独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

平成22年度 第3回医薬品・医療機器安全使用対策検討結果報告(医薬品関連事例) 別添3

本文別添1別添2|別添3

情報不足等のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例(事故事例「放射線検査」)

No. 報告回 事故の
程度
検体の
種類
事例の内容 背景・要因 改善策 調査結果
【CT検査】
1 第21回













これまで、造影剤使用によってショックを起こしている肝臓がんの患者。今回、肝臓がんの評価の為、造影CT目的で入院。ショック時に対応する為、医師が3名付き添いCTを施行した。施行中、HR80台、意識清明であった。CT終了後、帰室時に、1階エレベーター前で、HR100台に上昇、眼球上転し、呼びかけに反応しなくなった。点滴全開し、下肢挙上し、造影剤アレルギー疑いで緊急外来に移送した。緊急外来にて、イノバン10m L /h、酸素(リザーバーマスク)開始した。HR120~130台、血圧50台、SPO2 78~82%で経過。ソルコーテフを側管から点滴し、ノルアドレナリン3mL/h で開始した。呼びかけに反応あり。その後、SPO2 96~98%に改善した。血圧50~60台、HR140~150台となり、イノバン8mL/h へ減量、ノルアドレナリン5mL/h に増量となった。バルン挿入後、緊急病棟へ移送した。 CT造影剤のアナフィラキシーショック。
  • ショックを起こす可能性が高かった為、医師、ナース付き添いの元、検査を実施した。廊下やエレベーターという移動時に急変する可能性を考え、事前の前投薬の検討や救急体制を万全に整える必要があった。
造影剤による副作用症状と考えられるが、造影剤の種類等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
 
2 第21回












胃癌再発を認め、入院にて化学療法を行っていた。38℃前後の発熱あり、腫瘍の評価を含め、CTを考慮した。以前、造影CT検査の実施時に発疹あり、アレルギー症状出現の可能性を考え、単純CTを予定していたが、本人より造影CTを強く希望され、造影CT検査を施行した。検査施行後、意識消失・血圧低下・失禁あり。緊急コールし、心臓マッサージ施行し、30秒程度で意識の回復を認めた。発疹・皮膚紅斑・呼吸困難などはなかった。意識回復後は、全身状態・バイタルサイン共に安定した。 以前の造影CTにて副作用があったが、副作用に対する対策が不十分であった。
  • 造影CT検査での副作用が考えられる場合、緊急対応できる体制をとり施行する。
造影剤による副作用症状と考えられるが、造影剤の種類等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
3 第21回














消化器外科の手術予定患者が外来CT検査時に造影剤によるアナフィラキシーショックを起こした。造影剤使用の既往はあったが副作用はなかった。同意を取った後検査を開始した。造影剤を30mL 注入した時点で皮膚掻痒感を訴えた。その後急激に血圧低下、呼吸状態の悪化があった。救急コールで応援要請し、ステロイド、エピネフリン使用した。薬剤使用後症状は、早期に回復した。 CT検査の際の造影剤によるアナフィラキシーショック。
  • 検査時の患者急変時の対応を再度確認した。
造影剤による副作用症状とも考えられるが、造影剤の種類、患者の原疾患及び既往歴等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
4 第21回












患者は造影CTを施行することとなった。ラクテックでルートキープを看護師に指示し、右前腕皮下静脈にルートキープした。造影剤(イミオパロン)を注入する際、約40mL程度皮下に漏出した。CT室で医師はラクテックの三方活栓に造影剤を接続し、放射線技師に造影剤の注入を指示した。造影剤注入時、患者の横で気分不良や手の疼痛について確認した。患者は疼痛、気分不良等は訴えなかった。30mL程度注入した際に患者の点滴注入部の腫脹を認め、造影剤漏出と判断し、放射線技師に造影剤注入中止を指示した。その後、患者は疼痛を訴えた。
インシデント発症後直ちに上級医に報告した。薬剤科に連絡し、抗癌剤のような細胞毒性はなく、通常の点滴漏れの対応で良いが場合によってはステロイド注射の必要があるとの回答を得た。腫脹(10×8cm)を認めたが、発赤や疼痛なく、ステロイド注射は見送ることとした。患者に造影剤の漏出があった事を説明し、発赤、疼痛、気分不良、熱感等を認めた場合は再度医療機関を受診するように伝えた。また、翌日の救急外来は皮膚科の医師がいるため、明日来院するのであれば、当院の受診を勧めた。患者は良好に納得し帰宅した。
ラクテックの滴下を確認せず、三方活栓を閉め、造影剤を注入した。
  • 造影剤注入前に点滴滴下を確認する。
  • 注意深く刺入部を確認する。
イミオパロンの注入の際、皮下に漏出等を認めたとのことであるが、手技を含め原因等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
【核医学検査】
5 第21回








RI室にて肺血量シンチ検査のアイソトープ注射の際、右正中皮静脈に注射針を穿刺すると、患者が疼痛を訴えたため直ちに針を抜去、穿刺部位を橈骨皮静脈に変更し、注射を行った。この部位での疼痛の訴えはなかった。担当医は、翌日に注射部位の疼痛が出現し、内科主治医よりビタミン剤の投与が既に開始されていることを検査終了3日後に知った。患者は、「このような痛みは初めてだ」と検査時に話していた。検査中、検査後にも穿刺部の痛みの訴えはなかったので、当該病棟への事象についての連絡を行わなかった。 穿刺直後に疼痛の訴えがありすぐに抜針し別の部位から注射を行っており、手順通りの手技である。チーム医療を活かし患者が神経症状を訴えた場合は、RI・CT等の放射線技師は当該病棟に連絡することと、患者に異常があればすぐに病棟看護師に連絡するように説明を行う。注射や採血時の神経損傷を疑われる場合の対応と患者説明について看護手順等に加えて職員へ周知する。
  • 神経損傷を疑われた事例における、チーム医療の連携を行う。
  • 神経損傷時の対応と患者説明を手順に加える。
肺血量シンチ検査のアイソトープ注射の際とその翌日に注射部位に疼痛を訴えられたとのことであるが、手技を含め原因等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
 
 

情報不足等のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例(事故事例「薬剤」)

No. 事故の
程度
事故の
内容
事故の内容 事故の背景要因の概要 改善策 調査結果
【与薬】
1















頸部転移癌に対し、全身麻酔下に両頸部郭清、両側耳下腺腫瘍切除術を施行した。本手術のため入院以前はロヒプノール(2mg)3錠を眠前に常用していた(患者申告)。術後1日目は、夜間ロヒプノール(2mg)を1錠内服し睡眠は良好であった。術後2日目、夜間譫妄(大声で叫ぶ、処置室で寝る)があり、転倒して頭部を打った。セレネース5mg div行うも効果なし。SpO2コードを切断し不明瞭発言あり。術後3日目、日中は落ち着いていたが夜間譫妄あり。術後4日目、日中に不眠時指示をアタラックスP 1A div、不穏時指示をセレネース5mg divからリスパダール1mgへ変更。夜間、アタラックスP1A使用するも入眠せず、軽度不穏状態であったためリスパダール1mg使用。しかし効果なく不穏・興奮状態が続いた。術後5日目深夜、看護師をたたくなど不穏状態続くため当直医call。アタラックスP、リスパダールが無効であったこと、普段はロヒプノール6mgを常用していたことから、当直医の判断によりロヒプノール1mg div(10分)施行し、入眠。
再度の不穏時に再投与可(眠れば中止)と指示(ロヒプノール4mgを生食100mlに希釈して使用)。約2時間後、目を覚まし動こうとしたため看護師判断にてロヒプノール約0.5mg div追加。その1時間後、不穏再度出現し、看護師を殴る蹴るなど興奮状態。当直医報告し3人がかりで押さえてロヒプノール1.5mg追加投与し、入眠。比較的短時間での覚醒と再投与の困難性を鑑みて、少量の持続投与が望ましいと考え、25ml(1mg)/h以下の量で、朝までの持続投与を指示。この時点で舌根沈下を認め、仰臥位ではSpO2低下を認めたが、側臥位にすれば狭窄音は聞こえなかったため、側臥位にした。以降は安定していたため、指示よりも少ない量で維持されていた。明け方、1本目の4mg/100mlの薬液を使い切ったため、2本目に更新。その後点滴中止。2本目の点滴残量はほぼ100mlであったとのこと(推定総投与量は4mg強)。その後少し時間を置いて、呼吸停止となった。
今回の事例の直接原因の候補として、A)頸部手術による気道浮腫、B)ロヒプノール投与による舌根沈下が考えられる。まず各々が単独原因となり得るかを考察してみると以下の通りとなる。
1)Aが単独原因であった場合
窒息に陥るような高度の術後気道浮腫をきたす場合は、通常術当日あるいは翌日までに著明な気道浮腫を生じるが、本事例で事例発生当日の2日前に施行した咽頭ファイバーにて観察した時点では、咽頭を含め気道浮腫は認めておらず、また当日の不穏・興奮時においても本人に呼吸苦の自覚や訴えもなかったことから、単独で窒息の原因となるような高度の気道浮腫が存在していたとは考えにくい。
2)Bが単独原因であった場合
舌根沈下のみが原因であれば、経験豊富な救急当直医がアンビューバックでの換気が全く出来ないということは考えにくい。また事例発生時に咽頭ファイバーで観察された咽頭浮腫の説明がつかない。
以上のことからA、Bが単独要因として事例発生に至ったとは考えにくく、複合的に発生に関与したものと思われる。さらにわずか3分で気道閉塞となり換気がまったくできない状態に陥ったことから、A+Bに加えて痰による気道閉塞などの偶発的な事象が重なり、発生に至ったものと推察される。
今回のように、狭窄音が発生することもなく気道閉塞が発生してしまうような想定外の事態の際には、改善策はない。
咽頭浮腫が想定される術式であり、なおかつ不穏となりそうな患者である場合にはあらかじめ気管切開術を行っておくことにも一考の余地はあるが、そのような予測をすること自体が難しく、良い改善策とは言い難い。
ロヒプノールによる副作用症状とも考えられるが、患者の合併症及び既往歴等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
2


投そ
与の
方他
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経薬
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い内
 容
手術後の患者で、血清カリウム値が低く、医師は中心静脈からのカリウム補正を指示。看護師は、指示通り KCL注20mEq「テルモ」(20ml)20ml/h を中心静脈ラインより投与すべきところであるが、中心静脈ラインは1本しかなく、そこから抗不整脈薬や心血管作動薬などの特殊薬が投与されており、末梢静脈のソルデム3A(またはフィジオ35)の側管からカリウムの投与を開始した。その後、患者が血管痛を訴えたため、末梢からのカリウム投与を中止した。患者の血圧は40台まで低下を認めたが、意識は清明であった。その際、確認すると輸液速度が100ml/hとなっていた。ライン内のカリウムを十分回収できないまま急速に輸液を行ったことで血圧が低下した可能性があると考えている。 カリウム補正の方法の標準化ができていなかった。 末梢よりのKCL投与の原則中止。 KCL注20mEq「テルモ」を末梢静脈より投与したとのことであるが、本製品は誤投与防止対策品として付属の専用針でしか接続できないものであり、どの様に投与したのか不明であり、検討困難と考える。
2








血そ
管の
外他
漏の
出与
 薬
 準
 備
 に
 関
 す
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 内
 容
11歳の患者は、持続点滴投与を行っており、「生食20mL+オメプラール10mg、生食10mL+フルマリン1g」を投与した際は異常がみられなかった。5時間後、清拭時にシーネ固定を外した際に点滴刺入部の腫脹、発赤、硬結、疼痛、褐色変化を認めた。医師の診察により、リンデロン軟膏とアクリノール湿布を貼付した。
翌日、皮膚科受診し、穿刺で排膿を行った。軟膏処置を2回/日、昨日とは別の抗生剤を点滴投与し、5日後に皮膚科を受診した。刺入部の硬結はあるが、疼痛なく、発赤消失するまでは軟膏処置を継続することとなった。
5時間観察をしていなかったので、どの時点で血管外漏出が起こったかは不明 基本的に1時間毎の観察する。
疼痛出現時の看護師に知らせるように指導する。
持続点滴後に点滴刺入部に腫脹等を認めたとのことであるが、手技を含め原因等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
3












副そ
作の
用他
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現与
 薬
 に
 関
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 内
 容
患者は、爪甲白癬が外用治療に抵抗性があり、靴ずれによる糖尿病性水疱を形成し、蜂窩織炎などの感染症を引き起こす可能性があった。患者の了解を得て、7日間ラミシール1Tを処方した。処方にあたっては約2ヶ月半前の肝機能、腎機能、血算にて検査データを確認し、近医内科での定期的採血で肝腎障害のないことも御本人に確認し、全身状態も良好であったため処方した。ラミシール内服終了6日後、救命からの電話があり劇症肝炎にて入院し皮膚科処方のラミシールの可能性があるのでインシデント報告するとの連絡をうけた。皮膚科の担当医にその旨報告したところ、ラミシールによる劇症肝炎とは断定できないが、処方直前の採血で肝障害がないことの確認が必要だったのではとの指摘を受けた。 処方にあたってはラミシール内服を開始する約2ヶ月半前の肝機能、腎機能、血算にて検査データを確認し、近医内科での定期的採血で肝腎障害のないことも御本人に確認し、全身状態も良好であったため、劇症肝炎を発症することが予測できなかった。 ラミシールによる劇症肝炎とは断定できないが、ラミシール内服投与時には約2ヶ月半前のデータやご本人申告ではなく、処方直前の採血をする必要がある。 ラミシール錠による副作用症状とも考えられるが、患者の投与時の状況等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
4












薬そ
剤の
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副薬
作に
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 内
 容
当直医師から指示を受けた担当看護師は、シリンジに薬剤を吸い上げ23G(25mm)の針をつけて患者のもとへ行った。患者は、心不全のため、全身浮腫があり特に臀部はむくみが強く、左足関節から下の部位には閉塞性動脈硬化症による壊死が発生していた。担当看護師は、通常筋肉注射は臀部に行っていたが、浮腫による薬剤吸収が悪く鎮静効果が図れないことを懸念し、右上腕に筋肉注射を行った。上肢にも浮腫はあったが、右肩から3横行指での測定を行い、針は半分ほど挿入し注射後は軽く拭く程度であった。注射から5日後、清拭の際にその日の担当看護師が右上腕に壊死を伴った潰瘍を発見した。主治医に報告し、皮膚科受診した。皮膚科医師より、「注射後の潰瘍の可能性がある」と指摘を受け調査したところ、右上腕にアタラックスPを注射したことが判明した。筋肉注射を行った部位は、潰瘍発生部より2cmほど肩に近い部分であった。潰瘍の大きさは、2.5cm×1.5cmで、周囲は皮下出血があった。以後、皮膚科にてデブリードマンやゲーベンクリームなどで治療し、現在皮膚縫合を行っている 昨年、院内広報として「アタラックスPによる皮膚潰瘍の発生」の注意喚起(院内の注射備蓄戸棚のアタラックスP保管トレーに、注意喚起シールを貼り、注射部位と注射後に揉まないことを注意喚起した)を行っており、当事者も文書を読んでいたが、注射を行うときは、忘れていた。また、浮腫のある臀部では、薬剤効果が遅延することを恐れて上腕三頭筋への筋肉注射を選択したことや、上肢にも浮腫があり筋肉注射を行ったつもりであっても皮下に薬剤が漏出したこと、患者の全身状態が悪く循環不全もあったことがあげられる。 アタラックスPの注射薬品戸棚に、「筋肉注射は臀部、注射後もまない」と注意喚起の表示を行った。
看護部所属部署に、再度「アタラックスPによる皮膚潰瘍の発生」の配布を行った。
アタラックス-P注射液による副作用症状と考えられるが、投与後の患者状況等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
5


副そ
作の
用他
 の
 与
 薬
 に
 関
 す
 る
 内
 容
放射線科医師が造影CT同意書と問診票を確認。腎機能結果、アレルギーの有無、糖尿病の既往、食事摂取していないことを確認した。CT撮影のため造影剤を放射線科医師のもと静脈注射した。(これまで造影剤を用いた検査は何度も受けている。)撮影直後、意識消失・呼吸停止・血圧低下を認め、すぐにCPRを開始しながら応援要請。処置により、呼吸再開、意識レベル回復したが、胸部と咽頭部の圧迫感を訴えた。本患者は、狭心症・多枝にわたるOMIのため加療中であり、いつ発作を起こしてもおかしくない状態であったこと、本人が胸部と咽頭部の違和感を訴えていたことより、ステロイド剤の前投与、必要最小量の造影剤にて、細心の監視の下心臓カテーテル検査を実施。再狭窄・新規病変のないことを確認の上翌日退院となった。患者・家族には、CT直後の急変時の状況と対応について、心臓カテーテル検査の必要性と検査結果を説明、納得を得た。 OMI・狭心症があり、2年前から定期的に造影剤を用いた心臓カテーテル検査を実施。また、これまでの造影CTにおいても特に問題はなかった。
2日前より下痢をしており脱水傾向にあったことが推測される。
  • 前回副作用がなかったからといって、今回も起きないとは限らない。いつでも緊急時に対応できるようにしておく。(今回、初期対応が迅速であったため大事に至らずにすんだ)。
  • 絶食検査時の脱水対策(水分補給、点滴など)。
オムニパークによる副作用症状とも考えられるが、患者の原疾患及び既往歴等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
6
副そ
作の
用他
疑の
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 薬
 に
 関
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 る
 内
 容
頻脈性心房細動及び血圧低下に対してサンリズム50mgを静脈注射したところ、難治性心室細動に移行した。 心室細動の原因として、サンリズムの影響は否定できないが、原疾患が陳旧性心筋梗塞に起因すると思われる心室細動であり、さらには敗血症による全身状態の不良もあり特定できない。 伝達及び教育体制を強化する。 サンリズムによる副作用症状とも考えられるが、患者の原疾患及び既往歴等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
7
アそ
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|関
シす
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ク容
抗癌剤動注によるアナフィラキシーショックを起し循環不全、DIC合併し、死亡した。 多発性肝臓癌に対する抗癌剤投与継続中であり、ショックとなった薬剤も以前使用していたが、ショック等の異常所見は認めなかった。C型肝硬変症、肝細胞癌末期という背景因子であるが、薬剤投与直後に発症したことにより薬剤性アナフィラキシーショックが要因と推測する。 アナフィラキシーショック時にすぐに救命治療開始したが、心機能が改善せず、ASOなどを合併していることから基礎疾患により救命困難であった可能性が高く回避困難と推測している。 動注用アイエーコールによる副作用症状とも考えられるが、併用薬剤、患者状況等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
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アそ
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シす
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ク容
患者は昨年手術を受け、術後よりXELFO・アバスチン療法を施行した。今回、中央点滴室で抗がん剤の点滴(オキサリプラチン10日目の投与)を施行していたところ、開始5分後より咳嗽出現し気分不良を訴えたため、点滴を中止し主治医へ報告。メプチンプレゾニゾロン(ソルメドロール)1000mgを点滴静注したが、症状改善しないため救急コールした。救急スタッフ到着時、意識レベルはクリアであったが、苦悶様表情、大呼吸、頻呼吸、両側前胸部喘鳴、全身発赤を認めた。右肘正中よりラクテック500ml静注されており、気道開通、会話可能、橈骨動脈触知良好で、血圧や酸素飽和濃度は保たれていた。アナフィラキシーショックとの診断で高度救命救急センターに入室となる。症状出現後、ソルメド1000mg、ボスミン1A投与。その後、強ミノファーゲンシー・ポララミン投与されており、症状は軽快した。念のため朝までルート維持し夕方から食事開始となる。その後症状変化なく翌日軽快退院となる。 オキサリプラチンに対する過敏症はいつ発症するか明確でないが、昨年度の本院中央点的室における過敏症発現時期データによれば、プラチナ製剤は7から16回目(中央値10回目)に起きている。本事象も10回目の投与で過敏症が発症したものである。本事象においては、知識の共有と連絡体制が周知徹底されていたため、注意深く観察でき、過敏症出現と同時に決められたルールに従い対応ができた。
  1. 抗がん剤の薬理作用及び急変時の対応方法について再確認した。
  2. 中央点滴室内では常に重篤な過敏症が発症することが予測されるので、発症時の体制にについて再検討を行い、体制を更に強化する。
オキサリプチンによる副作用症状と考えられるが、患者の原疾患及び既往歴等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
9












過そ
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症他
出の
現与
 薬
 に
 関
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 る
 内
 容
患者は1年前膠原病投薬開始。胃癌、リンパ節転移あり。リウマチ性多発筋痛症の疑いによりリウマチ・膠原病科でフォロー開始していた。ドセタキセル(化学療法2回目)の投与のため外来に来院。前回CTとの比較のために全身造影CT施行。その後、中央点滴室で投与開始。開始10分後の14時10分、患者が突然気分不良を訴えるとともに全身冷汗著明となり、血圧低下(68/38mmHg)、SpO2低下(91%)を認めた。当番医の指示でラクテックにてルート確保し、ソルメドール500mg静注。その後血圧100mmHg台に回復。酸素3L/分にて投与開始。15分後、SpO2 100%に回復し、酸素を1.5Lに減量する。指示を受けラクテック2本目に更新。酸素吸入を中止。状態改善傾向も経過観察のため主治医の指示により一泊入院となる。ADL自立しており、バイタルサインの異常もなく気分不良等なかった。入院後も血圧低下なく経過し、気分不良もなく食事摂取良好。今回の原因としては造影CT施行とステロイド内服(リウマチ)減量が原因として考えられる。翌日の経過良好にて退院となり、レジメン変更し化学療法継続となった。 ドセタキセルに対する過敏症は初回投与で発症することが多いと言われている。本事例では初回は無症状だったが、2回目の投与で過敏症を発症した。ドセタキセルに対する過敏症の対応については、十分に注意を払っていたが、より慎重な対応が必要であったかもしれない。
  1. 抗がん剤の薬理作用及び緊急時の対応方法、救急コール体制について中央点滴室の医師、看護師、薬剤師のスタッフ間で再確認を行う。
  2. 中央点滴室での事例結果に基づいて、プロトコールについて見直しを含め検討する。
タキソテール点滴静注による副作用症状とも考えられるが、患者の投与時の状況等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
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  に
ダイナミックCT後、患者が「いつもと違う」と訴え、顔面が紅潮、咽頭不快を認めた。その後、血圧60台となりラクテック500mLソルメドロール125g、ボスミン0.3mL、ポララミン1Aを投与し酸素飽和度96%のため酸素を投与した。血圧140台に戻った。頭痛、嘔気も出現したため頭部CT撮影後ICUに入院となった。 絶飲食で来院しているので、脱水状態の可能性があったのではないか(何度も造影CTを経験している患者で当日の体調不良はなかった)。 水分補給し、脱水状態を改善し検査に望む。 顔面の紅潮及び咽頭不快については、造影剤イオメロンによる症状とも考えられるが、患者の原疾患及び既往歴等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
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アそ
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ル他
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|与
 薬
 に
 関
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 内
 容
腹部造影CT、ボーラス(生食100mL+オイパロミン300/100mL)を施行した。CT室では異常なく正面玄関を出た時点で首の周りに痒みがあった。
検査実施から約1時間後の帰宅途中、喫茶店でコーヒーを飲んでいるときに全身の痒みが増強し、ふらついた。その後、意識消失(本人の弁:気がついたら救急車の中だった)、救急車で来院した。胸部発赤、喉痒、眼瞼浮腫、発赤あり息苦しさはなく、ラクテック500mL+デカドロン点滴ポララミン静注の処置を受け帰宅した。
検査前に服用の説明をし同意を得ているが、十分理解されていなかったのではないか。 検査後の説明をしっかり行い、院内で30分から1時間過ごしてもらい看護師が確認後帰宅していただく。院内ルール作成し、周知する。遅延性の副作用があることも患者に告げ、異常時には来院してもらう。 オイパミロンによる副作用症状とも考えられるが、患者の原疾患及び既往歴等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
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 容与
  薬
  に
左腕で採血しようとしたら左前腕が発赤、腫脹し硬結を認めた。刺入部と思われる部位が化膿していた。発見時には右前腕に点滴が挿入されていた。 2日前に左腕に挿入中の点滴が漏れた際に患者に説明したが、同意を得られず再度右前腕に点滴を挿入していた。 点滴中の血管炎に対する対処方法を指導する。 左前腕に発赤等を認めたとのことであるが、手技を含め原因等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
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血関そ
管すの
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出容与
  薬
  準
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11歳の患者は、持続点滴投与を行っており、「生食20mL+オメプラール10mg、生食10mL+フルマリン1g」を投与した際は異常がみられなかった。5時間後、清拭時にシーネ固定を外した際に点滴刺入部の腫脹、発赤、硬結、疼痛、褐色変化を認めた。医師の診察により、リンデロン軟膏とアクリノール湿布を貼付した。
翌日、皮膚科受診し、穿刺で排膿を行った。軟膏処置を2回/日、昨日とは別の抗生剤を点滴投与し、5日後に皮膚科を受診した。刺入部の硬結はあるが、疼痛なく、発赤消失するまでは軟膏処置を継続することとなった。
5時間観察をしていなかったので、どの時点で血管外漏出が起こったかは不明 基本的に1時間毎の観察する。
疼痛出現時の看護師に知らせるように指導する。
持続点滴後に点滴刺入部に腫脹等を認めたとのことであるが、手技を含め原因等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
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血そ
管の
外他
漏の
出与
 薬
 に
 関
 す
 る
 内
 容
8ヶ月の患児は、24時間持続点滴中であった。朝、点滴投与している右腕を観察すると点滴が漏れていた。点滴刺入部は手背で、前腕まで腫脹し、硬結あり。手指、手関節の屈曲制限もあり。色調も網状に紫斑あり、刺入部にびらんを認めた。
刺入部の最終観察時間は、血管外漏出を発見した3時間前であった。
翌日、右手背の点滴刺入部の軽度の腫脹が有り、右手背の症状は軽度であった。皮膚科を受診し、リンデロン軟膏塗布及びアクリノール湿布貼用した。3回/日、2日後に排液処置をした。
最終観察時間より3時間経過して発見した。 24時間持続点滴の観察
包帯を外して刺入部を観察
点滴刺入部に腫脹等を認めたとのことであるが、手技を含め原因等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
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薬そ
剤の
の他
血の
管与
外薬
漏に
出関
 す
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 内
 容
患者は肺炎と呼吸障害のために入院。持続点滴静脈注射を開始し、ペントシリン700mgの抗生物質を使用して経過観察していたが、呼吸状態の悪化により人工呼吸器管理を開始。持続点滴静脈注射のKN3号輸液を40ml/hで継続し、鎮静目的のため側管よりドルミカムを2ml/hで開始した。MRSA関連の肺炎を考え、ペントシリン700mgからバンコマイシン0.5gに変更した。生食20mlでバンコマイシンを溶解し、シリンジポンプを使用して1時間で側管より静脈注射を実施。この時間帯は、ドルミカムを中止していた。担当看護師が5日後の19時に、輸液更新予定時間のため訪室した。この時点で輸液残量が100mlあり、輸液更新が出来ず、滴下を調節した。再度20時に訪室するが、輸液の残量が減っていなかったため、静脈留置針挿入部位を確認した。右前腕の留置針挿入部位上部に発赤と腫脹を認め、一部白色状態になっており、留置針を抜去した(バンコマイシンは朝9時に最終使用した)。注射薬の血管外漏出の状況を当直医(主治医)に報告し、経過観察となった。 右前腕に静脈留置針を挿入しており、穿刺部を包帯で保護しており確認しづらい状況であった。
バンコマイシンが血管外漏出にて、壊死を起こしやすい薬品である事の認識がなく、穿刺部位の確認が十分出来ていなかった。
  1. 輸液更新時間には、穿刺部位の観察も行う。
  2. 穿刺部位は、透明のフィルム剤を使用し、穿刺部位の観察が行いやすい様にする。
  3. 輸液の固定を行う際には、不必要なシーネ固定は避け、包帯を使用する場合には部位を考える。
  4. 薬剤の血管外漏出により、壊死を起こし易い薬品の知識を深め、使用時には観察を頻回に行う。
留置針刺入部上部に発赤及び腫脹を認めたとのことであるが、手技を含め原因等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
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蜂関そ
窩すの
織る他
炎内の
 容与
  薬
  に
患者は、化学療法中であり、5-FUを輸液ポンプ(テルフュージョン輸液ポンプTE-161S)を使用して21.2mL/hで点滴を投与中に腫脹を認めた。約2時間前に観察した時には発赤、腫脹を認めなかった。 2時間前には観察しており、観察不足とはいえない。
輸液ポンプは使用しており、血管外漏出でも感知しない。
化学療法中の観察。
患者への説明。
抗癌剤など毒性の強い薬剤の輸液ポンプ使用禁止の可否を今後検討していく。
5-FU注の投与中に腫脹を認めたとのことであるが、手技を含め原因等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
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生の
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開薬
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心内
肺容
停 
止 
患者は悪性リンパ腫について、当院血液内科外来でフォロー(前月まで1ヶ月間化学療法施行)していた。他院から連絡があり、患者に発熱があり対応について血液内科へ問い合わせがあった。グランを使用しているため、すぐに本院を受診するよう伝えた。しかし、患者は受診しなかった。2日後当院血液内科外来を受診。炎症反応が高く(CRP9台、WBC5000台)、医師の指示で11時にソルデム500ml点滴開始。アレルギーが無いことを患者に確認し、三方活栓から抗生剤(ロセフィン)をゆっくり開始した。その後、口渇、気分不良の訴えあり。抗生剤の投与を中止し、主治医へ報告。主治医診察中に意識消失し、心肺停止状態となる。救急要請し、メインルートをラクテックに変更。アンビュー加圧酸素10Lで開始。救急医師到着し心臓マッサージ開始。心拍再開し、気管内挿管後、高度救命救急センターへ搬送した。入室後、人工呼吸器管理開始となる。予防的に低体温療法を実施したが、頭部CT上、脳のダメージなしとの診断にて24時間で中止した。心マッサージによる左気胸、皮下気腫をきたしため、翌日より左胸腔ドレナージを開始した。今回のエピソードは感染由来のDICを伴う敗血症ショックと考えて矛盾しない。 アナフィラキシーに対する予測はアスピリン喘息であるという情報から、主治医・看護師ともに理解しており、抗生剤(ロセフィン)の初回投与時もゆっくり投与していた。また、投与中は看護師が付き添いをしていた。今回の事象は、前後の経緯より勘考し、抗生剤のロセフィン投与開始時にたまたま患者に敗血症性ショックが出現した可能性がある。感染症が重篤化しやすい病態であることは患者にも十分説明していたが、患者が受診を延ばしていた。 アナフィラキシーの発生を予知することは不可能であるが、これまでどおり、アレルギーの既往及び家族歴を必ず投与前に確認する。また、患者本人及び家族に感染に対する理解を深めてもらう(発熱性好中球減少症のパンフレットを手渡しし、説明を行う)。 ロセフィンによる副作用症状とも考えられるが、患者の合併症及び既往歴等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。
 
 

情報不足等のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例(ヒヤリ・ハット事例「放射線検査」)

No. 報告回 事例の内容 背景・要因 改善策 調査結果
【CT検査】
1 第21回 体幹部のCT造影検査の際、右腕の肘静脈から造影剤を注入した。インジェクターのセンサーに変化はなくそのまま投与し、検査を終了した。その後診断医から画像上で造影されていないことを指摘された。診断医とともに患者の容態を見たところ、右腕上腕が腫れていることを確認した。患者から痛みがないとのことで、診断医の判断で経過観察とした。患者には、検査で造影剤が漏れ、腕が腫れたことを説明し、後日主治医の判断で再撮影の可能性があることを知らせた。 CT造影検査時の造影剤注入状況確認不十分。
  • 造影後の画像確認の徹底する。
  • 注入圧の確認する。
  • 放射線技師は画像の撮影範囲、造影の有無を確認する。
  • 看護師は患者の容態、状態、造影剤注射箇所を観察する。
造影剤注入後に、右腕上腕が腫れたとのことであるが、手技を含め原因等の詳細な情報が不明であり、検討困難と考える。