直前、他のことに気をとられ、患者確認はしたが、薬剤の確認は行わなかった。
  • 眼で追うだけでなく、指を差して、ワークシートの内容を確認することで、読み間違えを防ぐ。
  • 普段1Vで投与することが多い抗生剤であり、思い込みも原因として考えられるため、指示量を必ず確認する。
  • 薬剤の確認作業を徹底する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
18 第17回 夕から処方された内服薬を本人に飲んでもらう時に、1日量を1回量と見間違えてしまい、2T2×のところを2T1×で投与した。看護師管理だったため、深夜で内服をセットする時に朝に内服する分がないことに気が付いた。 1日量を1回量と見間違えた。
  • 看護ワークシートの見方をもう一度確認し、看護ワークシート・注射ワークシートの 記載方法に違いがあることを意識する。
  • 初めて投与する薬剤は、作用・用法・用量を自分で調べてから、正しいか確認し投与する。
  • ワークシートの括弧に頼らず、1回量・1日量・いつ飲む薬なのかを判断し、内服チェックする。
  • 渡された薬剤が間違っていても患者が判断できないなど、内服を看護師管理にしている理由を再考する。
  • 確認が不十分であった
19 第17回 患者にCDトキシンが検出され、バンコマイシン1バイアル4×(4回に分けて)の指示であったが、1バイアル×4(1回1バイアルを4回投与)だと思いこみ、セットしてした。他のスタッフも1回1バイアルだと思い投与した。 指示受けの際、多忙であり、医師に用量の確認ができていなかった。また、メンバーへの指示もきちんと用量を伝えておらず、セットの際も何日分の指示かの確認を怠った。処方箋で何日分の指示であるのか確認できていなかったため、より発見できなかった。今までの投与経験が、1回1バイアルであったため、今回もそのように思い込んだ。
  • 指示を受ける時は、誰に何をどのように、どのくらいの量を投与するのか確認を怠らない。
  • メンバーに指示を出す時も同様に指示を出す。
  • 薬のセットをする時は、処方箋とワークシートを必ず確認する。
  • 何日分の指示であり、処方された薬が足りているのか確認していく。
  • 個人の身体状況を考えながら実施していくとともに自分自身、経験上から思い込んでしまう傾向があることを頭にいれておく。
  • メンバーもセットが正しいと思いこまず、ダブルチェックの意味を考え、誰に何をどのようにどのくらいの量で投与するのかの確認を怠らない。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
     
  • 記録等の記載
20 第17回 入室した患者の挿管をする際、ドルミカム1mg/1mLの希釈で作成する口頭指示が出た。リーダーは家族対応で不在であったため、リーダーに連絡せずに口頭指示を受けた。指示の1mLの部分のみ頭に残り、5mg/1mLのドルミカムを口頭指示メモなしで1A必要であることのみ伝えてダブルチェックし、準備した。残液の1mLについてもダブルチェックをして破棄した。医師に渡した際に原液であることを指摘され、患者に投与することはなかった。 ダブルチェックしたメンバーは伝票がないこと、希釈して準備するものと思いこみ、疑問に思ったが確認しなかった。
  • 指示が出た場合にはリーダーに受けてもらうようにし、自分では指示を受けないようにする。
  • 口頭指示は口頭指示メモを元に薬剤の作成を行う。
  • リーダーは挿管に必要な鎮静薬の指示をメンバーに伝えてから場を離れる。
  • 疑問に思ったことは声に出して確認する。
  • 確認が不十分であった
21 第17回 ジゴシン錠(0.125mg)0.5錠の処方に対しジゴシン錠(0.25mg)0.5錠で調剤した。気付かないまま12日間投与した。その後医師、看護師及び患者に説明した。 処方箋に「ジゴシン(0.125mg)」とあったが、当院には0.25mg錠しかないので、思い込みから間違えた。文字が小さく分かりにくかった。
  • ジゴシンに関しては、普段から気を付けているが含有量のチェックは特に気をつけるようにする。
  • 医師には処方の文字を大きく書いてもらう。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
22 第17回 準夜帯の初めに抗生剤などのオーダーが出されたが、22時投与分と次の日の6時投与分において過小投与した。医師のオーダーは『〔指示内容〕メロペン注0.5g〔数量〕1〔単位〕g』となっていた。指示を確認し、点滴を薬局から取り寄せ準備し、看護師2人でダブルチェックを行った。〔単位〕は「g」ではなく「瓶」での指示が多く、「メロペン0.5g1瓶」投与だと思い込んでいた。日勤者から指摘され事故に気付いた。 思い込みで行動した。ダブルチェックが基本に乗っ取っていなかった。
  • 指示内容や数量だけでなく、単位まで確実に声に出してダブルチェックを行う。
  • 医師に単位の統一した入力を依頼した。
  • 疾患や病態から薬剤や投与量なども考え行動する。
  • 思い込みを防止する為に基本に忠実に確認する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
23 第18回 申し送りシート作成時、インスリン量を書き間違え、次の勤務者がそのシートを参考にフリーシートを作成した。本来なら、ノボラピット30を10単位投与するところ、30単位施行した。患者の頭元にあるボードには、10単位と記載があり、実施者は施行前に単位が違うことに気付いていたが、申し送りシートが30単位と記載されていたため、ボードを書き直し施行した。 指示の転記時に無意識で書いた。準夜の部屋持ちと、リーダーの間できちんと確認が出来ていなかった。実施者が単位数と、頭元のボードが違うと気付いたが、申し送りシートだけで確認を行なった。
  • 転記は必要最小限にし、申し送りシートばかりに頼らず、指示簿からも情報収集する週間をつける。
  • 指示変更時は、何時から変更かを必ず明記する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 記録等の記載
24 第18回 インスリン療法を行なっている患者が発熱、嘔気のため緊急入院した。血糖値が626mg/dLであったため医師はヒューマリンRを6単位投与する指示を出した。看護師はヒューマリン6単位は0.6mLであると思いインスリン用のシリンジではなく、1mLシリンジに準備した。別な看護師とダブルチェックする際、看護師は指示書をもとに日付、氏名、薬品名、ルート、量を確認しサインをした。その後、医師が患者に投与した。看護師は薬剤量に疑問があったためバイアルの単位数、量を再度確認し、インスリンの量が誤っていたことに気付いた。間違いに気付き、直ぐに患者のもとに行ったが、既に患者にインスリンが投与されていた。 間違ったダブルチェックの際(サイン後に単位数に対する量を再確認したこと)、他のスタッフから「6単位は0.6mLだよね」と確認された時、自分で確実に計算しなかった。また、相手に「そうですね」と返事をしなくてはいけない雰囲気だった。インスリンを静注するという経験がこれまでになかったため1mLのシリンジに吸った。さらに6単位なのに量が多いと感じたが、自信がなくOKとした。看護師の知識が不十分であった。その場で疑問に思ったこと(気付いたこと)をすぐスタッフに相談しなかった。
  • ダブルチェック時、疑問を抱いたら、その場で「ちょっと待ってください」とすぐスタッフへ言う。
  • ダブルチェックで量を確認する際、「自分で計算をしてみますので待ってください」と言い、確実な量を算出する。
  • インスリンを吸う場合は専用のシリンジを使用する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
25 第18回 「パキシル20mg1錠2×」の院外処方が「パキシル10mg2錠2×」に変更になったとの電話を外来から受けた。薬局にてオーダー画面上の処方を変更したが、患者の院外処方箋は変更されていなかった。調剤薬局からの問い合わせを受けてわかった。 院外処方箋の変更方法が徹底していなかった。
  • 院外処方箋の変更方法を徹底する。
  • 院外処方箋は医師が手書きで直す。
  • オーダー画面上は薬局で訂正する。
  • 記録等の記載
26 第18回 硫酸アトロピン療法を行なっている患者に、0.06mg/kg/dayを7分割し投与する指示を出したが、注射ワークシートの1回量記載の欄に1日量を記載し、フリーコメントにて分割投与を指示したため、1日量を1回量であると認識され、過量投与となった。看護師との指示内容の確認の際に間違いに気付いた。 硫酸アトロピン療法を一時中止し、経過観察。両親に主治医から過量投与について説明を行なった。
  • プロトコールの見直しを行ない、医師、看護師ともにわかりやすいものに変えた。
  • 投与量の計算方法などを記載した。
  • 注射ワークシートには1回量の入力を徹底することとした。
  • 指示出し指示受けの際には、復唱することを再確認した。
  • 確認が不十分であった
     
  • 記録等の記載
27 第18回 「トロンビン液モチダソフトボトル5000 3本外用 用法-全量分水で薄めて全量60cc 1日3回3本/3×2日分」が処方された。医師は「1回1本 1日3回」のつもりで処方したが、外用用法で入力したため、薬剤師は2日分の全量が3本と思い込んで調剤し、「1回0.5本 1日3回」の用法用量で病棟に払い出した。本処方は何回か処方修正されたため薬剤師が不安に思い、パソコン画面で患者の診療録を確認したところ、処方箋に反映されていない医師のコメントを見つけた。そのパソコン内容と処方箋に矛盾があることに気付き、医師に確認したことで間違いを発見した。その後病棟薬剤師が主治医に報告し、患者にトロンビン液を追加投与した。 医師、病棟薬剤師、調剤室にいる薬剤師の連絡・伝達に不足があった。パソコン画に載っている医師のコメントが処方箋には反映されなかった。今回の処方において、トロンビン液モチダソフトボトルは内服して使用するにも関わらず、外用用法でしか処方入力ができなかった。
  • 調剤室と病棟で連絡を密にとることで、伝達ミスや不足をなくす。
  • 医師が入力したすべてのコメントが処方箋に反映されるように、コンピューター室に依頼する。
  • トロンビン液モチダソフトボトルが内服用法でも処方箋入力出来るようにマスターを変更する。
  • 連携
     
  • システム
【方法間違い】
28 第17回 分娩直後、ルーチンのオキシトシンボトル混注を、筋注と間違えた。オキシトシンのダブルチェックは行い、「オキシトシン打ちます」といって筋注した。周りのスタッフは混注すると思っていたので気付かなかった。 流産手術や、人工中絶手術時はオキシトシン筋注するので間違えてしまった。
  • 薬剤のダブルチェックだけでなく筋注するか、混注するか確認する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
29 第17回 患者にシプロキサン300mg/150mLを生食100mLで希釈し投与する指示であったが、生理食塩水で希釈せずに投与したことを勤務終了後にリーダーに指摘された。 初めて投与する薬であったが投与方法・薬剤作成の方法をリーダーや先輩看護師に確認せず大丈夫だろうという安易な気持ちで投与した。抗菌薬ということは知っていたが副作用について調べていなかった。ワークシートでの確認が不適切であった。
  • 今後初めて作成する薬剤や投与方法がわからない薬剤に対してはリーダーやメンバーに確認していくことを徹底する。
  • シプロキサンはPHが低く、血管炎や静脈炎を起こす危険性があるため、投与する上で患者に起こるリスクを考え、思い込みで投与を行わない。
  • 慌てていたことや思い込みからワークシートでの確認を怠っていたため薬剤作成時の3回確認を徹底し安全に投与ミスがないよう徹底する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
30 第18回 点滴指示書で確認後フェノバール1Aを静脈注射した。施行後、医師が使用する薬剤という知識があり、静脈注射に対し不安を感じた為、薬の辞典で確認すると皮下注射、筋肉注射で施行と記載されていた。再度点滴指示書を確認すると筋肉注射の指示の欄にチェックがしてあることに気付いた。 注射伝票の確認の仕方を把握していなかった。薬剤の使用方法と薬効について知識が不足していた。曖昧なままで行動してしまった。静脈注射だと思い込んだ。確認が出来なかった。点滴を朝の準備の時点で確認をしていなかった。
  • 注射伝票の確認の仕方を把握し徹底する。
  • 使用方法と薬効の知らない薬剤は調べて把握してから施行する。
  • 与薬をすることで患者にどのような影響があるのか責任をもって把握する。
  • 点滴を準備する時点で受け持ち看護師が行う。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
31 第18回 経皮胆管ドレナージを行ない帰室後、医師から輸液(ソリタT1)の追加指示があり、準備をして患者の元へ行った。外科医師、消化器内科医師と看護師で点滴内容を確認して接続する際、ルートを十分確認せずに三方活栓に接続した。消化器内科医師が接続が違うのではないかと言いルートを確認したところ、PTCDチューブの三方活栓に接続していることに気付いた。新しいルートに変えCVラインにつなげ直して点滴を開始した。 ルート類やチューブ、心電図モニターの配線などで混雑している状況であったにもかかわらず、点滴ルートを刺入部までたどってみることを怠ってしまった。また、CVラインに接続した三方活栓(病棟で使用しているものとは違うタイプのもの)は透視室で点滴をする際に私が追加したものであり、同じ三方活栓がPTCDチューブにも使用されていたので、CVラインのものであると思い込んでいた。
  • CVラインとPTCDチューブに同じ三方活栓が使用されていたため、CVラインの三方活栓は外しさらに点滴ルートをCV用の閉鎖式点滴セットに換えた。
  • PTCDチューブの三方活栓部分には赤テープで表示し、電子カルテ内の掲示板及び看護記録内に点滴セットが接続できてしまうので注意するように記載した。
    ルートの接続は刺入部まで確認する。
  • PTCDチューブの三方活栓には点滴ルートが接続できることを表示する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
32 第18回 デュロテップパッチの指示は、「3日ごと貼りかえ」であったが「中3日」と勘違いし、次回の貼替え日が1日遅れた。 処方箋を組む際に「3日ごと」というのは認識していたが「3日ごと」=「中3日」と勘違いし間違って記載してしまった。記載した後も組み方があっているか確認しなかった。
  • 処方箋を組むときは用法用量を声に出して確認し、間違えないように処方箋を組む。
  • 「3日ごと」「中3日」がどのような意味を持つのか考えながら処方箋を組む。
  • 患者に3日ごとに貼替えであることを教育し、貼り替え日に看護師が貼り替えにこない場合はは自ら申し出るよう指導する。
  • 各勤務体でデュロテップパッチの処方箋及びきちんと貼られているかを確認する時に、日付や貼り替え日が合っているか確認する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
【速度間違い】
33 第17回 ラクテック500mL+ヘパリンを24hで輸液ポンプ使用で12時から開始した。患者には60滴/mLのルートを使用していたが輸液ポンプは20滴に設定されていた。翌日更新時、350mLのラクテックが残っており設定間違いに気付いた。 輸液ポンプ使用時の確認が不足していた。各勤務者も設定と残量を確認していなかった。
  • 使用開始時、使用中のルートと設定の確認、各勤務でも再確認を行う。
  • 確認が不十分であった
     
  • 技術(手技)が未熟だった・技術(手技)を誤った
34 第17回 ナースコールあり、訪室するとご家族の方より「点滴が終わりました。」と報告があった。しかし、その点滴は、本来ならば翌日の午前1時に更新する予定であった。500mLを9時間(≒55mL/h)かけて滴下すべきところ、2時間(≒250mL/h)で滴下していたことになった。 点滴更新した時に、肢位調節を行ってから滴下を調節出来ていなかった可能性がある。頻回に訪室し、滴下トラブルの有無・滴下調節を行っていなかった。勤務帯の交代時に残量等情報を細かく申し送りしていなかった。勤務交代時は、忙しく訪室するのが遅くなってしまった。
  • 点滴更新した時に、肢位調節を行ってから滴下を調節する。
  • 滴下に支障がある場合は、適切な肢位を保てるよう、その必要性を説明し協力を得る。
  • 点滴をしている患者がいる時は訪室回数を増やし(1~2時間毎に1回以上)、滴下トラブルの有無確認、調節を行う。
  • 勤務交替の場合は、「残量・ペース・次回更新予定時刻」を申し送る。もしくは情報収集し、各自で確認し合う。
  • 勤務開始時は、なるべく早めに訪室し、状況確認をする。
  • 確認が不十分であった
     
  • 観察が不十分であった
35 第17回 術後イレウスが疑われフルカリック80mL/hで滴下指示がでていた。準夜初回ラウンド時、点滴予測ラインが60mL/hで引かれており過少点滴となっていることに気付いた。 ワークシートでは60mL/hとなっていたが手書きで80mL/hと直されていた。ラベルには60mL/hと印字されていたため、それを見ながらラインを引いてしまっていた。
  • 指示速度の変更時は手書きではなく、医師にワークシートの入力を変えてもらう。
  • ワークシートでの確認、ラベル貼布時の確認徹底する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 記録等の記載
36 第17回 ノルアドレナリン6mg/20mLを16mL/hで投与されていたものが、0時より30mg・5%グルコース50mLと2倍濃度に変更になった。2倍濃度になったことから流速を8mL/hに変更しなければならなかったが、16mL/hで併用交換していまい、10分後にBP190台まで上昇してしまった。 ワークシートでノルアドレナリンの濃度変更の確認は行なっていたが流量の確認を怠っていた。このことから、いつもシリンジポンプで投与されている薬剤の交換時に流速の確認を行っていないことに気付いた。
  • 一連の動作を最期まで行なっていないということがわかったので次回からは使用薬剤、使用量、投与速度、ルートの確認など一連の動作を最期まで行なうようにする。
  • 1回目の交換アラームがなっており、残量が少なくなっていたことで慌てていたことも原因であると考えられる。
  • カテコラミンの交換は余裕を持って行なえるように始業開始前に準備時間と交換時間の計画を立てる。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
37 第17回 ポートより輸液(ソルデム3A)管理中の患者は、シャワー浴のためヘパリンロック実施した。シャワー浴を終え、その後ベッドサイドで創部の包交・点滴の再接続を行った。約1時間後、準夜の巡視の際、フラッシュに近い速度で滴下しているところを発見した。クレンメの位置は真ん中より上で、1時間で180mLの過剰投与した。指示は60mL/hであった。 この患者のあとに、他の患者の処置があったこともあり、慌てていた。
  • ポートにルートを接続し、クランプを外し、クレンメを解除して滴下を合わせてから固定を行った。
  • 再度確認せずベッドを離れた。
  • 自分の傾向として、慌てている時のミスがあるため、処置後は自分を疑って、再度観察する。
  • 落ち着いて、手技を確実にしていく。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
38 第17回 ソルアセトF交換時、指示では60mL/hであったが、時間ふりの際時間20mLでふってしまい、点滴を20mL/hで滴下してしまった。その後、リーダーに流量が違うことを指摘された。側管からのソルデム3Aは時間20mLで滴下されていた。 流量が正しく割りふられているかまで確認していなかった。
  • 点滴が重なっている時は物品、用量、流量を指差し確認し、他の指示と混同しないようにする。
  • 点滴作成後も流量が正しく割りふられているかまで確認する。
  • 点滴を投与する際は、投与の必要性を必ず考える癖をつける。(メインについても投与速度やメインの種類を考えて投与する。)
  • 忙しくても、一呼吸置いて、確認するべきところは確実に確認する。
  • 点滴作成時は点滴の事だけに集中して作成する。
  • 確認が不十分であった
39 第17回 化学療法の際、生食100mL+アバスチン230mg 90分で投与するところ40分で投与した。更新時に気付き主治医に報告し、バイタルサイン測定を行った。 90分と言う指示を30分と勘違いして調節した。施行時に医師と一緒に時間確認を行わなかった。
  • 事前に施行時間などに赤で印をつける。
  • 必ずダブルチェックを行う。
  • PCの注射チェックを2人で声出し確認する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
40 第17回 抗がん剤投与レジメンに、投与速度を計算間違いし、126.5mL/hで実施のところ、168.6mL/hと記載した。病棟看護師が実施前に再度計算し直し、間違いに気付いた。 薬剤科の監査ダブルチェックが不十分であった。計算は、そのつど電卓計算機などで計算しているため、手間がかかる。直前に同じメニューの別の患者のレジメンの計算があり、同じであると思い込んだ。
  • 鑑査ダブルチェックを徹底(別の薬剤師が計算し直してみる)する。
  • レジメン作成時、1患者ごと薬剤師担当を変更する。
  • 計算式が設定されたシステムを導入する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
41 第17回 化学療法を輸液ポンプを使い行っていたが、輸液量の減りが悪いことに気付かなかった。18時頃、医師とともに輸液ポンプの作動確認をしたが、15分チェック時には気付かなかったが、20時20分頃量が減っていないことに気付いた。チューブが引っ張られていたので、ポンプのカバーを開けて確認したが原因がわからなかった(ポンプのチューブ止めにチューブがはさまっていなかった可能性がある)。 もっと頻回にチェックすべきだった。ポンプの作動、ルート確認を2人以上で確認すべきだった。ポンプの積算量はしっかりと加算されていた。
  • チェックを時間を決めて定期的に行う。
  • 輸液ポンプの使用マニュアルを遵守する。
  • ポンプにチューブ止め部のアラーム機能があるものがあれば、新しいものを取り入れていく。
  • 確認が不十分であった
42 第17回 メソトレキセートの点滴を最初の1時間は250mL/hでその後50mL/hに流量を減量しなければならなかったが、訪室するのが30分遅くなった。すぐに、バイタルサインチェックと尿PH測定を行った。経過観察をおこない副作用等の出現はなかった。 知識が不足していた。あわてていた。医師と看護職連携不適切であった。多忙であった。夜勤であった。
  • 流量変更時にはタイマーをセットする。
  • 輸液ポンプの積算量を完了でアラームが鳴るようにセットする。
  • スタッフ間や医師と看護師の連携や情報交換を積極的に行っていく。
  • 連携
     
  • 勤務状況
43 第17回 化学療法が開始となり、24時間キープの5FU入りの点滴を開始した。1000mLの点滴なので、42mL/h投与する予定であった。ダブルチェックの際には確認していたが、本人のところで流量を設定する際に1500mLだと思い込み、62mL/hで投与した。準夜の看護師が流量の間違いに気付いた。 ダブルチェックをした時は、流量を確認していたが、注射箋に流量を記入していなかった。そして本人の所に行った時にラベルを確認したところ1000mLでダブルチェック時に流量計算していたが1500mLだと思い込み、再度流量計算を一人で行い施行した。
  • 必ずダブルチェックした後は、流量を注射箋に記入するようにし、間違いが無いように行なっていく。
  • またラベルを見て疑問に感じたら、もう一度ダブルチェックしてもらうように必ずしていく。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
44 第17回 抗癌剤の投与量速度設定間違い。医師が流量を設定し他看護師Aのダブルチェックのもとトポテシン・レボホリナートを輸液ポンプ使用し開始した。部屋持ち看護師Bは開始後に抗癌剤名とポンプが作動しているかの確認は行ったがチェックリストを使用して確認をしなかった。夜勤看護師Cが抗癌剤が終了した際、流量がトポテシン125/hとレボホリナート174/hで設定されており、指示の流量の設定が逆になっていたことを発見した。トポテシンとレボホリナートのルートは交差していた。 投与開始時と投与中、輸液ポンプチェックリストを使用した確認が行えていなかった。点滴のルートが交差していた。ルートを辿った確認を行っていなかった。
  • 開始時、投与中に必ずチェックリストを使用した確認を行う。
  • 医師と看護師のダブルチェックの際は、ルートを辿り確認を行う。
  • 確認が不十分であった
45 第18回 アバスチン併用FOLFIRI療法(CVC・インフューザーポンプ)4クール目の患者に5%TZ250mL+トポテシン200mgを本来130mL/hで投与する予定であった。輸液ポンプのアラームで確認すると、流量が250mL/hに設定され、患者に投与されていた。医師へ報告し、患者は、化学療法終了後診察を受け帰宅となった。 当該患者の前の患者の流量が頭に残っていた。間違っていないという思い込みがあった。別の患者の滴下不良に気を取られた。
  • 開始及びボトル変更の10~15分で確認する。
  • 実施者以外の目で確認する。
  • ボトルと医師の指示、輸液ポンプの設定確認を行なう。
  • 流量を記載したカードを輸液ポンプに設置し照合確認を行なう。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
46 第18回 化学療法開始の患者で、イホマインド、1200mg、ソリタT3、500mLを3時間で滴下の指示を2時間で滴下と思い込み、患者に投与した。20分後に観察の為訪室した際に誤設定と気付き、3時間設定に変更した。 施行前にスタッフ2名でダブルチェックを行なったが、施行直前の確認不足、思い込みの為、事故を起こした。
  • 抗がん剤施行時、5Rの確認を行なう。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
47 第18回 エルプラット注射用80mg+5%糖液250mLの薬剤を2時間かけて点滴する指示を、1時間に250mL投与するように設定し、30分間違った速度で滴下していた。別の看護師が気付き医師に報告した。 看護師の確認ミスと誤った思い込みがあった。
  • 計算した速度を注射指示箋に記載し、それを看護師同士でダブルチェックする。
  • 患者と共に速度のダブルチェックをする。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
48 第18回 メインの点滴が40滴/hでポンプの流量設定がされていた。その日から60滴/hの指示に変更された。しかし流量を設定し直さなかった。日勤ではその間違いに気付かず、翌日に気が付いた。 指示の変更についてよく確認できていなかった。伝票をしっかりチェック出来ていなかった。その日から伝票が新しいものに切り替えられていたため、もともとの指示との変更点がわかりづらかった。ポンプの流量設定の確認不足。
  • ベッドサイドでの伝票との照らし合わせを十分に行う。
  • 指示を見ただけで曖昧な部分があった場合は、リーダーや主治医にきちんと確認をする。
  • ポンプの設定はラウンドごとにしっかり確認することを意識づける。
  • 確認が不十分であった
49 第18回 サンリズム1A+生食100mLを1時間で投与した。しかし、医師の指示は、1時間ではなく、15分であった。点滴終了時間になっても看護師より呼び出しがかからないため、医師が患者の様子を見にきて判明した。 点滴ルート準備をしながら、口頭で指示を受けた。その際、「1時間で」と言われた。(聞き間違えであったことも考えられる。)注射指示伝票で確認し、読みにくいが、「1」があったため、「1時間」でと思い込んだ。
  • 口頭で受けた場合、復唱し、医師に確認を求める。
  • 指示伝票での確認の際、読みにくい字は思い込まず、必ず確認する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
50 第18回 移植後日経過している患者で8時から4時間かけてサンディミュン2.0mLを生食100mLに溶解したものを投与する指示があった。4時間かけて投与することはわかっていた。伝票には「4時間で」と記載したが、つなぐとき100mL/hで投与し、1時間後に他の看護師の指摘で気付いた。 伝票確認時流量まで記載していなかった。8時は他にオキシコンチンの内服が重なっており、他のことに気をとられている状態だった。
  • 今後は5R確認時流量も記載し、確認した後投与前に患者と確認していく。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
【対象者間違い】
51 第17回 歯科外来で、抜歯予定患者と抗生剤点滴予定患者2名が診察を待っていた。抜歯予定患者のレントゲンを確認しながら医師が「先に点滴に行ってもらっておいて」と言ったため、クラークは抜歯予定の患者の処方箋を医師に手渡した。医師は、抗生剤予定患者に処方するつもりだったが、違う患者の処方箋に抗生剤の指示を記載した。抜歯予定患者に、その処方箋が渡され、患者は採血室に行った。採血室担当看護師が薬剤を準備し、患者に実施しようとしたが、すぐに歯科外来から、「患者が違っている」と連絡を受け、実施に至らなかった。 医師との指示伝達、コミュニケーションエラーがあった。「どの患者」の指示か、処方箋の氏名確認が不足していた。医師と歯科衛生士・クラーク等が業務の中で医師に声をかけにくい雰囲気があった。
  • クラークは、医師に処方箋等を渡す時に、患者氏名をフルネームで言う。
  • 医師は、処方箋の氏名を確認し、指示を出す時は、患者氏名をフルネームで言う。
  • 医師・歯科衛生士・クラーク間で言いやすい環境づくりをする。
  • 確認が不十分であった
     
  • 連携
52 第17回 A患者に処方されている点滴(塩化カルシウム)がB患者の名前で準備されていた。事前に指示簿を見たが、準備の途中で作業を中断した。作業再開時に再度注射簿の確認は行なわず、名前の書いてあるボトルをトレイに準備しB患者に投与した。他の看護師が受け持ち患者の点滴がないことを注射係に確認したことで間違いに気が付いた。 投与直前に注射伝票や注射簿コピーなどで確認していない。作業を中断したが、その後改めて確認作業を行っていない。A患者の点滴ボトルに間違ってB患者の名前が記載してあった。本来投与する患者と同時に時間外で処方されたもので、名前を記載する際に間違って記載してしまった。
  • 注射伝票または指示簿のコピーを携帯し、投与直前に照合確認するようにする。
  • 作業中断した際は改めて確認作業を行う。
  • 確認が不十分であった
     
  • 記録等の記載
53 第17回 経管栄養投与の患者が2名いたため、内服薬の準備を行った。患者Aはプレタール・ビソルボン 患者Bはワソラン80mgと他の散剤があった。処方箋を確認しながら準備をし、ワソランのみをすり鉢で砕き、容器に移した(名前の記載せず)。患者Aの内服の際、ワークシートにて名前を確認し、患者Aの内服だと思い込み投与した。その後、すぐに処方箋内に患者Aの内服薬が残っていることに気付いた。患者Bのワソランを誤まって患者Aに投与した。 投与する薬剤に名前の記載をせずに準備をしてしまった。処方箋で薬剤確認を行ったが、投与する時には記載のない薬剤をワークシートで確認したと思い込み、投与した。
  • 薬剤投与は全てを行って初めて確実な与薬であるので、ひとつひとつの確認作業を徹底する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
54 第17回 食堂に居た患者に就寝前薬を与薬した。食堂には他の患者も居られたため、患者Aに「Aさんですね」と確認したが、患者Bが「ハイ」と答えたため、ベンザリンを投与した。 患者確認が不十分であった。
  • 患者に自分の名前を名乗ってもらう。
  • 確認が不十分であった
55 第17回 化学療法施行患者が2名おり、抗癌剤がランダ注5mgしか違わない内容で同じ生食500mLに入り点滴準備場所に並んで置いてあった。その一つを自分の担当患者のものと思いこみ実施した。点滴滴下不良のため調整中に、もう一人の患者の担当看護師が間違いに気付いた。 思い込みと確認不足。同じような抗癌剤が点滴準備場所の同じ所に並んで置いてあった。
  • ベッドサイドに持っていく前、実施前に再度確認する。
  • PDAでも確認する。
  • 似たような薬剤は離して準備しておく。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
56 第18回 他患者の担当看護師から、自分が準備した点滴(5FU1250mg)がないと言われる。自分が施行した患者の点滴(5FU1350mg)が残っており、間違いに気付いた。主治医に報告し、不足分の5FU100mgを追加し、他患者の点滴は廃棄し、新しく作成した。 手術後の化学療法で同じレジメンを使用していた。施行時、思い込みで、確認が不十分であった。
  • 患者の治療内容を十分理解する。
  • マニュアルを遵守し、確認行為を徹底する。
  • 患者同士同じ部屋への入室は避ける、交換時間をずらす、責任を持って準備することを話し合った。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
57 第18回 化学療法で制吐剤の後抗癌剤をつなぐ予定であった。休憩に入るため制吐剤が終了したら抗癌剤をつないで欲しいと別の看護師に申し送った。患者より点滴がなくなったと連絡があったため、申し送られた看護師は抗癌剤を追加した。その後、間もなく別の化学療法中の患者より点滴がなくなったという連絡があり、追加しようとしたが抗癌剤が見当たらず、別患者の抗癌剤がつながれていることが発覚した。抗癌剤は同種類であり体内には5mg投与された。 抗癌剤は薬剤部でミキシングされ、ミキシングの連絡が入ると看護師がとりに行くシステムだった。入院患者を受け持っており、多忙な中、休憩に入らなければという思いでミキシングが終了しているかの確認を忘れていた。追加した看護師は、同病棟ではあるが化学療法の患者がもう一人別のチームにいたことを把握しておらず、置いてあった抗癌剤は申し送られた患者のものと思い込み、更に切り替えする際に患者確認を怠った。
  • 点滴の患者氏名表示を大きくする。
  • 患者確認を徹底する。
  • バーコードによる患者確認システムを導入する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
58 第18回 「患者Aの錠剤鑑別があがってきていない。夕方に飲ませる薬があるので、上げてほしい。」と連絡があった。当直薬剤師が薬剤部内を探したが、無かったため、その旨を連絡した。その後「他の病棟も探したが、見当たらない。」と連絡があった。当直薬剤師が当該病院に出向いたところ、他の病棟に上がっていた。確認すると、別の患者名で鑑別が作成されており、スキャンもその患者名で行なわれていた。 錠剤鑑別を行なう際、MDbankという鑑別ソフトを使って行なうが、毎回、患者名、患者IDの行うところ、直前に鑑別を行なった患者情報を削除するのを忘れており、そのまま、鑑別を継続してしまった。鑑査を行なった薬剤師も患者情報を十分に確認せずに、鑑別報告書を確認し、その後、鑑別依頼書を報告書と分けて、別の薬剤師に渡してしまったために、スキャンする際には名前の間違いに気付かなかった。
  • 複数患者の鑑別報告書を続けて作成する場合は、鑑別結果のみをクリアするのではなく、1回ずつソフトを閉じる。
  • 鑑別依頼書に「病棟」「患者名」「スキャン」のチェックボックスを作成し、確実に確認を行なう。
  • スキャンするまで鑑別依頼書と鑑別報告書を分けない。
  • 確認が不十分であった
     
  • オーダーリング時等の誤入力
59 第18回 朝食後、患者Aに間違って患者Bの内服薬(ハルナール1錠)を投与した。患者の氏名は一文字違いで類似しており、ベッドが隣同士であったため、与薬時に薬袋の氏名を見間違えた。患者Aに与薬後、トレイに置いていた患者Bの内服薬を探すと、患者Aの内服薬が残っており患者Bの内服薬が無くなっていたため間違いに気付いた。 本人と他患者の氏名は一文字違いで類似しており、ベッドが隣同士であったため、与薬時に薬袋の氏名を見間違えてしまった。ケアが必要な患者が何人もいるため、焦っていた。
  • 類似氏名患者は同室にしない。
  • 薬袋にも間違えないように目印をつける。
  • 与薬時には薬袋と患者氏名を確認する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
     
  • 患者の外見(容貌・年齢)・姓名の類似
【用法・用量間違い】
60 第17回 月~金に実施される5日分の化学療法用薬剤を受け、病棟の箱に保管していた。月曜日0時始まりの薬剤を日曜日の回診担当医師が調剤する際、「5FU500mg」のところ「5FU1000mg」を調剤した。看護師も気付かず患者に投与となった。月曜日10時に主治医が調剤する際、不足に気付き発覚となる。主治医、師長より患者へ説明と謝罪した。 ボトルへの用量記載に関しては、調剤者は「1000mgと記載した」とのことであり、投与者は「500mgと記載されていた」と記憶に相違があり事実は不明である。医師が調剤する際、看護師が側で内容の確認を行わなかった。5日分一括払い出しで、同じ箱に保管していた。
  • 1回ずつ払い出しへのシステム変更を検討する。
  • 医療従事者によるダブル確認を行う。
  • 確認が不十分であった
61 第17回 悪性リンパ腫の化学療法であるR-CHOP療法施行の患者。アドリアシン注射液の溶解剤である生理食塩液の液量を100mLのところ、誤って20mLで溶解し病棟に払い出した。病棟看護師が誤りに気付き薬剤部へ電話連絡があった。 アドリアシンは生理食塩液20mLで溶解することが多く、また抗癌剤であるアドリアシンの用量に気をとられ溶解剤の液量の確認を怠ってしまった。抗癌剤の調剤患者が多く締切時間に気を取られてしまった。
  • 溶解ボトルへのラベル貼布を注射薬調製前に行うことにより、誤調整を防ぐ。
  • 調整者同士による調整液量を含めてのダブルチェックを実施する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
62 第17回 化学療法(MF)中、ロイコボリンを投与予定だった。カルテでロイコボリン15mgと指示を確認し、同時に注射薬のラベルで1A3mgと確認したが、3Aしか取らず、そのまま間違いに気付かず投与した。夜勤の看護師より、2A余るので確認すると過少投与であったことに気付いた。 3Aで15mgと思い込んでいた。
  • 発見者の看護師が当病棟の消化器医師が当直であったため確認したが、追加で投与することはできないため経過観察となった。
  • 担当医には翌日朝1番で報告した。
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
63 第17回 膵頭部癌の患者に対して、○/6日~10日にTS-1を朝夕内服し、○/11日~13日は休薬するように化学療法のスケジュールが組まれていた。しかし、患者が○/10日の夕方に外泊した際、○/10日の夕分に加えて、○/14日から内服する分のTS-1を持参させたため、○/11日は休薬中であったが、内服してしまった。○/11日の夕方、休薬中であったことに本人が気付き、病棟に確認の電話をしたことにより発見となった。 ○/10日から与薬開始の内服薬と○/14日から内服となるTS-1が同じ処方箋上にあり、他の内服薬と同じように処方箋を組んでしまった。TS-1のコメントに「C○/14-○/17」と書いてあったが、それが投薬期間を表すと知らなかった。処方箋上には○/10日朝から投薬開始の薬もあり、処方箋を組むところから始めなければならず焦っていた。化学療法のスケジュール、処方箋のコメント、薬袋のコメントの確認も不十分であった。
  • 化学療法中の患者に対しては、化学療法のスケジュールを確認し、薬剤名・投与量・投与期間・休薬期間を把握する。
  • 処方箋上のコメントの意味がわからなければ、先輩看護師や医師に確認する。
  • 処方箋を組む際には、処方箋・薬袋を照らし合わせて、患者名・薬剤名、投与量、医師のコメントを確認する。
  • 処方箋を組むとき、患者に投薬するときには、確認項目を1つ1つ指で指し、自分自身がきちんと認識できるように、大きくはっきりとした声で確認する。
  • 知識が不足していた・知識に誤りがあった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
64 第18回 肺癌に対する抗癌剤(パラプラチン)を1コース目の1日量を150mgで投与した。偶然、ナースステーションにきた医師が化学療法用のワークシートを見て投与量が少ないのを不思議に思いプロトコールを確認するとクレアチニン値の入力ミスにより指示書が間違って計算されていた。本来、この患者の1日量は570mgであった。過少投与であったため患者への影響はなく、患者・ご家族に説明と謝罪を行い残りの420mgを投与した。 抗癌剤のプロトコール表は作成後に作成医師以外で担当科の専攻医(卒後3年目)以上の医師により確認されサインがされる。今回は、確認を怠ったために起こった事象である。また、プロトコールのデータが流れ抗癌剤をミキシングする薬剤師も確認を怠った。抗癌剤の実施手順がありながら遵守していない。
  • 手順遵守を徹底する。
  • プロトコール作成時の医師のダブルチェックを徹底する。
  • 医療スタッフ間の円滑なコミュニケーションを図る。
  • 確認が不十分であった
     
  • オーダーリング時等の誤入力
65 第18回 肺癌に対して、化学療法を実施する前日に抗癌剤内容を入力した。実施当日確認した際に、抗癌剤の内容が間違っていると勘違いをしてパクリタキセル(タキソール)340mg/body、カルボプラチン(パラプラチン)500mg/bodyを投与予定のところ、パクリタキセル(タキソール)500mg、カルボプラチン(パラプラチン)340mgと入力し、投与を行うところであった。パクリタキセル投与中、上級医が投与量の間違いを指摘した。 当事者の認識の欠如、注射内容を変更した際にラベルを貼り替えず、バーコード確認で×がでたにも関わらず、自分自身の判断で投与可能と指示を口頭で出した。似た名前の薬剤で気をつけ、当初は正しい投与量を処方していたにも関わらず、投与当日、前日処方内容が誤りと誤認した。
  • 単独ではなく、複数での確認をする。
  • 確認が不十分であった
     
  • 判断に誤りがあった
     
  • オーダーリング時等の誤入力
66 第18回 肺腺癌に対する化学療法施行。カルボプラチン及びパクリタキセル(TXL70mg/㎡)を初日に投与した。投与後、白血球減少(好中球減少)のために、8日目、15日目の投与は施行出来ず、G-CSF薬剤投与を開始した。血球減少改善ののち、2コース目を施行方針であったが、再度、好中球減少したため、1コース目の投与を見直したところ、体重の記入違いにより体表面積の値を間違え、過量投与となったことに気付いた。入院時、看護師が体重欄に身長を入力し、本来の体表面積1.50㎡であるところを2.38㎡となっていた。電子カルテの体表面積が違っていることに気付かず、その値で投与量を計算した。 看護師が体重欄にも身長の値を入力してしまったが、エラーをチェックするシステムがなかった。身長、体重の入力違いに気付ず、自動計算された体表面積から投与量を計算した。
  • 体重入力値が100kgを超える場合や(通常まれなケースと思われるので)体表面積が2㎡を超える場合には、確認画面が表示されるようシステム改善を検討中。
  • 確認が不十分であった
     
  • オーダーリング時等の誤入力
67 第18回 アバスチン+FOLFOX6の2回目投与の患者。化学療法室での治療は初回であった。検査データを把握したところ、尿蛋白3+であった。尿蛋白2+であればアバスチンは休薬と決められているが、診察の結果、休薬とならず、調剤も依頼されてしまっていた。薬剤部に調剤中止の連絡をしたが間に合わず、調剤されてしまっていた(アバスチンの金額149,877円)。主治医に確認後、中止となり、薬剤は廃棄された。また、この方は、2月の検査結果で尿蛋白2+であったが、3月、病棟で初回投与時に尿蛋白は再確認はされずにアバスチンを投与されていた。 主治医は尿蛋白を検査はしていたものの、尿蛋白3+という結果をアバスチン休薬の基準として重要視していなかった。
  • アバスチンが投与されれば、腎機能障害のリスクが高まる恐れがある。また、かなり高額であり、経済的損失も大きい。化学療法室においては、アバスチン投与患者は、必ず、尿蛋白も把握している。今後ももれがないように、確認を徹底し、異常があれば主治医に確認していく。
  • 外来とは再度相談し、血液データ以外にアバスチンが休薬になる可能性があるので、化学療法の患者には、出来るだけ看護師が付き、ポート穿刺の際に、再度検査データを確認することを習慣をつける。
  • 確認が不十分であった
     
  • 判断に誤りがあった
68 第18回 緊急入院にて当病棟入院。患者は持参薬のイレッサを入院前は隔日で内服していた。入院後、看護師は配薬で用意する際に誤って連日投与分の薬剤を用意し、患者は1週間内服した。 薬の袋には「1日おきに内服」と書かれていたが、見落としていた。外来カルテにも隔日投与と記載されていたが、情報がきちんととれていなかった。
  • ダブルチェックの際に十分注意する。
  • 外来処方分は外来カルテと照らし合わせ確認する。
  • 確認が不十分であった
【その他】
69 第17回 患児に投与されているIVHの輸液にはビタミン剤など混注されていた。火曜日のみボルビックスインボトルの指示であった。15時前薬剤作成時ダブルチェックにて薬剤作成した。準夜勤務者にワークシートと薬剤をチェックした際ボルビックスの混注忘れを指摘された。ダブルチェック時指差し声出しにて行うがボルビックスの括弧の上に準夜と記載されており、インボトルと記載されているにも関わらず準夜の投与と思い込み忘れた。 以前も同様のインシデントがあった。繰り返されているにも関わらず、意識が低く全てチェックするというワークシートチェックが基本にそって行えていなかった。
  • 準夜と思いこんだが、指示としてはインボトルと記載されているため投与方法の指示を見落とさないよう確認を行い、意識をもつ。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
70 第17回 DOB3mL/hで投与中の患者に医師がラシックスを静脈注射した。その後、IN・OUT締めの時間に、DOBのポンプの閉塞アラームが鳴った。ルートを確認すると、三方活栓がクランプされており、1時間45分で1mLしか投与されていなかった。 ラウンドでルートの確認を確実に行っていなかった。
  • 初回ラウンドでルートの確認を確実に行う。
  • 三方活栓が多数付いている場合には、一つ一つのルートを手繰ってどのルートが流れているのかを確認する。
  • 何らかの処置後には特に注意して元通りの状態になっているかを確認していく。
  • DOBのように微量を与薬するルートから他の薬剤をIVするのではなく、IV専用のルートを確保してもらう。
  • 確認が不十分であった
71 第17回 フルカリック2号の小室を開放せずに患者にかけてしまった。他の看護師が次のボトルを交換した後、前のボトルを破棄する際に小室が開放されていないことに気付いた。 遮光袋がかかっていた。確認が不十分であった。
  • 小室の開放・大室中室の開放は処置室で確認、病室でかける前に確認する。
  • 遮光袋がかかっていても一回はずし、開放を確認する。
  • 自分が作っていない薬剤を使用するときは、患者氏名・薬剤・混注内容をはじめから確認する。
  • 勤務交代時のラウンドで患者にかかっている点滴内容・ボトルの使用方法が正しいか確認する。
  • 夜勤帯は日勤より見えづらい環境であり、気付きにくいことを意識する。
  • 確認が不十分であった
72 第17回 入院処方監査した後に、3階病棟の処方を3階病棟行きのカゴに入れたはずが、他の病棟行きの定期処方分と一緒にしてしまった。その結果、3階処方分が他の病棟へ上げてしまった。他の病棟の看護師によって発見され、患者には、処方通り、投薬出来た。 入院処方監査後に各病棟カゴに入れてメッセンジャーなどにより病棟に上がっている。また、定期処方は、一緒にして払出している。同じ時間に監査をしているので、病棟が混ざってしまう。
  • カゴに入れる時に細心の注意を払って入れるように心がける。
  • 定期処方監査時にも臨時処方の監査も行うので、一緒にならないように注意する。
  • 諸物品
73 第17回 点滴抗生剤処方の際に、アレルギーチェックを怠り、患者にとってアレルギー(血小板減少)を起こす可能性のある薬剤を処方、投与してした。アレルギーに気付いた時点で抗生剤を変更し、血液検査にて血小板減少が起こっていないことを確認した。 患者のアレルギー歴が電子カルテ上に入力されていたが、アレルギー歴の確認という基本的なルールを怠り、アレルギー歴のある抗生剤の処方を行った。医療安全情報NO.58で薬剤に対するアレルギー体質の確認について警鐘したが共有できていなかった。
  • 電子カルテについては情報室会議に審議依頼中で改善する予定。
  • 改善がどこまで進んでいるか確認する。
  • 確認が不十分であった
74 第17回 IVHからビーフリード+ビタノイリンがメインで注入されていた。また側管からは塩モヒ、ドルミカムが注入されていた。ラインは交換後7日目であった。輸液パック内に結晶化が認められたため、メインの輸液とラインを全て交換した。院内ルールに従って残った薬剤を、パック・ルートごと検査に提出した。その後、ビーフリードとドルミカムが配合禁忌であるとの回答があった。 薬剤の配合禁忌に関する知識が不足していた。観察が不足していた。CVルートがシングルでワンルートからの複数・多種類の薬剤投与、アクセスがあった。
  • 配合薬についての再教育を行う。
  • 薬剤安全情報を活用する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 知識が不足していた・知識に誤りがあった
75 第17回 患者のところに薬袋BOXを持っていき、2種類の薬袋から、一袋ずつ確認しながら薬を出した。2種類のうち水曜日朝・夕で内服のリウマトレックスの薬袋があり、水曜の把握は行った。しかし本日が水曜日であったとの認識がなく配薬を忘れた。 朝のカンファレンス出席で、慌てていたため確認が不十分になってしまった。
  • 曜日・日付認識を持ち、配薬時は薬に集中する。
  • 忙しいからこそインシデントは起こりやすいということを意識し、確認をする。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
76 第17回 15時頃、看護師が化学療法で5-FU(全量92mL)をインフュージョンポンプで46時間かけて持続投与する予定であった。インフュージョンポンプを接続する際、流量制御部を患者の肌に密着して固定することに気が取られ、クランプを外すことを忘れたため、薬液の投与が開始できなかった。翌朝8時、医師が回診し薬液量が減っていないことを発見した。 流量制御を固定する作業に気を取られやすく、ルート全体の確認を怠った。投与開始後のポンプの残量チェックが曖昧であった。2mL/hと極少量ずつの投与であるためバルーンの大きさの変化に気付きにくかった。固定するネットに隠れていたため確認が遅くなった。
  • ルート確認時は、刺入部からインフュージョンポンプの先端まで見直す。
  • インフュージョンポンプの残量確認は、ポンプを垂直に立てて行う。
  • 確認が不十分であった
77 第17回 患者は抗がん剤を2回・日投与していた。レジメン登録されており、午前投与分は薬剤部が作成・病棟に上げていた。しかし、医師が夜間分を誤って午前中に作成し、看護師が投与した。両方とも薬剤の内容は全く同じであり投与時間は書かれていなかった。また、実際投与分の薬剤は開始時刻を過ぎた時刻に薬剤部よりあがってきた。PDAでの認証は当日分であったため実施できた。 薬剤の内容は一致していたため、患者に実害はなかった。投与時間が異なったラベルを認証してしまったため、訂正し正しいラベルと交換した。また、薬剤部よりあがってきた分の抗がん剤は返却し、夜間分の薬剤を再準備した。
  • レジメン登録されているかの確認を確実に行う。
  • また、登録の有無が皆に周知できる方法を考える。
  • 薬剤投与の際に認証が実施できても、投与内容・時間に誤りがないか細かく確認する。
  • 医師にもシステムについて説明し、ミキシング認証も十分確認して実施してもらうよう伝える。
  • 確認が不十分であった
78 第17回 化学療法中の患者がTS-1を内服し忘れた。 TS-1を内服していたが、ラウンド時患者が不在で内服確認が出来なかった。その後再訪室を行ったが不在であり、準夜勤務に申し送り、ワークシートを渡す時間となってしまった。その際、ワークシートの内服や点滴実施サインがきちんと全て記入されていない事を思い出し、確認してない事にもかかわらず、実施の印鑑を押してしまった。
  • 内服確認は本人と内服薬の名前、数ときちんと行う。
  • 内服後、不在になる場合は、ヒートを残してもらうよう患者にもお願いする。
  • ワークシートはチェックとして活用するよう指導する。
  • 確認が不十分であった
79 第17回 A病棟から転棟した白血病の患者を日勤で担当した。グリベックの内服は、1回ずつ看護師が手渡ししていた。病棟薬剤師が残薬を確認し、医師にグリベックの継続処方を依頼したが、主治医は○/9の化学療法開始から中止していると返事があった。しかし、A病棟の看護師は、化学療法終了の○/13にグリベックの再開を研修医に確認し、再開と指示をうけた。そして翌日の○/14に研修医のオーダーでグリベックの処方がされていた。○/15に当病棟に転棟となり、転棟の時の申し送りでもグリベックが投与されていることも伝えられていた。グリベックは○/13~○/21まで投与されていた。 主治医と研修医との間で治療に関する意思統一ができていなかった。看護師も抗がん剤の投与計画など、この患者の治療計画を理解していない。血球減少の副作用があるグリベックを点滴での抗がん剤投与(メソトレキセート・キロサイト)後血球減少時期に投与することのリスクを考えられていない。抗がん剤の指示を研修医から受けている。研修医が主治医に確認せずに抗がん剤を処方している。主治医もカルテ上、抗がん剤の処方があるが見落としている。抗がん剤内服開始の指示を受けているが「患者メモ」を活用しているだけで記録に残っていない。
  • 抗がん剤治療を行う患者の治療計画を主治医と看護師も一緒に話し合い理解する。
  • 抗がん剤に関する学習を深める。
  • 抗がん剤の指示を研修医に確認せず、主治医に確認する。
  • 患者メモで指示を受けるのではなく、記録に残るようにする。
  • 確認が不十分であった
     
  • 知識が不足していた・知識に誤りがあった
     
  • 連携
80 第18回 化学療法予定の患者に対し確定入力が実施になっていたので、抗癌剤を調整室で薬剤師が調整し、化学療法室の看護師が前投薬も用意し、患者の来院を待っていたが患者は来室しなかった。電子カルテを確認したが施行・中止ともに記事の入力はなかった。医師に電話で確認すると入力ミスであったことがわかった。患者へ抗癌剤の料金は請求されていなかったが、調剤された抗癌剤は破棄となった。 医師が間違って入力したため抗癌剤が調整された。
  • 担当医師は抗癌剤の実施と中止を慎重かつ確実に行なう。
  • オーダーリング時等の誤入力
81 第18回 本日朝よりTS-1が内服開始となる予定であったが、処方オーダー発行されておらず処方されていなかった。夜の内服時間に、薬剤師が気付き指摘され、内服開始となった。 本日よりTS-1が開始となる予定であったが、オーダー発行されておらず処方されていなかった。医師が異動したばかりであった。内服は、意識が薄れ易い。前日の状況は勤務者に確認予定であるが、前日日勤、深夜最終のワークシートチェックの際に気付かず(深夜は新人)、服薬カレンダーも出ていなかった。当日も点滴薬のレジメン照合は看護師ダブルチェックで行なっていたが、内服に関しては処方されているものと思い込み、確認を怠った。
  • 化学療法メニューの内容についての確認を徹底し、前日のレジメン照合、ワークシートチェックの際に点滴と内服の処方がされているかを確認する。
  • 服薬カレンダー運用を徹底する。
  • 患者の治療内容をしっかり意識し、与薬管理を行ないアセスメントを行なう。
  • 本ケースの事例分析を行なう。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
82 第18回 化学療法2日目。カイトリルとリンデロンの内服がプロトコールでは開始予定であったが、処方漏れがあり気付かず。準夜に内服をしていないことを指摘され、処方漏れに気付いた。 処方漏れに気付き当直医師へ処方してもらい遅れて投与した。
  • 化学療法の指示をもらった場合は、当日の点滴指示のみでなく、翌日から飲む内服など一連の治療の指示まで確認する。
  • ワークシートチェックの際はレジメン・プロトコールを確認するようにする。
  • 確認が不十分であった
83 第18回 朝からTS-1再開の予定だったが、現在使用している内服指示簿の2ページ前に記載があったためその指示に気付かなかった。薬剤は開始ボックスに入っていた。夕の配薬時に遅番が気付き、朝内服していないことがわかった。 朝の情報収集時十分確認出来ていなかった。指示が1ヶ月先まで出ており把握出来ていなかった。カルテ記載はあるが数ページ前までは確認しにくい。
  • 配薬前に必ず開始前ボックスも確認する。
  • 医師へも短期間の指示出しをするよう依頼する。
  • 確認が不十分であった
84 第18回 抗癌剤投与予定の患者、入院時の体重を温度板に記載間違いをした。実際は37.5Kgを50Kgと記載。画面入力は37.5Kgで間違いなかった。医師は温度板を見て体表面積を出し、投与予定表を提出した。化学療法当日、薬剤師から連絡あり、身長と体重再測定したところ温度板の誤記入が発覚した。抗癌剤は混合されれておらず、患者へも投与されていない。 当事者はクラーク代行をしていた。単純な記載ミスであった。
  • 体重記入した際はもう一度名前と値を再度確認する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 記録等の記載
85 第18回 5FU2200mg、デカドロン4mg、生理食塩液36mLが充填されたシュアヒューザーを自宅に持ち帰って、46時間で5FUが投与される治療であった。しかし、患者が治療終了当日に来院すると、シュアヒューザーポンプがクランプされており、まったく投与されていない状況であった。 集学的治療センターでは過去に2度、同様のインシデントを起こしていた。その対策として、医師、看護師がダブルチェックを行なって、治療プロトコール表のクランプ開放を確認した際に、チェックとサインをすることになっていた。しかし、医師はクランプをはずしたつもりでサインをしており、看護師はクランプ開放を確認せず、さらにサインも行なっていなかった。
  • 集学的治療センターの専任医師と専任看護師でカンファレンス予定。
  • チェックとサインを徹底する。
  • 繰り返し行なっている患者にも、毎回確認してもらうよう指導を強化する。
  • 次回、同様のインシデントが起きた場合には、閉塞アラームがなる器械の導入を検討する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
86 第18回 患者は、「のど全体が火がついたように熱くなって痛い。鎖骨の間に物がつまったような感じがある」と看護師に訴えた。医師が診察し、アレルギーを疑った。確認すると、患者には、ブスコパンとロキソニンとボルタレンのアレルギーがあったが、内視鏡でブスコパンを使っていることがわかった。 電子カルテには入力してあるが紙カルテは入院時にアレルギーの有無のみ記載、カルテの表などには明記してなかった。同意書の確認項目にはなかった。独歩患者で一人で検査室に出棟しているため病棟看護師から内視鏡室へ申し送っていない。医師は電子カルテは見ず内視鏡検査を行なっていた。
  • 現在のシステムでは、内視鏡室と病棟が情報共有出来ないので、必ず、実施前に電子カルテのアレルギー欄を確認する。
  • 将来的には電子カルテのオーダー依頼画面にアレルギー欄の入力が反映するよう検討する。
  • 病棟での情報は、検査室に申し送りを行う。
  • 多数の薬剤でアレルギーのある場合、薬剤科で登録を行い、薬剤師が患者指導を行う。
  • 確認が不十分であった
     
  • 記録等の記載
87 第18回 指示によりヒューマリンRを準備し点内に混注したがヒューマリンの使用期限が切れていた。 緊急手術で忙しく薬剤を用意する際、有効期限を確認出来なかった。
  • 準備する薬剤は薬品名だけでなく使用期限も確認する。
  • 薬剤部に毎月薬剤のチェックをお願いしたい。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
88 第18回 (麻)フェンタニル、(準麻)ドルミカムを輸注ポンプにて持続投与していたが、残薬がある状態で中止となった。輸注ポンプを片付ける際、残液あるのに、誤って破棄してしまった。リーダー看護師は、担当看護師が破棄しているところを発見した。 今まで、麻薬や準麻薬に関して準備中や投与前・投与中の管理に関しては気を配るよう注意していた。また、持続投与中の交換時も残0で交換するよう注意していた。しかし、残ありで中止となった場合の管理方法がしっかり頭に入っていなかった。
  • 今後、中止となった場合の管理方法を再度確認し、破棄することないよう確認・管理を徹底していく。
  • 残液再度確認し、返却のため金庫に保管する。
  • 知識が不足していた・知識に誤りがあった
89 第18回 患者は人工呼吸器装着中であり、鎮静のためセレネース2A+レペタン2A+ドルミカム5A+生食36mLを使用していた。当事者は6時にドルミカム入りの注射器交換(シリンジポンプ使用)を行ない、1時間半後再び訪室し、薬液を確認したところ、ドルミカム入りのシリンジ内と延長チューブ内が黄色に変色していることを発見した。また、シリンジと延長チューブの接続がゆるくなっており、薬液が漏れ出ていた。当事者はドルミカム入りのシリンジポンプの作動を中止し、新たに薬液を作製し、ドルミカム入りの注射器と延長チューブを交換した。主治医は薬剤部に変色の件を報告し、配合禁忌を調べてもらった。薬剤部よりセレネースとドルミカムとレペタンは一緒に詰めると配合変化が起こることがあると返答があった。 セレネース、レペタン、ドルミカムと続けて吸ったため配合変化が起きたと考えられる。薬剤部より配合変化の情報がなかった。
  • ドルミカム、レペタン、セレネースをシリンジに吸う時は、それぞれの間に生食を詰め、配合変化が起きないように注意した。
  • カーデックスにドルミカムなどを詰める際に注意するようメモを残し、情報を共有した。
  • 確認が不十分であった
     
  • 知識が不足していた・知識に誤りがあった
90 第18回 肺がんにて化学療法を行なっていた患者は骨髄抑制が強く、38度台の発熱があった。担当医の指示によりクラビットが内服開始となった。薬剤は患者が自己管理していた。その3日後、再度発熱あり、意識レベル低下や喀痰などの症状出現した。主治医はマキシピームの投与を指示し、その後も朝夕実施していた。マキシピーム投与3日後の夕食時、患者がクラビットが明日の朝でなくなると言われ、クラビットの内服が中止されていなかったことに気付いた。 指示受け時及び初回投与時に、同効薬の投与がされていないかの確認が出来ていなかった。患者と家族に薬剤の管理を任せていた。主治医と担当医でそれぞれの指示が出されていた。
  • 指示受け時及び初回投与時に、同効薬の投与がなされていないかを確認する。
  • 異なる医師が指示を出しているときは、特に注意して指示受けを行う。
  • 患者が管理している薬剤についても、患者の状態に合わせて定期的に内服の有無や残量などの確認を行う。
  • 確認が不十分であった
91 第18回 外来患者の院外処方において、調剤薬局より疑義照会があった。その内容は、休薬期間になるはずのTS-1が処方されているが問題ないかというものであった。主治医に確認したところ、間違いであって当該処方は取消しとなった。 オーダリングによる処方がなされた。
  • 治療スケジュールを十分に確認する。
  • 確認が不十分であった
92 第18回 イレウスのため治療中の患者のワークシートには「ヨード禁」と記載されていた。患者はCVC挿入中であり、本日CVC包交を実施した。消毒の際、スワブスティックを使用した。その直後、患者から「ちょっと痒い」という発言があり、この患者がヨードアレルギーであったことに気付いた。すぐにアルコール綿でヨードを拭き取った。 確認不足であった。これまでスワブスティックを安易に使用していた。
  • ヨードやアルコール、造影剤など、アレルギー症状が出現する可能性があるものを使用する前には必ずカルテと本人に確認する。
  • 確認が不十分であった
93 第18回 患者は、手術の10日前からニチアスピリンを休薬していた。入院当日、朝食後薬を服用せず来院、昼食後内服するよう医師から指示があった。一旦預かった内服薬から一包化された朝食後薬を患者に渡し服用してもらった。その後、薬調べの際その中にニチアスピリンも入っていたことがわかった。医師に報告し、手術は予定通りまま2日の手術は行なわれることとなった。入院前日までの処方分の朝食後薬のニチアスピリンは抜かれていたが、その翌日から新たに処方された分にはニチアスピリンが中止されていなかった。 自己管理しており、ニチアスピリンは休薬されていると思い込んでおり、確認を怠った。朝食後薬を早く飲んでもらわないとと思っていた。外来と在宅との連携ミスがあった。
  • 一包化されていても、処方箋と確認する。
  • 手術前の中止薬をしっかりと伝え連携する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
     
  • 連携
94 第18回 患者に点滴とスポラミン1Aを筋肉注射の指示が出た。内科処置室にてカルテ内容を確認し混注した。外科処置室看護師がその点滴を引き受けた。筋注施行前に、看護師が前立腺肥大の既往があることに気付いた。 医師が指示を出したので、信じてしまった。カルテの既往歴を確認していなかった。患者に急かされた上処置室内に沢山カルテがあり、慌てていた。
  • 指示があっても必ず、カルテの既往歴を確認する。
  • 忙しい時こそ落ち着いて確認する。
  • 薬品棚に、禁忌の病名を明記する。
  • 確認が不十分であった
     
  • 心理的状況(慌てていた・思い込み等)
95 第18回 帝王切開の術後の点滴を実施し、4時間後にその点滴内にアトニンの混注指示が出ていることに気付いた。医師に確認したところ、手術室での申し送りを受ける際に看護師にアトニンを混注することを言ったとのことであったが、その看護師はその発言に気付かなかった。 医師と看護師のコミュニケーションが不足していた。口答指示が曖昧だったため確認として点滴追加の際は要注意することを徹底する。
  • 医師その間の出血状況、子宮収縮状態を報告、2本目より混注していくこととなる。
  • わかるように指示を出す、急な指示は臨時注射箋とともに看護師に声をかける。
  • 新しい指示が出ていないかダブルチェック時に患者スケジュールを確実に確認する。
  • 医師の声に耳を傾ける。
  • 術後パスに追加する際は、臨時注射箋を看護師に渡すことを徹底する。
  • 連携