独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

平成22年度 第1回医薬品・医療機器安全使用対策検討結果報告(医療機器関連事例) 別添3

本文別添1別添2|別添3

 

情報不足のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例(事故事例)

  No. 報告回 事故の
程度
分類 事例の内容 背景・要因 改善策 調査結果
  【X線検査】








1 第19回 障害
の可能性
なし
機器 急性心筋梗塞のため冠動脈造影及び治療中にX線装置(Cアーム)の安全装置の不具合により、頻回にアラームが解除出来ず、検査、治療の進行が遅れた。また、故障前後に心停止となり、検査台が動かない状況と重なった為、心肺蘇生治療の質が不十分になった。故障発生後、放射線技師に連絡、点検、応急処置を依頼、しばらくして検査および治療が再開できた。 機器の故障。
  • メーカーへ情報を送り、改善を頼んだ。
  • 情報の共有化をはかる。
X線装置のアラームが解除できなかったとのことであるが、製品名等が不明であり、検討困難と考える。
  【MRI線検査】
放射線検査関連事例 2 第19回 障害
の可能性(低い)
その他 患者は交通事故による頚髄損傷疑いの方で、数箇所の擦過傷があった。救命救急センターより、緊急性の高い患者として頚椎MRI検査の依頼があり、検査を施行した。種々の医療器具および処置の施されていた患者であるが、安全項目を確認、心電図電極や他のリード線など全て除去して検査に臨んだ。4度目の撮影方法である矢状断T1WIの終了直前、患者がブザーを鳴らし始め体動が始まったため、担当技師は撮影を即時中断、技師と担当医師が検査台を出して問診したところ、患者は左臀部の著明な熱感を訴えた。同部は比較的深い擦過傷の部位であった。MRI撮影に伴う高周波が、擦過傷部位を刺激したものと思われた。放射線科医がカルテを照合しながら、包帯と擦過傷の間に乾いたガーゼを数枚重ねておいた。矢状断面のみでは損傷の有無が確定できず、検査続行の必要性と熱感の原因、および注意事項を患者に説明し、検査の続行の了解をえた。MRI高周波の軽減を試みたが、撮影時間が15分を超えると思われ断念した。3番目の撮影方法であるT2WIでは熱感がなかったことから、繰り返し時間の短い撮影法が原因と推定し、横断像のT1T2WIの条件が繰り返し時間が長いことを確認して検査を行い格変なく終了した。主治医グループに経過を説明し、擦過傷部分を確認して貰ったところ新たな損傷はなかった。 該当MRI装置の脊椎検査では、他患者からも軽度の熱感がしばしば訴えられる事から、担当メーカーに問い合わせをすることとした(導入時にも同様の経緯で一度撮影条件を変更している)。型どおりの安全チェックでも死角のあることが判明した。また本例では通常発熱の生じやすい条件が問題なく、一般的な撮影法で強い熱感が生じた。検査室側の対応は臨床的にも安全面からも的確と思われる。湿布、塗布剤、医療用パッチ、体表面の湿気、あるいは皮膚面の接合は、MRIに起因する熱傷の要因である。また患者の発熱も、38度を超えた場合は熱傷の誘引になり得る。今回、擦過傷で皮下組織が露出、同部に湿った包帯が当てられていた事が強い熱感の原因と考えられた。
  • この事象についてのカンファレンスを行った。
MRI撮影中の患者が擦過傷部の湿った包帯によって熱感を感じたとのことであるが、一般に湿った包帯が当てられていただけでは熱感を感じることはなく、塗布剤の使用、人体やケーブル等による高周波ループの形成等の要因が考えられる。しかしながら、当該事例に関するMRI撮影中の状況等の詳細が不明であり、検討困難と考える。
放射線検査関連事例 3 第19回 死亡 その他 救急車にて来院した心肺停止状態、徐脳硬直を不随意にとる患者をMRI撮影した。開始10分後、下肢の動きがあり中断した。両下肢発赤しMRIから引き出すと頭部膨張しカバーに挟まった状態であり、体幹四肢は風船のように膨張している事が判明した。その後、呼吸停止・心肺停止し死亡。心肺停止後の全身CTでは全身の皮下気腫、筋層内気腫、気胸、腹腔内フリーエアーを認めた。 原因不明
  • 患者側の要素かMRIの問題か原因が解明できない。
MRI撮影中に全身に皮下気腫等が認められたとのことであり、当該事例と思われる報告が当該企業からもなされているが、検証の結果、当該機器に異常はなく、原因等が不明であり、検討困難と考える。
 

情報不足のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例(事故事例)

  No. 報告回 事故の
程度
分類 事例の内容 背景・要因 改善策 調査結果
  【速度間違い】



4 第19回 障害なし 実施段階 肝不全、腎不全の患者に対し、24時間持続でピーエヌツインを投与していた。朝10時に更新予定であったが、4時半に終了した。輸液ポンプを使用していたが、予定より5時間半早く終了した。投与量としては、約500mL少ない状況であった。早く滴下したのか、投与量が不足していたのかは不明である。予定量が早く滴下してしまっていたならば、点滴を続行することは過剰投与になると考え、当直医に報告せず、一旦ロックした。朝、主治医が来棟した時には、朝の採血依頼をしなければいけないことに気を取られ、報告を忘れた。朝の採血結果で、低血糖、アシドーシスが進みメイロンを投与した。 高カロリー輸液が治療の一環であり、それを看護師の判断で中止してはいけないという認識が薄かった。肝不全患者の代謝(耐糖能)に関する知識が不足していた。輸液バッグに指示通りの薬剤がすべて混注できていない可能性がある。輸液ポンプと点滴ルートのセット不具合が否定できない。
  • 24時間持続投与の輸液(特に高カロリー輸液)が中断してしまうような事があった場合には、その後の対処方法について、必ず医師に報告し、指示を仰ぐ。
輸液が予定よりも5時間半早く終了したとのことであるが、製品名等が不明であり、検討困難と考える。
 

情報不足のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例(ヒヤリ・ハット事例)

  No. 報告回 事例の内容 背景・要因 改善策 調査結果
  【その他】








5 第19回 病棟から心臓カテーテル室に搬送され、緊急カテを行なった。ベッド移動し、人工呼吸器を病棟のポータブルタイプから心臓カテーテル室のものに接続したが、その際、病棟のポータブルタイプのYピースが閉鎖式吸引チューブの吸引接続口のキャップに取り付けれられていたことが判明した。Yピースの接続先が間違っていることに気付いた病棟看護師がすぐに気管内挿管チューブに接続しなおした。 不明 不明 人工呼吸回路のYピースを閉鎖式吸引チューブの吸引接続口のキャップに誤接続したとのことである。閉鎖式吸引チューブを取扱う各企業に問い合わせたが同様の事例は収集されておらず、また、接続時の状況等も不明であり、検討困難と考える。
【呼吸器本体】 
6 第20回 人工呼吸器E500の呼気フィルタスイッチ部が点滅していた。スイッチを触ったところ、火花が散り、スイッチが入らなくなった。呼吸器本体は、正常に作動していた。 準夜看護師より電話で発生状況を聞き、人工呼吸器本体の交換が望ましいと判断した。この時、人工呼吸器本体の作動は問題なく、患者のバイタルも安定していることが確認できた。患者受け持ち医師に連絡し、呼吸器本体の交換を依頼した。医師が用手式人工呼吸器に呼吸補助を行い、人工呼吸器本体の交換を行った。また、同じ人工呼吸器使用中の患者の病棟に点検に回った。しかし、同じようなトラブルは起きていなかった。
  • メーカーに調査依頼中。
製造販売業者に当該事例について問い合わせたところ、当該呼気フィルタ加温器の電気回路内部での接触不良によりスイッチ部のLEDが点滅し、過電流となりヒューズが切れたものと推察されるとのことであった。しかし、該当する事例や修理依頼等の報告は収集されていないとのことであり、詳細不明のため検討困難と考える。
 

情報不足のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例(ヒヤリ・ハット事例)

  No. 報告回 事例の内容 背景・要因 改善策 調査結果
  【核医学検査】








7 第19回 核医学検査にて設定されている収集エネルギーと実際に収集されているエネルギーがずれてしまっていた。電源再投入で再度検査をやり直したが、一部検査結果がでないものがあった。 不明 不明 設定された収集エネルギーと実際の収集エネルギーがずれていたとのことであるが、製品名等が不明であり、検討困難と考える。
 

情報不足のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例(ヒヤリ・ハット事例)

  No. 報告回 事例の内容 背景・要因 改善策 調査結果
  【熱傷】







8 第20回 電気メスで円錐切除中、腟内に留置していた綿球に引火し肛門付近に熱傷を負わせた。 肛門付近の火傷をしたと思われる発赤部位にリンデロンVG軟膏を塗布。処置後患者には火傷をしたことを簡単に説明し、翌日再診をすることとなった。
  • このような事例の場合、患者及び家族への説明時に看護師が積極的に同席し、患者及び家族の受けとめを把握し説明の補足や外来看護師への情報提供を速やかに行うようにする。
電気メス使用中に膣内に留置した綿球に引火し、肛門付近に熱傷をきたしたとのことであるが、使用状況等の詳細が不明であり、検討困難と考える。
9 第20回 執刀医が電気メスの先で患者の左口唇に触れた時に、突然(スイッチを押さない状態で)通電し、口唇を損傷した。 再現テストにより電気メスを強く振ると自然にスイッチが入り、通電する減少が見られた。電気メスコードは50~100回再使用可能なリユーザブルのものであった。
  • 執刀者の使用直前点検の実施。
  • リユーザブルの電気メスをディズポーザブルに変更。
電気メスを強く振ると自然にスイッチが入ったとのことであるが、製品名及び使用状況等の詳細が不明であり、検討困難と考える。
 
【不明】
10 第20回 麻酔後、手術開始直後に使用するレーザーを立ち上げたが、エラーが発生し使用不能なため手術が中止となった。 不具合が生じたレーザーの本体は、当院の機械は修理中であったため、代替機として業者から来ていた機械であった。この代替機のメーカーの検査によると、不具合の原因として電源をONにした際に、セルフチェック機能がうまく作動せず、使用できる状態に立ち上がらなかったことがわかった。また、取り扱い店が県外であり、対応できる機械もなかったため、バックアップ体制にも問題があった。後日、業者より「器械の修理担当者は担当地域に一人しかいない」という事を聞き、バックアップ体制の強化を依頼した。
  • 院内では、このレーザーを使用しない日でも、毎日電源を入れて立ち上がりを確認すること、ME機器担当者と手術室看護師はメーカーから異常確認などについて指導を受ける。
  • メーカー、取り扱い店からは、3重のバックアップ体制と、保守管理点検を年4回行うことについて報告があった。
セルフチェック機能の動作不良によりエラーが発生し、使用不能になったとのことであるが、製品名等が不明であり、検討困難と考える。