独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

平成23年度 第2回医薬品・医療機器安全使用対策検討結果報告(医薬品関連事例) 別添1

本文|別添1|別添2別添3別添4

医薬品の安全使用に関して製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例(医療事故)

No 事故の程度 販売名等 製造販売業者等 事故の内容 事故の背景要因の概要 改善策 調査結果
1 障害残存の可能性なし ノルバデックス錠20mg アストラゼネカ 外来を臨時に担当した医師Aは前医の紹介状に基づき降圧剤ノルバスク(5mg)1錠を処方しようとしたが、誤ってノルバデックス(20mg)1錠を1週間分、臨時処方した。以後、医師B(主治医)はノルバデックスが前医で追加処方されたものと思い込み、11ヵ月にわたり誤処方を継続した。 本来処方されるべきノルバスクの処方量は通常2.5-5mgであるのに対して、実際に処方されたノルバデックスは20mgであり、薬剤名、薬剤量から考えると、本来は起こり得ない誤処方である。しかしながら、医師Aが最初に誤処方した日は外来および病棟業務が多忙で、ノルバデックスがノルバスクの後発薬品と思い込み、薬効および用量の確認を怠った。また、医師B(主治医)もノルバデックスが前医で追加処方されたものと勘違いし、前医の紹介状を改めて確認することなく、誤処方を継続した。
また、適用外の薬剤処方は、通常、診療報酬審査時に査定されるが、本件では一切の査定および指摘がなされなかった。
さらに、医事システムにおける処方薬剤の検索は3文字検索となっており、「ノルバ」と入力するとノルバデックスしか表示されず、抗腫瘍薬であることの警告もなかった。
ノルバデックスは、一般名のタモキシフェンで入力する。診療支援システム側で抗腫瘍薬など重篤な副作用が危惧される薬剤については、抗腫瘍薬の文字の色を変えたり、劇薬あるいは薬効について注意喚起するメッセージを表示するなどシステムを改良する。具体例として、病名欄に「乳がん」が入力されていないと、ノルバデックスは処方できないようシステム化する。処方箋を患者さんや同伴者に提示して内服薬の薬効、内服方法について確認を行う。医師が業務多忙な時には看護師およびクラークなどからも従来の処方との相違、あるいは過不足がないか確認してもらい、誤処方の防止、早期発見に努める。また、薬剤部からの疑義照会事例については部署内で情報をできるだけ緊密に共有し、誤処方の防止、早期発見に努める。医師が時間的に余裕を持って診療できるように診療体制の整備に配慮する。 ノルバスクとノルバデックスの名称類似性については、平成15年11月27日付医政発第1127004号・薬食発第1127001号連名通知「医療機関における医療事故防止対策の強化について」及び平成20年12月4日付医政発第1204001号・薬食発第1204001号連名通知「医薬品の販売名の類似性等による医療事故防止対策の強化・徹底について(注意喚起)」により、医療機関に注意喚起しているところであり、製造販売業者においても誤用防止のために製品に関する情報提供及び表示の変更等を実施しているところである。
しかしながら、繰り返し同様事例が報告されていること。また、平成14年8月29日付医薬発第0829006号「医療安全推進総合対策への取り組みの推進について」において、企業は患者の安全を最優先に考えた医療安全を確保するための積極的な取り組みが求められており、今般、再発防止の観点から名称の変更が必要であると考える。