独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

平成22年度 第3回医薬品・医療機器安全使用対策検討結果報告(医薬品関連事例) 別添1

本文|別添1|別添2別添3

製造販売業者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例

No. 事故の
程度
事故の内容 事故の背景要因の概要 改善策 調査結果
【投与方法・処方間違い】
1












関節リウマチの症状改善の図れない患者が、初診にて本院を受診された。関節リウマチに対してコントロール不良のため、初めて「リウマトレックスカプセル」の投与を開始することとなった。次回来院予定の3週間後までの処方を入力するにあたり、毎週火曜日のみ3週間分(実日数3日分)と入力するべきところ、コンピュータの処方入力で曜日指定を入力し忘れたため、週に1回3日分の投与が21日連日投与の処方入力となった。外来診療が混雑していたため、処方箋の確認も不十分なまま、患者には週1回の投与であることを口頭で簡単に説明したのみで処方箋を発行してしまった。院外薬局でも処方の間違いに気付かず「リウマトレックスカプセル」21日分が処方され、また、薬剤師による口頭での内服方法の説明もなかったため、患者は処方通りに「リウマトレックスカプセル」を連日服用した。しかし、倦怠感、食欲不振、歯肉出血等の出現により、投与開始18日目に患者の自己判断で内服を中止した。主治医は、初診から3週間後の来院時に初めて処方ミスに気づいた。この時、口腔粘膜障害、胃腸障害、肝機能障害、骨髄抑制(血小板減少、白血球減少)を来たしていたため、緊急入院の措置をとり、ロイコボリンの投与により治療を行なった。
その後、症状改善のため11月中旬に退院となった。
  • 外来の混雑(当日予約患者50人以上あったところに加えて、予約外の新患が数名来院しており、診察予定時間より1~2時間の遅延していた)のため、一人の患者に取れる診療時間が少なく、確認や説明に十分な時間が取れなかった。
  • 週1~2日の投与以外の投与方法しかない薬剤であるにもかかわらず、曜日を指定せずに連日投与の入力が可能な処方システムであり、また連日投与の警告が出なかったこと(但し、一日の投与量の過剰は警告が出る)。
  • 院外薬局にて第三者の薬剤師が処方箋を確認するはずであるのに、疑義照会がなく、そのまま薬剤を処方されてしまったこと。
  • 処方時、薬剤師が飲み方や副作用についての説明をするであろうと思っていたこと、及びコンピュータの警告システムという二重のセーフティー機構があることで、処方間違いを発見してくれることを過信していたため、医師の確認が不十分になったこと。
  1. 診療科医師により、リウマトレックスに関する処方説明文書を新たに作成した。
  2. 処方オーダシステムで、リウマトレックスの処方日数を制限するようにした。
  3. 当該薬局への確認、及び再発防止を依頼した。
    (医療機関では、薬剤科が窓口となり、疑義照会しやすい環境を作っている)
平成20年8月29日付薬食安発第0829001号通知「抗リウマチ剤メトトレキサート製剤の誤投与(過剰投与)に関する医療事故防止対策について」及び平成20年10月20日付医政総発第1020001号・薬食総発第1020001号・薬食安発第1020001号連名通知「抗リウマチ剤メトトレキサート製剤の誤投与(過剰投与)防止のための取扱いについて(注意喚起)」等により製造販売業者に包装・表示等の改良を行うこと及び医療機関等に誤投与防止の注意喚起をしているところ。
なお、当該製品については、既に包装・表示等の改良品が出荷されているところ。