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生物学的製剤基準
pH4処理酸性人免疫グロブリン(皮下注射)
処方箋医薬品注)
特定生物由来製品
「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の筋力低下の改善」に対して静注用人免疫グロブリン製剤を投与し有効性が認められたものの、症状の再発・再燃を繰り返している患者にのみ投与すること。
通常、人免疫グロブリンGとして50~200mg(0.25~1mL)/kg体重を週1回皮下投与する。2週間に1回投与する場合には、1週あたりの用量の2倍量(100~400mg(0.5~2mL)/kg体重)を皮下投与する。なお、患者の状態に応じて、1週もしくは2週あたりの投与量及び投与回数は適宜増減する。
通常、成人には人免疫グロブリンGとして1週あたり200mg(1mL)/kg体重を1日又は連続する2日で分割して皮下投与するが、患者の状態に応じて、最大400mg(2mL)/kg体重から投与を開始することもできる。なお、維持用量は200~400mg/kg体重で適宜増減する。
抗IgA抗体を保有する患者では過敏反応を起こすおそれがある。
人免疫グロブリン製剤を使用した患者で血栓塞栓症の報告がある。,
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない。感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。また、一般に脳・心臓血管障害又はその既往歴のある患者がみられ、血栓塞栓症を起こすおそれがある。,
本剤の投与を受けた者は、生ワクチンの効果が得られないおそれがあるので、生ワクチンの接種は本剤投与後3ヵ月以上延期すること。また、生ワクチン接種後14日以内に本剤を投与した場合は、投与後3ヵ月以上経過した後に生ワクチンを再接種することが望ましい。なお、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎に対する大量療法(200mg/kg体重以上)後に生ワクチンを接種する場合は、原則として生ワクチンの接種を6ヵ月以上(麻疹感染の危険性が低い場合の麻疹ワクチン接種は11ヵ月以上)延期すること。
本剤の主成分は免疫抗体であるため、中和反応により生ワクチンの効果が減弱されるおそれがある。
びまん性紅斑を伴う全身潮紅、胸部不快感、頻脈、低血圧、喘鳴、喘息、呼吸困難、チアノーゼ等異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
無菌性髄膜炎(項部硬直、頭痛、発熱、羞明、悪心、嘔吐等)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等があらわれることがあるので、中枢神経症状(めまい、意識障害、四肢麻痺等)、胸痛、突然の呼吸困難、息切れ、下肢の疼痛・浮腫等の症状が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。,
AST、ALT、Al-P、γ-GTP、LDHの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
投与に先立って患者が脱水状態にないことを確認するとともに、腎機能検査値(BUN、血清クレアチニン等)の悪化、尿量減少が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
1%以上
1%未満
頻度不明注2)
血液及びリンパ系障害
溶血
感染症及び寄生虫症
上咽頭炎
免疫系障害
過敏症
神経系障害
頭痛
浮動性めまい、片頭痛
振戦、精神運動亢進、灼熱感
心臓障害
頻脈
血管障害
高血圧
潮紅
低血圧
胃腸障害
悪心、腹部硬直
腹痛、下痢、嘔吐
皮膚及び皮下組織障害
発疹、そう痒症
皮膚不快感
じん麻疹
筋骨格系及び結合組織障害
筋骨格痛
関節痛、筋痙縮
筋力低下
全身障害
疲労
発熱、倦怠感、圧痛
悪寒、インフルエンザ様疾患、胸痛、疼痛、低体温
注射部位反応
腫脹、紅斑、疼痛、そう痒症、硬結、刺激感、温感、内出血
出血、不快感、炎症、発疹、腫瘤
潰瘍
臨床検査
血中クレアチニン増加
本剤には供血者由来の各種抗体(各種感染症の病原体又はその産生物質に対する免疫抗体、自己抗体等)が含まれており、投与後の血中にこれらの抗体が一時検出されることがあるので、臨床診断には注意を要する。また、供血者由来の赤血球型抗原に対する抗体(抗A、抗B及び抗D抗体)により、赤血球型同種抗体の血清学的検査(クームス試験)に干渉することがある。
原発性免疫不全症候群患者を対象とした国内第III相試験1) において、本剤を毎週反復皮下投与し、定常状態に達した後(投与開始16週、20週又は24週)、25例中8例で測定した血清IgG濃度は、投与から次の投与までの1週間、安定した値を示した。1週間の平均投与量は76.16mg/kg体重で、最高血中濃度の平均値は7.63g/L、最高血中濃度到達時間の中央値は2.56日であった。
原発性免疫不全症候群患者を対象とした海外第III相試験2) において、本剤を週1回及び2週間に1回投与した結果、定常状態(週1回投与は投与開始6週時に測定、2週間に1回投与は投与開始12週時に測定)における本剤の血清IgG濃度パラメータ(Cmax、トラフ値及びdAUC)は両投与間で類似していた。
週1回投与(n=9)
2週間に1回投与(n=9)
平均投与量(mg/kg体重)
109±17.2
207±38.4
Cmax(g/L)
10.63±1.70
11.63±2.03
Ctrough(g/L)
10.04±1.63
9.86±1.68
AUC0-tau(h*g/L)
1707±294
3561±594
dAUC(h*g/L/mg)
0.24±0.04
0.26±0.04
平均値±標準偏差AUC0-tau:週1回投与はAUC0-7日、2週間に1回投与はAUC0-14日dAUC:投与量で補正したAUC0-tau
慢性炎症性脱髄性多発根神経炎患者を対象とした国際共同第III相試験3) において、本剤0.4g/kg体重又は0.2g/kg体重を週1回皮下投与したときの24週後のIgGトラフ値は、0.4g/kg体重群で20.4±3.24g/L、0.2g/kg体重群で15.4±3.06g/Lであり、24週まで持続してトラフ値が維持された。
定期的に静注用人免疫グロブリン製剤(IVIG)の治療を受けていた原発性免疫不全症候群の患者計25例(3歳以上12歳未満:7例、12歳以上16歳以下:4例、17歳以上58歳以下:14例)が本剤で24週間治療された。本剤は週1回で合計584回投与され、有効性評価期間の平均投与量は87.81mg/kg体重であった。有効性評価期間を通して、IgGトラフ値(平均IgG濃度7.21-7.53g/L)は維持された。試験中に行われたIVIGによる治療と比較して、IgGトラフ値は本剤に切り換えた後にわずかに上昇し、IgG値の幾何平均値の比は1.09を示した。重篤な細菌感染は認められず、非重篤な感染症の発現回数は2.98回/人年であった。感染症発現回数、入院日数、学校又は仕事を休んだ日数、抗生物質使用の年間割合は、IVIG及び本剤で同様であった4) 。副作用は25例中21例(84.0%)に175件認められ、主な副作用は、注射部位の局所反応20例(80.0%)で、本剤投与584回中160件(27.4%)であった。
3ヵ月以上安定して免疫グロブリン補充療法を受けていた原発性免疫不全症候群患者計25例(6歳以上12歳未満:8例、12歳以上16歳未満:3例、16歳以上18歳未満:4例、18歳以上:10例)がパート1で本剤を週1回12週間投与した(平均投与量:112.14mg/kg体重)。パート1に引き続いて実施したパート2では計24例が本剤を2週間に1回投与に切り替え最長52週間投与した(平均投与量:218.62mg/kg体重)。その結果、パート1における感染症は12例に16件発現した。週1回投与での感染症の年間発現回数は2.42回/人年であり、患者あたりの感染症の年間発現回数の平均値±標準偏差は2.43±3.15回/人年であった。また、パート2における感染症は13例に17件発現した。2週間に1回投与での感染症の年間発現回数は0.90回/人年であり、患者あたりの感染症の年間発現回数の平均値±標準偏差は1.22±1.64回/人年であった。パート1の副作用は25例中4例(16.0%)に認められ、主な副作用は局所反応で注射部位内出血、注射部位疼痛各1例(4.0%)であった。パート2の副作用は24例中3例(12.5%)に認められ、主な副作用は局所反応で注射部位紅斑、注射部位腫瘤各1例(4.2%)であった5) 。
国際共同第III相試験(多施設共同二重盲検試験)では、IVIGの前治療により慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の状態が安定化していた成人患者計172例(日本人患者11例を含む)を無作為化し、2用量の本剤(0.4g/kg体重[58例]又は0.2g/kg体重[57例])もしくはプラセボ(57例)が(自己)投与された。投与期間中に慢性炎症性脱髄性多発根神経炎が再発(調整INCATスコアの1点以上のベースラインからの悪化)又は試験を中止した被験者の割合はプラセボ群の63.2%と比較し、0.4g/kg体重群で32.8%、0.2g/kg体重群で38.6%(それぞれp<0.001, p=0.007)であった6) 。
評価項目達成数n(%)(95% CI注3) )
絶対リスク減少(95% CI注4) )p値注5)
プラセボ
本剤0.2g/kg
本剤0.2g/kgvsプラセボ
本剤0.4g/kg
本剤0.4g/kgvsプラセボ
再発又はその他の理由による中止注6)
N=57
-24.6(-40.7, -6.2)0.007
N=58
-30.4(-46.0, -12.2)<0.001
36(63.2)(50.2, 74.5)
22(38.6)(27.1, 51.6)
19(32.8)(22.1, 45.6)
CI:信頼区間
副作用は0.4g/kg体重投与では、58例中20例(34.5%)、0.2g/kg体重投与では、57例中17例(29.8%)に認められ、主な副作用は0.4g/kg体重投与では、注入部位紅斑8例(13.8%)、注入部位腫脹6例(10.3%)、0.2g/kg体重投与では、注入部位腫脹5例(8.8%)、注入部位紅斑3例(5.3%)であった。
国際共同長期投与試験(第III相多施設共同非盲検48週継続試験、以降「継続試験」)では、国際共同第III相試験から移行した82例(日本人患者10例を含む)の慢性炎症性脱髄性多発根神経炎患者を組み入れた。継続試験では本剤の維持療法の長期の安全性及び有効性を2用量(0.2g/kg体重及び0.4g/kg体重)の週1回投与で検討した。有効性評価期間の平均値は、0.4g/kg体重群では196.1(範囲:1~330)日、0.2g/kg体重群では125.8(範囲:1~330)日であった。国際共同第III相試験を0.4g/kg体重投与で再発なく完了し、継続試験を0.4g/kg体重で開始した患者の再発率は5.6%(1/18)であった。継続試験で0.4g/kg体重の投与を受けたすべての患者の再発率は9.7%(7/72)であった。国際共同第III相試験を0.2g/kg体重投与で再発なく完了し、継続試験を0.2g/kg体重で開始した患者の再発率は、患者数は限定的ではあるが50%(3/6)であった。継続試験で0.2g/kg体重の投与を受けたすべての患者では47.9%(35/73)の患者が再発した。副作用は0.4g/kg体重投与では、72例中17例(23.6%)、0.2g/kg体重投与では、73例中8例(11.0%)に認められ、主な副作用は0.4g/kg体重投与では、注入部位腫脹6例(8.3%)、注入部位紅斑3例(4.2%)、0.2g/kg体重投与では、注入部位腫脹、注入部位紅斑各3例(4.1%)であった。
本剤の作用機序は完全には解明されていない。
IgG機能は、Fab機能とFc機能が知られ、IgG分子のFab部分は抗体の特異性(Fab機能)を決定する。多価IgG製品が治療効果を有するためには生理学的に意味のある抗体特異性のスペクトルを持つことが必要であるが、本剤は、5つの異なる特異性を持つ抗体(抗HBs、抗ポリオウイルス1型、抗ジフテリア毒素、抗パルボウイルスB19、抗ストレプトリジンO)の存在が確認されている。IgG分子のFc部分はエフェクター機能(Fc機能)の媒介となるが、本剤のFcエフェクター機能は他の市販されている人免疫グロブリン製剤と同等であることが確認された。従って、本剤は、広範な各種の細菌及びウイルス性因子に対して広いスペクトルのオプソニン作用及び中和作用を示し、適切なFcエフェクター機能を有することが示唆された7) 。
本剤はラット実験的アレルギー性脳脊髄炎モデルに対して症状の発現及び進行を抑制した8) 。
本剤は、L-プロリンを安定剤として含有する高濃度人免疫グロブリンである。本剤は、50μg/mL以下のIgAを含む。IgGサブクラスの近似分布は以下の通りである。 IgG1 62-74% IgG2 22-34% IgG3 2-5% IgG4 1-3%
ハイゼントラ20%皮下注1g/5mL 1バイアル
ハイゼントラ20%皮下注2g/10mL 1バイアル
ハイゼントラ20%皮下注4g/20mL 1バイアル
*ハイゼントラ20%皮下注1g/5mLシリンジ 1シリンジ[脱酸素剤入り]
*ハイゼントラ20%皮下注2g/10mLシリンジ 1シリンジ[脱酸素剤入り]
*ハイゼントラ20%皮下注4g/20mLシリンジ 1シリンジ[脱酸素剤入り]
1) 社内資料:臨床薬理試験(2013年9月27日承認、CTD2.7.2.2)
2) 社内資料:臨床薬理試験(IgPro20_4005試験)
3) 社内資料:臨床薬理試験(2019年3月26日承認、CTD2.7.2.3)
4) Kanegane, H., et al. : J.Clin.Immunol., 34(2), 204, 2014
5) 社内資料:臨床概要(IgPro20_4005試験)
6) 社内資料:臨床概要(2019年3月26日承認、CTD2.5.4.3)
7) Maeder, W., et al. : Biologicals, 39(1), 43, 2011
8) 社内資料:非臨床試験の概要(2019年3月26日承認、CTD2.6.2)
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