独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

平成23年度 第1回医薬品・医療機器安全使用対策検討結果報告(医療機器関連事例) 別添1

本文|別添1|別添2別添3

製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例(医療事故)

No. 事故の
程度
販売名 製造販売
業者
事故の内容 事故の背景要因の概要 改善策 調査結果
1 障害なし 循環器撮影装置 INFX-CSOCOA / JI 東芝メディカルシステム株式会社 心臓カテーテル検査中、カテーテルが血管内に挿入された状態で突然「FPD電源が異常です」のエラーメッセイジが出てX線透視が出なくなった。検査が終了に近づいていたのでカテ―テルを抜去し検査を終了できた。すぐに、業者に依頼しFPDコマンドプロセッサーの故障と判明し部品交換後正常に作動した。患者への悪影響は発生しなかった。
今回は患者への影響は出ずに済んだが、冠動脈治療中に同様の故障が生じた場合は生命に関わる危険な事故が発生する可能性が高い。
医療機器の定期的なメンテナンスは施行している。その際、駆動部分は点検しているが内部の細かな部品までは点検しきれていないので明らかな故障が発生してはじめて点検するのが現状である。 生命に影響度の高い機器から優先してメンテナンスの範囲を決める等検討中である。 当該企業に確認したところ、FPDコマンドプロセッサー内部のICの故障が原因であり、当該ICを交換したとのことであった。
なお、同製品において他に同様事例は報告されていない。
2 障害残存の可能性がある(高い) OXIA IC 06 JMS 心房中隔欠損症・部分肺静脈還流異常症の患者に、体外循環装置を接続した。体外循環開始30分後に人工心肺の入口圧が急激に上昇した。医師に報告し冷却の指示を受けるが、すぐに体外循環の継続が困難となった。
体外循環継続困難となってから、人工肺の交換終了まで約8分を要した。近赤外線組織酸素モニタが70%から25%まで低下した。手術終了し、ICU帰室後34~35℃の低体温管理となった。
人工心肺の目詰まり(目詰まりの原因は不明) 原因の究明が明らかになるまで同一の人工肺の使用を中止する。人工肺の入口圧上昇が発生しても、循環の継続が行えるように回路にバイパスラインを設ける。手術室内に緊急セットを常備する。 当該事象について企業から薬事法に基づく不具合報告が行なわれており、当該人工肺の解析結果から、回路内圧上昇の原因は投与した医薬品によりヘパリン活性が低下したためにガス交換部に血栓様物質が付着したものと推察された。
当該事象は当該人工肺の静脈血入口ポートのルアポートから医薬品を注入した直後に発生しており、当該企業の試験においても同様事象が確認されていることから、当該人工肺の添付文書の使用上の注意欄に、医薬品の注入に関する注意について追加記載したところ。
3 不明 現時点で明らかな障害なし TBF-5001 トノクラ医科工業株式会社 両心カテーテル、心筋生検を施行した。
左肘部動静脈にそれぞれ5Fr.と6Fr.のシースを挿入し、まず冠動脈造影検査を施行した。右冠動脈、左冠動脈に明らかな有意狭窄は認めず、続いてピッグテール・カテーテルに入れ替え左室造影を行った。
さらにバイオプシー・シースに入れ替えピッグテール・カテーテル用いて左室内に挿入し、カテーテルを生検鉗子に入れ替え心筋生検を2箇所施行した。
検体を2検体採取できたが、2検体を採取後に生検鉗子の開閉不良が確認された。
その時点で鉗子の破損も否定できないため、可能な限り全身のシネ撮影を行ったが、明らかな異常影は確認できなかった。
その後右心カテーテルを施行し、手技終了とした。
ご本人は胸部症状、その他の自覚症状は認めず、止血処置後に帰室となった。
鉗子の不具合に関しては、メーカーで調査中である。
心筋生検に関しては、通常通り施行できた。
鉗子の不具合に関しては、メーカーで調査中である。
その後、メーカーより本製品は使用停止となった。
心筋生検に関しては、通常通り施行できた。
鉗子の不具合に関しては、メーカーで調査中である。
当該事象について企業から薬事法に基づく不具合報告が行なわれており、先端ジョウの開閉不良は、当該機器をまっすぐ引き抜かなかったこと及びハンドル部を強くに握ったことにより負荷が発生し中軸が脱落したことが原因であり、これまでにも同様事象が複数報告されており、当該企業では適正使用に関する情報提供を実施していたところ。
なお、当該企業は本事例を受け、同ロット製品の製造中の金属疲労も否定できないことから使用中止としている。
4 障害なし アクアパック

酸素カニューラ
インターメドジャパン

インターメドジャパン
酸素マスク5リットル投与中。
14:30 サチュレーション98%
15:00 口腔ケアを実施したが、患者の状態に変化なく酸素接続までは確認しなかった。
15:30 サチュレーション94%に低下したため医師が確認すると、酸素カニューレがアクアパックから外れていた。
レントゲンにて肺野確認し悪化はないが、患者の呼吸苦が増強した。
酸素を接続し直し、15:50 サチュレーション100%に回復した。
患者家族へ一時的に酸素がはずれ患者にとって苦しい状況があったことを謝罪し、ご理解を得た。
アクアパックに酸素カニューレを差し込んで接続するため差込が弱い(浅い)と抜ける危険性がある。また、酸素カニューラチューブに何らかの力が加わると抜ける危険性もある。
酸素使用中の患者の対応時に、酸素チューブの接続の確認がされなかった。
当院ではアクアパックと酸素カニューラは抜け防止のため同社純正品を組み合わせて使用しており、業者に確認したところ、酸素カニューラチューブをアクアパックに回転させながらねじ込む事でしっかりと接続され安全使用が出来るとの説明であったが、添付文書にはその記載がなかった。また、これまで業者からそのような説明もされていなかった。
ロック式やスクリュー式ではないため、この説明では恐らく接続部が外れない為の対策とはならないと考えられたため、業者に対しロック式またはスクリュー式などの接続を採用するよう申し入れた。また、厚労省への報告を行った。
院内向けには、酸素カニューラの接続時には、回転させながら奥までねじ込む事と、患者対応時には接続部の確認の徹底を通知した。
当該事象について企業から薬事法に基づく不具合報告が行なわれており、酸素吸入加温加湿用水に酸素カニューラを接続する際、回転させながらねじ込まなかったために接続が不十分になり、当該酸素カニューラが脱落したものと考えられている。
当該企業は当該事象を受け、当該製品の【操作方法又は使用方法等】欄に適切な接続方法について記載したところ。
また、長期的に接続部をロック式等に改良することを検討中とのこと。
5 障害なし ベネット760 コヴィディエンジャパン株式会社 人工呼吸器ベネット760装着中、ハイプレッシャーのアラーム後、自動停止してしまった経緯があり、その際同型のベネット760を装着し同様のモード設定であったので、同じことが起こるかもしれないと注意していた。16時に再度全く同じことが起こり、アンビュー対応、用意していたサーボアイをすぐに装着しモードも一部変更した。今回はSPO2の低下もさほど認めず、新しい呼吸器に変更後安定している。 はっきりとはわからないが、メーカーによると患者の換気に呼吸器が追い付かず、危険を察知して安全弁が開いて自動停止したのではないかとのこと。 メーカー報告、調査中
  サーボアイに切り替える
当該事象について企業から薬事法に基づく不具合報告が行なわれており、動作試験の結果、当該事象は再現されていない。
当該患者の呼吸は一定ではなく、ファイティングが多発しており、そのために呼吸回路内圧が急上昇し、安全機能が作動したために、アラーム鳴動、安全弁解放、換気停止に至ったものと考えられるとのこと。
なお、当該品については、現在も当該医療機関にて問題なく使用されているとのことである。
6 障害なし ベネット760 コヴィディエンジャパン株式会社 ベネット760装着中、AM2:05頃、ハイプレッシャーにてアラームがあり、消音ボタンで反応せず。安全弁開放のランプが赤く点滅し、設定モード・数値が消え、機能停止する。一時的にSPO2 6%まで低下、すぐにアンビューに開始し、SPO2 90%台まで回復する。同型のベネット760に切り替え、正常作動し、安定した状態になる。 はっきりとはわからないが、メーカーの話によると患者の換気に器械が追いつけず、危険を察知して自動的に安全開放弁が
開放されたのではないかとのこと。
メーカーに報告、調査中
  • 患者にあった呼吸器の装着(呼吸が不安定であったので呼吸パターンが画面で見れるものの方がよかった)
  • 不慮の事故に備えてすぐに対応できる体制作り
当該事象について企業から薬事法に基づく不具合報告が行なわれており、動作試験の結果、当該事象は再現されていない。
当該患者の呼吸は一定ではなく、ファイティングが多発しており、そのために呼吸回路内圧が急上昇し、安全機能が作動したために、アラーム鳴動、安全弁解放、換気停止に至ったものと考えられるとのこと。
なお、当該品については、現在も当該医療機関にて問題なく使用されているとのことである。
7 障害残存の可能性がある(低い) 内視鏡洗浄機ESR-100 富士フィルム 内視鏡洗浄消毒機ESR-100を設置し稼働開始した。稼動開始2週間後の朝の試運転時に洗浄機からの水漏れに看護助手が気付いた。業者に連絡し業者が点検したことで設置時に内視鏡の送気送水管路に洗浄消毒液を送り込むための配管が、接続ミスにより誤接続された。正しくは青の送気側に洗浄チューブが接続されるべきところを、赤の吸引側に洗浄チューブが接続されていた。また、正しくは赤の吸引側がキャップ止めされるべきところを、青の送気側がキャップ止めとなっていた。このことにより、送気送水管路の洗浄消毒が不十分となり交差感染の恐れが出た。 当院での試用が初回であり、組み立てる業者の経験がなかった。
設計図との確認を怠った。
業者から内視鏡関係者への報告が翌日になったことと、報告を受けてこの洗浄機の作動は中止したが、設置後消毒したファイバーの使用をすぐに中止にしなかった。
誤配管を防止する対策、誤配管を検出する対策を業者が検討する。
院内での事故発生時の報告体制の強化。
当該事象について企業から薬事法に基づく不具合報告が行なわれており、当該企業が内視鏡洗浄装置を設置する際に配管を誤ったために内視鏡送気送水管路に洗浄液及び消毒液が供給されず、洗浄・消毒不足となったものである。
当該企業においては、当該事象を受け、設置業者による誤配管を防止するために色分け等により接続部が容易に認識できるように対策を講じたところ。
 
8 障害残存の可能性がある(高い) 無影灯 アンジェニュー ALM 子宮頸癌に対する手術準備準備中であった。、視野を調整している際に、手術室の無影灯のアーム部分が接合部分で折れた。幸い、執刀医が無影灯を支え、患者の上に落下するというようなことはなく、患者にも影響はなかった。無影灯は1994年に購入されたものであり、金属疲労の可能性はあるものの、交換時期は明確ではなく、今後同様の機材もあることから検討し管理、検証を行う。 無影灯自体は1994年納入されたものであり、機器自体の耐用年数の問題があると思われるが、明確なものはなく、多くの病院で同様の使用方法がなされているのが実情である。アームの溶接され、カバーされている部分が破損しており、管球交換の際確認は受けているが、レントゲン等の精密検査は施行されていない。今後、アーム部分の劣化等につき精査予定である。 上記記載したが、現在同様の無影灯が複数存在し、近日交換予定リストには入っていた。
一般的な耐用年数は超えているものと判断なするが、現実的な使用期限を考慮し、不良品であったか否かを検証予定である。
ただし、当時の製造メーカーは存在せず、代理店にその責任を請うのは困難かと考えている。
当該事象について企業から薬事法に基づく不具合報告が行なわれており、海外製造元の検証の結果、破損の原因は16年以上の使用によりジョイント部に繰り返しの機械的負荷が加わったことによる溶接部の脆弱化とのことであり、当該機器については修理が完了している。
なお、同製品を取扱っていた企業は、現在、存在していないが、後継機種を取扱う他の企業によりメンテナンス等が継続されているところ。
9 障害残存の可能性なし フィリップス フィリップス 救急処置室で医師がエコーを実施しようとコンセントをつないで電源を入れた。電源を入れた直後に、バンと音がし器械の背面より白い煙が出てきた。すぐに電源を切りコンセントを抜いて、室外に移動させた。 業者による検証結果によると、製造後7年経過しているため、経年劣化が原因であるとのこと。 定期的な点検を行い、耐用年数も考慮した医療機器の更新を検討する。 当該事象について企業から薬事法に基づく不具合報告が行なわれており、白煙の原因は電源基板の焼損とのことであった。焼損範囲が広いために、故障原因を特定することはできなかったが、これまでに同製品において、同様事象は報告されていないとのこと。
当該機器は修理困難な状態であり、耐用年数も経過していたため、当該医療機関では新製品への買い替えを行ったとのこと。
10 障害なし CVポート 株式会社メディコン
  1. 急性リンパ性白血病にて当院血液内科にて化学療法施行中。外科にて右鎖骨下静脈よりCVポート挿入し、5日に退院。
  2. 以後、外来にて維持療法施行中。
  3. 約5ヵ月後、CVポート閉塞。
  4. 当院外科紹介。同日ポート入れ替えを勧めるも、本人は後日を希望。
  5. CVポート再挿入目的で外科入院。X-TVにてCVポートカテーテルの断裂を確認。
  1. CVポートは時にカテーテルピンチオフにより断裂事象起こるというリスク回避不足。
  2. カテーテルピンチオフに関する情報不足。
  3. メーカーからの注意喚起の不足。
  1. CVポートは、カテーテルピンチオフ等のリスクを把握した上で挿入する。
  2. カテーテルピンチオフのリスクについて情報を共有する。
  3. メーカーからタイムリーな情報提供。
当該企業が製造販売する皮下植込み型ポート用カテーテルの添付文書には、第一肋骨と鎖骨間の挟み込みによる断裂について注意する旨が記載されているところ。
11 死亡 バラードMIC栄養チューブ センチュリーメディカル株式会社 夜より、当該児に機嫌不良、発熱が見られていた。
胃ろうからの注入栄養は問題なく入っていたが、次の日朝7時の注入後より呼吸悪化が見られ、気管内挿管下に人工呼吸管理となった。代謝性アシドーシスを認め、ラインの確保が困難であった。腹部緊満が強く、X線写真にて消化管穿孔が疑われたため、小児外科医より腹腔ドレナージを行ったところ、ミルクが大量に流れ出た。開腹手術を行い、胃穿孔が見られたため、穿孔部閉鎖術を行ったが、術中に心停止を起こし、状態は改善しなかった。
当該児は先天性の疾患により開腹術を過去に2回行っており、腸管などの癒着が強かったことより、胃穿孔が起こっても発見が困難であったと思われる。
病理解剖でも胃穿孔以外の所見が見られなかったため、それが直接死因につながったと推測される。胃穿孔を起こした原因は、組織所見を持たないと明らかではないが、胃ろうバルーンの当たっていた部位に大きく孔が開き、他の部位には潰瘍や炎症が見られないことより、バルーンの刺激により機械的損傷を受けた可能性も考えられた。
胃ろう管理中の児では、常に胃ろうチューブによる胃穿孔の可能性も考えて診察に当たる必要がある。したがって、胃ろう管理中の児が状態変化した場合は、速やかに小児外科医師とも連携を取って、病態の究明、治療に当たるよう関係スタッフに注意した。 当該事象について企業から薬事法に基づく不具合報告が行われており、剖検において胃穿孔が認められ、その原因は当該機器のバルーンから5mm程度突出しているチューブ部分による機械的損傷と推察されているとのことであった。
当該事象は、当該機器が留置されてから約2ヶ月後に発生しており、留置状況等に関係している可能性もあり、現在、調査が行われているところである。当該企業では、その調査結果を踏まえ、今後添付文書の改訂等の対策を講じる予定。
 
12 障害残存の可能性なし バードXポートisp(グローションカテーテルタイプ) メディコン 予診医がCVポートを穿刺し、生食の滴下を開始したが滴下不良だったので、一度抜針し、再度穿刺したが同様に滴下不良であった。シリンジで生食をフラッシュすると、穿刺部からじわじわと生食が流出し、疼痛の訴えがあった。CVポートの閉塞、カテーテルトラブルを考慮しポート針を抜去し、主治医へ報告した。主治医はCVポートを摘出するために、一旦局所麻酔を行った。念のため、再度生食を注入すると比較的スムーズに注入でき、滴下が認められた。ウロキナーゼ1万単位/mlを注入し、しばらく待った後に生食を滴下したところ、先ほどよりスムーズに滴下できた。前投薬(セロトーン、デキサート、生食)の投与を開始したところ、ポート周囲の疼痛の訴えとともに、腫脹が認められたため、主治医がCVポートを局麻下で摘出したところ、カテーテルが接続されていなかった。X線で確認したところ、カテーテルが肝静脈に落ちていることが確認されたため、放射線科へ紹介の上、放射線科医が透視下でカテーテルを回収した。
  • バードXポートisp(グローションカテーテルタイプ)は、ポートを留置しカテーテルを接続する際のカテーテルへの負担を軽減するため、2009年10月に製品改良されている(ステムの形状変更)。本患者に留置されていたものは、改良前の製品であった。
  • 長期間ポートを使用していなかったが、定期的に生理食塩水で洗浄を行っていなかったこと。
  • X線によるカテーテルの位置確認を行っていなかったこと。
ポートの安全使用、安全管理について、関係職員へ周知した(穿刺時の手順、長期間使用しない場合の管理、トラブル時の対応など)。今後は、ポート留置後の管理体制の整備を検討したいと考えている。 当該製品は、ポート接続部でのカテーテル断裂事例について、2009年11月より製品改良を実施している。
また、当該製品の添付文書には、ポートとカテーテルの接続不良等によるカテーテルの破損及び離脱について注意する旨が記載されている。
なお、これまで同様事象が集積されていることから、平成23年5月21日付薬食安発0525第1号・薬食機発0525第1号連名通知「皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について」が発出されており、全ての皮下用ポート及びカテーテル製品の添付文書にカテーテル断裂について注意する旨を記載し、医療機関へ情報提供を行うよう指示されている。
13 障害残存の可能性がある(低い) 不明 不明 本日化学療法予定のため、外来化学療法室の当番医にて中心静脈ポートに穿刺。ヘパロック注入時よりポート周囲に疼痛、違和感みられる。注入はスムーズであるが、ややポート上部に腫脹あり。患者本人様より「いつもと違う感じ。」と訴えあり。再度穿刺するが、同様の症状あり。主治医に連絡し、診察、レントゲンを撮影。中心静脈カテーテルが鎖骨部で切断しており、治療は中止し、抜去のため放射線科に受診し、透視下によるカテーテル抜去術となった。 1年前より右鎖骨下静脈に中心静脈ポートを留置。計20回の化学療法を中心静脈ポートより投与。それまでは特に問題なく投与できたが、今回はルート内フラッシュ時より違和感あり。1ヶ月前のCTでは連続性があるため、それから切断したと思われる。また、肩が痛くてよく肩をまわすようなことがあった。 今後は、リスクファクターなどを検証し、モニタリングの方法等を検討する予定である。 当該事例については製品名等が不明であるが、これまで同様事象が集積されていることから、平成23年5月21日付薬食安発0525第1号・薬食機発0525第1号連名通知「皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について」が発出されており、全ての皮下用ポート及びカテーテル製品の添付文書にカテーテル断裂について注意する旨を記載し、医療機関へ情報提供を行うよう指示されているところ。