独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

平成24年度 第2回医薬品・医療機器安全使用対策検討結果報告(医薬品関連事例) 別添2

本文別添1|別添2|別添3別添4

 

製造販売業者等により既に対策が取られているもの、もしくは対策を既に検討中の事例(医療事故)

No 事故の程度 販売名等 製造販売業者等 事故の内容 事故の背景要因の概要 改善策 調査結果
1 障害残存の可能性がある(低い) メレックス錠0.5mg 第一三共 午前8時40分頃、5種類(6錠)を配薬し、オーバーテーブルの上に薬剤をまとめて置いた。家族に内服介助をお願いし、看護師は退室した。午前8時55分頃、訪室した際、激しくむせ込んでおり、内服薬2種類をPTPごと吐き出し、患者がPTPのまま内服したことがわかった。吐き出した後、咽頭異物感などの自覚症状は消失した。家族によると、少しの間、ベッドから離れ、眼を離したところむせ込み始めたとのことであった。直ちに胸部レントゲン撮影施行。食道にPTPの陰影があり、午前11時20分内視鏡施行。食道部にメレックス1錠を発見し、除去した。バイタルサイン変わらず。自覚症状なし。 家族がいるとはいえ、介助方法の詳しい説明を説明せず、配薬のみを行い、内服を確認しないまま退室した判断不足、アセスメント不足がある。 認知症患者の内服管理は看護師が内服を確認する。他の誤飲がないように環境整備(消毒薬、石鹸、うがい用薬等を置かない)を行う。 平成22年9月15日付医政総発0915第2号・薬食総発0915第5号・薬食安発0915第1号連名通知「PTP包装シート誤飲防止対策について(医療機関及び薬局への注意喚起及び周知徹底依頼)」により、医療機関等に注意喚起等しているところである。
また、平成22年9月15日付薬食安発0915第3号「PTP包装シート誤飲防止対策について」により、製造販売業者に対しても、PTP包装シートの改良、改善の研究開発の継続を依頼しているところである。
2 障害残存の可能性がある(低い) カルスロット錠10
リポバス錠5
武田 MSD 内服薬を自己管理していた患者。術後は看護師管理で内服介助していたが、術後3病日目となり、患者と相談して内服薬を自己管理とした。朝の内服をする時に、患者PTPシートごとリポバス錠1錠、カルスロット錠1錠を内服した。その後ナースコールでPTPシートごと内服してしまったことを看護師に報告してきた。すぐに医師に報告し内視鏡行い、鉗子で1錠は抜去したがもう1錠は抜去困難で、様子観察となった。4日後便にPTPシートが混在していることを確認した。内視鏡検査では、食道部に一部粘膜剥離を認めた。 患者の自己管理能力の査定が不十分であった可能性
看護師管理にする時に、1回毎の内服に分包しており、PTPシートを1錠ごとに切り離し、タイミングごとの一包化としているが、自己管理にする時に、そのままの状態で患者に返却しているためPTPシートが切り離された状態になっていた。
患者の自己管理能力の査定について十分に検討する。
PTPシートの切り離しを安易に行わない。
薬剤部との連携で1包化するときは、PTPシートから出して作成できるかを検討する。(薬剤部の人的問題で現在は無理といわれている。またPTPシートから出せない薬剤もある)
平成22年9月15日付医政総発0915第2号・薬食総発0915第5号・薬食安発0915第1号連名通知「PTP包装シート誤飲防止対策について(医療機関及び薬局への注意喚起及び周知徹底依頼)」により、医療機関等に注意喚起等しているところである。
また、平成22年9月15日付薬食安発0915第3号「PTP包装シート誤飲防止対策について」により、製造販売業者に対しても、PTP包装シートの改良、改善の研究開発の継続を依頼しているところである。
3 障害残存の可能性がある(低い) ワーファリン エーザイ株式会社 与薬30分後患者からヒートシールごと飲み込んだかもしれない旨のコールがあり、胸腹部CTでは発見できず、上部消化管内視鏡にて胃内にシールを確認し、摘出した。 以前からヒートシール飲み込み事故があり、薬剤部ではできる限りヒートシールを切り離さず与薬することを周知確認していた。外来などでやむを得ない状況では、薬剤部で切り離した1錠シートを、指導内容を記載した単一シート用台紙に貼り付け渡している。病棟では、看護師が与薬するため、同様のシステムはなかったが、1回ずつヒートシールから取り出し投与することとなっていた。 ヒートシールが単剤では切り取れなくなっている理由について再度病棟で確認するとともに、事例について繰り返し各部署で周知し、情報が途切れない努力が必要であった。入院前に外来レベルで注意喚起の文書を手にしているはずであるが、書類記載のみでは患者への周知は不十分であり、投薬窓口での口頭説明とともに待合室のビデオでの放送を検討中。 平成22年9月15日付医政総発0915第2号・薬食総発0915第5号・薬食安発0915第1号連名通知「PTP包装シート誤飲防止対策について(医療機関及び薬局への注意喚起及び周知徹底依頼)」により、医療機関等に注意喚起等しているところである。
また、平成22年9月15日付薬食安発0915第3号「PTP包装シート誤飲防止対策について」により、製造販売業者に対しても、PTP包装シートの改良、改善の研究開発の継続を依頼しているところである。
4 障害なし なし なし 肺癌にて化学療法10日目後の患者で、副作用で消化器症状・倦怠感が見られ、点滴キープし食事は摂取できるものを摂取していた。夕食時、嘔気、嘔吐はないが食欲不振あり、配膳時も臥床して過ごされていた。内服介助患者であったが確認を怠ってしまい、夕食配膳時に本人のオーバーテーブルへ内服薬を置いて退室した。その後約30分後訪室すると内服薬が残っており、声をかけるが食欲不振あったため、経過を見て内服薬を促そうと再度退室した。
一旦食事休憩に入り、20時頃訪室すると、内服の空袋があり、残薬がないか確認していると、本人から「薬を開けないまま飲んで、喉がちくちく痛い」との訴えあり。空袋確認するとロキソニン1Tの空シートがなく、口腔内や喉頭など確認するが内服シートはなく、当直Drへ診察依頼する。呼吸器アレルギー内科当直Dr診察後、消内Drへコンサルトし、ロキソニン1Tの形状(1Tずつにシートを切った状態)からも、消化管出血や穿孔の可能性もあるため、緊急で内視鏡施行となる。内視鏡にて、食道入口部にロキソニン1Tあり、鉗子にて摘出となった。摘出時、粘膜損傷は軽度であり、出血も少量であったため、1日禁食とし経過観察となった。
夕方ラウンド時の会話は意思疎通が図れていたが、化学療法後で倦怠感・嘔吐等があり、KT37~37.5℃の発熱あったことで、自己での判断力の低下を来たしていた可能性があった。内服薬をこぼしてしまう事があり、カップにシートからはずした薬を入れ、内服介助するようになった。しかしシートからはずさずカップに薬を入れてオーバーテーブルに置いたまま退室してしまった。内服介助が行えておらず観察、確認不十分となってしまった。 内服介助の徹底。内服介助が必要な患者のベッドサイドへ内服薬を置いて退室せずに、内服時に持参するように注意する。内服摂取時にシートからすべて出されているか確認する。内服介助かどうかの確認、また、内服自己管理患者であっても状態の変化などで管理が行えるかどうか、その都度評価できるようにする。 平成22年9月15日付医政総発0915第2号・薬食総発0915第5号・薬食安発0915第1号連名通知「PTP包装シート誤飲防止対策について(医療機関及び薬局への注意喚起及び周知徹底依頼)」により、医療機関等に注意喚起等しているところである。
また、平成22年9月15日付薬食安発0915第3号「PTP包装シート誤飲防止対策について」により、製造販売業者に対しても、PTP包装シートの改良、改善の研究開発の継続を依頼しているところである。
5 障害残存の可能性なし なし なし 朝食後、PTPシートに入った3種類の薬剤の内服薬を、各1錠ずつ与薬ケースに入れ患者に渡した。
同室者の食事介助中に患者がPTPシートのまま薬を服用
認知・理解力の低下があるとは認識しておらず、危険意識をもっていなかった。
入院1日目
1錠ずつPTPシートを切り離した
患者に薬剤がPTPシートにはいっていることを説明していなかった
配薬ケースは不透明で、中に入っているものは上から覗き込まなければ見えない
患者の理解度に合わせて可能な限り一包化を依頼
PTPシートの薬剤を配薬する場合、出来る限り服薬直前にシートから薬剤を取出し、ケースまたは直接口にいれる
自宅では自己管理ができていても「入院」という環境の変化、切り分けられた薬など、いつもと違う状況に混乱されることもあるため注意
平成22年9月15日付医政総発0915第2号・薬食総発0915第5号・薬食安発0915第1号連名通知「PTP包装シート誤飲防止対策について(医療機関及び薬局への注意喚起及び周知徹底依頼)」により、医療機関等に注意喚起等しているところである。
また、平成22年9月15日付薬食安発0915第3号「PTP包装シート誤飲防止対策について」により、製造販売業者に対しても、PTP包装シートの改良、改善の研究開発の継続を依頼しているところである。
6 障害残存の可能性がある(低い) メバロチン 第1三共製薬 18:30頃「薬をそのまま飲んでしまった。慌てていたんや」と訴えあり。夕食後のメバロチン1錠をシートごと服用し咽頭に引っかかっていると訴える。当直医(呼吸器外科)報告。緊急内視鏡検査施行した。食道入口部にPTPシート引っかかっていたため除去した。極少量の出血認めたが直ぐ止血し検査終了。その後も異常なく経過した。 看護師管理の患者であったが、PTPシートから薬を出さずにそのまま渡してしまった。
  1. 入院時患者の情報を薬剤師と共に確認し、服薬管理方法を決定する。(自己管理・1日配り・1回配り等)
  2. シート誤嚥する可能性があるハイリスク(高齢者・認知症患者・目の悪い患者・手が不自由な患者等)患者は必ず一包化する。
  3. 薬剤科との連携を密にし、患者の状況に合った服薬管理方法を検討する。
平成22年9月15日付医政総発0915第2号・薬食総発0915第5号・薬食安発0915第1号連名通知「PTP包装シート誤飲防止対策について(医療機関及び薬局への注意喚起及び周知徹底依頼)」により、医療機関等に注意喚起等しているところである。
また、平成22年9月15日付薬食安発0915第3号「PTP包装シート誤飲防止対策について」により、製造販売業者に対しても、PTP包装シートの改良、改善の研究開発の継続を依頼しているところである。
7 障害なし ブルフェン顆粒200mg 科研製薬(株) 手書き処方箋にブルフェン顆粒450mg/日 3×(14)と記載された処方箋に基づき調剤した。
約1ヶ月後、9時 患者の母親から、「この薬いつもより量が少ない」との訴えがあり、薬剤部で調べたところ、秤量間違い調剤が発覚した。
ブルフェン顆粒450mg/日は成分量を意図して処方せんに記載されていた。
調剤者は、ブルフェン顆粒200mg/1gと認識せずに調剤した。
鑑査者も同様に鑑査していた。
採用薬品は、オーダー処方のため、成分量を入力すれば、総量に自動計算するシステムで運用しているが、今回は仮採用薬品のため、マスター登録されていなかったために、処方オーダー出来ず、手書き処方箋でのオーダーとなり、総量と成分量の両方を入力する取り決めであるが、医師が記載を忘れた。受け手の薬剤師も疑義照会しなかった。
仮採用薬を1週間に1回は登録する。
調剤時、薬品の規格・量を確認し、慎重に行う。
平成22年1月29日付医政発0129第3号・薬食発0129第5号連名通知「内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会報告書の公表について(周知依頼)」等が公表されており、その中で、処方箋への散剤の記載方法については「薬名を製剤名で記載し、分量は製剤量を記載することを基本とする。例外的に、分量を原薬量で記載した場合には、必ず【原薬量】と明示する。」と示されている。
8 障害なし イノバン注0.3%シリンジ 協和発酵キリン株式会社 0.3%イノバンシリンジを指示どおりにセットしたが、投与10分後ABP190台、HR150台になり、Afとなった。ジゴシン、ワソラン使用、イノバン中止した。処置後イノバン確認するとイノバンシリンジのゴム栓が斜めになりシリンジの中に空気が多量に入っていた。イノバンは1ml/hの指示であったが30分で15~20ml注入されていた事が判明した。イノバンシリンジの組み立ての際、接続部にゆるみがあり次第にゴム栓が斜めに傾き空気がシリンジ内に入りシリンジポンプの位置も身体より30~40cm上に設置されていたのでイノバンが急速注入された イノバンシリンジの組み立ての問題とシリンジポンプの高さの問題 イノバンシリンジの改善を医薬品安全情報報告を行った。⇒来年度に改善の予定との返事を貰った
シリンジポンプ位置を心臓よりできるだけ上げないように周知した
当該製品については、製造販売業者により、確実に押し子が接続できるよう、押し子とガスケットの接続部の改良が行われたところ。

 

製造販売業者等により既に対策が取られているもの、もしくは対策を既に検討中の事例(自己管理薬に関連した事例)

No 事故の程度 事例の内容 背景・要因 改善策 評価案
9 不明 患者の内服薬の管理は家族が行っていた。朝食後の内服薬を付き添いをしていた家族に渡した。家族がテーブルの上に置いたまま席を外したところ、袋に入った内服薬5錠(セレコックス錠100mg、オパプロスモン5mg、ガバペン300mg、ユリーフカプセル2mg、ブラダロン200mg)をPTPシートのまま患者が内服した。家族が戻り誤飲に気が付いた。患者の自覚症状はなかったが、CT検査を施行し、食道内に異物を確認できたために、緊急内視鏡を施行し、5錠すべて摘出した。 自宅では家族が毎回PTPシートを外して患者に内服させていた。今回も家族へ依頼したが、席を外したところで患者がそのまま内服するものだと勘違いをした。内服薬は入院直前に院外処方で処方されていた。一包化されずPTPシートのまま処方された。
  • 入院時の持参薬は、内容を確認した上で新たに一包化するよう処方オーダーをする。
  • 認知障害のある患者の下へPTPシートのまま薬を持参しない。
平成22年9月15日付医政総発0915第2号・薬食総発0915第5号・薬食安発0915第1号連名通知「PTP包装シート誤飲防止対策について(医療機関及び薬局への注意喚起及び周知徹底依頼)」により、医療機関等に注意喚起等しているところである。
また、平成22年9月15日付薬食安発0915第3号「PTP包装シート誤飲防止対策について」により、製造販売業者に対しても、PTP包装シートの改良、改善の研究開発の継続を依頼しているところである。

 

製造販売業者等により既に対策が取られているもの、もしくは対策を既に検討中の事例(PTPシートを誤飲した事例)

No 事例 評価案
10 【内容】
朝食後薬のラシックスを内服する際に誤ってシートとホチキスの針がついたまま誤って内服してしまったと報告あり。喉を通過した際に痛みがあったため気付いたとのこと。担当医に報告し腹部レントゲンと内視鏡、補液のオーダーとなった。
【背景・要因】
  • 薬袋に直接錠剤をホチキスで留めており、そのまま内服してしまう可能性の有無があるかないかの評価をせずそのまま同じような管理方法で現時点まで行っていた。
  • 前日まで吃逆が止まらず身体的苦痛が強く内服管理に対しても敏感になっていた。しかし昨日の夕方ころより症状が落ち着いてきたため気持ちにゆとりができこれまでの行為への注意力が散漫になっていた。
  • 内服薬が後から追加されたものがいくつかあり、シートのままの処方のため混乱しやすく管理が難しい状況にあった。
  • 自己管理から1日渡しに変更し対応はしたが、処方を一包化にするなど本人にとっての管理のしやすさを取り入れた対策を行わなかった。
平成22年9月15日付医政総発0915第2号・薬食総発0915第5号・薬食安発0915第1号連名通知「PTP包装シート誤飲防止対策について(医療機関及び薬局への注意喚起及び周知徹底依頼)」により、医療機関等に注意喚起等しているところである。
また、平成22年9月15日付薬食安発0915第3号「PTP包装シート誤飲防止対策について」により、製造販売業者に対しても、PTP包装シートの改良、改善の研究開発の継続を依頼しているところである。