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タルセバ錠150mg


処方せん医薬品


作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
日本標準商品分類番号等
薬効分類名
承認等
販売名 タルセバ錠150mg
承認・許可番号
薬価基準収載年月
販売開始年月
貯法・使用期限等
規制区分
組成
性状
一般的名称
警告
禁忌
効能又は効果
効能又は効果に関連する使用上の注意
用法及び用量
用法及び用量に関連する使用上の注意
使用上の注意
慎重投与
重要な基本的注意
相互作用
併用注意
副作用
副作用等発現状況の概要
重大な副作用
その他の副作用
高齢者への投与
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
小児等への投与
過量投与
適用上の注意
その他の注意
薬物動態
薬物動態の表
臨床成績
薬効薬理
有効成分に関する理化学的知見
包装
主要文献及び文献請求先
主要文献
文献請求先
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

タルセバ錠150mg


作成又は改訂年月

** 2015年7月改訂 (第12版)

* 2013年9月改訂

日本標準商品分類番号

874291

日本標準商品分類番号等

効能又は効果追加承認年月(最新)
2013年6月

国際誕生年月
2004年11月

薬効分類名

抗悪性腫瘍剤
上皮増殖因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤

承認等

販売名
タルセバ錠150mg

販売名コード

4291016F3023

承認・許可番号

承認番号
21900AMX01760
商標名
TARCEVA

薬価基準収載年月

2007年12月

販売開始年月

2007年12月

貯法・使用期限等

貯 法

室温保存

**使用期限

包装に表示の使用期限内に使用すること

規制区分

劇薬

**処方医薬品注1)

注1)注意−医師等の処方により使用すること

組成

成分(1錠中)
有効成分・含有量

エルロチニブ塩酸塩 163.93mg
(エルロチニブとして150mg)

成分(1錠中)
添加物

乳糖水和物、結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、マクロゴール400、酸化チタン

性状

色・剤形

白色〜黄白色のフィルムコーティング錠

識別コード

T150

形状
上面

形状
下面

形状
側面

直径

約10.5mm

厚さ

約5.4mm

質量

463.50mg

一般的名称

エルロチニブ塩酸塩錠

警告

1.
本剤は、緊急時に十分に対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、添付文書を参照して、適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性(特に、間質性肺疾患の初期症状、服用中の注意事項、死亡に至った症例があること等に関する情報)、非小細胞肺癌の治療法等について十分に説明し、同意を得てから投与すること。

2.
本剤の投与により間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、国内臨床試験において、間質性肺疾患により死亡に至った症例があることから、治療初期は入院又はそれに準ずる管理の下で、間質性肺疾患等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うこと(「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

○切除不能な再発・進行性で、がん化学療法施行後に増悪した非小細胞肺癌

EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な再発・進行性で、がん化学療法未治療の非小細胞肺癌

効能又は効果に関連する使用上の注意

1.
術後補助化学療法として本剤を使用した場合の有効性及び安全性は確立していない。

2.
EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な再発・進行性で、がん化学療法未治療の非小細胞肺癌の場合には、臨床試験に組み入れられた患者の遺伝子変異の種類等について、【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。

用法及び用量

通常、成人にはエルロチニブとして150mgを食事の1時間以上前又は食後2時間以降に1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

1.
副作用の発現により用量を変更する場合には、50mgずつ減量すること。

2.
高脂肪、高カロリーの食後に本剤を投与した場合、AUCが増加するとの報告がある。食事の影響を避けるため食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けること。

3.
他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
間質性肺疾患(間質性肺炎、肺臓炎、放射線性肺臓炎、器質化肺炎、肺線維症、急性呼吸窮迫症候群、肺浸潤、胞隔炎等)、肺感染症等のある患者又はその既往歴のある患者[間質性肺疾患が増悪し、死亡に至る可能性がある(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)。]

2.
肝機能障害のある患者[肝機能障害が増悪することがある(「重大な副作用」の項参照)。本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。]

3.
消化管潰瘍、腸管憩室のある患者又はその既往歴のある患者[消化管穿孔があらわれることがある(「重大な副作用」の項参照)。]

重要な基本的注意

1.
本剤を投与するにあたっては、本剤の副作用について患者に十分に説明すること。

2.
本剤の投与により、間質性肺疾患、発疹、下痢、角膜穿孔、角膜潰瘍等の副作用があらわれることがある。これらの発現又は症状の増悪が疑われた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。

3.
本剤の投与により間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等の有無)を十分に観察し、胸部X線検査を行うこと。また、必要に応じて胸部CT検査、動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血酸素飽和度(SpO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLCO)等の検査を行うこと(「重大な副作用」の項参照)。

4.
本剤の投与によりALT(GPT)、AST(GOT)、ビリルビンの上昇等を伴う重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、患者の状態に応じて本剤投与中は定期的に肝機能検査を実施することが望ましい(「重大な副作用」の項参照)。

相互作用

本剤は、肝チトクロームP450(主にCYP3A4、CYP1A2)によって代謝される(【薬物動態】の3.代謝の項参照)。また、in vitro試験においてUDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)1A1の阻害が認められたため、消失過程で主にUGT1A1によるグルクロン酸抱合を受ける薬物との相互作用の可能性がある(「その他の注意」の項参照)。

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等 CYP3A4阻害剤
 ケトコナゾール
 イトラコナゾール
 クラリスロマイシン
 テリスロマイシン
 インジナビル
 ネルフィナビル
 リトナビル
 サキナビル
 等
グレープフルーツジュース

臨床症状・措置方法
ケトコナゾールと本剤を併用すると、本剤のAUC(中央値)が86%、Cmax(中央値)が69%上昇した。

機序・危険因子
CYP3A4阻害剤との併用により、本剤の代謝が阻害され血漿中濃度が増加する可能性がある。

2. 薬剤名等 CYP3A4誘導剤
 リファンピシン
 フェニトイン
 カルバマゼピン
 フェノバルビタール
 セイヨウオトギリソウ
 (St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
 等

臨床症状・措置方法
リファンピシンと本剤を併用すると、本剤のAUC(中央値)が69%低下した。

機序・危険因子
CYP3A4誘導剤等との併用により、本剤の代謝が亢進し血漿中濃度が低下する可能性がある。

3. 薬剤名等 塩酸シプロフロキサシン

臨床症状・措置方法
塩酸シプロフロキサシンと本剤を併用すると、本剤のAUC(幾何平均値)が39%、Cmax(幾何平均値)が17%上昇した。

機序・危険因子
CYP1A2及びCYP3A4を阻害する薬剤との併用により、本剤の代謝が阻害され血漿中濃度が増加する可能性がある。

4. 薬剤名等 プロトンポンプ阻害剤
 オメプラゾール
 等

臨床症状・措置方法
オメプラゾールと本剤を併用すると、本剤のAUC(幾何平均値)が46%低下した。

機序・危険因子
持続的な胃内pHの上昇により、本剤の溶解度が低下し吸収が低下する可能性がある。

5. 薬剤名等 H2受容体拮抗剤
 ラニチジン
 等

臨床症状・措置方法
ラニチジンと本剤を併用すると、本剤のAUC(幾何平均値)が33%低下した。

機序・危険因子
胃内pHの上昇により、本剤の溶解度が低下し吸収が低下する可能性がある。

6. 薬剤名等 抗凝血薬
 ワルファリン
 等

臨床症状・措置方法
INR増加や胃腸出血等があらわれたとの報告がある。本剤とワルファリンを併用中の患者では、定期的に血液凝固能検査(プロトロンビン時間又はINR等)を行うこと。

機序・危険因子
機序不明

7. 薬剤名等 タバコ(喫煙)

臨床症状・措置方法
喫煙により本剤のAUC(平均値)が64%低下した。

機序・危険因子
喫煙によるCYP1A2の誘導により、本剤の代謝が亢進し血漿中濃度が低下する可能性がある。

副作用

副作用等発現状況の概要

*EGFR遺伝子変異陽性例の国内第II相臨床試験(一次化学療法)(103例)、国内第I相臨床試験(15例)、国内第I相継続試験及び国内第II相臨床試験(二次治療以降)(108例)における安全性評価対象例226例中、226例(100.0%)に副作用が認められた。主な副作用は、発疹221例(97.8%)、下痢173例(76.5%)、皮膚乾燥161例(71.2%)、そう痒症143例(63.3%)等であった。(一次化学療法効能・効果追加承認時)
特定使用成績調査(全例調査)(二次治療以降)において、安全性解析対象症例9,909例中7,835例(79.1%)に副作用が認められた。主な副作用は、ざ瘡様皮疹等の発疹6,060例(61.2%)、下痢2,120例(21.4%)等であった。間質性肺疾患は429例(4.3%)に認められ、そのうち死亡に至った症例は153例(1.5%)であった。なお、間質性肺疾患発現症例における死亡例の割合は35.7%(153/429例)であった。(2013年2月集計時)

重大な副作用

1. *間質性肺疾患注2)
(4.4%) 
間質性肺疾患(間質性肺炎、肺臓炎、放射線性肺臓炎、器質化肺炎、肺線維症、急性呼吸窮迫症候群、肺浸潤、胞隔炎等)があらわれることがあり、死亡に至った症例も報告されている。異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、ステロイド治療等の適切な処置を行うこと。

2. *肝炎(0.1%未満)、肝不全(0.1%未満)、肝機能障害(1.5%)注2)
ALT(GPT)、AST(GOT)、ビリルビンの上昇等を伴う重篤な肝機能障害があらわれることがあり、肝炎、肝不全により死亡に至った症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

3. 重度の下痢注2)
(1.1%) 
下痢があらわれることがあるので、患者状態により止瀉薬(ロペラミド等)の投与、補液等の適切な処置を行うとともに、本剤の減量又は休薬を考慮すること。なお、重度の下痢、悪心、嘔吐、食欲不振により脱水症状をきたし、腎不全に至った症例も報告されていることから、必要に応じて電解質や腎機能検査を行うこと。

4. *急性腎不全注2)
(0.1%未満) 
急性腎不全等の重篤な腎機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

5. *重度の皮膚障害注2)
重度の皮膚障害ざ瘡様皮疹等の発疹(6.5%)、爪囲炎等の爪の障害(0.8%)、皮膚乾燥・皮膚亀裂(0.3%)、皮膚潰瘍(0.2%)、そう痒症(0.1%)]があらわれることがあるので、本剤を減量、休薬するなど、適切な処置を行うこと。また、重度の皮膚障害発現後に、蜂巣炎、敗血症等の感染症を合併した症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。なお、必要に応じて皮膚科を受診するよう患者に指導すること。

6. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、多形紅斑(0.1%未満)注2)
皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、多形紅斑等の重篤な水疱性・剥脱性の皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

7. *消化管穿孔(0.1%未満)、消化管潰瘍(0.4%)、消化管出血(0.3%)注2)
消化管穿孔、消化管潰瘍、消化管出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、内視鏡、腹部X線、CT等の必要な検査を行い、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

8. *角膜穿孔(0.1%未満)、角膜潰瘍(0.1%未満)注2)
角膜穿孔、角膜潰瘍があらわれることがあるので、眼痛等の異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

注2)頻度はEGFR遺伝子変異陽性例の国内第II相臨床試験(一次化学療法)、国内第I相臨床試験、国内第I相継続試験及び国内第II相臨床試験(二次治療以降)、特定使用成績調査(全例調査)(二次治療以降)に基づき記載した。海外の臨床試験又は自発報告にて報告された副作用については頻度不明とした。

その他の副作用

次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて減量、休薬等の適切な処置を行うこと。 (頻度不明は※)注2)

1. *皮膚注3)
5%以上又は頻度不明 
ざ瘡様皮疹等の発疹(62.0%)、皮膚乾燥・皮膚亀裂(9.3%)、爪囲炎等の爪の障害(8.7%)、男性型多毛症

2. 皮膚注3)
1%以上5%未満 
そう痒症

3. 皮膚注3)
1%未満 
皮膚剥脱、紅斑、脱毛、皮膚潰瘍、皮下出血、皮膚色素沈着、皮膚血管炎、光線過敏症

4. 注4)
1%以上5%未満 
結膜炎

5. **,*注4)
1%未満 
眼乾燥、角膜炎、眼瞼炎、睫毛/眉毛の異常、眼そう痒症、角膜びらん、眼脂、霧視、流涙増加、ぶどう膜炎

6. 肝臓
1%以上5%未満 
ビリルビン上昇、ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇

7. 肝臓
1%未満 
Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇

8. **腎臓
1%未満 
クレアチニン上昇、BUN上昇、血尿、尿沈渣異常

9. 血液
1%以上5%未満 
貧血

10. *血液
1%未満 
血小板減少、白血球増加、白血球減少、好中球減少、リンパ球減少、好中球増加、INR上昇

11. *消化器
5%以上又は頻度不明 
下痢(22.6%)、口内炎(9.5%)、食欲不振(7.0%)

12. 消化器
1%以上5%未満 
悪心、嘔吐、口唇炎

13. 消化器
1%未満 
便秘、腹痛、胃炎、口内乾燥、胸やけ、腸炎、アミラーゼ増加、食道炎

14. 呼吸器
1%未満 
鼻出血、呼吸困難、咳嗽、喀血、口腔咽頭痛

15. 精神神経系
1%以上5%未満 
味覚異常

16. *精神神経系
1%未満 
不眠症、頭痛、浮動性めまい、末梢性ニューロパチー、意識障害

17. *その他
1%以上5%未満 
感染症(皮膚感染、肺感染、上気道感染等)、けん怠感、発熱、疲労

18. *その他
1%未満 
電解質異常、体重減少、血中アルブミン減少、CRP上昇、浮腫、血圧上昇、筋肉痛、筋痙縮・筋痙攣、血糖値上昇、総蛋白減少、脱水、血栓・塞栓

注3)必要に応じて、皮膚科を受診するよう患者を指導すること。

注4)眼の異常があらわれた場合には、直ちに眼科的検査を行い、適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

一般に高齢者では、生理機能が低下していることが多いので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。やむを得ず投与する場合は、本剤投与による胎児へのリスク、妊娠中断の危険性について患者に十分説明すること。また、妊娠する可能性のある婦人には避妊を指導すること。[妊婦における使用経験はない。動物実験では、流産(ウサギ)、胚致死及び生存胎児数減少(ウサギ、ラット)が報告されている。また、胎児中(ラット)に移行することが報告されている。]

2.
授乳婦に投与する場合には、授乳を中止させること。[授乳中の投与に関する安全性は確立されていない。また、動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。

過量投与

過量投与時に重度の下痢、発疹、ALT(GPT)、AST(GOT)の上昇等が発現することがある。このような場合には、本剤の投与を休薬し、必要に応じて適切な処置を行うこと。

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

1.
*国内で実施した特定使用成績調査(全例調査)における多変量解析の結果、喫煙歴有、全身状態不良(ECOG Performance Status:2-4)、間質性肺疾患の合併又は既往、肺感染症の合併又は既往、肺気腫又は慢性閉塞性肺疾患の合併又は既往が間質性肺疾患発現・増悪の危険因子として検出された。(2013年2月集計時)

2.
海外において、EGFR遺伝子変異の有無を問わず実施した化学療法未治療の進行性非小細胞肺癌患者を対象とした2つの第III相臨床試験が実施され、プラチナ製剤を含む化学療法(ゲムシタビン/シスプラチン、及びパクリタキセル/カルボプラチン)と本剤の同時併用にて臨床的な有用性は示されなかったとの報告がある。

3.
海外において、NSAIDSとの併用時に胃腸出血が発現したとの報告がある。

4.
ヒト肝ミクロソーム及びヒト遺伝子組換え型のUGT1A1を用いた試験においてビリルビンのグルクロン酸抱合の阻害が認められていることから、Gilbert症候群等のグルクロン酸抱合異常又はUGT1A1発現量が低下している患者では、血清ビリルビン濃度が上昇するおそれがある。また、消失過程で主にUGT1A1によるグルクロン酸抱合を受けるイリノテカン塩酸塩水和物等の薬物との相互作用の可能性がある。

5.
イヌを用いた反復経口投与毒性試験において、高用量の50mg/kg/日群で角膜の異常(浮腫、混濁、潰瘍、穿孔)が認められている。

6.
ラット又はイヌを用いた反復経口投与毒性試験において皮膚(毛包の変性及び炎症:ラット、発赤及び脱毛:イヌ)、肝臓(肝細胞壊死:ラット)、消化管(下痢:イヌ)、腎臓(腎乳頭壊死及び尿細管拡張:ラット及びイヌ)及び卵巣(萎縮:ラット)への影響が報告されている。

薬物動態

1. 血中濃度

(1) <日本人における成績>1)
固形癌患者15例に本剤50、100又は150mgを単回経口投与したときの、血漿中エルロチニブ濃度の推移を以下の図に示した。単回投与に引き続き3日目から23日目まで50、100又は150mgを1日1回の用量で反復経口投与を実施した時の薬物動態パラメータを単回投与の結果と併せて表に示した。単回投与時の薬物動態パラメータから、エルロチニブの体内動態には線形性が認められた。

(表1)

(2) 母集団薬物動態解析の成績

<外国人における成績>
海外において591例の固形癌患者に本剤を投与したときの母集団薬物動態解析の結果では、クリアランスについて人種、体重、性別は影響を及ぼす因子ではなかった。2)

(3) バイオアベイラビリティ3)

<外国人における成績>
健康成人18例に本剤を経口投与後のバイオアベイラビリティは約59%と推定された。

(4) 食事の影響4)

<外国人における成績>
健康成人20例に本剤150mgを食後(高脂肪、高カロリー食)単回経口投与した時、空腹時投与に比べ、エルロチニブのAUCはほぼ2倍に増加した。

2. 分布
エルロチニブは血漿中のアルブミン及びα1-酸性糖蛋白と結合する。ヒトにおける血漿蛋白結合率は、3.8μg/mLの濃度において約95%であった。5)また、ワルファリン及びプロプラノロールの共存によっても結合率の変化は認められなかった。5)なお、エルロチニブの血球移行率の計算値は、ヘマトクリットが0.48の時34.2%であった。6)
(参考 動物実験7)
白色系ラットにおける、14C-エルロチニブ経口投与後の放射能は、各組織に比較的速やかに分布したが、脳への移行は少なかった。最高濃度到達後の組織中の放射能は速やかに消失し、投与後72時間ではほとんどの組織において定量限界以下となった。
有色系ラットにおける14C-エルロチニブ経口投与後の放射能分布は白色系ラットに類似したが、メラニン色素を含む組織(ブドウ膜系、有色皮膚)において放射能が高かった。

3. 代謝
In vitro試験の結果、エルロチニブの代謝には主として肝臓中のCYP3A4が寄与することが示唆され、CYP1A2の関与も認められた。8,9)エルロチニブの代謝経路は主に3経路であり、1)キナゾリン環側鎖のO-脱メチル化とそれに続くカルボン酸への酸化、2)アセチレン側鎖の酸化とそれに続くアリルカルボン酸への加水分解、及び3)フェニルアセチレン部分の芳香族水酸化等が推定された。10)主代謝経路のO-脱メチル化による代謝物の体内動態はエルロチニブと類似し、その血漿中濃度はエルロチニブの10%以下で推移した。11)

4. 排泄10)

<外国人における成績>
健康成人4人に14C-エルロチニブ100mgを単回経口投与後264時間(11日間)で、投与放射能のうち約91%が回収され、尿中に8%、糞中に83%の放射能が排泄された。また、尿及び糞中に排泄されたエルロチニブは投与量の2%未満であった。
※承認された用法・用量は、150mgを1日1回である。

薬物動態の表

表1 単回又は反復投与時のエルロチニブの薬物動態パラメータ

  AUC0-24
(hr・ng/mL) 
Cmax
(ng/mL) 
tmax
(hr) 
t1/2
(hr) 
50mg/日
1日目注5) 
3266(54) 194(44) 5.0(72) 14.8(71) 
50mg/日
23日目注5) 
15844(50) 820(42) 4.3(114) 23.6(67) 
100mg/日
1日目注6) 
7705(46) 571(47) 6.0(150) 18.0(62) 
100mg/日
23日目注7) 
14623(48) 1023(31) 3.0(67) 15.6(56) 
150mg/日
1日目注6) 
12845(29) 958(48) 6.0(149) 25.9(36) 
150mg/日
23日目注6) 
42679(48) 2384(39) 1.8(22) 27.2(33) 

平均値(CV%)
注5)n=3
注6)n=6
注7)n=5
※承認された用法・用量は、150mgを1日1回である。


臨床成績

<日本人における成績>12,13,14)

[化学療法未治療の非小細胞肺癌]

○本剤の単独投与試験(JO22903)
化学療法未治療のEGFR遺伝子変異(Exon19の欠失変異又はExon21のL858R変異)を有する進行又は再発の非小細胞肺癌を対象とした本剤単独療法の国内第II相臨床試験(JO22903)における有効性評価対象例102例の成績を以下に示す。
(表2)

[化学療法既治療の非小細胞肺癌]

○本剤の単独投与試験(JO16565、JO18396)
少なくとも前化学療法1レジメンが無効であった非小細胞肺癌を対象とした本剤単独療法の国内第II相臨床試験(J016565、JO18396)における有効性評価対象例、それぞれ60例、46例の成績を以下に示す。
(表3)

**,*<外国人における成績>15,16)

[化学療法未治療の非小細胞肺癌]

○本剤と化学療法注11)の無作為化第III相臨床試験(ML20650)
化学療法未治療のEGFR遺伝子変異(Exon19の欠失変異又はExon21のL858R変異)を有する進行又は再発の非小細胞肺癌を対象に本剤投与群と化学療法注11)群を比較した第III相臨床試験(ML20650)における有効性評価対象例153例の成績を以下に示す。
(表4)

無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線

[化学療法既治療の非小細胞肺癌]

○本剤投与群とプラセボ投与群を比較した無作為化二重盲検第III相臨床試験(BR.21)
少なくとも前化学療法1レジメンが無効であった非小細胞肺癌731例を対象に本剤投与群とプラセボ投与群を比較した無作為化二重盲検第III相臨床試験(BR.21)の成績を以下に示す。
(表5)

EGFR蛋白発現状況に関する全生存期間の部分集団解析の結果は、EGFR蛋白発現陽性(本剤群117例、プラセボ群68例)HR=0.68(95%信頼区間;0.49-0.94)、EGFR蛋白発現陰性(本剤群93例、プラセボ群48例)HR=0.93(95%信頼区間;0.63-1.36)、EGFR蛋白発現不明(本剤群278例、プラセボ群127例)HR=0.77(95%信頼区間;0.61-0.98)であった。

表2 国内第II相臨床試験(JO22903)成績

項目注8) JO22903(102例) 
無増悪生存期間中央値
(95%信頼区間) 
11.8カ月
(9.7カ月−推定不能) 
奏効率注9) 78.4%(80/102例) 
病勢コントロール率注10) 95.1%(97/102例) 
奏効期間中央値
(95%信頼区間) 
11.1カ月
(9.4カ月−推定不能) 

注8)カットオフ日:2011年9月1日
注9)RECIST(Ver.1.0)ガイドラインによる判定(CR+PR)
注10)RECIST(Ver.1.0)ガイドラインによる判定(CR+PR+SD)


表3 国内第II相臨床試験(JO16565、JO18396)成績

項目 JO16565(60例) JO18396(46例) 
奏効率注9) 28.3%(17/60例) 28.3%(13/46例) 
病勢コントロール率注10) 50.0%(30/60例) 47.8%(22/46例) 
奏効期間中央値
(95%信頼区間) 
278日
(203日−422日) 
推定不能 
無増悪期間中央値
(95%信頼区間) 
77日
(55日−166日) 
75日
(56日−推定不能) 

表4 無作為化第III相臨床試験(ML20650)成績

項目注12) 本剤投与群 化学療法群 HR(ハザード比)注13)
[95%信頼区間] 
p値 
無増悪生存期間
(中央値) 
9.4カ月
(77例) 
5.2カ月
(76例) 
0.42
[0.27-0.64] 
<0.0001注14) 
奏効率注9) 54.5%
(42/77例) 
10.5%
(8/76例) 
− <0.0001注15) 

注11)化学療法:シスプラチン+ドセタキセル又はシスプラチン+ゲムシタビン(シスプラチンをカルボプラチンへ変更しても良い。)
注12)カットオフ日:2010年8月2日
注13)層化調整しないCox回帰モデルにおけるハザード比
注14)非層別Log-rank検定
注15)カイ2乗検定


表5 無作為化二重盲検第III相臨床試験(BR.21)成績

項目 本剤投与群 プラセボ投与群 HR(ハザード比)注16)
[95%信頼区間] 
p値注17) 
全生存期間
(中央値) 
6.67カ月
(488例) 
4.70カ月
(243例) 
0.73
[0.60-0.87] 
0.001 
1年生存率 31.2%
(488例) 
21.5%
(243例) 
− − 
無増悪生存期間
(中央値) 
9.71週
(488例) 
8.00週
(243例) 
0.61
[0.51-0.73] 
<0.001 
奏効率注9) 8.9%
(38/427例) 
0.9%
(2/211例) 
− − 
奏効期間
(中央値) 
34.3週
(38例) 
15.9週
(2例) 
− − 

注16)層別Cox回帰モデルにおけるハザード比(層別因子:ECOG PS、前化学療法レジメン数、前化学療法におけるプラチナ製剤使用の有無、前治療の最良効果、EGFR蛋白発現状況)
注17)層別Log-rank検定(層別因子:ECOG PS、前化学療法レジメン数、前化学療法におけるプラチナ製剤使用の有無、前治療の最良効果、EGFR蛋白発現状況)


薬効薬理

1. 抗腫瘍効果
In vitro系において、エルロチニブはヒト由来大腸癌細胞株DiFi及び頭頸部癌細胞株HN5の増殖を阻害した[DiFi細胞株でのIC50:100nM、HN5での100%阻害:250nM]17)
ヒト由来頭頸部癌細胞株HN5、外陰部癌細胞株A431及び非小細胞肺癌細胞株(H460a、A549)を用いたヒト悪性腫瘍移植ヌードマウス系において、エルロチニブは腫瘍増殖抑制作用を示した18,19)

2. 作用機序
エルロチニブは上皮増殖因子受容体チロシンキナーゼ(EGFR-TK)を選択的に阻害した。IC50は精製全長型EGFR-TKに対し2nMであり、組換え型EGFR細胞内ドメインのチロシンキナーゼに対し1nMであった。一方、他のチロシンキナーゼ、c-src及びv-ablに対する阻害活性は全長型EGFR-TKの1/1000以下であり、ヒトインスリン受容体及びI型インスリン様増殖因子受容体の細胞内ドメインのキナーゼに対する阻害活性は細胞内EGFR-TKの1/10000以下であった。また、エルロチニブによる細胞周期のG1期停止及びアポトーシス誘導作用が確認された17)
エルロチニブはEGFRチロシンリン酸化の阻害を介し、細胞増殖の抑制及びアポトーシスの誘導に基づき腫瘍増殖を抑制すると推察される。

有効成分に関する理化学的知見

一般名
エルロチニブ塩酸塩
(Erlotinib Hydrochloride)(JAN)

化学名
N-(3-Ethynylphenyl)-6,7-bis(2-methoxyethoxy)quinazoline-4-amine monohydrochloride

構造式

分子式
C22H23N3O4・HCl

分子量
429.90

性 状
白色〜微黄色の粉末又は塊のある粉末である。水及びエタノール(99.5)に極めて溶けにくく、メタノールに溶けにくく、アセトニトリル及びシクロヘキサンにほとんど溶けない。

融 点
約231〜232℃

包装

**タルセバ錠150mg:14錠(PTP14錠×1)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
社内資料:固形癌患者に対する第I相臨床試験(JO16564)

2)
社内資料:患者の母集団薬物動態解析

3)
社内資料:健康成人を対象としたバイオアベイラビリティ及び生物学的同等性試験

4)
社内資料:健康成人を対象とした薬物動態に及ぼす食事の影響

5)
社内資料:血漿蛋白結合相互作用並びにヒト血清アルブミン及びα1-酸性糖蛋白の結合に関する試験

6)
社内資料:In vitroでのヒト血漿蛋白の結合及び血中分布に関する試験

7)
社内資料:ラットにおける組織内分布試験

8)
社内資料:代謝に関与するCYPアイソザイムの特定

9)
社内資料:代謝におけるヒトCYP1A1及びCYP1A2の活性比較

10)
社内資料:健康成人を対象とした代謝及び排泄を検討する試験

11)
社内資料:健康成人男性を対象とした単回経口投与時の安全性、忍容性及び薬物動態を評価する試験

12)
社内資料:EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌に対する一次治療としての国内第II相臨床試験(JO22903)

13)
Kubota K.,et al.:J. Thorac. Oncol., 3(12):1439, 2008

14)
社内資料:進行性/転移性/再発性非小細胞肺癌に対する国内第II相臨床試験(JO18396)

15)
社内資料:EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌に対する一次治療としての海外第III相臨床試験(ML20650:EURTAC)

16)
社内資料:標準療法無効の進行性/転移性非小細胞肺癌に対する海外第III相臨床試験(BR.21)

17)
Moyer J.D.,et al.:Cancer Res., 57(21):4838, 1997

18)
Pollack V.A., et al.:J.Pharmacol. Exp. Ther., 291(2):739, 1999

19)
Higgins B.,et al.:Anticancer Drugs,15(5):503,2004

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。

中外製薬株式会社 医薬情報センター

〒103-8324 東京都中央区日本橋室町2-1-1

電話:0120-189706

Fax:0120-189705
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