医薬品医療機器法では、製造販売承認等の申請に係る資料に添付された資料は、Good Laboratory Practice (GLP)、Good Clinical Practice (GCP)、信頼性の基準に従って収集され、かつ、作成されたものでなければならないこと、機構がこれらに関する調査を実施することが定められています。
医薬品、医療機器及び再生医療等製品GLPは、製造販売承認等の申請に添付される非臨床安全性試験の品質及び信頼性を保証しています。医薬品、医療機器、及び再生医療等製品GLP省令及び施行通知については、こちらを参照ください
機構が実施する施設に係るGLP適合性調査は、他のGXPの適合性調査と異なり、製造販売承認等の申請の有無に関わらず、定期的に実施されます。施設に係る調査において、GLP適合性が確認された場合には、GLP適合確認書が発行されます。製造販売承認等の申請資料に添付された非臨床安全性試験が、機構の発行する有効なGLP適合確認書が発行された試験施設で実施された場合には、当該試験はGLP適合試験であるとみなされます。詳細は、以下の「GLP適用承認申請資料のGLP適合性について」を参照してください。
経済協力開発機構(OECD)は、安全性試験の重複等を避けること(それによる動物数の削減を図ること)、GLP査察当局間の協力基盤を形成すること、貿易障壁の発生を防ぐことを目的に、データ相互受け入れ制度(Mutual Acceptance of Data: MAD)を実施しています。OECD加盟国及びMAD参加国(OECD非加盟国でMADに参加している国であり、GLP査察実地評価(On-Site Evaluation: OSE)において、GLP査察当局の査察能力の認定を受けた国)は、OECD Test Guideline及びOECD GLP原則(又は同等の試験ガイドライン及びGLP)に従って実施された非臨床安全性試験に受け入れ義務が生じることに合意しています。日本は1964年よりOECDに加盟しており、MADの対象国です。
MAD及びOECD GLP原則等については、以下を参照ください(英語のみ)。
機構が実施するGLP適合性調査は、その目的の違いから、以下の3つに大きく分類されます。
施設に係る調査は、製造販売承認等の申請の有無に関わらず、国内の試験施設からの自主的な申請に基づいて定期的に行われます。施設に係る調査では、施設の調査及びスタディーオーディット(試験の調査)が行われます。本調査において試験施設がGLP適合と判断された場合には、GLP適合確認書が発行されます。GLP適合確認書は3年間有効です。現時点では、施設に係る調査は、国内の試験施設に対してのみ実施されております。施設に係る調査の実施の詳細については、「医薬品GLP又は医療機器GLPの実地による調査の実施要領」の一部改正について(令和元年5月7日 薬機発第0507006)を参照してください。
GLP適用承認申請資料に係る実地による調査(品目調査)は、製造販売承認等の申請の受理に応じて行われます。品目調査では、製造販売承認等の申請で提出されたGLP試験についての調査が行われますが、必要があれば、当該試験を実施した施設についても調査が行われます。品目調査は、機構が発行したGLP適合確認書(国内試験施設の場合)又は外国政府機関(又はこれに準ずるもの)が発行したGLP適合に関する文書を持たない試験施設においてGLP試験が行われた場合に実施されます。なお、品目調査において、該当する試験がGLP適合と判断された場合にも、GLP適合確認書は発行されません。品目調査の詳細については、「医薬品GLP又は医療機器GLPの実地による調査の実施要領」の一部改正について(令和元年5月7日 薬機発第0507006)及び以下の「GLP適用承認申請資料のGLP適合性について」をご参照ください。
任意の調査は、国内の有効なGLP適合確認書を所持する試験に施設に対して、機構の審査部門等からの要請、GLP試験又は試験施設のGLP適合性に疑義が生じた場合等に随時実施されます。
種類 | 実施のタイミング | 実施レベル | GLP適合確認書 |
---|---|---|---|
施設に係る調査* | 試験施設からの調査申請に基づく (製造販売承認等の申請の有無に よらない) |
自主的 | 発行される (有効期間3年) |
GLP適用承認申請資料 に係る実地による調査(品目調査) |
製造販売承認等の申請の受理に応じて | 必須** | 発行されない |
任意の調査 | 必要が生じた場合 (審査部門からの要請、 何らかの問題が生じた場合等) |
強制的 | 発行されない |
*施設に係る調査において、追加の調査が必要と判断された場合には、追加調査を行う場合があります。
**施設に係る調査の結果、GLP適合確認書の発出を受けた試験施設で行われた非臨床安全性試験については、GLP適合確認書の書面による確認をもってGLP適用試験とみなし、GLP適用承認申請資料に係る実地の調査(品目調査)は原則行われません。
詳細は、以下を参照ください。
国内試験施設で実施された試験
機構が発行した有効なGLP適合確認書を所持する試験施設において実施された試験については、原則的に品目調査は実施されません。機構は、製造販売承認等の申請を受理した後に、製造販売承認等の申請資料に添付されたGLP試験が実施された試験施設のGLP適合確認書の有無を調査します。試験実施当時に有効なGLP適合確認書を有しない試験施設で実施された試験については、原則的に品目調査が実施されます(「GLP適合性調査の種類」を参照)。
海外試験施設で実施された試験
製造販売承認等の申請の際に、OECD加盟国又はMAD参加国のGLP査察当局から発行されたGLP適合確認書等の写しを添付してください。当該文書が確認できない場合には、品目調査が必要となる場合もあります(「GLP適合性調査の種類」を参照)。
MAD暫定参加国とは、MADに関するOECD Council Actを遵守しているものの、初回のOSEにおいて、当該国のGLP査察当局の査察能力の認定を受けていない国です。MAD暫定参加国は、OECD加盟国又はMAD参加国にある試験施設で実施された試験を受け入れる必要があるものの、OECD加盟国又はMAD参加国は、MAD暫定参加国にある試験施設で実施された試験を受け入れる義務はありません。したがって、機構は、MAD暫定参加国の試験結果の受け入れを拒否するか、もしくは試験結果の受け入れが可能かを決定するために品目調査が必要となる可能性があります(「GLP適合性調査の種類」を参照)。
OECD MADの枠組みに参加していない海外の試験施設で実施された試験についても、機構は受入れを拒否する可能性があり、試験結果の受け入れが可能であるかを決定するために品目調査が必要となる可能性があります(「GLP適合性調査の種類」を参照)。
上記のいずれのケースにおいても、GLP適合性に疑義が生じた場合には、製造販売承認等の申請の申請資料から除外される可能性があることに留意してください。製造販売承認等の申請時におけるGLP試験の取扱いについては、医薬品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売承認申請等の際に添付すべき医薬品、医療機器及び再生医療等製品の安全性に関する非臨床試験に係る資料の取扱い等について(平成26年11月21日 薬食審査発1121第9号 薬食機参発1121第13号)を参照してください。
化学物質 | 省庁 | 関連組織 |
---|---|---|
医薬品・医療機器・再生医療等製品 | 厚生労働省 | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA) |
安衛法対象化学物質 | 厚生労働省 | 独立行政法人 労働安全衛生総合研究所(NIOSH) |
1)農薬 2)飼料添加物 3)動物用医薬品 |
農林水産省 | 1),2) 独立行政法人 農林水産消費安全技術センター(FAMIC) |
3)農林水産省動物医薬品検査所(NVAL) | ||
工業化学製品 1)毒性 2)生物蓄積・分解 3)生態毒性 |
1)厚生労働省 | 国立医薬品食品衛生研究所(NIHS) |
2)経済産業省 | 独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE) | |
3) 環境省 | 国立環境研究所(NIES) |