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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤を投与する前に、原因真菌を分離及び同定するための真菌培養、病理組織学的検査等の他の検査のための試料を採取すること。培養等の検査の結果が得られる前に薬物療法を開始する場合でも、検査の結果が明らかになった時点でそれに応じた抗真菌剤による治療を再検討すること。
通常、成人にはイサブコナゾールとして1回200mgを約8時間おきに6回、1時間以上かけて点滴静注する。6回目投与の12~24時間経過後、イサブコナゾールとして1回200mgを1日1回、1時間以上かけて点滴静注する。
類似の化学構造を有しており、交差過敏反応を起こすおそれがある。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与し、本剤投与前及び投与中は定期的に心電図検査を実施するなど、患者の状態を慎重に観察すること。QT間隔が短縮するおそれがある。
治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。やむを得ず投与する場合には、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。,,
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、副作用の発現に十分注意すること。,,
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラット及びウサギにおいて、それぞれ臨床曝露量(AUC)未満の曝露量で、胎児に骨格異常(催奇形性)が認められた1),2)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで乳汁中への移行が報告されている3)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
**リトナビル(ノービア)コビシスタット含有製剤(ゲンボイヤ、シムツーザ、プレジコビックス)イトラコナゾール(イトリゾール)ボリコナゾール(ブイフェンド)クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)
本剤の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがある。
これらの薬剤はCYP3Aを強く阻害する。
リファンピシン(リファジン)リファブチン(ミコブティン)カルバマゼピン(テグレトール)フェノバルビタール(フェノバール)セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品フェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)ホスフェニトインナトリウム水和物(ホストイン),
本剤の血中濃度が低下し作用が減弱するおそれがある。
これらの薬剤等はCYP3Aを強く誘導する。
*ロミタピドメシル酸塩(ジャクスタピッド)
ロミタピドの血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤はロミタピドの代謝酵素(CYP3A)を阻害する。
ロピナビル・リトナビル
本剤の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は本剤の副作用発現に十分に注意すること。ロピナビル・リトナビルの血中濃度が低下するおそれがあるため、併用する場合はロピナビル・リトナビルの有効性の減弱について十分に注意すること。
リトナビルはCYP3Aを阻害する。ロピナビル・リトナビルの血中濃度が低下する機序は不明。
CYP3Aを阻害する薬剤等
本剤の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は本剤の副作用発現に十分に注意すること。
これらの薬剤等はCYP3Aを阻害する。
CYP3Aにより代謝される薬剤
これらの薬剤の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがあるため、併用する場合はこれらの薬剤の副作用発現に十分に注意すること。
本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A)を阻害する。
エファビレンツ
相互に血中濃度が低下し作用が減弱するおそれがあるため、併用する場合は必要に応じてエファビレンツの用量を調節すること。
本剤はエファビレンツの代謝酵素(CYP2B6)を誘導し、エファビレンツは本剤の代謝酵素(CYP3A)を誘導する。
**シクロホスファミド
シクロホスファミドの活性代謝物の血中濃度が変動し毒性が増強するあるいは作用が減弱するおそれがある。
本剤は、シクロホスファミドの代謝酵素であるCYP2B6を誘導し、CYP3Aを阻害する。
ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤
コルヒチンエベロリムス
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、併用する場合はこれらの薬剤の副作用発現に十分に注意すること。
これらの薬剤はCYP3A及びP-gpの基質であり、本剤はCYP3A及びP-gpを阻害する。
P-gpの基質となる薬剤
これらの薬剤はP-gpの基質であり、本剤はP-gpを阻害する。
ミコフェノール酸モフェチル
活性代謝物であるミコフェノール酸の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがあるため、併用する場合はミコフェノール酸の副作用発現に十分に注意すること。
本剤はミコフェノール酸の代謝酵素(UGT)を阻害する。
メトホルミン
メトホルミンの血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は必要に応じてメトホルミンの用量を調節すること。
メトホルミンはOCT2及びMATE1の基質であり、本剤はOCT2及びMATE1を阻害する。
肝機能検査異常(13.7%)、肝機能異常(6.8%)、肝損傷(1.4%)、肝炎(頻度不明)があらわれることがある。,,,
,
5%以上
5%未満
頻度不明
血液及びリンパ系障害
白血球減少症、好中球減少症、汎血球減少症
心臓障害
動悸、心室性期外収縮
心房細動、心房粗動、徐脈、上室性期外収縮、上室性頻脈
耳及び迷路障害
回転性めまい
内分泌障害
抗利尿ホルモン不適合分泌
胃腸障害
悪心
下痢、嘔吐
腹部膨満、腹痛、便秘、消化不良
一般・全身障害及び投与部位の状態
注射部位反応、注射部位蕁麻疹、注入部位静脈炎
末梢性浮腫
無力症、胸痛、疲労、倦怠感
肝胆道系障害
胆嚢炎
肝腫大
免疫系障害
過敏症
臨床検査
血圧低下、血小板数減少、血中クレアチニン増加、好中球数減少、心電図異常、体重減少
代謝及び栄養障害
高カリウム血症、食欲減退、低ナトリウム血症
低アルブミン血症、低血糖、低カリウム血症、低マグネシウム血症
筋骨格系及び結合組織障害
筋力低下
背部痛
神経系障害
異常感覚、感覚障害、感覚鈍麻、傾眠、味覚不全、痙攣発作
脳症、頭痛、末梢性ニューロパチー、錯感覚、失神、痙攣
精神障害
譫妄、うつ病、不眠症
腎及び尿路障害
血尿、腎機能障害
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
呼吸困難、口腔咽頭不快感、発声障害
急性呼吸不全、気管支痙攣、頻呼吸
皮膚及び皮下組織障害
そう痒性皮疹、光線過敏性反応、湿疹、皮膚乾燥、薬疹、冷汗
脱毛症、皮膚炎、点状出血、そう痒症、発疹
血管障害
ほてり
高血圧
低血圧、血栓性静脈炎
本剤は血液透析によって除去されない。
配合変化の可能性があるため本剤の希釈には、日局生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液を使用すること。他の製剤とは混合しないこと。
日本人健康成人男性に本剤(イサブコナゾールとして100注)、200、400mg注))を単回点滴静脈内投与した際、血漿中イサブコナゾール濃度は静脈内投与終了時にピークに達した後、緩やかに減少した。イサブコナゾールの血漿中薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移は、表1及び図1のとおりであった9),10)。
用量(mg)
100
200
400
投与経路
静脈内
例数
8
6
Cmax(ng/mL)
2466(5.6)
5382(14.3)
6690(8.9)
AUCinf(ng・hr/mL)
43956(16.9)
135004(29.6)
236235(23.8)
Tmaxa)(hr)
1.00(1.00-1.00)
0.875(0.75-1.00)
2.00(1.50-2.50)
CL(mL/hr)
2329(16.0)
1597(29.7)
1808(32.0)
T1/2(hr)
67.391(35.4)
76.020(20.9)
65.983(30.1)
Vd(mL)
222415(33.5)
168554(23.9)
161242(14.1)
平均値(変動係数%)a)中央値(範囲)
日本人健康成人男性に本剤(イサブコナゾールとして200mg)を16日間反復点滴静脈内投与(初日及び2日目は1日3回、3日目以降は1日1回投与)した際、平均血漿中イサブコナゾールのトラフ濃度は1日目から2日目までは徐々に上昇し、3日目から16日目までは一定のトラフ濃度を維持した。イサブコナゾールの血漿中薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移は、表2及び図2のとおりであった9),10)。
Ctrough(ng/mL)
5817(35.0)
10970(20.6)
AUCtau(ng・hr/mL)
160014(30.5)
1.02(0.75-2.00)
イサブコナゾールは広く分布し、日本人健康被験者の平均分布容積(Vss)は180Lであった11)。イサブコナゾールは血漿タンパクとの結合率が高かった(>99%)12)(外国人データ)。
イサブコナゾニウム硫酸塩は、血液中でエステラーゼ(主としてブチリルコリンエステラーゼ)により、活性体であるイサブコナゾールに速やかに加水分解され、イサブコナゾールは、主にCYP3A4及びCYP3A5により代謝される(in vitroデータ)。健康成人に(シアノ-14C)-イサブコナゾニウム硫酸塩を単回経口投与した際、イサブコナゾールと共にいくつかの微量代謝物が認められた。健康成人に(ピリジニルメチル-14C)-イサブコナゾニウム硫酸塩を単回点滴静脈内投与した際、不活性分解生成物の代謝物と共にいくつかの微量代謝物が認められた。イサブコナゾール及び不活性分解生成物の代謝物を除き、投与薬物に関連する物質のAUCの10%を超える代謝物は認められなかった11)(外国人データ)。
健康成人に(シアノ-14C)-イサブコナゾニウム硫酸塩を経口投与した際、投与放射能の46.1%が糞中に、45.5%が尿中に排泄された。尿中に排泄されたイサブコナゾールは、投与放射能の1%未満であった。不活性分解生成物は主に代謝により消失し、その後、代謝物が腎排泄を受ける。尿中に排泄された不活性分解生成物は投与放射能の1%未満であった。(ピリジニルメチル-14C)-イサブコナゾニウム硫酸塩を点滴静脈内投与した際、投与放射能の95%が尿中に排泄された11)(外国人データ)。
軽度(50≦クレアチニン・クリアランス≦80mL/min/1.73m2)、中等度(30≦クレアチニン・クリアランス<50mL/min/1.73m2)及び重度(クレアチニン・クリアランス<30mL/min/1.73m2)の腎機能障害被験者、並びに腎機能正常被験者に本剤(イサブコナゾールとして200mg)を単回点滴静脈内投与した際、イサブコナゾールの血漿中薬物動態パラメータは表3のとおりであった。非結合型イサブコナゾールのAUCinfの最小二乗幾何平均値は、腎機能正常被験者と比較して、軽度、中等度及び重度腎機能障害患者でそれぞれ1.21倍、1.55倍及び1.96倍であった。末期腎不全(ESRD)被験者及び腎機能正常被験者に本剤(イサブコナゾールとして200mg)を単回点滴静脈内投与した際、イサブコナゾールの血漿中薬物動態パラメータは表3のとおりであった。非結合型イサブコナゾールのAUC72の最小二乗幾何平均値は、腎機能正常被験者と比較して、末期腎不全(ESRD)被験者で1.23倍であった。イサブコナゾールは血液透析で除去されない11)(外国人データ)。,,
イサブコナゾール
腎機能障害の程度が異なる被験者を対象とした試験
ESRD被験者を対象とした試験
正常(8例)
軽度(8例)
中等度(8例)
重度(5例)
ESRDb)(8例)
AUCa)(ng・hr/mL)
98776(51.1)
96240(48.7)
97161(27.1)
98776(54.6)
36912(25.8)
25053(40.1)
4443(16.3)
3945(28.4)
4059(33.9)
3427(25.4)
4583(24.0)
3741(34.3)
平均値(変動係数%)a)AUCinf:腎機能障害の程度が異なる被験者を対象とした試験におけるAUCAUC72:ESRD被験者を対象とした試験におけるAUCb)血液透析終了約1時間後に投与
軽度(Child−Pugh分類A)及び中等度(Child−Pugh分類B)肝機能障害被験者、並びに肝機能正常被験者に本剤(イサブコナゾールとして100mg注))を単回点滴静脈内投与あるいは単回経口投与した際、イサブコナゾールの血漿中薬物動態パラメータは表4のとおりであった。非結合型イサブコナゾールのAUCinfの最小二乗幾何平均値は、肝機能正常被験者と比較して、軽度及び中等度肝機能障害患者でそれぞれ1.40~2.38倍、2.18~3.01倍であった。重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)を対象とした試験は実施していない12)(外国人データ)。,,,
肝機能障害の程度
アルコール性肝機能障害被験者を対象とした試験
ウイルス性肝機能障害被験者を対象とした試験
経口
38993(30.8)
43386(23.5)
39155(35.3)
43891(28.5)
72810(77.6)
103225(53.7)
58896(36.3)
63545(36.2)
96233a)(52.6)
64261(46.2)
81168(36.7)
91953(74.6)
1093.60(17.6)
842.83(20.3)
1121.08(31.1)
702.84(15.4)
977.38(37.9)
792.26(22.6)
1011.56(27.6)
1001.53(35.0)
837.76(16.3)
472.43(25.9)
803.63(22.4)
572.73(29.1)
平均値(変動係数%)a)被験者数:7例
高齢者(65歳以上)に本剤(イサブコナゾールとして200mg)を単回経口投与した際のイサブコナゾールのAUCは、若年者(18~45歳)と同程度であった11)(外国人データ)。
若年者(24例)
高齢者(24例)
96256(28.8)
127364(43.8)
2318(22.6)
2375(25.3)
3.000(2.0-4.0)
2.000(1.5-4.0)
111.2(35.3)
158.6(34.8)
イサブコナゾールはCYP3A(CYP3A4及びCYP3A5)の基質である。イサブコナゾールは、CYP3A、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びUGT1A1の阻害剤である。また、イサブコナゾールは、P-gp、BCRP、OCT2及びMATE1の阻害剤である。イサブコナゾールは、CYP1A2、CYP3A4、CYP2B6、CYP2C8及びCYP2C9の誘導剤である13)。
表6に薬物相互作用試験で認められた薬物動態への影響をまとめた11),12)(外国人データ)。,,
併用薬
例数a)
平均比(90%信頼区間)[併用時/非併用時]
イサブコナゾールへの影響
併用薬への影響
ケトコナゾール200mg BIDb)
12/1212/12
AUC:5.22(4.09, 6.66)Cmax:1.09(0.93, 1.27)
−
ロピナビル/リトナビル400mg/100mg BIDb)
16/1716/17
AUC:1.96(1.64, 2.35)Cmax:1.74(1.46, 2.08)
リファンピシン600mg QDb)
24/2524/25
AUC:0.10(0.09, 0.11)Cmax:0.25(0.23, 0.27)
エソメプラゾール40mg QDb)
AUC:1.08(0.89, 1.30)Cmax:1.05(0.89, 1.24)
リトナビル100mg BIDb)
16/1816/18
AUC:0.69(0.48, 0.98)Cmax:0.67(0.46, 0.98)
ロピナビル400mg BIDb
AUC:0.73(0.56, 0.96)Cmax:0.77(0.62, 0.95)
プレドニゾン20mg
20/2120/21
〈プレドニゾロン〉 AUC:1.08(1.02, 1.14)Cmax:0.96(0.90, 1.02)
エチニルエストラジオール35µg
23/2323/23
AUC:1.08(1.03, 1.13)Cmax:1.14(1.03, 1.26)
ノルエチンドロン1mg
23/2323/24
AUC:1.16(1.09, 1.23)Cmax:1.06(0.93, 1.20)
シクロスポリン300mg
19/2419/24
AUC:1.29(1.15, 1.44)Cmax:1.06(0.95, 1.19)
アトルバスタチン20mg
24/2324/24
AUC:1.37(1.29, 1.45)Cmax:1.03(0.88, 1.21)
シロリムス2mg
20/1521/22
AUC:1.84(1.59, 2.13)Cmax:1.65(1.41, 1.92)
ミダゾラム3mg
22/2322/23
AUC:2.03(1.73, 2.38)Cmax:1.72(1.44, 2.05)
タクロリムス5mg
21/2421/24
AUC:2.25(1.91, 2.66)Cmax:1.42(1.22, 1.64)
カフェイン200mg
22/2422/24
AUC:1.04(0.97, 1.12)Cmax:0.99(0.93, 1.07)
ブプロピオン100mg
24/2424/24
AUC:0.58(0.52, 0.64)Cmax:0.69(0.62, 0.77)
メサドン5mg
22/2222/23
〈S-メサドン〉AUC:0.65(0.59, 0.72)Cmax:1.01(0.95, 1.08)〈R-メサドン〉AUC:0.90(0.84, 0.96)Cmax:1.04(0.97, 1.11)
レパグリニド0.5mg
AUC:0.92(0.86, 1.00)Cmax:0.86(0.79, 0.93)
ワルファリン20mg
20/2020/20
〈S-ワルファリン〉AUC:1.11(1.06, 1.16)Cmax:0.88(0.83, 0.94)〈R-ワルファリン〉AUC:1.20(1.16, 1.24)Cmax:0.93(0.87, 0.99)
オメプラゾール40mg
26/2726/27
AUC:0.89(0.59, 1.33)Cmax:0.77(0.56, 1.04)
デキストロメトルファン30mg
21/2223/24
AUC:1.18(1.02, 1.35)Cmax:1.17(1.02, 1.35)
ミコフェノール酸モフェチル1g
21/2422/24
〈MPAc〉〉AUC:1.35(1.27, 1.45)Cmax:0.89(0.76, 1.03)〈MPAGd〉〉AUC:0.76(0.72, 0.80)Cmax:0.68(0.61, 0.77)
メトトレキサート7.5mg
23/2423/24
AUC:0.97(0.90, 1.05)Cmax:0.89(0.83, 0.97)
メトホルミン850mg
20/2320/23
AUC:1.52(1.38, 1.68)Cmax:1.23(1.09, 1.40)
ジゴキシン0.5mg
21/2321/24
AUC:1.25(1.17, 1.34)Cmax:1.33(1.19, 1.49)
a)例数(併用時/非併用時)b)QD:1日1回投与、BID:1日2回投与c)MPA:ミコフェノール酸d)MPAG:ミコフェノール酸のグルクロン酸抱合体
注)成人における本剤の承認された用量は「通常、イサブコナゾールとして1回200mgを約8時間おきに6回、1時間以上かけて点滴静注する。6回目投与の12~24時間経過後、イサブコナゾールとして1回200mgを1日1回、1時間以上かけて点滴静注する。」である。
日本人深在性真菌症患者を対象に本剤の安全性及び有効性を評価するため、多施設共同、非盲検試験14),15)を実施した。治験担当医師によりアスペルギルス症と診断された患者は、本剤群又はボリコナゾール群に2:1に割り付けられ(Cohort A)、ムーコル症又はクリプトコックス症と診断された患者はすべて本剤群のみに割り付けられた(Cohort B)。本剤(イサブコナゾールとして1回200mg)を約8時間おきに6回点滴静注内投与又は経口投与し、6回目投与の12~24時間経過後より1日1回、点滴静脈内投与又は経口投与した。ボリコナゾールは1回6mg/kg(点滴静注)又は300mg(経口投与)を約12時間おきに2回点滴静脈内投与又は経口投与し、2回目投与の12~24時間経過後より1回4mg/kg(点滴静注)又は200mg(経口投与)を1日2回、点滴静脈内投与又は経口投与した。投与期間の中央値はCohort Aでは両群で類似しており、本剤群84.0日、ボリコナゾール群85.0日、Cohort Bでは84.0日であった。本剤の主な有効性は、治験依頼者及び治験担当医とは独立した感染症の専門家からなる外部評価委員会が評価した(Cohort Aは盲検下にて評価)。外部評価委員会による治療終了時の総合効果†(有効率)は、本剤群及びボリコナゾール群で、慢性肺アスペルギルス症ではそれぞれ82.7%(43/52例)及び77.8%(21/27例)、このうち単純性肺アスペルギローマは各群1例でいずれも100%(1/1例)であった。侵襲性アスペルギルス症では本剤群33.3%(1/3例)、ボリコナゾール群100%(1/1例)であった。また、本剤が投与されたムーコル症では33.3%(1/3例)、肺クリプトコックス症では90.0%(9/10例)であった。†総合効果は、臨床症状効果、画像診断効果、真菌学的効果に基づき判定した。副作用発現頻度は本剤群で60.3%(44/73例)であった。主な副作用は、肝機能検査値上昇8.2%(6/73例)、肝機能異常、悪心 各6.8%(5/73例)、ほてり5.5%(4/73例)、高カリウム血症、下痢 各4.1%(3/73例)、γ-GTP増加、低ナトリウム血症、食欲減退、嘔吐、腎機能障害、筋力低下 各2.7%(2/73例)であった。
アスペルギルス種又は他の糸状菌を起因菌とする侵襲性真菌症患者を対象に、無作為化、二重盲検、実薬対照非劣性試験16),17)を実施した。本剤(イサブコナゾールとして1回200mg)を約8時間おきに6回点滴静脈内投与し、6回目投与の12~24時間経過後より1日1回、点滴静脈内投与又は経口投与した。ボリコナゾールは1回6mg/kgを約12時間おきに2回点滴静脈内投与し、2回目投与の12~24時間経過後より1回4mg/kg(点滴静注)又は200mg(経口投与)を1日2回、点滴静脈内投与又は経口投与した。投与期間の中央値は両群で類似しており、本剤群45.0日、ボリコナゾール群46.5日であった。主要評価項目である投与開始後42日目までの全死因死亡率は、本剤群で18.6%、ボリコナゾール群で20.2%と同程度であった。層別因子の影響を調整後の群間差(本剤群−ボリコナゾール群:−1.0%)の95%信頼区間の上限値(5.683%)が、事前に規定した非劣性マージンの10%を下回ったことから、ボリコナゾールに対する本剤の非劣性が検証された(表1)。また、外部評価委員会により侵襲性アスペルギルス症の確定例または臨床診断例とされた被験者集団の42日目までの全死因死亡率は、本剤群18.7%(23/123例)、ボリコナゾール群22.2%(24/108例)であり、調整後の投与群間差(本剤群−ボリコナゾール群)は、−2.7%(95%信頼区間 −12.893~7.542%)であった。外部評価委員会が盲検下で判定した深在性真菌症(確定例もしくは臨床診断例)に対する治療終了時の総合効果(有効率)は、本剤群35.0%(50/143例)、ボリコナゾール群36.4%(47/129例)、侵襲性アスペルギルス症の確定例または臨床診断例とされた被験者集団では、本剤群35.0%(43/123例)、ボリコナゾール群38.9%(42/108例)と同程度であった。
本剤群(258例)
ボリコナゾール群(258例)
全死因死亡率
18.6%(48/258)
20.2%(52/258)
調整後の群間差(95%信頼区間)
-1.0(-7.759, 5.683)
副作用発現頻度は本剤群で42.4%(109/257例)であった。主な副作用は、悪心7.4%(19/257例)、嘔吐5.1%(13/257例)、呼吸困難3.1%(8/257例)、低カリウム血症2.7%(7/257例)、γ-GTP増加、頭痛 各2.3%(6/257例)であった。
腎機能障害を有する侵襲性アスペルギルス症患者、もしくは稀な糸状菌、酵母または二形性真菌を起因菌とする侵襲性真菌症患者を対象に、非盲検、非対照試験18),19)を実施した。本剤(イサブコナゾールとして1回200mg)を約8時間おきに6回点滴静脈内投与又は経口投与し、6回目投与の12~24時間経過後より1日1回、点滴静脈内投与又は経口投与した。投与期間の中央値は94.0日であった。治験薬が投与された146例のうち、外部評価委員会によりムーコルのみが起因菌と分類された感染症に対する治療終了時の総合効果(有効率)は、31.4%(11/35例)であった。また、アスペルギルスのみが起因菌と分類された感染症では、34.8%(8/23例)であった。本試験では、クリプトコックス症が9例組み入れられ、外部評価委員会による治療終了時の総合効果(有効率)は66.7%(6/9例)であった。疾患別(病変部位別)では、肺クリプトコックス症は83.3%(5/6例)、播種性クリプトコックス症(クリプトコックス脳髄膜炎を含む)は66.7%(4/6例)であった(3例は両病変を有していた)。副作用発現頻度は41.1%(60/146例)であった。主な副作用は、悪心7.5%(11/146例)、嘔吐6.2%(9/146例)、下痢、γ-GTP増加 各4.8%(7/146例)、血中ALP増加、静脈炎 各2.7%(4/146例)、脱毛症、食欲減退、傾眠 各2.1%(3/146例)であった。
健康な外国人成人男性を対象に、本剤(イサブコナゾールとして200mg及び600mg注))を13日間反復投与(初日及び2日目は1日3回、3日目以降は1日1回投与)した際のQTc間隔は、投与2時間後に最小値となり、プラセボとの差は、それぞれ−13.1 msec及び−24.6 msecであった。イサブコナゾールはいずれの用量においてもQTc間隔を短縮した11)。注)成人における本剤の承認された用量は「通常、イサブコナゾールとして1回200mgを約8時間おきに6回、1時間以上かけて点滴静注する。6回目投与の12~24時間経過後、イサブコナゾールとして1回200mgを1日1回、1時間以上かけて点滴静注する。」である。
イサブコナゾニウム硫酸塩の活性代謝物であるイサブコナゾールは、チトクロームP450依存性ラノステロール-14α-脱メチル化酵素の阻害を介し、真菌細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの生合成を阻害することで抗真菌作用を示す6)。
イサブコナゾールは、深在性真菌症の原因となる真菌(Aspergillus属、ムーコル目、Cryptococcus属、Candida属等)に対し、抗真菌作用を示した(in vitro)20)。また、播種性及び侵襲性肺アスペルギルス症、並びにムーコル症の動物モデルにおいて、イサブコナゾニウム硫酸塩は臓器内生菌数を減少させ、生存率を改善した(in vivo)21)。
標的分子であるCYP51にアミノ酸変異を有する一部のAspergillus fumigatus株で、野生株と比較して、イサブコナゾールに対する感受性の低下が認められた(in vitro)20)。
イサブコナゾニウム硫酸塩(Isavuconazonium Sulfate)(JAN)
1-{(2R,3R)-3-[4-(4-Cyanophenyl)-1,3-thiazol-2-yl]-2-(2,5-difluorophenyl)-2-hydroxybutyl}-4-{(1RS)-1-[methyl(3-{[(methylamino)acetyloxy]methyl}pyridin-2-yl)carbamoyloxy]ethyl}-1,2,4-triazolium mono(hydrogen sulfate)
C35H36F2N8O9S2
814.84
白色~帯黄白色の粉末である。水、メタノールに極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくい。吸湿性である。
ISCZ(イサブコナゾール)
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
10バイアル
1) 社内資料:ラット胚・胎児発生に関する試験(2022年12月23日承認、CTD2.6.6.6.2.3)
2) 社内資料:ウサギ胚・胎児発生に関する試験(2022年12月23日承認、CTD2.6.6.6.3.3)
3) 社内資料:薬物動態試験〈乳汁移行性〉(2022年12月23日承認、CTD2.6.4.6)
4) 社内資料:マウス2年間がん原性試験(2022年12月23日承認、CTD2.6.6.5.3)
5) 社内資料:ラット2年間がん原性試験(2022年12月23日承認、CTD2.6.6.5.6)
6) 社内資料:作用機序(2022年12月23日承認、CTD2.6.2.2.1)
7) 社内資料:ラット13週間用量設定試験(2022年12月23日承認、CTD2.6.6.5.5)
8) 社内資料:サル13週間反復経口投与毒性試験(2022年12月23日承認、CTD2.6.6.3.3.3)
9) 社内資料:臨床薬理試験〈第Ⅰ相/PK〉(2022年12月23日承認、CTD2.7.6.5)
10) Shirae S, et al.: Clin Pharmacol Drug Dev. 2022;11(6):744-753
11) 社内資料:臨床薬理試験(2022年12月23日承認、CTD2.7.2.3)
12) 米国添付文書
13) 社内資料:臨床薬理試験〈薬物相互作用試験(in vitro)〉(2022年12月23日承認、CTD2.7.2.2)
14) 社内資料:日本人深在性真菌症を対象とした国内第III相試験(2022年12月23日承認、CTD2.7.6.45)
15) Kohno S, et al.: J Infect Chemother. 2023;29(2):163-170
16) 社内資料:海外第Ⅲ相試験(9766-CL-0104試験)(2022年12月23日承認、CTD2.7.6.46)
17) Maertens JA, et al.: Lancet. 2016;387:760-769
18) 社内資料:海外第Ⅲ相試験(9766-CL-0103試験)(2022年12月23日承認、CTD2.7.6.47)
19) Marty FM, et al.: Lancet Infect Dis. 2016;16:828-837
20) 社内資料:In vitro抗真菌作用(2022年12月23日承認、CTD2.6.2.2.3)
21) 社内資料:In vivo抗真菌作用(2022年12月23日承認、CTD2.6.2.2.4)
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