独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

平成18年度 厚生労働省 第12回医薬品・医療機器等対策部会 別添4

本文別添1別添2別添3|別添4

第12回医薬品・医療機器等対策部会

◎ 医療機器の製造販売業者等による対策の必要性が低いと考えられたヒヤリ・ハット事例(人工呼吸器関連・その他)

    具体的内容 背景・要因 関与した機器の種類
1 電源に関する事例 警報アラームが鳴ったので看護師が訪室すると、アラーム表示が表示されており、内部バッテリーによる動作を示す部分に黄ランプがつい ていた。電源を確認すると少し浮いている状態だった。コンセントを差し直すとアラームが消えた。
  • 赤コンセント(無停電回路)の位置が、吸引瓶の裏側にあり、吸引瓶を取り外す時にぶつかる状態だった。
  • 呼吸器チェック時に電源の確認が不十分だった。
  • 赤コンセントが外れる可能性があることを予測出来なかった。
人工呼吸器
2 人工呼吸器をベッドより車椅子へ搭載後、外部バッテリーコードに接続されていないことを発見した。
  • 人工呼吸器チェック表で、ひとつひとつの項目を確実に確認しチェックする。
人工呼吸器
3 人工呼吸器を車椅子へ搭載後、内部バッテリーで作動していることを発見した。
  • 移動介助時、患者が話し掛けて来た事により気を取られ、人工呼吸器バッテリーランプの確認を怠った。
  • 移動時、介助者2名での確認が実施されていなかった。
人工呼吸器
4 酸素供給に関する事例 中央の酸素ボンベの酸素量が少なくなっていた。
  • 酸素警報ボックスが詰所の中についており、ナース管理になっている。
  • 壁横の見えにくい位置に設置されている。連絡忘れた場合、再確認するシステムがない。
酸素中央配管(雑品?)
5 酸素バルブより酸素が漏れていた。
  • 常時の点検項目には入っていない箇所であった。
酸素バルブ
6 アンビュバッグによる人工呼吸を行いつつ入浴をすませた後、夜勤帯看護師が酸素が送気されておらず、高濃度の酸素が供給されていない 事を発見した。
  • 人工呼吸器装着後の看護師2名での点検、確認をしなかった。
人工呼吸器
7 酸素コードが外れていた。
  • 同室で今回の手術前に、他科の手術があった。
  • その手術で経鼻チューブから、酸素と笑気を流す必要があるため、特別の酸素コードを使用した。
  • そのコードを麻酔器より取り外し収納した後、麻酔器の酸素コードを接続し忘れたのが原因。
麻酔器
8 回路に関する事例 人工呼吸器「サーボ」(人工呼吸器の機種のひとつ)作動点検時、使用しているトランスデューサーの組み合 わせ番号の不一致が判明した。
  • 人工呼吸器回路の組み立て経験回数は10回程度であった。
  • 組み立てマニュアルの参照、確認をしていなかった。
人工呼吸回路
9 ウォータートラップ(人工呼吸器の回路内の結露を取り除く装置)がわずかに傾いてセットされていた。
  • ディスポ回路を使用しているが、リユーザブル(再利用可)のウォータートラップより軽いためセットがしにくい。
  • 水を捨てる回数が多いため、確認が安易になりやすい(人工呼吸器使用台数が多いため)。
人工呼吸回路
10 人工呼吸器と気切(気管切開)チューブの接続が外れていた。患者は強く咳をしていた。
  • 患者の状態把握不足。
  • 患者側の要因による
気管切開チューブ
人工呼吸回路
11 呼気と吸気が逆に接続されていた。
  • 確認不十分。
  • 複数の観察項目の確認を忘れていた。
人工呼吸器
人工呼吸回路
12 圧センサーと温度センサーを逆に取り付けてしまった。
  • 慌てていたため間違いに気付かず、回路図での確認を行わなかった。
  • 一度温度設定のアラームが鳴り、もうひとりのスタッフと回路を見たが、取り付けの間違いに気付かなかった。
  • アラームが止まったので、電源を入れてすぐの冷却状態から器械が温まるまでの間にアラームが鳴ったのであろうと2人で思い込んでしまった。
人工呼吸回路
13 バルブの位置間違い。
  • 回路の接続方法がどこにも表示されていなかった。
  • 使用開始時と回路交換時にしか接続の確認がされていない。
  • 臨床工学技士の介入がない。
  • 常時回路を組み立てておくのは、回路の予備が不足になる可能性がある。
人工呼吸回路
14 吸引を実施していたら、人工呼吸器より通常聞かれないリーク(漏出)音がした。背面の酸素・圧縮空気ホースの接続部からリーク音が聞 かれ、手を当てるとエアーリークが確認された。
  • 保守点検は定期的に実施されていたが、突発的なエアーリークであった。
  • 問題発生の要因は不明。
人工呼吸器
15 23時の巡視時に、サーボ(機種の名称)呼気回路より空気漏れがあり、ME(MedicalEngineer:臨床工学技士)室より 回路一式が入った滅菌袋を持参しその中の短い蛇管を取り出し交換した。翌朝滅菌袋の滅菌テープの色から未滅菌の袋であることが分かった。
  • いつもの蛇管が入っている密閉された滅菌パックを見て滅菌されていると思い込んだ。
  • ME室では「滅菌済み」や「未滅菌」の表示がなく、雑然と器械類と混在していた。
人工呼吸回路
16 回路交換を開始してすぐに、回路途中の接続部が外れてしまったために、手順が分からなくなってしまった。代替補助呼吸をしていなかっ たため、呼吸状態が一時低下した。
  • 手順が不十分なままとりかかった。(できると思い込んでいた。)
  • 2人で行っていたが、コミュニケーションが不足しており、スムーズに交換できなかった。
  • 回路交換のリスクを考えていなかった。
  • ジャクソンリース等で代替補助呼吸を行いながら回路交換等するという基本を怠った。
人工呼吸回路
17 技師が病棟に着いてから約30分の間、呼吸器を準備するのに時間がかかり、使用できなかったため、アンビュバックによる人工呼吸を行 わねばならなかった。
  • 呼吸器がレンタルであったため、回路を見るのが初めてであり、取り付けるのに時間がかかった。
  • また、技師は1年目の新人であったため、勉強不足も原因である。
人工呼吸器
人工呼吸回路
18 気管内吸引後、呼吸器回路と気管カニューレを固定するストロングホールドが外れたままになっていた。
  • 気管内吸引時にストロングホールドを外し、カテーテルマウントの吸引口を開いて吸引カテーテルを挿入し実施する。
  • 吸引終了後呼吸器の確認をし、ストロングホールドの固定を忘れていた。
気管カニューレ
人工呼吸回路
19 患者のベッドを挙上させることにより、人工呼吸器の回路が屈曲した。
  • 挙上して体が動き、蛇腹が屈曲したのではないか(手が動いたことが予想される。体が動くことを予想しなかった)。
人工呼吸回路
20 気道内圧チューブが外れていた部分にキャップをした。
  • 回路組立の知識不足。
  • 気道内圧チューブの接続外れ。
人工呼吸回路
21 回路交換後、再度回路チェック施行したが、テストバックをつけ、リークチェックをするという事を知らず行っていなかった。
  • テストバックをつけ、リークの確認を怠っていた。
人工呼吸器
人工呼吸回路
22 空気の漏れるような音がした為、接続部の点検を実施。換気量や酸素飽和度に変化がないため様子をみていたが、再び空気漏れのような音 がしたため回路を点検すると、空気漏れを感じたため、医師と共に回路の交換を行った。呼吸器のセルフチェックでは認できない程度のわずかなリークであっ た。
  • リユース(再利用)の回路で劣化が原因であるが、使用回数が決まっていない。
  • 定期的な製品の更新ができていない。      
  • 劣化したら廃棄更新というシステムである。
人工呼吸回路
23 加温加湿器に関する事 例 加温加湿器を非侵襲モードで使用時、瞬間停電にて初期設定モードに切り替わり、侵襲モードに切り替わったままで経過した。
  • 停電時、呼吸器は点検したが、加湿器は点検しなかった。
  • 加湿器は電源が入ると、初期設定モードになる事の知識が不足していた。マスクの水滴が多い事に対し、以前にもあったという過信から加湿器を確認しなかっ た。
加温加湿器
24 人工呼吸器を人工鼻より加温・加湿器に変更した時、加温/加湿器の電源を入れ忘れた
  • 加温・加湿の管理に対する知識が未熟であった。
  • 人工呼吸器装着時、人工鼻使用が多いため、加温・加湿器へ変更した時の操作が不慣れで、電源自体の確認をしなかった。
加温加湿器
25 設定 ・操作部に関する事例 人工呼吸器で呼吸管理中の児が処置中に酸素飽和濃度が低下したために酸素を一時的に増量した。
設定変更時に「入力」ボタンを押さなかったため、設定が変更されていなかった。
  • 昨年購入した新しい呼吸器の種類であったため、操作方法の知識が不十分であった。新しい機械の購入時の職員への教育が不十分であっ た。
人工呼吸器
26 ASB(asisstedspontaneousbreathing:自発補助呼吸)圧をPEEP(positive end  expiratorypressure:呼気終末気道陽圧)より高く設定していなかったため、設定した条件では圧支持換気がなされていなかった。
  • 呼吸器により作動特性が異なる。
  • 複数の呼吸器が存在しており、それらの特性を熟知して使用できていない。
  • 生体情報モニターはされていたが、異常を示すアラームが作動する状態の変化はなかった。
人工呼吸器
27 呼吸器の設定は「SIMV4+PS4、PEEP4、MV4.5、F10、トリガー2」で呼吸管理していた。血液ガス像からCO2の貯 留が認められたため、SIMVを2Oへ変更して経過をみていた。強制換気が入っていなかった。
  • サーボベンチレーターは、SIMV回数を呼吸回数以上にセットすると、設定MV異常の換気補助をしなくなる性質があった。
  • 上記のことについて、医師、看護師は知らなかった(MEが取り扱いマニュアルを確認して分かった)。平日はMEが作動状況を確認しているが、休日であっ たためMEの関与がなかった。
  • 呼吸器によって、取り扱い方が異なる。
  • 数種類の呼吸器が導入されている。
人工呼吸器
28 吸引時FiO2(fractionalconcentration of O2 in the inspiratory gas:吸入酸素濃度)を100%にし、その後35%に戻すのを忘れた。
  • 人工呼吸器に関してのマニュアルが生かされなかった。
  • 当院で人工呼吸器管理患者は5名を上限としているが(管理上)、上限の5台が稼動しており、多忙であった。
人工呼吸器
29 稼動良好であったが、リザーバーバッグが膨らまなかった。側面パネルスイッチがOFFになっていた。
  • 側面パネルに関する認識がなかった。
  • 業者との連携不足。呼吸器交換後チェックはしていたが、通常触ることのないスイッチまでチェックしていなかった。
人工呼吸器
30 申し送った量と設定している量が違っていた。
  • 申し送る前に再度サーボの設定確認をしなかっ た。
  • 目付の新しくなったフローシートにサーボ(人工呼吸器の機種の名称)の数値の記入ミスがあった。
  • 申し送られた者の確認不足。
人工呼吸器
31 夜間のみ呼吸器を装着しCPAP(ContinuousP・sitive Airway Pressure:持続陽圧呼吸療法)で呼 吸管理を行っていた。呼吸機後面のスイッチがONになっていなかった。
  • 呼吸器の取り扱いについて熟知している看護師にもかかわらず、基本的操作によるミス考えられる。
  • マニュアルに沿って複数人数による複数回の確認が徹底されていなかった。
人工呼吸器
32 PEEP(positiveendexpiratorypressure:呼気終末軌道陽圧)を「10cmH2O」に設定するはず が、「16cmH2O」になっていた
  • 呼吸器の設定の確認は最初のラウンドと最終のラウンドのみ行っていたことやアラームがなったときに、もう一度呼吸器の設定を確認す る意識が足りなかった。
人工呼吸器
33 PS(pressure support)の設定が「10cmH2O」から「6cmH2O」になっていた。
  • 洗髪時に呼吸器の設定にあたり、変わってしまった可能性が高い。
人工呼吸器
34 16時40分、主治医から呼吸器設定変更(FiO2:吸入酸素濃度、0.3から0.5へ)を指示簿で出されたが、呼吸器の設定操作が できていなかった。
  • 確認が不十分であった。勤務交替時の指示・伝達のミス。
  • 医師と看護職間、看護職の間の連携・コミュニケーション不足。
人工呼吸器
35 人工呼吸器の流量設定が誤っており、家族に指摘されるまで気付かなかった。
  • 午前中に回路交換しており、関連があるかもしれない。
  • 受け持ち時、基本的なチェックをしていない。
人工呼吸器
36 IPAP(inspiratory positive airway pressure:吸気時気道内陽圧)14が24になっていた。
 
  • 自身の呼吸器(NIPPV:Non-nvasiveIntermittent  PositivePressureVentilation、非侵襲間欠的陽圧人工呼吸療法)の知識不足。
  • 機器の取り扱いについて分かりやすいマニュアルがない。
  • 知識を深めるための勉強会、説明会が定期的に行っていない。
  • NIPPVの設定、アラームなど日本語で明記されていない。
  • 設定値については記入されているが、他の詳細については記載がない。
人工呼吸器
37 人工呼吸器を慌てて設定した。その際ベンチレーションモードのつまみの位置が中途半端であったためTV(Tidal volume: 1回換気量)等の測定値が出なかった。
  • 前もって人工呼吸器を用意していなかった。
人工呼吸器
38 人工呼吸器点検中、1回換気量が1480mLと高値を示す。吸引を行い装着すると200前後に表示あり。数時間後再度1回換気量が 900-2000mLと異常高値を表示した。
  • 人工呼吸器回路の呼気フロートランスデューサー感知ラインのY字の部分に疾や水滴が貯まっていると高値に表示される。
人工呼吸器
人工呼吸回路
39 気管切開にて人工呼吸器PLV(人工呼吸器の機種の名称)装着患者さんの気管カニューレ交換時、呼吸器低圧アラーム鳴りベッド反対側 から手を伸ばし、消音ボタンを押しカニューレのガーゼ固定時、呼吸器がスタンド台より落下する。患者様には呼吸器接続されていなかった。
  • 吸器専用スタンドヘの取り付けが不十分。
  • 本体をスタンドにスライドさせ固定させる際、きちんと固定されていなかった可能性ある。
人工呼吸器
40 人工呼吸器関連以外の 事例 保育器の加温加湿器が高値を示していたため、加温加湿槽の水を抜き、しばらく様子を見たが、改善がなかったため一度クベース(保育 器)の電源を切った。再度電源を入れ、加温加湿器の様子を見ていた。そのとき、保育機内に流れていた酸素流量はリセットされ、再起動しなければ稼動されな い状態だった。そのまま1時間ほど経過し、次の勤務者に申し送りをしたところ、保育器内に酸素が流れていなかった間には児に大きなバイタルサインの変動は なかった。本来は酸素が流れることにより、保育機内酸素濃度は30%であるべきところ、保育機内に酸素が流れていなかったことから室内と同じ21%の状態 だった
  • 各クベースに「再起動時は酸素流量・加温加湿の確認をと黄色で貼られているテープの存在は気づいていたが、意識していなかった。ま たそのテープが貼られている理由を知らなかった。
  • 再起動後酸素が流れているかの確認が記憶から抜けていた。
  • 検温版に酸素使用の患児は毎時間酸素濃度を記入する欄があるが、勤務交代時で活用していなかった。
  • クベースを再稼働させるときはクベース温度、プローベ管理、酸素濃度・加温加湿の確認をすることは原則であるがその確認をしたりしなかったりしていた。
保育器
41 気管内洗浄の準備時、アンビュバッグがふくらまないことを確認。ヒューミディファイヤーアダプター(加湿機能を有するアダプター)の 所から気流がほとんど出ていなかった。アダプター交換時、使用されていたアダプターのゴム弁が間違ったところに取り付けられていることに気づいた。速やか に交換を終え、リザーバーが膨らむことを確認し洗浄を行った
  • 確認したところ、前回の気管支洗浄は回路交換を行う前に施行されていたことがわかった。
  • 気管内洗浄の準備段階で確認したことでアクシデントに至らなかった。
加温加湿器?
42 24時間持続点滴の患者の輸液ポンプが2時間止まっていることが、時間チェック時に発見された。準夜勤務 中0時に最終輸液量を確認し、計算し時間設定を変更したが、電源をONにするのを忘れていた。深夜勤帯の看護師が2時の時間チェック時に輸液量が減ってい ないことに気付き発見した。
  • 業務手順・ルール・チェックの問題
  • チェックリストには、「電源OK」とチェックがあったが、果たして輸液量変更後にチェックしたかどうか確認中。
  • 変更前にチェックしていればチェックリストの信用性が欠ける。
輸液ポンプ
43 シリンジポンプを用いて(ビソルボン1A+生食20mL)を投与したが、三方活栓を開放し忘れたため投与 されていなかった。5分後にシリンジポンプの過負荷アラームが鳴り、三方活栓の誤操作に気付いた。
  • 注射接続時の確認不足。
三方活栓
44 痛みのコントロールの為、「塩酸モルヒネ」1Aと生食15mlを0.2ml/時間の速度で微量注入器で持 続皮下注していたところ、8時間後にそれまでに注入する量が正確に注入されていない事実に気付いた。微量注入器の作動のランプは点滅していた。
  • 0.2ml/時間の速度からすると、巡回時、2時間毎にチェックしていたが、目盛りで判断するには極めて微量なため、なかなか確認することができない量で あったと思う。
  • 濃度を考え、量を増やしても良い症例であれば、濃度を薄く、時間量を増やして実行しても良いのではないかと考える。
シリンジポンプ?
45 インスリンの専用注射針の種類を本来「BDマイクロファインプラス」を渡すべきところ、別のインスリン注射器製品の専用注射針である 「ペンニードル」を処方してしまった(ペンニードルは装着できない)。患者家族より連絡があり交換した。
  • 業務手順確認。
医薬品・ワクチン注入用針