17 執行役員(研究部門担当) 宇山佳明 and Japan. Ther Innov Reg Sci 57, 1298-303 (2023). 10.1007/s43441-023-00566-6 また、国際共同治験における症例割合を検討したところ、東アジア又は東南アジア諸国の参加の有無は、国際共同 したがって、国際共同治験において、日本と他のアジア諸国、特に東南アジア諸国との連携を強化することでアジア<該当論文>PubMedはこちら Aoi, Y., Kato, Y. , Asano, K., Otsubo, Y. & Uyama, Y. Characteristics of Asian Participation in Multi-regional Clinical Trials Reviewed for Drug Approval in Japan: Opportunities for Collaboration Between South-East Asia, East Asia, <背景> 医薬品の国際共同開発が進み、日本の承認申請資料に国際共同治験の成績が含まれる事例が増加しているが、アジアでのさらなる連携強化に向け、日本の医薬品承認審査で評価された国際共同治験におけるアジア人の参加状況等を検討しておくことは、今後の適切な開発を促進する上で有用と考えられた。 <概要等> 日本で承認された医薬品のうち、評価資料となっていた国際共同治験について、アジアの参加状況等を検討した。その結果、90%以上の国際共同治験は、日本以外に、アジア諸国や欧米が参加しており、様々な地域や国が参加する治験であった。アジア地域を東アジアと東南アジアに区別して検討したところ、日本が参加している国際共同治験の約70%には他の東アジア諸国も参加していたが、東南アジア諸国の参加は、30%未満であった。 治験における日本人症例の割合に影響を及ぼさなかったが、これら東アジア又は東南アジア諸国が日本と同時に国際共同治験に参加した場合には、アジア人としての症例割合が、日本単独では約12%程度であったものが、東アジア諸国の参加により約19%まで増加し、さらに東南アジアが参加している場合には約32%まで増加した。 人としてのデータが増加し、ICH E17ガイドラインで述べられているpooled conceptの適切な運用等を考える上での科学的な基礎情報の集積につながることが期待された。 <RSへのインパクト、期待されること> 本研究は、日本とアジア諸国との連携を強化することで、民族的要因を考慮した医薬品開発及び有効性・安全性等の評価を適切に促進することが可能となることを示唆しており、今後のアジアにおける国際連携や規制の国際的整合化を検討する上で役立つものと考えている。 日本の医薬品承認審査で評価された国際共同治験における アジア人の組み入れに関する特徴:アジアでのさらなる連携に向けて
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