IABS※、 PMDA、 JST、 NIBIO 共催「再生医療等製品の適正な開発のための国際的規制の取組みに関するシンポジウム」が下記のとおり、開催され、無事終了しました。(開催案内についてはこちら)
開催日時: 平成27年2月18日から19日まで
開催場所: 一橋大学一橋講堂(東京都千代田区)
※ IABS: The International Alliance for Biological Standardization
出席者
日本からは、近藤理事長、佐藤再生医療製品等審査部長、IABSの早川堯夫理事(近畿大学教授)、JSTの外村正一郎理事、NIBIOの松山晃文部長心得、国立医薬品食品衛生研究所の佐藤再生・細胞医療製品部長が出席した他、国内外の規制当局、研究機関及び産業界から180名の参加がありました。外国からの主な出席者は、次のとおりです。
John Petricciani, IABS President, formerly with WHO & FDA, USA
Anthony Ridgway, Health Canada, Canada
Jean-Hugues Trouvin, Univ. Paris Descartes, France
Pierrette Zorzi-Morre, Formerly with AFSSAPs, France
Surapol Issaragrisil, Mahidol Univ., Thailand
James W. McBlane, MHRA, UK, Glyn Stacey, UKSCB/NIBSC, UK
Mahendra Rao, NYSCF, USA
Ivana Knezevic, WHO (代読)
会議概要
本シンポジウムは、IABS と協力し、再生医療で用いられるヒト細胞加工製品の特性を踏まえて、品質、有効性及び安全性の評価の上で考慮すべき規制上の事項に対する認識を共有し、対話や情報交換を進め、科学的な原則/概念や考慮すべき事項を包括し、国際的に適用可能な共通の技術的要件「ミニマム・コンセンサスパッケージ」を目指すことを目的に開催されました。
すべての発表及び議論は英語で行われ、国内外の参加者の活発な議論をとおし、細胞加工製品に共通する品質、前臨床及び臨床試験での評価に不可欠な科学的・技術的要素に関して、現在の課題を含めて認識を共有することができました。細胞加工製品に特有の課題では、例えば、品質では最終製品の力価を含む規格設定の考え方、安全性では造腫瘍性の評価のあり方等について、国内外の出席者による活発な議論が行われました。
今回のシンポジウムの結論として、細胞加工製品の品質管理、安全性確保の多くの事項に対しても、ICHガイドライン(Q5A、 Q5D、 Q5E、 Q6B、 S6)の考え方が適用可能かつ有用であること、また、ガイドラインを当てはめにくい特有の事項への対応が今後の課題とされました。
そのような課題に対して、細胞加工製品の種類、対象患者、製造管理などの複雑な環境の中で規制において柔軟にリスクベースでの対応を行いながら、WHOその他の場を通じて、引き続き、国際的なコンセンサスを得ていく必要性が確認されました。
わが国の国際的なプレゼンスはもとより、多くの日本の関係者にそれぞれインパクトがありました。本シンポジウムをひとつの契機として、再生医療の実用化が国際的に前進することが期待されます。
なお、今回のシンポジウムの成果は、IABS による科学的な細胞加工製品の規制の考え方の提案として、国際的な学術誌に掲載される予定です。
講演スライド
*一部のスライドを掲載
Takao Hayakawa (Kindai Univ., Japan)
Daisaku Sato (PMDA, Japan)
Daisuke Maeda (PMDA, Japan)
Takao Hayakawa (Kindai Univ., Japan) , Norihisa Sakamoto (PMDA, Japan)