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処方箋医薬品注)
骨折の危険性の高い骨粗鬆症
本剤の適用にあたっては、低骨密度、既存骨折、加齢、大腿骨頸部骨折の家族歴等の骨折の危険因子を有する患者を対象とすること。
通常、成人には、テリパラチドとして28.2μgを1日1回、週に2回皮下注射する。なお、本剤の投与は24ヵ月間までとすること。
一過性の血圧低下があらわれることがある。
患者の状態を観察し、病態の悪化がないか注意しながら本剤を投与すること。副甲状腺ホルモンは血管平滑筋の弛緩作用や心筋への陽性変時・陽性変力作用を示すことが報告されている。なお、重篤な心疾患のある患者は臨床試験では除外されている。
症状を悪化させるおそれがある。
閉経前の骨粗鬆症患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
定期的に腎機能検査を行うこと。
臨床薬理試験において、血中からのテリパラチドの消失に遅延が認められている。
臨床試験では重篤な肝機能障害を有する患者は除外されている。
妊娠する可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与期間中は有効な避妊を行うように指導すること。妊娠が認められた場合には、本剤の投与を中止すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。ウサギを用いた静脈内投与による器官形成期投与試験において、胎児毒性(胎児死亡)が認められている。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等及び若年者で骨端線が閉じていない患者には投与しないこと。これらの患者を対象とした臨床試験は実施していない。これらの患者では、一般に骨肉腫発現のリスクが高いと考えられている。
患者の状態を観察し、十分に注意しながら本剤を投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下していることが多い。
ジギタリス製剤
,
高カルシウム血症に伴う不整脈があらわれることがある。
血清カルシウム値が上昇すると、ジギタリス剤の作用が増強される。
活性型ビタミンD製剤
血清カルシウム値が上昇するおそれがあるため、併用は避けることが望ましい。
相加作用
ショック、一過性の急激な血圧低下に伴う意識消失があらわれることがあり、心停止、呼吸停止を来した症例も報告されている。異常が認められた場合には、適切な処置を行い、次回以降の投与中止を考慮すること。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
消化器
悪心、嘔吐
腹部不快感、消化不良、食欲減退、便秘、下痢、腹痛、逆流性食道炎、口腔内不快感、口渇、虚血性大腸炎、口唇腫脹
胃炎、胃潰瘍、腹部膨満、流涎過多、裂孔ヘルニア、おくび、味覚異常、口内乾燥、心窩部不快感、口角口唇炎、口内炎
精神神経系
頭痛
めまい、傾眠、頭部不快感、感覚鈍麻(四肢、顔、口のしびれ感等)
不眠症、振戦、鎮静、感情不安定、注意力低下、記憶障害、耳鳴、灼熱感、痙攣
眼
眼瞼浮腫
眼瞼下垂、視力障害、結膜充血、眼痛、霧視
腎臓
血中クレアチニン増加、尿中血陽性、頻尿
BUN上昇、腎機能障害、尿中蛋白陽性、慢性腎炎
循環器
血圧低下、血圧上昇、動悸、徐脈、不整脈
起立性低血圧、上室性頻脈、心室性期外収縮、心電図異常、狭心痛、潮紅、蒼白、洞結節機能不全、心房細動
過敏症
紅斑
発疹、蕁麻疹、そう痒症、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎
肝臓
肝機能障害、ALP上昇、ALT上昇、AST上昇、γ-GTP上昇
代謝異常
高尿酸血症、高カルシウム血症
CK上昇、血中リン減少、ALP低下、アルブミン・グロブリン比減少、血中カリウム減少、血中カリウム増加、血中カルシウム増加、血中クロール減少、血中クロール増加、血中コレステロール増加、血中ナトリウム減少、血中ブドウ糖増加、脱水
血液
貧血
好酸球増加、好中球減少、リンパ球増加、血小板減少、好塩基球増加、好酸球減少、好中球増加、赤血球減少、単球減少、白血球減少、白血球増加、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、リンパ球減少
呼吸器
息詰まり感、咳嗽、喘息、鼻漏、副鼻腔炎、咽頭不快感
筋骨格
関節痛
筋骨格硬直、肩の石灰化腱炎、背部痛、四肢痛、四肢不快感、筋緊張、筋力低下、頚部痛、筋肉痛、骨痛、筋痙縮
投与部位
注射部位出血
注射部位疼痛、注射部位紅斑、注射部位血腫、注射部位反応
注射部位腫脹、注射部位不快感
その他
倦怠感
異常感(全身違和感、気分不良等)、発熱、悪寒、あくび、脱力感
胸部不快感、胸痛、多汗症、浮腫、熱感、甲状腺腫、自己免疫性甲状腺炎、リンパ節炎、末梢冷感、インフルエンザ様疾患、胆石症、皮下結節、皮下出血、尿中ウロビリン陽性、尿中ビリルビン増加、脱毛、疼痛、冷感、体重減少
血圧低下、脈拍数増加、血清カルシウム値上昇が発現する可能性がある。
本剤の投与を中止し、血圧、脈拍、血清カルシウム値の測定を行い、適切な措置を行うこと。
雌雄ラットに本薬を皮下投与したがん原性試験において、投与量及び投与期間に依存して骨肉腫を含む骨腫瘍性病変の発生頻度が増加した。なお、ラットに無発がん量(4.5μg/kg/日)を投与した際の1週間当たりの曝露量(AUC)は、ヒトに臨床推奨用量(1週間当たり56.5μg)を投与した際の曝露量(AUC)の3.9~11.6倍に相当する1) 。,,
健康閉経後女性に本剤28.2μgを単回皮下投与したとき、腹部、大腿部、上腕部のいずれの投与部位でも血漿中テリパラチド酢酸塩濃度は速やかにピークに達し、また消失も速やかであった(表及び図参照)2) 。
Cmax(pg/mL)
Tmax(min)
T1/2(min)
AUCinf(ng・min/mL)
腹部(n=12)
267.1±74.5
25.8±14.7
45.5±7.6
28.8±6.8
大腿部(n=12)
208.4±58.2
40.0±17.3
57.3±15.6※
28.2±7.3※
上腕部(n=12)
286.3±74.8
35.0±9.8
50.8±20.0
31.74±7.4
※n=11(Mean±SD)
健康閉経後女性にテリパラチドとして28.2μgを週2回6週間反復皮下投与したとき、投与間隔に関わらず、反復投与によってCmax及びAUCinfは変化しなかった3) 。
30代健康成人男性5例にテリパラチドとして14.1μgを静脈内投与注)したときのAUCinf4) 及び健康閉経後女性11~12例に本剤28.2μgを皮下投与したときのAUCinf2) の比から求めた絶対的生物学的利用率はほぼ100%であった。また、健康閉経後女性11~12例に本剤28.2μgを皮下投与したとき、腹部投与に対する相対的バイオアベイラビリティ(AUCinfの比、最小二乗平均値)は、上腕部で110%、大腿部で95.9%であった2) 。
30代健康成人男性5例にテリパラチドとして14.1μgを静脈内投与注)したときの分布容積は307±78mL/kg、60代健康成人男性5例にテリパラチドとして14.1μgを静脈内投与注)したときの分布容積は426±190mL/kgであった4) 。
健康成人5例の血液サンプルを用いて、テリパラチド酢酸塩の血球への移行性を評価した結果、血球移行性は37.0%であった5) (in vitro)。
ラットでの検討より、皮下投与されたテリパラチド酢酸塩(125Ⅰ標識体)は肝臓及び腎臓に分布することが示唆された6) 。
ラット組織を用いた検討より、肝臓あるいは腎臓に分布したテリパラチド酢酸塩(125Ⅰ標識体)は速やかに低分子の分解物へと代謝されることが示唆された6) 。
健康閉経後女性16例にテリパラチドとして56.5μg注)を単回皮下投与したとき、24時間までに排泄された尿中にテリパラチド酢酸塩は検出されなかった7) 。
腎機能障害者にテリパラチドとして56.5μg注)を単回皮下投与したときCmax及びAUCinfは腎機能の影響を大きく受けず、T1/2は高度腎障害者で延長したが(表参照)、本剤の投与間隔を考慮すれば血漿からの消失は十分に速やかであると考えられた(図参照)8) 。したがって、腎機能の程度によって用法・用量を変更する必要はないと考えられた。なお、腎透析患者を対象とした試験は実施されていない。
正常~軽度(n=8)(eGFR:62.3-88.5)
361.73±103.44
50.6±26.5
90.64±29.54
56.54±9.59
中等度(n=5)(eGFR:35.0-58.5)
499.14±259.48
48.0±19.6
71.76±10.58
56.36±13.31
高度(n=5)(eGFR:16.7-28.5)
424.68±268.40
54.0±25.1
297.99±240.38
63.36±22.99
eGFRの単位:mL/min/1.73m2(Mean±SD)
ヒト肝細胞を用いて検討した結果、テリパラチド酢酸塩はCYP1A2、2C9、2C19、2D6及び3A4を阻害せず9) 、CYP1A2及び3A4を誘導しなかった10) (in vitro)。
注)本剤の承認された用法・用量は、「通常、成人には、テリパラチドとして28.2μgを1日1回、週に2回皮下注射する。なお、本剤の投与は24ヵ月間までとすること。」である。
骨折の危険性の高い原発性骨粗鬆症患者を対象とした48週間投与の実薬対照二重盲検比較試験11) において、本剤(テリパラチドとして1回28.2μg)の週2回投与と対照薬(テリパラチドとして1回56.5μg)の週1回投与を比較した。その結果、最終観察時の腰椎(L2-L4)骨密度の平均変化率は本剤群(251例うち男性23例)が7.3%、56.5μg週1回投与群(239例うち男性22例)が5.9%であり、本剤の56.5μg週1回投与に対する非劣性が検証された(非劣性限界値:-1.6%)。
観察週
本剤
56.5μg週1回投与
差
95%信頼区間
n
平均変化率
24週後
245
5.0%
233
3.8%
48週後
231
7.5%
224
6.0%
最終観察時
251
7.3%
239
5.9%
1.3
0.400, 2.283
本剤群の副作用発現頻度は39.7%(110/277例)であった。主な副作用は、本剤群では、悪心20.2%(56/277例)、倦怠感9.4%(26/277例)、嘔吐9.0%(25/277例)、頭痛5.8%(16/277例)、注射部位出血5.1%(14/277例)、56.5μg週1回投与群では、悪心31.9%(88/276例)、嘔吐13.0%(36/276例)、倦怠感12.0%(33/276例)、頭痛10.5%(29/276例)、発熱6.5%(18/276例)等であった。
骨折の危険性の高い原発性骨粗鬆症患者を対象にテリパラチドとして56.5μgを週1回又はプラセボを週1回72週間投与した第Ⅲ相試験(二重盲検試験)のKaplan-Meier推定法に基づく新規椎体骨折発生率は下表のとおりであり(56.5μg週1回投与群261例うち男性13例、プラセボ群281例うち男性10例)、56.5μg週1回投与は新規椎体骨折の発生を有意に抑制した12) 。72週後の相対リスク減少率は78.6%であり、新規椎体骨折発生率の群間差は11.4%であった。また、Cox回帰モデルに基づく相対リスク減少率は80%であった13) 。
56.5μg週1回投与(n=261)
プラセボ(n=281)
logrank検定
2.6%
5.3%
p<0.0001
3.1%
10.4%
72週後
14.5%
また、72週後の腰椎(L2-L4)骨密度の平均変化率は、56.5μg週1回投与群(107例うち男性6例)6.7%、プラセボ群(130例うち男性4例)0.3%であり、56.5μg週1回投与群はプラセボ群に対して有意な骨密度増加効果を示した(t検定、p<0.0001)12) 。56.5μg週1回投与群の副作用発現頻度は43.8%(127/290例)であった。主な副作用は、悪心18.6%(54/290例)、嘔吐8.6%(25/290例)、頭痛7.6%(22/290例)、倦怠感6.2%(18/290例)、腹部不快感4.1%(12/290例)等であった12) 。
骨折の危険性の高い原発性骨粗鬆症患者を対象にテリパラチドとして56.5μgを週1回24ヵ月間投与した第Ⅲ相試験(非盲検・非対照試験)において、腰椎(L2-L4)骨密度の平均変化率は72週後では8.4%(136例うち男性3例)、104週後(24ヵ月後)では9.9%(130例うち男性3例)であった14) 。副作用発現頻度は、58.2%(110/189例)であった。主な副作用は、悪心33.3%(63/189例)、嘔吐20.6%(39/189例)、頭痛16.4%(31/189例)、倦怠感16.4%(31/189例)、腹部不快感10.1%(19/189例)等であった。
本薬はヒト副甲状腺ホルモンのN端側の1-34ペプチド断片である。本薬は前駆細胞の分化促進作用15) 等により骨芽細胞の数を増加させ、骨形成を促進する16) 。
卵巣摘除サルにテリパラチドとして1.1又は5.6μg/kgを週1回18ヵ月間反復投与した結果、対照と比較して腰椎及び大腿骨近位部の骨密度が増加した17) 。卵巣摘除ラットにテリパラチドとして5.6又は28.2μg/kgを週3回12ヵ月間反復投与した結果、対照と比較して腰椎及び大腿骨近位部の骨密度が増加した18) 。また、卵巣摘除ラットでは、テリパラチドとして5.6又は28.2μg/kgの投与により、腰椎及び大腿骨近位部の海綿骨の骨梁幅及び骨梁数が増加し、骨梁の連結性が改善すると共に、大腿骨骨幹部の皮質骨幅が増加し、腰椎及び大腿骨の骨強度が増加した18) 。
卵巣摘除ラットにテリパラチドとして28.2μg/kgを週3回4週間反復投与した結果、腰椎において骨芽細胞面及び骨量が増加したが、破骨細胞面及び骨吸収面に変化は認められなかった16) 。また、卵巣摘除ラットに卵巣摘除直後又は12ヵ月後からテリパラチドとして5.6μg/kgを週3回4ヵ月間反復投与した結果、骨形成マーカーである血清オステオカルシンが持続的に増加したが、骨吸収マーカーである尿中CTXは増加しなかった19) 。
テリパラチド酢酸塩(Teriparatide Acetate)(JAN)
C181H291N55O51S2・5CH3COOH
4417.97
白色の粉末で、においはないか又は、わずかに酢酸臭があり、味はない。水又は酢酸(100)に極めて溶けやすい。水溶液(1→1000)のpHは4.0~6.0である。吸湿性である。
H-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-His-Asn-Phe-OH・5CH3COOH
210℃(分解)
本剤は冷蔵庫に入れ、凍結を避け、2~8℃で遮光保存すること。
4オートインジェクター
1) Watanabe A.et al.:J Toxicol.Sci.2012;37(3):617-629
2) 社内資料:113試験
3) Kumagai Y.et al.:Clin Pharmacol Drug Dev. 2019(doi: 10.1002/cpdd.687)
4) 社内資料:健康成人男性での単回静脈内投与試験(テリボン皮下注用56.5μg:2011年9月26日承認、CTD2.7.1.2)
5) 社内資料:薬物動態試験<血球移行性(in vitro)>(テリボン皮下注用56.5μg:2011年9月26日承認、CTD2.6.4.4)
6) Serada M.et al.:Xenobiotica,2012;42(4):398-407
7) 社内資料:健康高齢女性での臨床薬理試験(QT/QTc間隔に及ぼす影響の検討)(テリボン皮下注用56.5μg:2011年9月26日承認、CTD2.7.6.7)
8) 社内資料:腎機能障害者での臨床薬理試験(テリボン皮下注用56.5μg:2011年9月26日承認、CTD2.6.4.5)
9) 社内資料:薬物動態試験<酵素阻害(in vitro)>(テリボン皮下注用56.5μg:2011年9月26日承認、CTD2.6.4.5)
10) 社内資料:薬物動態試験<酵素誘導(in vitro)>(テリボン皮下注用56.5μg:2011年9月26日承認、CTD2.7.2.2)
11) Sugimoto T.et al.:Osteoporos Int.2019;30(11):2321–2331
12) 社内資料:骨折リスクの高い原発性骨粗鬆症に対するMN-10-Tの第Ⅲ相骨折試験(テリボン皮下注用56.5μg:2011年9月26日承認、CTD2.7.6.10)
13) Nakamura T.et al.:J Clin Endocrinol Metab.2012;97(9):3097-3106
14) 社内資料:骨折の危険性の高い原発性骨粗鬆症に対するMN-10-Tの第Ⅲ相骨量試験
15) Isogai Y.et al.:J Bone Miner Res.1996;11(10):1384-1393
16) 社内資料:卵巣摘除ラットにおける骨形成促進作用(テリボン皮下注用56.5μg:2011年9月26日承認、CTD2.6.2.3)
17) 社内資料:卵巣摘除カニクイザルを用いた18ヵ月間反復投与試験(テリボン皮下注用56.5μg:2011年9月26日承認、CTD2.6.2.3)
18) Takao-Kawabata R.et al.:Calcif Tissue Int.2015;97(2):156-168
19) Sugie-Oya A.et al.:J Bone Miner Metab.2016;34(3):303-314
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