平成23年3月9日
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
1.調査対象の範囲
1) 医療事故関係について
財)日本医療機能評価機構(以下、「評価機構」という。)による医療事故情報収集等事業第21回及び第22回報告書(以下、「当該報告書」という。)中の記述情報及び評価機構ホームページ上の公開データから抽出した平成22年1月1日~6月30日の間に報告された事例。
2) ヒヤリ・ハット事例関係について
当該報告書中の記述情報から抽出した平成22年1月1日~6月30日の間に報告された事例。
3) その他
当該報告書中の記述情報から別途抽出した医療機器にかかる以下の事例。
- 放射線検査に関連した事例
- 皮下用ポート及びカテーテルの断裂に関連した事例
- MRI検査の高周波電流ループによる熱傷の事例
- 未滅菌の医療材料の使用の事例
2.検討方法
医療機器に起因するヒヤリ・ハット等の事例について、医療機器としての観点から安全対策に関する専門的な検討を行うため、各医療関係職能団体代表、学識経験者等の専門家及び製造販売業者の代表から構成される標記検討会を開催し、医療機器の物的要因に対する安全管理対策について検討した。
3.調査結果
医療機器の製造販売業者等による安全使用対策の必要性の有無について、調査対象の全65事例を調査したところ、以下の結果となった。
調査結果 | 事例数 | 割合 |
医療機器の安全使用に関して製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例 | 0 | 0.0% |
製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例 | 18 | 27.7% |
ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考えられた事例 | 41 | 63.1% |
情報不足等のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例 | 6 | 9.2% |
計 | 65 | 100% |
4.調査結果の内訳
1) 製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例(別添1)
非絶縁型バイポーラ電気メスによる熱傷事例(1番)
靭帯・腱手術用器械の還流液温度上昇による熱傷事例(2番)
手術用光源の光源コードによる熱傷事例(3番)
マイクロカテーテルの抜去困難事例(4番)
植込み型除細動器リードの断線事例(5番)
植込み型ペースメーカの回路部品の故障事例(6番)
皮下植込み型ポートの破損事例(7番)
皮下植込み型ポート用カテーテルの断裂事例(8番~16番)
MRI検査時の高周波ループによる熱傷事例(17番・18番)
2) ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考えられた事例(別添2)
3) 情報不足等のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例(別添3)