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レスキュラ点眼液0.12%

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
17.3その他
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2眼圧下降作用
18.3眼組織血流に対する作用
18.4BKチャネル活性作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

レスキュラ点眼液0.12%

添付文書番号

1319732Q1035_3_04

企業コード

100461

作成又は改訂年月

2023年4月改訂(第2版)
2022年6月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

871319

薬効分類名

イオンチャネル開口薬
緑内障・高眼圧症治療剤

承認等

レスキュラ点眼液0.12%

販売名コード

YJコード

1319732Q1035

販売名英語表記

Rescula Ophthalmic Solution 0.12%

販売名ひらがな

れすきゅらてんがんえき0.12%

承認番号等

承認番号

21900AMX00775000

販売開始年月

1994年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

イソプロピル ウノプロストン点眼液

3. 組成・性状

3.1 組成

レスキュラ点眼液0.12%

有効成分1mL中 イソプロピル ウノプロストン 1.2mg  
添加剤ポリソルベート80、ベンザルコニウム塩化物、D-マンニトール、濃グリセリン、エデト酸ナトリウム水和物、pH調節剤

3.2 製剤の性状

レスキュラ点眼液0.12%

pH5.0~6.5
浸透圧比0.9~1.1
性状無色澄明の無菌水性点眼剤

4. 効能又は効果

緑内障、高眼圧症

6. 用法及び用量

通常、1回1滴、1日2回点眼する。

8. 重要な基本的注意

本剤投与中に角膜障害があらわれることがあるので、霧視、異物感、眼痛等の自覚症状が持続する場合には、直ちに受診するよう患者に十分指導すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖毒性試験において器官形成期のラットの高用量群(5mg/kg/day)、周産期・授乳期のラットの高用量群(1.25mg/kg/day)及び器官形成期のウサギの高用量群(0.3mg/kg/day)で流早産の増加傾向がみられた。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められた。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

2%以上

1~2%未満

0.1~1%未満

頻度不明

眼:結膜

結膜充血

眼脂、結膜浮腫

眼:角膜

角膜炎

角膜びらん、角膜点状混濁

眼:虹彩

虹彩炎、虹彩色素沈着

眼:眼瞼

眼瞼発赤、眼瞼炎

眼瞼色素沈着、眼瞼部多毛

眼:眼刺激

眼痛、一過性眼刺激、灼熱感、異物感、違和感

かゆみ

眼:その他

霧視

近見視力障害、複視、視力異常(視力低下、暗黒感、一過性青視症等)、一過性近視

その他

頭痛、頭重、頭部圧迫感、口腔内乾燥、鼻閉、舌先のしびれ、悪心、嘔吐、動悸

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  • 患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
    • 薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
    • 患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。
    • 他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

本剤の保存剤であるベンザルコニウム塩化物による過敏症が知られている。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人男性6例に0.12%イソプロピル ウノプロストン点眼液を両眼に1回35μLずつ単回点眼し、血漿中のイソプロピル ウノプロストンの脱エステル体濃度を測定した。その結果、点眼15分後に最高濃度0.76ng/mLに達した後、半減期14分で減少し、2時間後には定量限界以下となった1)

16.3 分布

白色ウサギの片眼に0.12%3H-イソプロピル ウノプロストン点眼液を点眼したところ、速やかに眼内に移行し、眼組織内放射能濃度は角膜で点眼15分後に、房水で30分後に最高に達した後、減少した。眼組織内放射能濃度は30分後に角膜、前部強膜、結膜、房水、虹彩、毛様体、後部強膜、外眼筋、網脈絡膜の順で高かったが、以後経時的に減少し、24時間後にはほぼ消失した。水晶体、硝子体、視神経にはほとんど分布しなかった。なお、有色ウサギも同様に行った結果、白色ウサギと差がなく、メラニン色素含有組織への親和性は認められなかった2)

16.5 排泄

ウサギに点眼又は静脈内投与、ラット及びイヌに静脈内投与後の主排泄経路はいずれも尿であった3)。なお、健康成人男性6例に0.12%イソプロピル ウノプロストン点眼液を両眼に1回35μLずつ単回点眼し、尿中のイソプロピル ウノプロストンの脱エステル体濃度を測定した結果、定量限界以下であった1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内第Ⅲ相試験(二重盲検比較試験)
    • 全国18施設で原発開放隅角緑内障及び高眼圧症の成人患者を対象に、0.12%イソプロピル ウノプロストン点眼液70例及び0.5%チモロールマレイン酸塩点眼液(対照薬)77例による無作為割付二重盲検比較試験(1回1滴、1日2回12週間)を実施した。その結果、0.12%イソプロピル ウノプロストン点眼液における改善以上※1は91.4%(64/70例)であり、対照薬との非劣性が確認された。なお、やや改善以上※2は98.6%(69/70例)であった。
      0.12%イソプロピル ウノプロストン点眼液の副作用は、75例中5例(6.7%)に認められ、主な副作用は結膜充血3件であった4)

      ※1:眼圧のoutflow pressureの下降率20%以上
      ※2:眼圧のoutflow pressureの下降率10%以上

  2. 17.1.2 国内第Ⅲ相試験(長期投与試験)
    • 全国20施設で原発開放隅角緑内障及び高眼圧症の成人患者を対象に、0.12%イソプロピル ウノプロストン点眼液を1回1滴、1日2回52週間点眼した。その結果、改善以上※1は70.8%(34/48例)、やや改善以上※2は83.3%(40/48例)であった。
      副作用は、59例中11例(18.6%)に認められ、主な副作用は結膜充血7件であった5)
      ※1:眼圧のoutflow pressureの下降率20%以上
      ※2:眼圧のoutflow pressureの下降率10%以上
  3. 17.1.3 国内第Ⅲ相試験(低眼圧緑内障患者に対する試験)
    • 全国1施設で低眼圧緑内障の成人患者を対象に、オープン試験にて、0.12%イソプロピル ウノプロストン点眼液を両眼に1回1滴、1日2回24週間点眼した。その結果、改善以上※1は75%(9/12例)、やや改善以上※2は83.3%(10/12例)であった。
      副作用は、全症例で認められなかった6)
      ※1:眼圧のoutflow pressureの下降率20%以上
      ※2:眼圧のoutflow pressureの下降率10%以上

17.3 その他

  1. 17.3.1 視野への効果

    正常眼圧緑内障患者40例、40眼に本剤単独1日2回10年間点眼を行った。全例視野変化解析で平均偏差(MD)のスロープが有意(p<5%)の視野障害進行眼は9眼(22.5%)であり、残りの31眼(77.5%)において視野障害進行が抑制された。全例におけるMDの年平均進行度は-0.16±0.32dBであり、進行9眼においては-0.56±0.15dBであった7)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

ウサギ8),9)、ネコ9),10)、健康人11),12)及び緑内障・高眼圧症患者13)でのフルオロフォトメトリー試験又はトノグラフィー試験において、イソプロピル ウノプロストン点眼液の眼圧下降作用は主経路又は副経路を介する房水流出の促進によることが示唆された。

  1. 18.1.1 ウサギ、ネコにおいてイソプロピル ウノプロストン点眼液の点眼後にトノグラフィーにより測定した房水流出率の増加が認められ、ウサギ、ネコ、サルにおいてイソプロピル ウノプロストン点眼液の眼圧下降作用はピロカルピンにより阻害されないことから、各種正常動物にみられるイソプロピル ウノプロストン点眼液の眼圧下降は、主経路における房水流出抵抗の減少が関与すると考えられる9),10)
  2. 18.1.2 健康人を対象としたフルオロフォトメトリー試験及びトノグラフィー試験においてイソプロピル ウノプロストン点眼液の眼圧下降作用は主に副経路からの房水流出の促進によると考えられる11),12)
  3. 18.1.3 緑内障・高眼圧症患者を対象としたフルオロフォトメトリー試験においてイソプロピル ウノプロストン点眼液の眼圧下降作用は主経路からの房水流出の促進によると考えられる13)

18.2 眼圧下降作用

  1. 18.2.1 ウサギ、ネコ、サルにイソプロピル ウノプロストンを点眼した場合、速やかかつ持続的な眼圧下降作用が認められ、ウサギにおいては用量依存的であった14)。ウサギにイソプロピル ウノプロストン点眼液を1日2回、50日間反復点眼したところ、眼圧下降作用の減弱は認められなかった15)。また、ウサギの水負荷眼圧上昇試験において、イソプロピル ウノプロストン点眼液は有意に眼圧上昇を抑制することが認められた16)
  2. 18.2.2 健康人又は緑内障・高眼圧症患者にイソプロピル ウノプロストン点眼液を点眼した場合、1日2回の点眼で瞳孔径や視力及び血圧や脈拍数に影響を及ぼすことなく眼圧コントロールが得られ、長期点眼においても眼圧が良好に維持されることが認められた4),5),17),18),19),20),21),22),23)
  3. 18.2.3 緑内障及び高眼圧症患者においてイソプロピル ウノプロストン点眼液と1%ピロカルピン点眼液の眼圧下降効果は相加的であると考えられる24)

18.3 眼組織血流に対する作用

  1. 18.3.1 ウサギにイソプロピル ウノプロストンを点眼すると脈絡膜組織血流量を増加させることが認められている25)
  2. 18.3.2 健康人に本剤を単回点眼すると、網膜中心動脈・短後毛様動脈の最大流速・平均流速・最低流速26)、脈絡膜-網膜NB値(血流速度の指標)27)及び視神経乳頭部・後極部網膜の血流28),29)が増加したと報告されている。また、健康人に本剤を7日間又は21日間点眼すると、視神経乳頭及び脈絡膜-網膜NB値が増加したと報告されている30),31)
  3. 18.3.3 正常眼圧緑内障患者に本剤を単回点眼すると、短後毛様動脈の流速32)及び視神経乳頭部・後極部網膜の血流28),29)が増加したと報告されている。また、早期(湖崎分類I・II期)の正常眼圧緑内障患者に本剤を6カ月間点眼すると、眼動脈血流速度が増加したと報告されている33)

18.4 BKチャネル活性作用

イソプロピル ウノプロストン及びその活性体(脱エステル体)は、ヒト線維柱帯細胞において、BKチャネル(大コンダクタンスカルシウム依存性カリウムチャネル)に対し活性を示すことが報告されている34),35)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

イソプロピル ウノプロストン(Isopropyl Unoprostone)(JAN)

(WHO recommended INN:Unoprostone)

化学名

(+)-isopropyl(Z)-7-[(1R,2R,3R,5S)-3,5-dihydroxy-2-(3-oxodecyl)cyclopentyl]hept-5-enoate

分子式

C25H44O5

分子量

424.61

性状

無色の粘稠性のある液で、におい及び味はない。

アセトニトリル、エタノール(95)、2-プロパノール、酢酸エチル、ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン又はヘキサンに極めて溶けやすく、水にほとんど溶けない。

化学構造式

分配係数

1.0×104以上(オクタノール/水系)

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は、遮光して保存すること。

22. 包装

プラスチック点眼容器 5mL×10本

23. 主要文献

1) 社内資料:薬物動態試験(1994年7月1日承認、製造承認申請書添付資料へ-11)

2) 社内資料:ウサギにおける単回点眼投与時の眼組織内濃度(1994年7月1日承認、製造承認申請書添付資料へ-8)

3) 社内資料:排泄(動物)(1994年7月1日承認、製造承認申請書添付資料概要へ2(4)1)

4) 東郁郎ほか:日本眼科紀要.1992;43(12):1432-1440

5) 東郁郎ほか:あたらしい眼科.1994;11(9):1435-1444

6) 藤森千憲ほか:日本眼科学会雑誌.1993;97(10):1231-1235

7) 小川一郎ほか:日本眼科紀要.2006;57(2):132-138

8) Sakurai, M. et al.:Jpn. J. Ophthalmol.1993;37(3):252-258

9) 吉田祥子ほか:基礎と臨床.1994;28(12):3827-3838

10) 吉田祥子ほか:上野生物科学研究所資料(DIR940011)

11) Sakurai, M. et al.:Jpn. J. Ophthalmol.1991;35(2):156-165

12) 手塚ひとみほか:日本眼科学会雑誌.1992;96(4):496-500

13) Toris, B. et al.:Arch Ophthalmol.2004;122:1782-1787

14) 上野隆司ほか:日本眼科学会雑誌.1992;96(4)462-468

15) 吉田祥子ほか:上野生物科学研究所資料(DIR940014)

16) 吉田祥子ほか:上野生物科学研究所資料(DIR940013)

17) 高瀬正彌ほか:あたらしい眼科.1992;9(11):1917-1925

18) 東郁郎ほか:日本眼科紀要.1992;43(12):1425-1431

19) 茂木豊ほか:日本眼科紀要.1993;44(1):12-18

20) 逸見知弘ほか:あたらしい眼科.1993;10(12):2123-2127

21) 新家真ほか:あたらしい眼科.1993;10(12):2117-2121

22) 高瀬正彌ほか:日本眼科学会雑誌.1992;96(10):1261-1267

23) 高瀬正彌ほか:あたらしい眼科.1992;9(6):1055-1059

24) 山本哲也ほか:日本眼科学会雑誌.1994;98(2):202-205

25) 杉山哲也ほか:あたらしい眼科.1992;9(8):1430-1434

26) 西篤美ほか:あたらしい眼科.1996;13(9):1422-1424

27) 小嶌祥太ほか:日本眼科学会雑誌.1997;101(7):605-610

28) 木村至ほか:厚生省特定疾患 網膜脈絡膜・視神経萎縮症調査研究班 平成11年度報告書.2000;238

29) Kimura, I. et al.:Jpn. J. Ophthalmol.2005;49(4):287-293

30) Tamaki, Y. et al.:J. Ocul. Pharmacol. Ther.2001;17(6):517-527

31) Makimoto, Y. et al.:Jpn. J. Ophthalmol.2002;46:31-35

32) 井戸正史ほか:あたらしい眼科.1999;16(11):1577-1579

33) 西村幸英ほか:あたらしい眼科.1998;15(2):281-284

34) Thieme, H. et al.:Invest Ophthalmol Vis Sci.2001;42(13):3193-3201

35) Cuppoletti, J. et al.:Invest Ophthalmol Vis Sci.2012;53(9):5178-5189

24. 文献請求先及び問い合わせ先

日東メディック株式会社 おくすり相談窓口

*〒104-0031 東京都中央区京橋1-10-7

電話:03-3523-0345
FAX:03-6264-4086

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

日東メディック株式会社

富山県富山市八尾町保内1-14-1

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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