独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

平成21年度 第4回医薬品・医療機器安全使用対策検討結果報告(医薬品関連事例) 別添1

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製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例(事故事例)

No. 報告回 事故の
程度
段階 事故の内容 背景・要因 改善策 調査結果
【薬剤間違い】
1 第18回 障害
の可能性
(低い)
指示段階 医師は、ノルバスク(高血圧症・狭心症治療薬)5mg1錠×1(7日分)をオーダリング処方したつもりで、ノルバデックス(抗乳癌剤)20mg1錠×1(7日分)を処方し、患者に投与した。翌日患者に嘔気出現したため、ノルバデックスは一時中止となった。投与4日後、患者の症状が落ち着いたため、内服再開の指示を出した(指示簿にはノルバスク再開と記述されている)ため、患者に与薬した。 医師は薬品名をフルネームで確認していなかった。医師は他院より異動後2週間だったため、システムに慣れていなかった。オーダリングシステム上、ノルバスクが院外処方で院内にないことがわかりにくい。医師はオーダリング処方時、前回外来処方まで確認していない。看護師は、指示受け時、医師指示、実施記録と医師指示、実施記録(処方)、オーダリング処方と照合していない。薬剤師は、服薬指導時、病名と薬の相違に気付かなかった。与薬に関わった看護師は、ノルバデックスそのものを見る機会がなく、降圧剤と思い与薬していた。内服再開時も、医師、指示受け看護師共に間違いに気付かなかった。
  • 医師はオーダリング処方時、薬剤名はフルネームで確認する。
  • 看護師は指示受け時、医師指示、実施記録と医師指示、実施記録(処方)、オーダリング処方との突合する。
  • 薬剤師は、薬剤指導時、病名と処方に相違はないか確認し、あった場合は医師に確認する。
  • 医療安全研修に事例を用い、今後の予防へとつなげる。
ノルバスクとノルバデックスの名称類似性については、平成15年11月27日付医政発第1127004号・薬食発第1127001号連名通知「医療機関における医療事故防止対策の強化について」及び平成20年12月4日付医政発第1204001号・薬食発第1204001号連名通知「医薬品の販売名の類似性等による医療事故防止対策の強化・徹底について(注意喚起)」等により医療機関に注意喚起しており、製造販売業者においても誤用防止のために製品に対する情報提供を実施しているところである。
しかしながら、繰り返し同様事例が報告されていること。また、平成14年8月29日付医薬発第0829006号通知「医療安全推進総合対策への取り組みの推進について」において、企業は患者の安全を最優先に考えた医療安全を確保するための積極的な取り組みが求められており、今般、再発防止の観点から名称の変更が必要であると考える。
 

製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例(ヒヤリ・ハット事例)

No. 報告回 具体的内容 背景・要因 改善策 調査結果
【薬剤間違い】
1 第18回 医師は、高血圧(BP190mmHg台)で緊急室に受診した患者に、降圧剤のノルバスク5mgを1日分処方するところ、乳癌治療薬であるノルバデックス錠10mgを処方し、患者が2回内服した。薬剤師は、なぜ男性患者に乳癌治療薬を処方するのかと疑問に思い、「ノルバデックスは乳癌の薬ですがいいですか。」と処方医に電話で疑義照会をした。処方医は緊急対応で忙しく、「乳癌の薬」が「ディオバンの薬」と聞き違え、「それでいいです。」と答えた。薬剤師は「乳癌の薬を処方」との確認が取れたため1日分の払い出しを行なった。翌日近医に受診し、薬を飲んだが血圧が下がらないことを伝えたため、間違ってノルバデックスを内服していたことがわかった。患者は血圧が下がらず、ふらつきなどが出現した。 後発医薬品への切り替えを推奨している中で、10日前にノルバスクがアムロジピンに切り替えされた。オーダリング画面上で「ノルバ」と3文字検索をすると、「アムロジピン錠5mg」と「ノルバデックス錠10mg」が表示され、ノルバデックスをノルバスクと勘違いした医師は、ノルバデックスを選択し確定した。薬剤師は、なぜ男性患者に乳癌治療薬を処方するのかと疑問に思い、「ノルバデックスは乳癌の薬ですがいいですか。」と処方医に電話で疑義照会をした。処方医は緊急対応で忙しい中、「乳癌の薬」が「ディオバンの薬」と聞き違いをし、降下剤であるならよいと思い「それでいいです。」と答えた。薬剤師は「乳癌の薬を処方」との確認が取れたため1日分払い出した。
  • 薬剤オーダー画面で、ノルバデックスの薬剤表示の前に≪癌≫の表示を追加し、注意喚起する。
  • 後発品採用時は、誤処方の可能性がある薬剤については、チェックし、表示の工夫など予防対策を検討する。
  • 口頭確認時は、必ず復唱し、疑問点を残さないようにする。
ノルバスクとノルバデックスの名称類似性については、平成15年11月27日付医政発第1127004号・薬食発第1127001号連名通知「医療機関における医療事故防止対策の強化について」及び平成20年12月4日付医政発第1204001号・薬食発第1204001号連名通知「医薬品の販売名の類似性等による医療事故防止対策の強化・徹底について(注意喚起)」等により医療機関に注意喚起しており、製造販売業者においても誤用防止のために製品に対する情報提供を実施しているところである。
しかしながら、繰り返し同様事例が報告されていること。また、平成14年8月29日付医薬発第0829006号通知「医療安全推進総合対策への取り組みの推進について」において、企業は患者の安全を最優先に考えた医療安全を確保するための積極的な取り組みが求められており、今般、再発防止の観点から名称の変更が必要であると考える。
2 第18回 ノルバデックスが処方されたが、ノルバスクを調剤し、鑑査者も気付かず交付した。病棟からの指摘で交換した。 ノルバスクとノルバデックスは類似名称の代表格であり、医師の入力画面には薬効も記載していたが、薬剤師が調剤するための処方箋には薬品名のみの表記となっていた。
  • 処方箋にもノルバデックス(抗ホルモン性悪性腫瘍剤)及びノルバスク(Ca拮抗薬)と表記する。
ノルバスクとノルバデックスの名称類似性については、平成15年11月27日付医政発第1127004号・薬食発第1127001号連名通知「医療機関における医療事故防止対策の強化について」及び平成20年12月4日付医政発第1204001号・薬食発第1204001号連名通知「医薬品の販売名の類似性等による医療事故防止対策の強化・徹底について(注意喚起)」等により医療機関に注意喚起しており、製造販売業者においても誤用防止のために製品に対する情報提供を実施しているところである。
しかしながら、繰り返し同様事例が報告されていること。また、平成14年8月29日付医薬発第0829006号通知「医療安全推進総合対策への取り組みの推進について」において、企業は患者の安全を最優先に考えた医療安全を確保するための積極的な取り組みが求められており、今般、再発防止の観点から名称の変更が必要であると考える。