体外診断用医薬品 詳細表示

販売中

エクルーシス試薬 HCV Duo


作成・改訂年月
薬効分類名
一般的注意事項
承認・届出等
販売名エクルーシス試薬 HCV Duo
商品コード(JAN)(品番)
識別記号
添付文書管理コード
承認番号
承認年月
一般的名称
一般的名称
警告
重要な基本的注意
全般的な注意
形状・構造等(キットの構成)
使用目的
測定原理
操作上の注意
用法・用量(操作方法)
測定結果の判定法
性能
使用上又は取扱い上の注意
取扱い上(危険防止)の注意
使用上の注意
廃棄上の注意
その他の注意
貯蔵方法・有効期間
貯蔵方法
有効期間
包装単位
主要文献
製造販売業者の氏名又は名称及び住所等
氏名又は名称
住所等
電話番号
問い合わせ先
氏名又は名称
住所等
電話番号
その他の安全性情報
企業リンク先
備考

C型肝炎ウイルスコア蛋白質キットC型肝炎ウイルス抗体キット

エクルーシス試薬 HCV Duo

シリーズ品

作成・改訂年月

2023年9月作成(第1版)

薬効分類名

体外診断用医薬品

一般的注意事項

この電子化された添付文書をよく読んでから使用してください。

承認・届出等

販売名

エクルーシス試薬 HCV Duo

商品コード(JAN)(品番)
4987518316945

識別記号
コバス システム

添付文書管理コード

30500EZX00038000_A_01

承認番号

30500EZX00038000

承認年月

令和5年7月21日

一般的名称

一般的名称
44292000
C型肝炎ウイルスコア蛋白質キット
C型肝炎ウイルス抗体キット

警告

(記載なし)

重要な基本的注意

C型肝炎ウイルス(HCV)感染の診断は,本製品による検査結果のみで行わず,HCV-RNA測定等,他の検査結果及び臨床経過を考慮して総合的に判断してください。

本品はHCVコア抗原の測定結果も得られるものの、HCVコア抗原の検出能は十分ではないことから、本品でHCVコア抗原陰性の際には確定診断に使用することはできないことに留意してください。

全般的な注意

1.
本品は体外診断用であり、それ以外の目的には使用しないでください。

2.
測定結果に基づく臨床診断は、臨床症状やほかの検査結果などと併せて、担当医師が総合的に判断してください。

3.
電子化された添付文書に記載された使用目的及び用法・用量に従って使用してください。記載された使用目的及び用法・用量以外での使用については、測定結果の信頼性を保証しかねます。

4.
キャリブレータ(Cal1、Cal3及びCal4)はヒト血液由来成分を含みます。

Cal1及びCal3は、HBs抗原、抗HIV抗体及び抗HCV抗体の陰性が確認されていますが、感染性がないことを完全に保証する試験方法はないため、感染性があるものとして、検体と同様に取り扱ってください。

5.
キャリブレータ4(Cal4)はβ-プロピオラクトン及び紫外線照射により不活性化されていますが、感染性がないことを完全に保証する試験方法はないため、感染性があるものとして、検体と同様に取り扱ってください。

6.
使用する機器の電子化された添付文書及び取扱説明書をよく読み、記載に従って使用してください。

形状・構造等(キットの構成)

1. エクルーシス試薬 HCV Duo

(1) 検体前処理液(PT)
構成試薬/キャップの色

PT:検体前処理液/黒色

(2) HCVコア抗原用(HCVAG)
構成試薬/キャップの色

M:MP液/無色

ストレプトアビジンコーティング磁性マイクロパーティクル

(SA磁性MP)

R1:抗原試液1/黒

ビオチン化抗HCV-coreマウスモノクローナル抗体

(ビオチン化抗HCV-core抗体1)

ビオチン化抗HCV-coreモノクローナル抗体

(ビオチン化抗HCV-core抗体2)

R2:抗原試液2/黒

トリス(2,2’-ビピリジル)ルテニウム(II)標識抗HCV-coreマウスモノクローナル抗体

(Ru(bpy)3標識抗HCV-core抗体1)

トリス(2,2’-ビピリジル)ルテニウム(II)標識抗HCV-coreモノクローナル抗体

(Ru(bpy)3標識抗HCV-core抗体2)

Cal1:キャリブレータ1/白※1

Cal2:キャリブレータ2/黒

(3) 抗HCV抗体用(AHCV)
構成試薬/キャップの色

M:MP液/無色

ストレプトアビジンコーティング磁性マイクロパーティクル

(SA磁性MP)

R1:抗体試液1/黒

ビオチン化HCV-NS3抗原

ビオチン化HCV-core抗原

ビオチン化HCV-NS4抗原

R2:抗体試液2/黒

トリス(2,2’-ビピリジル)ルテニウム(II)標識HCV-NS3抗原

(Ru(bpy)3標識HCV-NS3抗原)

トリス(2,2’-ビピリジル)ルテニウム(II)標識HCV-core抗原

(Ru(bpy)3標識HCV-core抗原)

トリス(2,2’-ビピリジル)ルテニウム(II)標識HCV-NS4抗原

(Ru(bpy)3標識HCV-NS4抗原)

Cal3:キャリブレータ3/白※1

Cal4:キャリブレータ4/黒※1


<付属品>

ボトルラベル


2. エクルーシス試薬 プロセル(別売)
構成試薬/キャップの色

プロセル/白

トリプロピルアミン

注意)1. 2.は組み合わせて使用してください。

※1 ヒト血液由来成分を含みます。詳細は【全般的な注意】の項及び【使用上又は取扱い上の注意】の項「1.取扱い上(危険防止)の注意」を参照してください。

使用目的

血清又は血漿中のC型肝炎ウイルスコア蛋白質(HCVコア抗原)及びC型肝炎ウイルス抗体(抗HCV抗体)の検出(C型肝炎ウイルス感染の診断の補助)

測定原理

本キットは、血清又は血漿中のHCVコア抗原及び抗HCV抗体を検出するキットであり、電気化学発光免疫測定法(ECLIA法)を原理としています1)

1. HCVコア抗原
第1反応として検体に検体前処理液を加え、インキュベーションします。第2反応としてビオチン化抗HCV-core抗体※2及びRu(bpy)3標識抗HCV-core抗体※3を加え、インキュベーションします。第3反応としてストレプトアビジンコーティング磁性マイクロパーティクル(SA磁性MP)を加え、インキュベーションします。反応混合液を測定セルに吸引し、磁力によりSA磁性MPを電極に引き付けます。次にトリプロピルアミンを吸引し、未反応物を除去します(B/F分離)。SA磁性MPに結合しているRu(bpy)3標識抗HCV-core抗体は電極への荷電による酸化と、トリプロピルアミンでの還元反応により励起発光を繰り返すので、所定時間での発光強度を光電子増倍管で測定します。同様の操作をしたキャリブレータの発光強度から算出したカットオフ値と検体の発光強度から、検体中のHCVコア抗原のカットオフインデックスを算出し、陽性又は陰性を判定します。

※2 ビオチン化抗HCV-core抗体:

ビオチン化抗HCV-coreマウスモノクローナル抗体

ビオチン化抗HCV-coreモノクローナル抗体

※3 Ru(bpy)3標識抗HCV-core抗体:

トリス(2,2’-ビピリジル)ルテニウム(II)標識抗HCV-coreマウスモノクローナル抗体

トリス(2,2’-ビピリジル)ルテニウム(II)標識抗HCV-coreモノクローナル抗体

2. 抗HCV抗体
第1反応として検体、ビオチン化HCV抗原※4及びRu(bpy)3標識HCV抗原※5を加え、インキュベーションします。第2反応としてストレプトアビジンコーティング磁性マイクロパーティクル(SA磁性MP)を加え、インキュベーションします。反応混合液を測定セルに吸引し、磁力によりSA磁性MPを電極に引き付けます。次にトリプロピルアミンを吸引し、未反応物を除去します(B/F分離)。SA磁性MPに結合しているRu(bpy)3標識HCV抗原のRu(bpy)3は、電極への荷電による酸化と、トリプロピルアミンでの還元反応により励起発光を繰り返すので、所定時間での発光強度を光電子増倍管で測定します。同様の操作をしたキャリブレータの発光強度から算出したカットオフ値と検体の発光強度から、検体中の抗HCV抗体のカットオフインデックスを算出し、陽性又は陰性を判定します。

※4 ビオチン化HCV抗原:

ビオチン化HCV-NS3抗原

ビオチン化HCV-core抗原

ビオチン化HCV-NS4抗原

※5 Ru(bpy)3標識HCV抗原:

トリス(2,2’-ビピリジル)ルテニウム(II)標識HCV-NS3抗原

トリス(2,2’-ビピリジル)ルテニウム(II)標識HCV-core抗原

トリス(2,2’-ビピリジル)ルテニウム(II)標識HCV-NS4抗原

3. 結果の判定
HCVコア抗原のカットオフインデックスと抗HCV抗体のカットオフインデックスを比較し、より高いカットオフインデックスがHCV抗原及び抗HCV抗体のカットオフインデックスとされ、陽性又は陰性を判定します。

操作上の注意

1. 測定試料の性質・採取法
測定試料:血清又は血漿(ヘパリンリチウム、ヘパリンナトリウム、EDTA-2K、EDTA-3K、クエン酸ナトリウム)

測定試料の安定性:20〜25℃で7日間

2〜8℃で14日間

-20℃(±5℃)で3ヵ月間安定

(凍結融解は5回まで)

液状の抗凝固剤を含む採血管については、希釈の影響を最小限にするため、使用する採血管の製造元の指示に従って規定された量を採血してください。

採血管の種類によっては、測定結果に影響を及ぼす場合がありますので使用する採血管の製造元の指示に従ってください。

沈殿物のある検体や凍結融解をした検体は、使用前に遠心操作を行ってください。また、加熱した検体は使用しないでください。

アジ化ナトリウムを含有する検体やコントロールは、測定に使用しないでください。

蒸発による測定への影響を回避するため、機器に設置した検体及びキャリブレータは2時間以内に測定してください。

検体及びキャリブレータは使用前に20〜25℃に戻し、よく混和してください。ただし、激しく振り混ぜたり、泡立てたりしないでください。

血清、血漿以外の体液での測定は確立されていません。

2. 妨害物質・妨害薬剤

(1)
下表に示す物質が本品の測定に与える影響を確認したところ、下表の各濃度までは測定に与える影響は認められませんでした。
物質 濃度 
溶血 (ヘモグロビン) 550 mg/dL 
黄疸 (ビリルビン) 36 mg/dL 
乳ビ (イントラリピッド) 2,000 mg/dL 
リウマチ因子 1,200 IU/mL 
ビオチン(ビタミンB7) 1,200 ng/mL 
アルブミン 7g/dL 
IgG 5.6g/dL 
IgA 1.2g/dL 
IgM 0.4g/dL 


(2)
プロゾーン現象による偽陰性は認められませんでしたが、プロゾーン現象を完全に排除することはできません。

(3)
17種の一般的な治療薬について、本品の測定に与える影響を確認したところ、以下の濃度までは測定に与える影響は認められませんでした。
薬剤名 添加濃度 
Acetylcysteine 150 mg/L 
Ampicillin 1,000 mg/L 
Ascorbic acid 300 mg/L 
Cyclosporin 5 mg/L 
Cefoxitin 2,500 mg/L 
Heparin 5,000 U/L 
Itraconazole 20 mg/L 
Levadopa 20 mg/L 
Methyldopa 20 mg/L 
Metronidazole 200 mg/L 
Phenylbutazone 133 mg/L 
Doxycycline 17 mg/L 
Acetylsalicylic acid 330 mg/L 
Rifampicin 60 mg/L 
Acetaminophen 200 mg/L 
Ibuprofen 500 mg/L 
Theophylline 100 mg/L 


(4)
下表に示す9種の薬剤について、本品に測定に与える影響を確認したところ、以下の濃度までは測定に与える影響は認められませんでした。
薬剤名 添加濃度(mg/L) 
PEGylated Interferon-alpha-2a 0.18 
Dolutegravir 30 
Abacavir 600 
Elvitegravir 150 
Raltegravir 800 
Fumarate/Emitricitabine 240 
Entecavir 0.33 
Tenofovir 300 
Lamivudine 300 


(5)
イムノアッセイでは、非特異反応物質が存在した場合、得られた結果に対して、非特異的反応を完全に否定できない場合があります。


3. その他
本品はコバス pro(免疫処理用e801モジュール)、コバス 8000(免疫処理用e801モジュール)又はコバス pure(免疫処理用e402モジュール)に適用できます。

用法・用量(操作方法)

1. 試薬の調製方法

(1) エクルーシス試薬 HCV Duo

1) 試薬パック(PT:検体前処理液、HCVAG:抗原試液1、抗原試液2及びMP液、AHCV:抗体試液1、抗体試液2及びMP液)
PT及びHCVAG:

そのままご使用ください。

AHCV:

使用直前までアルミ包装は開封せずに保管してください。アルミ包装から取り出したAHCV試薬はそのままご使用ください。

2) キャリブレータ(Cal1、Cal2、Cal3及びCal4)
Cal1 → 白キャップのキャリブレータ容器

Cal2 → 黒キャップのキャリブレータ容器

Cal3 → 白キャップのキャリブレータ容器

Cal4 → 黒キャップのキャリブレータ容器

必要に応じ、添付のボトルラベルを貼ってください。この際、各キャリブレータの種類と濃度域にあったラベルを使用してください。開封後、直ちに使用しないキャリブレータは速やかに冷蔵(2〜8℃)保存してください。キャップの裏側に試薬が付着しないように垂直の状態で保存、使用してください。


(2) エクルーシス試薬 プロセル(別売)
そのままご使用ください。


2. 試薬の安定性

(1) エクルーシス試薬 HCV Duo

1) 試薬パック
未開封時:2〜8℃で使用期限まで安定

機器上:31日間安定

2) キャリブレータ
未開封時:2〜8℃で使用期限まで安定

開封後:2〜8℃で4週間、

機器上:20〜25℃で1回のみ使用可能


(2) エクルーシス試薬 プロセル(別売)
未開封時:15〜25℃で使用期限まで安定

機器上:21日間安定


3. 別途必要な器具・器材・試薬
・コバス pro(免疫処理用e801モジュール)、 コバス 8000(免疫処理用e801モジュール)又はコバス pure(免疫処理用e402モジュール)

・エクルーシス プレチコントロール HCV Duo

・エクルーシス クリーンセル M

・エクルーシス プレクリーン G2

・エクルーシス アッセイカップ/チップ G2

・エクルーシス PC/CCカップ G2

・エクルーシス DU用 LFCカップ G2

・エクルーシス PW用 LFCカップ G2

・エクルーシス キャルバイアル

機種により使用する製品が異なりますので、ご不明な点などがございましたら弊社までお問い合わせください。

4. 操作方法

(1) 測定準備

1) エクルーシス試薬 HCV Duo

a. 機器への試薬パックの設置
機器の試薬マネージャーに試薬パックをセットします。

試薬は泡立てないでください。

キャップの開閉は、機器が自動的に行います。

使用後は、そのまま機器の試薬マネージャー内に保存してください。

b. 機器への測定試料の設置
所定の位置に検体をセットします。

機器への設置方法の詳細は、機器の取扱説明書を参照してください。

c. キャリブレーション
本試薬に使用するマスターキャリブレーションデータは試薬パック、並びにキャリブレータのバーコード及び電子配信されるキャリブレーション情報に記録されています。マスターキャリブレーションデータを各機器の状態に適合させるために、キャリブレーションを行います。

このキャリブレーションには、キャリブレータ(Cal1、Cal2、Cal3及びCal4)を使用します。

ア) キャリブレータを冷蔵庫から出し、20〜25℃に戻します。

キャップをした状態で、泡立てないように穏やかに混和し、キャップを開け、Cal1、Cal2、又はCal3、Cal4が連続して測定されるように機器にセットします。その際、キャップの裏への試薬の付着に注意してください。付着している場合は取り除いてください。

イ) サンプリング終了後のキャリブレータは、廃棄してください。小分け分注したキャリブレータ1本につき1回のみ測定可能です。

ウ) 新しいロットの試薬を使用する場合、機器に設置してから24時間以内の新しい試薬パックを用いて、必ずキャリブレーションを行ってください。このキャリブレーションデータが、同一ロットの試薬パックに使用されるキャリブレーション(L-Cal)として、機器に記録されます。

エ) 推奨するキャリブレーションの測定・更新頻度は、以下のとおりです。しかしながら、精度管理などで必要が生じた場合は、必ずキャリブレーションを行ってください。

1つの試薬パックを28日間で使いきる場合:

上記L-Calは、12週間有効です。この間キャリブレーションは不要です。ただし同一ロット内でも、12週間に1度L-Calを更新してください。

1つの試薬パックを28日間を超えて使用する場合:

28日間に1度その試薬パックでキャリブレーションしてください。その際のキャリブレーションデータは、その試薬パックにのみ有効なキャリブレーション(R-Cal)として、機器に記録されます。


キャリブレーション実施後は、必ずコントロール試料を測定し、精度管理を行ってから検体測定を行ってください。


(2) 測定(サンドイッチ法)

1) HCVコア抗原

a.
第1反応:検体に検体前処理液を加え反応させます。

b.
第2反応:抗原試液1(ビオチン化抗HCV-core抗体)及び抗原試液2(Ru(bpy)3標識抗HCV-core抗体)を加え反応させます。

c.
第3反応:MP液(SA磁性MP)を加え反応させます。

d.
反応混合液を測定セルに吸引し、磁力によりSA磁性MPを電極に引き付けます。

e.
プロセル(トリプロピルアミン)を吸引し、未反応物を除去します(B/F分離)。

f.
SA磁性MPに結合しているRu(bpy)3標識抗HCV-core抗体のRu(bpy)3は、電極への荷電による酸化と、トリプロピルアミンでの還元反応により励起発光を繰り返すので、所定時間での発光強度を光電子増倍管で測定します。

g.
同様の操作をしたキャリブレータ(Cal1及びCal2)の発光強度から算出したカットオフ値と検体の発光強度から、検体中のHCVコア抗原のカットオフインデックスを算出し、陽性又は陰性を判定します。


2) 抗HCV抗体

a.
第1反応:検体、抗体試液1(ビオチン化HCV抗原)及び抗体試液2(Ru(bpy)3標識HCV抗原)を加え反応させます。

b.
第2反応:MP液(SA磁性MP)を加え反応させます。

c.
反応混合液を測定セルに吸引し、磁力によりSA磁性MPを電極に引き付けます。

d.
プロセル(トリプロピルアミン)を吸引し、未反応物を除去します(B/F分離)。

e.
SA磁性MPに結合しているRu(bpy)3標識HCV抗原のRu(bpy)3は、電極への荷電による酸化と、トリプロピルアミンでの還元反応により励起発光を繰り返すので、所定時間での発光強度を光電子増倍管で測定します。

f.
同様の操作をしたキャリブレータ(Cal3及びCal4)の発光強度から算出したカットオフ値と検体の発光強度から、検体中の抗HCV抗体のカットオフインデックスを算出し、陽性又は陰性を判定します。


3) HCVコア抗原及び抗HCV抗体
1)で算出された検体中のHCVコア抗原のカットオフインデックスと、2)で算出された抗HCV抗体のカットオフインデックスを測定機器が自動で比較し、より高い方のカットオフインデックスを検体中のHCVコア抗原及び抗HCV抗体のカットオフインデックスとし、陽性又は陰性を判定します。


例)操作概略(コバスpro (e801モジュール)の場合)

  <HCVコア抗原>        <抗HCV抗体>


5. 精度管理
精度管理には、エクルーシス プレチコントロールHCV Duo (別売)をご使用ください。

精度管理は少なくとも24時間に1回の実施を推奨しています。

コントロールの測定値が許容範囲内にあることを確認してから検体測定を行ってください。

測定結果の判定法

1. カットオフインデックス(COI)の算出

(1) HCVコア抗原
キャリブレータ(Cal1及びCal2)の発光強度から、以下の式を用いてHCVコア抗原のカットオフ値(HCVAG[CO])を算出します。

算出されたカットオフ値と検体の発光強度から、以下の式を用いて検体のHCVコア抗原のCOI(HCVAG[COI])を算出します。

HCVAG[CO] = 0.001×Cal1 + 0.045×Cal2

HCVAG[COI] = 検体の発光強度/HCVAG[CO]

(2) 抗HCV抗体
キャリブレータ(Cal3及びCal4)の発光強度から、以下の式を用いて抗HCV抗体のカットオフ値(AHCV[CO])を算出します。

算出されたカットオフ値と検体の発光強度から、以下の式を用いて検体の抗HCV抗体のCOI(AHCV[COI])を算出します。

AHCV[CO] = 0.001×Cal3 + 0.45×Cal4

AHCV[COI] = 検体の発光強度/AHCV[CO]

(3) HCVコア抗原及び抗HCV抗体
HCVコア抗原のCOI(HCVAG[COI])と抗HCV抗体のCOI(AHCV[COI])を比較し、より高いCOIがHCVコア抗原及び抗HCV抗体のCOI(HCVDUO[COI])として表示されます。


2. 測定結果の判定法

HCVDUO

HCVDUO 結果 判定 
COI<1.0 HCVコア抗原陰性
抗HCV抗体陰性 
本品陰性 
COI≧1.0 HCVコア抗原陽性
抗HCV抗体陽性 
本品陽性 
HCVコア抗原陽性
抗HCV抗体陰性 
HCVコア抗原陰性
抗HCV抗体陽性 


HCVAG

HCVAG 判定 
COI<1.0 HCVコア抗原陰性 
COI≧1.0 HCVコア抗原陽性 


AHCV

AHCV 判定 
COI<1.0 抗HCV抗体陰性 
COI≧1.0 抗HCV抗体陽性 


3. 結果の判定にかかる注意
陽性の結果を得た場合は、2重測定による再測定を行ってください。再測定の結果、得られたカットオフインデックスが2回とも1.0未満の場合は陰性と判定します。一方、2重測定のうち1回以上カットオフインデックスが1.0以上となった場合は、再検陽性と判定します。

再検陽性の場合は、他法の検査や臨床症状と併せ、担当医師が総合的に判断してください。

非特異的反応及び免疫グロブリン製剤を投与されている患者では、結果が陽性になることがあるので、判定に際し注意してください。

また、ウインドウピリオド(ウイルス感染後、検査で感染を確認できない期間)があるため、陰性の結果を得た場合でもHCV感染を完全に否定するものではありません。

HCV抗体陽性かつHCVコア抗原陰性の場合の診断は、遺伝子診断法(例:PCR法)等による確認検査を行い、担当医師が総合的に判断してください。

性能

1. 性能
【用法・用量(操作方法)】の記載に従い、感度・正確性・同時再現性の各試験を行った場合、下記の規格値に適合します。

HCVコア抗原:

(1)
感度試験

1)
陰性管理用試料を測定するとき、陰性を示します。

2)
陽性管理用試料1及び陽性管理用試料2を測定するとき、それぞれ陽性を示します。


(2)
正確性試験

1)
陰性管理用試料を測定するとき、陰性を示します。

2)
陽性管理用試料1及び陽性管理用試料2を測定するとき、それぞれ陽性を示します。


(3)
同時再現性試験

1)
陰性管理用試料を3回同時に測定するとき、すべて陰性を示します。

2)
陽性管理用試料1を3回同時に測定するとき、すべて陽性を示します。


抗HCV抗原:

(1)
感度試験

陰性管理用試料を測定するとき、陰性を示します。

陽性管理用試料3及び陽性管理用試料4を測定するとき、それぞれ陽性を示します。


(2)
正確性試験

1)
陰性管理用試料を測定するとき、陰性を示します。

2)
陽性管理用試料3及び陽性管理用試料4を測定するとき、それぞれ陽性を示します。


(3)
同時再現性試験

1)
陰性管理用試料を3回同時に測定するとき、すべて陰性を示します。

2)
陽性管理用試料3を3回同時に測定するとき、すべて陽性を示します。


2. 最小検出感度
HCVコア抗原:

50 IU/mL (WHO標準品(PEI code 129096/12))

抗HCV抗体:

標準品が存在しないため、検出感度は示すことはできません。

3. 較正用基準物質
HCVコア抗原:WHO標準品(PEI code 129096/12)

抗HCV抗体:自社標準品

4. 国内臨床性能試験成績
国立感染症研究所から供与を受けたC型肝炎ウイルス陽性検体パネル80例及びC型肝炎ウイルス陰性検体パネル53例(以下、感染研パネル)を用いて以下の試験を実施しました。

(1)
HCVDUOの再検後の最終判定での本品と弊社既存製品(ECLIA法)との相関性を検討したところ、良好な相関性が得られました2)
 弊社HCV抗体試薬 計 
陽性 陰性 
本品
(HCVDUO) 
陽性 80 80 
陰性 53 53 
計 80 53 133 


陰性一致率:100%(53例/53例)

陽性一致率:100%(80例/80例)

全体一致率:100%(133例/133例)

(2)
HCVDUOの再検後の最終判定での本品と他社既存製品(CLEIA法)との相関性を検討したところ、良好な相関性が得られました2)
 他社HCV抗体試薬 計 
陽性 陰性 
本品
(HCVDUO) 
陽性 80 80 
陰性 53 53 
計 80 53 133 


陰性一致率:100%(80例/80例)

陽性一致率:100%(53例/53例)

全体一致率:100%(133例/133例)


5. 臨床的感度
HCV抗体及びHCV RNAの結果が明らかな検体(257例)を用いた検討において、本品は1例(HCV抗体陰性かつHCV RNA陽性)を除き、全て陽性の判定を得ました。
HCV抗体 HCV RNA 検体数 本品
初回陽性 
臨床的感度 
陽性 陽性 148 148 100% 
陰性 陽性 19 18 94.7% 
陽性 陰性 90 90 100% 
合計 257 256 99.6% 


HCV感染と診断された患者検体(486例)を用いた検討において、本品は全て陽性の判定を得ました。
測定検体 検体数 本品
初回陽性 
臨床的感度 
HCV感染者検体 386 386 100% 
ジェノタイプ1〜6の感染検体 100 100 100% 
合計 486 486 100% 


6. 臨床的特異性
欧州及び南アフリカにおける献血検体(20,634例)を用いた検討において、本品の臨床的特異性は、99.94% (95%CI: 99.89-99.97%)を示しました。

日常検体、透析患者検体及び妊婦検体(2,531例)を用いた検討において、本品の臨床的特異性は、99.92% (95%CI: 99.71-99.99%)を示しました。
 測定
検体数 
本品
再検陽性 
確認試験
陽性/判定保留 
臨床的特異性
(95% CI) 
献血検体 20,634 16 99.94%
(99.89-99.97) 
日常検体 1,251 32 31 99.92%
(99.54-100) 
透析検体 223 99.55%
(97.52-99.99) 
妊婦検体 1,057 100%
(99.65-100) 


7. 交差反応性
測定結果に影響を及ぼす可能性のある、近縁又は類似関係にある物質を含む検体(204例)を測定した結果、以下の結果を得ました。近縁又は類似関係にある物質を含む検体とは、以下の検体をいいます。

(1)
HIV、HAV、HBV、HEV、CMV、HSV、EBV、トキソプラズマ、梅毒トレポネーマに対する抗体を含む検体

(2)
自己抗体を含む検体

(3)
HBs抗原あるいは大腸菌を含む検体

(4)
HBVあるいはインフルエンザに対するワクチンを接種した後の検体

(5)
非ウイルス性肝疾患

(6)
アルコール肝疾患

(7)
多胎妊娠及びリウマチ
 検体数 本品
再検陽性 
確認試験
陽性/判定保留 
確認試験
陰性 
近縁又は類似関係にある
物質を含む検体 
204 11 10 


8. セロコンバージョンパネルの測定結果
市販のセロコンバージョンパネル検体85パネルを測定し、本品の検出感度の検討を行った結果、本品のセロコンバージョンパネルにおける検出感度は対照品と同等あるいはそれ以上でした。

使用上又は取扱い上の注意

取扱い上(危険防止)の注意

1.
検体及び本品の取扱いには、使い捨て手袋、実験着などの保護衣及び保護用眼鏡を着用するなど、人体に直接触れないように注意してください。また、測定終了後はよく手を洗ってください。

2.
試薬が誤って目や口に入った場合には、直ちに水でじゅうぶんに洗い流すなどの応急処置を行い、必要があれば医師の手当てなどを受けてください。

3.
ピペットは口で吸わないでください。

4.
試薬が誤って皮膚及び粘膜に付着した場合には、直ちに大量の水で洗い流してください。

5.
試薬(MP液、抗原試液1、抗原試液2、MP液、抗体試液1及び抗体試液2)をこぼした場合には水で希釈してから拭き取ってください。

6.
検体又はヒト血液由来成分を含む構成試薬(Cal1、Cal3及びCal4)をこぼした場合は、次亜塩素酸剤(有効塩素濃度1,000 ppm、0.1%)などの消毒液を使用してじゅうぶんに拭き取ってください。なお、拭き取る際には、ゴム製の手袋などにより手を保護してください。

7.
検体及び本品を取り扱う場所では飲食又は喫煙をしないでください。

8.
検体及びヒト血液由来成分を含む構成試薬(Cal1、Cal3及びCal4)はHIV、HBV、HCVなどのウイルスによる感染の危険性があるものとして取り扱い、検体又は検査に使用した器具類は高圧蒸気滅菌器を用いて121℃で20分間以上加熱滅菌処理をするか、次亜塩素酸剤(有効塩素濃度1,000 ppm、0.1%)に1時間以上浸すなどにより消毒してください。これらの作業中は、じゅうぶんに換気を行ってください。

9.
本品にはアレルギー反応を起こすおそれがある2-メチルイソチアゾール-3(2H)-オン・塩酸塩が含まれていますので、取扱いにはじゅうぶんに注意してください。

使用上の注意

1.
試薬及び消耗品は専用のものを使用し、その容器・付属品などはほかの目的に転用しないでください。

2.
試薬は必ず貯蔵方法に従って保存し、凍結させるなど指定の条件以外で保存したものや使用期限を過ぎたものは使用しないでください。

3.
ロットの異なる試薬又は残った試薬を混ぜ合わせて使用しないでください。

4.
試薬パックは使用する前に、恒温槽(Water bathなど)に浸けたりしないでください。

5.
RFIDをぬらしたり、強く押さないでください。

6.
測定の前はすべての試薬と測定試料中の気泡の有無を確認してください。気泡がある場合は除いてください。

7.
すべての試薬は保存又は反応中に強い光を当てないでください。

8.
すべての試薬は開封又は分注時に微生物の汚染を避けてください。

9.
測定系及び洗浄液の調製には必ず精製水を使用し、水道水は用いないでください。

10.
検体は使用前に20〜25℃に戻し、よく混和してください。ただし、激しく振り混ぜたり、泡立てたりしないでください。

11.
本品を保存および使用する際は、キャップの裏に試薬を付けないように、垂直の状態で保存してください。

12.
添付のキャリブレータ容器及びボトルラベルは、ロット指定になっています。別ロットには使用しないでください。

13.
試薬の調製に使用する器具は、汚染されていない清浄なものを使用してください。

14.
構成試薬のうちプロセルは、個別に包装されていますので、組み合わせて使用してください。

15.
本品とエクルーシス試薬Anti-HCVIIは相互干渉の可能性があるため、同じ分析機器で同時に測定しないでください。

廃棄上の注意

1.
測定により生じた廃液については、検体などと同様に滅菌又は消毒の処理を行ってください。また、これらを廃棄する場合には、各都道府県によって定められた規定に従ってください。

2.
使用後の容器を廃棄する場合には、廃棄物に関する規定に従って医療廃棄物又は産業廃棄物など区別して処理してください。

3.
廃棄する際は、水質汚濁防止法等の規制に留意して処理してください。

4.
検体及び試薬をこぼした場合は、次亜塩素酸剤(有効塩素濃度1,000 ppm、0.1%)などの消毒液を使用してじゅうぶんに拭き取ってください。なお、拭き取る際には、ゴム製の手袋などにより手を保護してください。

5.
プロセル(別売)を原液のまま廃棄する場合は強アルカリ溶液(エクルーシス クリーンセル)と混合しないでください。

その他の注意

本品による測定値は既存製品と高い相関性を示しますが、系統的な誤差を生じる場合がありますので、必要に応じて相関性について検討されることをお勧めします。

貯蔵方法・有効期間

貯蔵方法

(1) エクルーシス試薬 HCV Duo

2〜8℃で保存してください(凍結は避けてください)。

製品を倒さないでください。

(2) エクルーシス試薬 プロセル(別売)

15〜25℃で保存してください(凍結は避けてください)。

製品を倒さないでください。

有効期間

(1) エクルーシス試薬 HCV Duo

15ヵ月

使用期限(Exp.)は外箱に記載してあります。

(2) エクルーシス試薬 プロセル(別売)

24ヵ月

使用期限(Exp.)は外箱に記載してあります。

包装単位

エクルーシス試薬HCV Duo (S300) 300テスト
1. 検体前処理液(PT)
検体前処理液(PT) 1×9.1 mL

2. HCVコア抗原用(HCVAG)
MP液(M) 1×16.0 mL

抗原試液1(R1) 1×11.1 mL

抗原試液2(R2) 1×12.0 mL

キャリブレータ1(Cal1) 1×1.0 mL

キャリブレータ2(Cal2) 1×1.0 mL

3. 抗HCV抗体用(AHCV)
MP液(M) 1×14.1 mL

抗体試液1(R1) 1×21.9 mL

抗体試液2(R2) 1×18.8 mL

キャリブレータ3(Cal3) 1×1.0 mL

キャリブレータ4(Cal4) 1×1.0 mL

<付属品>
ボトルラベル

エクルーシス試薬 プロセル G2(別売)※6
プロセル 2×2 L及び2×2 L×2

※6 e801 及びe402 モジュールのプロセルは、その他のモジュール(e601 及びe602 モジュール)にはご使用になれません。また、e601 及びe602 モジュールのプロセルは e801 及びe402 モジュールにはご使用になれません。ご不明な点などがございましたら弊社までお問い合わせください。

主要文献

1) Blackburn, G.F. et al. Electrochemiluminescence Detection for Development of Immunoassays and DNA Probe Assays for Clinical Diagnostics. Clin.Chem. 1991, 37(9), p.1,534〜1,539.

2) 自社データ

製造販売業者の氏名又は名称及び住所等

氏名又は名称

ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社

体外診断用医薬品製造販売業

住所等

〒108-0075 東京都港区港南1-2-70

電話番号

0120-600-152

問い合わせ先

氏名又は名称
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社

住所等
〒108-0075 東京都港区港南1-2-70

電話番号
0120-600-152

その他の安全性情報

企業リンク先

http://www.roche-diagnostics.jp

備考

44292000 C型肝炎ウイルスコア蛋白質キット
30743000 C型肝炎ウイルス抗体キット

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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