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処方箋医薬品注)
特定生物由来製品
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本品を添付の日局注射用水に溶解する。
1日量4~20mLを緩徐に静脈内投与する。なお、年齢、症状などにより適宜増減する。
通常、成人に対して1日量12~24mLを緩徐に静脈内投与する。ただし、本剤は急性炎症、急性感染の消褪した後で、血清総タンパク、血清アルブミン等に異常が無く、縫合不全、瘻孔が存続し、血液凝固第XIII因子が70%以下に低下している患者に投与すること。なお、5日間投与しても症状に改善が認められない場合には、投与を中止すること。
通常、1日1回12~20mLを緩徐に静脈内投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、血液凝固第XIII因子が90%以下に低下している患者に投与すること。原則的に3日間の投与とする。
後天性血液凝固第XIII因子欠乏症に対して本剤の用量を増減する場合は、関連文献1) を参考に欠乏の原因(インヒビターなど)についても考慮すること。
投与により症状を悪化させるおそれがある。
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない。感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。
低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
頻度不明または5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
過敏症
発疹、発熱等
消化器
悪心、嘔吐
精神神経系
頭痛、めまい
血液
血小板減少、好酸球増多
肝臓
AST、ALT上昇
γ-GTP、Al-P、ビリルビン、LDH上昇
腎臓
BUN、クレアチニン上昇
その他
倦怠感
溶解時に著しい沈殿の認められるものは投与しないこと。
先天性血液凝固第XIII因子欠乏症患者4例(年齢26~43歳:平均37.8歳)に本剤16mLを投与し、血中の第XIII因子活性を経時的に測定した。第XIII因子活性が最高値となった時の上昇率(本剤を1国際単位/kg投与したと仮定した時の第XIII因子活性の上昇率)は、0.84~2.13%(平均1.52%)であった。各症例について投与後7日目まで第XIII因子活性を経時的に測定し、その理論曲線から生物学的半減期(t1/2)を求めると、6.9~13.2日(平均10.1日)であった2) 。
先天性血液凝固第XIII因子欠乏患者を対象とした国内臨床試験において、1回あたり16mLを目安として本剤を緩徐に静脈内投与した。有効率は100%(4例/4例)であった2) 。
消化器外科手術後の縫合不全あるいは瘻孔の患者を対象とした国内臨床試験において、総症例46例に本剤を1日量24mL投与し、効果を判定した。評価可能例38例に対する改善率(中央委員会判定)は、縫合不全で改善率68.2%(15例/22例)、瘻孔で81.3%(13例/16例)であった3) 。
IgA血管炎の患者を対象とした国内臨床試験において、本剤を1日1回、12~20mL注2) を3日間連続投与し、効果を判定した。解析対象12例でのIgA血管炎重症度スコアの推移において、有意な改善が認められた(Friedmanの順位検定)4),5) 。
本剤は、先天性及び後天性血液凝固第XIII因子欠乏による出血傾向を速やかに改善する6),7),8),9),10),11) 。その作用は、ヒト血漿を用いたin vitroの試験により第XIII因子のもつフィブリン網の安定化作用にあると考えられる12) 。
本剤は外科手術等により血液凝固第XIII因子が低下した際に起こる縫合不全、瘻孔を改善する3),13),14),15) 。その作用はマウスの線維芽細胞を用いたin vitroの試験により、第XIII因子が線維芽細胞の増殖担体であるフィブリンを架橋し、フィブリン網の構造を変えることにより線維芽細胞増殖を促進するものと考えられる16),17),18) 。また、ラットを用いたin vivoの試験により、第XIII因子は創部におけるコラーゲン合成の促進作用を有することが認められた19) 。
本剤は、血液凝固第XIII因子の低下を伴うIgA血管炎の腹部・関節症状を改善する。その作用は血液凝固第XIII因子が血管破綻部に生じたフィブリンクロットを強固なものにすることにより、消化管からの出血を抑制し、腹部症状(腹痛、血便)の改善に効果を示すものと考えられる4),5) 。ラットを用いた胃出血モデルにおいても第XIII因子が胃出血を抑制することが明らかとなっている20) 。更に、こうして生じた強固なクロット上で線維芽細胞の増殖を促進させることにより16),17),18) 消化管、腎等の侵襲部位の組織修復を促進し、効果を示すものと考えられる。また第XIII因子はフィブロネクチン分子間にも架橋結合を形成することから21) 、細胞間接着を安定化させることにより血管透過性亢進を抑制することが示唆されており22) 、関節症状の改善に効果を示すものと考えられる。
本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を投与又は処方した場合は、医薬品名(販売名)、その製造番号(ロット番号)、投与又は処方した日、投与又は処方を受けた患者の氏名、住所等を記録し、使用日から少なくとも20年間保存すること。
1バイアル(日局注射用水4mL×1バイアル付)6バイアル(日局注射用水4mL×6バイアル付)
1) 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:人血液凝固第XIII因子 後天性血液凝固第XIII因子欠乏症による出血傾向
2) 杉村大作 他:新薬と臨床,42(7),1368,1993
3) 武藤輝一 他:新薬と臨床,44(1),26,1995
4) 大国真彦 他:新薬と臨床,44(8),1310,1995
5) 大国真彦 他:新薬と臨床,48(2),165,1999
6) 福井 弘 他:基礎と臨床,8(10),3203,1974
7) 三上俊衛 他:薬理と治療,4(8),1963,1976
8) 中村克己 他:臨床血液,18(5),636,1977
9) 武 弘道 他:日本小児科学会雑誌,81(5),380,1977
10) 塚田理康:共済医報,26(2),138,1977
11) Ichinose, A., et al.:Thromb. Haemost., 105(5), 925, 2011
12) Mckee, P. A., et al.:Ann. N. Y. Acad. Sci., 202, 127, 1972
13) 第XIII因子研究会(第一報):最新医学,36(12),2492,1981
14) 第XIII因子研究会(第二報):最新医学,36(12),2496,1981
15) 第XIII因子研究会(第三報):最新医学,39(10),2132,1984
16) Ueyama, M., et al.:Japan. J. Exp. Med., 48(2), 135, 1978
17) 上山 護 他:血液と脈管,10(4),505,1979
18) 宮地就久 他:薬理と治療,21(6),1721,1993
19) 磯部 潔 他:応用薬理,22(5),709,1981
20) 田中俊三 他:薬理と治療,18(3),205,1990
21) Mosher, D. F., et al.:J. Biol. Chem., 250, 6614, 1975
22) Hirahara, K., et al.:Thromb. Res., 71, 139, 1993
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