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劇薬
処方箋医薬品注)
ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群及びプロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチー
「17. 臨床成績」及び「18. 薬効薬理」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(臨床症状、遺伝子変異等)並びに本剤の有効性及び安全性の試験結果等を十分に理解した上で、適応患者を選択すること。,
通常、ロナファルニブとして開始用量115mg/m2(体表面積)を1日2回、朝夕の食事中又は食直後に経口投与し、4カ月後に維持用量150mg/m2(体表面積)を1日2回、朝夕の食事中又は食直後に経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。
体表面積(m2)
1日総投与量(mg)
朝投与のカプセル数
夕投与のカプセル数
50mg
75mg
0.30~0.38
75
11)
0.39~0.48
100
1
0.49~0.59
125
0.6~0.7
150
0.71~0.81
175
2
0.82~0.92
200
0.93~1
225
1)75mgカプセルの半量を服用する
0.30~0.37
0.38~0.45
0.46~0.54
0.55~0.62
0.63~0.7
0.71~0.79
0.8~0.87
250
0.88~0.95
275
0.96~1
300
心電図モニターを行うなど観察を十分に行うこと。QT間隔延長を起こすおそれがある。,,,
投与しないこと。コルヒチンの血中濃度が上昇するおそれがある。,
本剤の投与の可否を慎重に判断し、投与する場合には、肝機能、心電図モニター等の患者の状態を十分に観察しながら投与すること。また、必要に応じて投与量を調節するなど適切な処置を行うこと。本薬の血中濃度が上昇するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ラットに30mg/kg/日(臨床での最大投与量150mg/m2の1日2回投与時の約1.1倍の曝露量に相当)を経口投与した場合に胎児体重低値が、ウサギに10mg/kg/日(臨床での最大投与量150mg/m2の1日2回投与時の約0.3倍の曝露量に相当)を経口投与した場合に骨格奇形又は変異が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで乳汁中への移行が報告されている。ヒトでの乳汁移行に関するデータ及びヒトの哺乳中の児への影響に関するデータはない。
生後12カ月未満の小児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
強いCYP3A阻害剤
,
本剤の副作用が増強するおそれがある。
CYP3Aを強く阻害することにより本薬の代謝が阻害され、本薬の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。
ミダゾラム
過度の鎮静や呼吸抑制を起こすおそれがある。
本薬のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される可能性がある。
アトルバスタチンカルシウム水和物含有製剤
シンバスタチン
これらの薬剤の血中濃度上昇により、横紋筋融解症を含むミオパチー等の重篤な副作用を起こすおそれがある。
キニジン硫酸塩水和物
ベプリジル塩酸塩水和物
これらの薬剤の血中濃度上昇により、QT延長作用が増強するおそれがある。
チカグレロル
チカグレロルの血中濃度上昇により、血小板凝集抑制作用が増強するおそれがある。
エプレレノン
エプレレノンの血中濃度上昇により、血清カリウム値の上昇を誘発するおそれがある。
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩
これらの薬剤の血中濃度上昇により、血管攣縮等の重篤な副作用が発現するおそれがある。
トリアゾラム
トリアゾラムの血中濃度上昇により、過度の鎮静や呼吸抑制が発現するおそれがある。
アナモレリン塩酸塩
アナモレリン塩酸塩の血中濃度が上昇し、副作用の発現が増強するおそれがある。
イバブラジン塩酸塩
過度の徐脈があらわれることがある。
ベネトクラクス〔再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期〕
ベネトクラクスの血中濃度が上昇し、腫瘍崩壊症候群の発現が増強するおそれがある。
イブルチニブ
イブルチニブの血中濃度が上昇し、副作用の発現が増強するおそれがある。
ブロナンセリン
ルラシドン塩酸塩
これらの薬剤の血中濃度上昇により、作用を増強するおそれがある。
アゼルニジピン含有製剤
アゼルニジピンの作用を増強するおそれがある。
スボレキサント
スボレキサントの血中濃度上昇により、作用を著しく増強するおそれがある。
タダラフィル
バルデナフィル塩酸塩水和物
これらの薬剤の血中濃度を上昇させるおそれがある。
ロミタピドメシル酸塩
ロミタピドメシル酸塩の血中濃度を著しく上昇させるおそれがある。
リファブチン
リファブチンの血中濃度上昇により、作用を増強するおそれがある。
フィネレノン
フィネレノンの血中濃度を著しく上昇させるおそれがある。
リバーロキサバン
リバーロキサバンの血中濃度上昇により、抗凝固作用が増強し、出血の危険性が増大するおそれがある。
本薬のCYP3A及びP-gp阻害作用により、リバーロキサバンのクリアランスが低下することが考えられる。
リオシグアト
リオシグアトの血中濃度を上昇させるおそれがある。
本薬のCYP3A及びP-gp阻害作用により、リオシグアトのクリアランスが低下することが考えられる。
アパルタミド
カルバマゼピン
本薬の血中濃度が減少し、作用が減弱するおそれがある。また、これらの薬剤の血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。
これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本薬の代謝が促進される。また、本薬のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝を阻害する。
中程度のCYP3A阻害剤
本薬の血中濃度が上昇するおそれがあるので、特に本剤投与開始時及び用量調節時は副作用の発現に注意すること。
これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本薬の代謝が阻害される可能性がある。
グレープフルーツ含有食品
本薬の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤投与中の摂取は避けること。
CYP3Aを阻害することにより本薬の代謝が阻害される。
CYP3A誘導剤
本薬の血中濃度が減少し、作用が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。
これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本薬の代謝が促進される可能性がある。
ボセンタン水和物
本薬の血中濃度が減少し、作用が減弱するおそれがある。また、ボセンタン水和物の血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。
ボセンタン水和物のCYP3A誘導作用により、本薬の代謝が促進されるおそれがある。また、本薬のCYP3A阻害作用により、ボセンタン水和物の代謝が阻害される。
副腎皮質ステロイド剤
これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。
本薬のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
オピオイド系鎮痛剤
免疫抑制剤
抗悪性腫瘍剤
マラビロク
アプレピタント
サルメテロールキシナホ酸塩
シナカルセト塩酸塩
アルプラゾラム
ゾピクロン
トルテロジン酒石酸塩
オキシブチニン塩酸塩
グアンファシン塩酸塩
ジエノゲスト
ブプレノルフィン塩酸塩
エレトリプタン臭化水素酸塩
これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。
カルシウム拮抗剤
抗精神病剤
抗凝固薬
ジソピラミド
シロスタゾール
ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤
これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、筋神経系の副作用を増強するおそれがある。
ベネトクラクス〔再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、急性骨髄性白血病〕
ベネトクラクスの副作用が増強されるおそれがあるので、ベネトクラクスを減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分に注意すること。
PDE5阻害剤
コルヒチン
,,
コルヒチンの血中濃度上昇により、作用が増強されるおそれがある。
イリノテカン塩酸塩水和物
イリノテカンの活性代謝物の血中濃度を上昇させるおそれがある。
本薬のCYP3A阻害作用により、イリノテカンの活性代謝物の無毒化が阻害されると考えられる。
CYP2C19の基質となる薬剤
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
本薬のCYP2C19阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される可能性がある。
P-gpの基質となる薬剤
本薬がP-gpを阻害することにより、P-gpを介したこれらの薬剤の輸送が阻害される可能性がある。
P-gp阻害剤
本薬の血中濃度が上昇するおそれがあるので、副作用の発現に注意すること。
これらの薬剤がP-gpを阻害することにより、P-gpを介した本薬の輸送が阻害される可能性がある。
メトホルミン
副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
本薬がMATE1を阻害することにより、メトホルミンの排出が阻害される可能性がある。
ロペラミド
ロペラミドの副作用が増強されるおそれがあるので、必要に応じてロペラミドの用量を調整すること。本剤の併用により、ロペラミドのCmax及びAUCがそれぞれ3.14倍及び3.99倍に増加したとの報告がある。
本薬がCYP3A及びP-gpを阻害することにより、ロペラミドのクリアランスが低下することが考えられる。
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
QT間隔延長を起こす又は悪化させるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察すること。
共にQT間隔延長に関連する副作用を有するため。
重度の下痢により脱水症状を来すおそれがあるので、補液等の適切な処置を行うとともに、本剤の減量又は休薬を考慮すること。,
,,,
20%以上
5~20%未満
5%未満
感染症
上気道感染
感染、鼻炎、胃腸炎、インフルエンザ、肺炎、副鼻腔炎、直腸周囲膿瘍、口腔膿疱
代謝
食欲減退
脱水、高マグネシウム血症、低カリウム血症、低アルブミン血症、低ナトリウム血症
精神神経系
脳虚血、浮動性めまい、頭痛、抑うつ気分、錯感覚
呼吸器系
咳嗽
鼻出血、喉頭痛、鼻閉、口腔咽頭痛
消化器系
嘔吐、下痢、悪心、腹痛
便秘、上腹部痛
鼓腸、大腸炎、消化不良、胃炎、下部消化管出血
皮膚
発疹、そう痒症、皮膚乾燥、皮膚色素過剰
筋骨格系
筋骨格痛
背部痛、四肢痛
全身障害
疲労
発熱
胸痛、悪寒
臨床検査
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、体重減少、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加
血中重炭酸塩減少、ヘモグロビン減少、血中クレアチニン減少、国際標準比、白血球数減少
その他
歯牙破折
健康成人24例に本薬75mgを空腹時に単回経口投与及び1日2回6日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータ及び血漿中本薬濃度-時間推移を以下に示す。6日間反復経口投与時におけるAUCの累積比は約4であった1)(外国人データ)。
評価時点
例数
Cmax(μg/mL)
AUCa)(μg・h/mL)
tmax(h)
t1/2(h)
V/F(L)
CL/F(L/h)
投与開始1日目
23
0.27(43.2)
1.91(54.7)b)
5.00[2.18, 24]
3.46(31.3)b)
196(38.6)b)
39.2(54.7)b)
投与開始9日目
21
0.96(44.1)
7.65(52.5)c)
4.00[2, 5.02]
4.96(30.7)c)
70.2(36.9)c)
9.81(52.5)c)
幾何平均値(幾何CV%)、tmaxは中央値[範囲]
a)単回投与:AUC0-inf(投与後無限大時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積)、反復投与:AUC0-12h(投与0~12時間後までの血漿中濃度-時間曲線下面積)
b)22例、c)19例
ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群患者に本薬又は本薬の懸濁液115mg/m2(体表面積)を1日2回、4カ月後に維持用量150mg/m2(体表面積)を1日2回食事とともに反復経口投与したときの薬物動態パラメータを以下に示す2)(外国人データ)。
用量(mg/m2)
カプセル
懸濁液
AUCt(μg・h/mL)
投与開始4カ月時
115
2.13(63.2)(5例)
33.90(1例)
1.35(66.5)(18例)
8.31(88.5)(14例)
投与開始8カ月時
2.51(53.3)(7例)
14.83(66.7)(3例)
2.61(37.0)(9例)
22.11(63.1)(4例)
投与開始17カ月時
-
1.90, 2.25(2例)
18.00(1例)
幾何平均値(幾何CV%)(例数)、2例以下は個別値、-:該当なし
健康成人15例に本剤75mgを単回投与したとき、空腹時投与に対する食後投与の本薬のCmax及びAUCの幾何平均値の比(食後/絶食時)とその90%信頼区間は、高脂肪食摂取時では0.471[0.416, 0.534]及び0.737[0.666, 0.815]、低脂肪食摂取時では0.784[0.663, 0.926]及び0.833[0.704, 0.986]であった3)(外国人データ)。また、健康成人に本剤のカプセル内容物75mgを単回投与したとき、服用補助食品を使用したときの本薬の薬物動態への影響を評価した結果を以下に示す4),5)(外国人データ)。
服用補助食品の種類
服用補助食品未使用時に対する使用時の血漿中薬物動態パラメータの比較
Cmax
AUC0-inf
オレンジジュース
15例
0.914[0.774, 1.078]
0.921[0.788, 1.077]a)
アップルソース
1.159[0.996, 1.348]
1.182[0.992, 1.407]b)
潰したバナナ
16例
0.893[0.763, 1.045]
0.934[0.795, 1.097]
ヨーグルト
1.040[0.948, 1.142]
1.120[0.997, 1.259]
オートミール
14例
1.116[0.988, 1.261]
1.165[0.993, 1.366]
ピーナッツバター
0.977[0.776, 1.229]
1.166[0.906, 1.499]b)
Cream of Wheat
1.066[0.954, 1.192]
1.090[0.960, 1.237]
a)14例、b)13例
本薬のヒト血漿タンパク結合率は99%以上であった6)(in vitro)。
本薬は主にCYP3Aによって代謝される7)(in vitro)。健康成人に14C標識した本薬104mgを単回経口投与したとき、血漿中には、主な代謝物は酸化体(HM17)及び脱水素化体(HM21)であり、それぞれ15.1~16.8%、2.7~13.9%であった8)(外国人データ)。また、本薬はCYP2C19、CYP3A4に対して阻害作用を示したことから、これらの酵素により代謝される他の薬剤の血中濃度に影響を与える可能性がある(in vitro)。,,,
健康成人に14C標識した本薬104mgを単回経口投与したとき、投与240時間後までの総投与放射能に対する累積尿中放射能排泄率及び累積糞中放射能排泄率(平均値(CV%))は、それぞれ0.705(28)%及び61.6(19)%であった8)(外国人データ)。本薬はP-gpの基質である9)(in vitro)。また、本薬はP-gp、OCT1及びMATE1に対して阻害作用を示したことから、これらのトランスポーターにより輸送される他の薬剤の血中濃度に影響を与える可能性がある9),10),11)(in vitro)。,,
腎機能障害の程度の異なる被験者(推定糸球体ろ過量(eGFR)の測定値に基づいて分類)における本薬50mg及びリトナビルを単回経口投与したときの薬物動態を、腎機能が正常な被験者(eGFR 90mL/min/1.73m2以上)と比較検討した結果を以下に示す12)。なお、本薬単独投与時のデータは得られていない。
腎機能
AUCinf
幾何平均値の比[90%信頼区間]
中等度(30~59mL/min/1.73m2以下)/正常
0.87[0.64, 1.18]
1.35[0.85, 2.14]
重度(15~29mL/min/1.73m2以下)/正常
1.26[0.68, 2.31]
1.81[0.72, 4.56]
被験者数:正常(9例)、中等度(5例)、重度(4例)
肝機能障害の程度の異なる被験者(Child-pugh scoresに基づいて分類)における本薬50mg及びリトナビルを単回経口投与したときの薬物動態を、肝機能が正常な被験者と比較検討した結果を以下に示す13)。なお、本薬単独投与時のデータは得られていない。
肝機能
軽度(Child-pugh分類クラスA)/正常
0.89[0.66, 1.44]
0.89[0.62, 1.26]
中等度(Child-pugh分類クラスB)/正常
1.05[0.88, 1.26]
1.13[0.96, 1.33]
被験者数:正常(11例)、軽度(9例)、中等度(7例)
本薬とリファンピシン、フルコナゾール又はケトコナゾールを併用投与したときの本薬の薬物動態への影響を評価した結果を以下に示す1),14),15)(外国人データ)。,,,,
併用薬
併用薬の用量
本薬の用量
幾何平均値の比[90%信頼区間](併用時/本薬単独投与時)
AUC
リファンピシン
600mg qd
50mg単回*)
0.08[0.06, 0.11]
0.02[0.01, 0.03]
ケトコナゾール
200mg qd
50mg単回
3.70[3.04, 4.49]
5.25[4.18, 6.57]
フルコナゾール
75mg bid
0.91[0.79, 1.05]
0.87[0.73, 1.02]
*)本薬のバイオアベイラビリティが低いこと、用量依存的な消化管における不忍容性、及び本薬が主にCYP3A4で代謝されることから、本薬の全身曝露量を増加させ、一日あたりの総投与量を減量するためにリトナビルを併用した。
本薬の定常状態において、ロスバスタチン、ピタバスタチン、ロペラミド、ミダゾラム、フェキソフェナジン又はオメプラゾールを併用投与したときのこれらの薬物の薬物動態への影響を評価した結果を以下に示す3),16),17),18),19)(外国人データ)。,,,,,
幾何平均値の比[90%信頼区間](本薬併用時/基質となる薬剤単独投与時)
ロスバスタチン
10mg単回
50mg bid*)
0.99[0.79, 1.23]
0.88[0.75, 1.02]
ピタバスタチン
2mg単回
1.09[0.86, 1.37]
1.08[0.91, 1.28]
100mg bid
3.14[2.80, 3.53]
3.99[3.45, 4.61]
3mg単回
2.80[2.40, 3.28]
7.39[6.28, 8.70]
フェキソフェナジン
180mg単回
1.21[0.96, 1.54]
1.24[1.05, 1.47]
オメプラゾール
40mg単回
1.28[1.01, 1.61]
1.60[1.32, 1.94]
ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群及びプロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチー患者注1)を対象とする2つの第Ⅱ相臨床試験(07-01-0007試験及び09-06-0298試験)が実施された。主な選択基準は、早老症の臨床兆候を呈し、かつLMNA遺伝子又はZMPSTE24遺伝子の変異を有することが確認された患者とされた。これらの試験のうち本薬が単独投与された患者は、07-01-0007試験の全被験者(ProLon1)2)及び09-06-0298試験の一部の被験者(ProLon2)20)であった。ProLon1では、本薬115mg/m2を1日2回経口投与から開始し、投与開始後4カ月時に150mg/m2の1日2回に増量され、投与期間は24~30カ月であり、ProLon2では、本薬150mg/m2を1日2回経口投与とされ、投与期間は12~36カ月であった。ProLon1とProLon2の被験者を合わせた63例のうち、プロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチー患者を除く62例のハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群患者(日本人患者2例を含む)を治療コホートとし、プロジェリア研究財団が有する国際プロジェリア疾患登録システムから特定された本薬未使用の患者に対して性別と大陸(居住地域)で治療コホートとマッチングした未治療集団を主要マッチングコントロールとして、生存時間解析を行った。治療コホートでは治療開始年齢を、未治療集団ではマッチングペアとなった治療例の治療開始年齢と一致させた年齢を追跡開始年齢とし、3年時点で打切りとした主要解析の結果、治療コホートと主要マッチングコントロールのKaplan-Meier生存曲線は図のとおりであり、統計学的に有意な差が認められた(p=0.0002、性別及び大陸(居住地域)で層別化した層別ログランク検定、有意水準両側5%)。3年時点で打切りとした平均生存時間(平均値±標準誤差)は、治療コホートで2.828±0.0845年、主要マッチングコントロールで2.340±0.1368年であった。また、最終追跡時点で打切りとした平均生存時間(平均値±標準誤差)は、治療コホートで8.097±0.5670年、主要マッチングコントロールで5.324±0.6008年であった21)。
なお、07-01-0007試験及び09-06-0298試験においては年間体重増加率を評価することが主たる目的とされ、年間体重増加率(平均値±標準偏差)の結果は、07-01-0007試験ではベースライン時に0.401±0.440kg/年、試験終了時に0.403±0.416kg/年であり2)、09-06-0298試験(ProLon2のみ)ではベースライン時に0.676±0.705kg/年、試験終了時に0.372±0.228kg/年であった20)。ProLon1及びProLon2における副作用発現割合は96.8%(61/63例)であり、主な副作用は、嘔吐85.7%(54/63例)、下痢77.8%(49/63例)、食欲減退41.3%(26/63例)、悪心38.1%(24/63例)、疲労28.6%(18/63例)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加28.6%(18/63例)、体重減少27%(17/63例)、腹痛23.8%(15/63例)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加22.2%(14/63例)であった22)。
健康成人(64例)に本剤200mgを1日2回9日間反復投与し、投与開始10日目の朝に本剤200mgを単回投与したとき、本剤200mg投与時とプラセボ投与時とのQTcF間隔のベースラインからの変化量の差の最小二乗平均値(ΔΔQTcF)の最大値は、18.8ms(90%信頼区間:10.94, 26.70)であった23)(外国人データ)。,,
ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群及びプロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチーはいずれもLMNA変異又はZMPSTE24変異に起因してファルネシル化したプレラミンA(プロジェリン又はプロジェリン様タンパク質)が産生・蓄積する疾患であり、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤である本薬は、プロジェリン又はプロジェリン様タンパク質の産生を抑制する。なお、LMNA遺伝子の変異の場合はヘテロ接合性、ZMPSTE24遺伝子の変異の場合はホモ接合性又は複合ヘテロ接合性であることが報告されている。
本薬のファルネシルトランスフェラーゼの50%阻害濃度は1.9nmol/Lであった24)。
プロジェリン発現HeLa細胞及びハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群患者由来皮膚線維芽細胞において、本薬(0.5、1.0又は2.0μmol/L)の48時間の処置により、濃度依存的に核ブレブの形成が抑制された25)。
ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群のモデルマウス(LmnaG609G/G609Gマウス)において、無処置群と比較し、本薬投与群では生存期間の延長が認められた26)。
本薬を単独投与したハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群患者における血漿プロジェリン濃度は、ProLon1では115mg/m2を1日2回、4カ月投与した後、ベースラインに比較して48%低下し、その後150mg/m2を1日2回に増量して投与した結果、ベースラインに比較して50~62%低下した。ProLon2では150mg/m2を1日2回投与した結果、ベースラインに比較して36.7%低下した27)。
ロナファルニブ(Lonafarnib)
4-(2-{4-[(11R)-3,10-Dibromo-8-chloro-6,11-dihydro-5H-benzo[5,6]cyclohepta[1,2-b]pyridin-11-yl]piperidin-1-yl}-2-oxoethyl)piperidine-1-carboxamide
C27H31Br2ClN4O2
638.82
ロナファルニブは白色~淡黄白色の粉末で、酢酸エチルに極めて溶けにくく、メタノール及びエタノールに溶けにくく、水にはほとんど溶けない。
30カプセル/ボトル[乾燥剤入り]
1) 社内資料:臨床薬理試験(EIG-LNF-021)(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.7.2、2.7.6)
2) 社内資料:海外第Ⅱ相臨床試験ProLon1(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.7.6)
3) 社内資料:臨床薬理試験(EIG-LNF-017)(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.7.1、2.7.2、2.7.6)
4) 社内資料:臨床薬理試験(EIG-LNF-019)(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.7.1、2.7.6)
5) 社内資料:臨床薬理試験(EIG-LNF-020)(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.7.1、2.7.6)
6) 社内資料:in vitro試験(SN98139)(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.6.4)
7) 社内資料:in vitro試験(15EIGEP1)(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.6.4)
8) 社内資料:臨床薬理試験(P00260)(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.7.2、2.7.6)
9) 社内資料:in vitro試験(14EIGEP1)(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.6.4)
10) 社内資料:in vitro試験(CYP1838R2)(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.6.4)
11) 社内資料:in vitro試験(CYP1838R1)(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.6.4)
12) 社内資料:臨床薬理試験(EIG-LNF-006)(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.7.2、2.7.6)
13) 社内資料:臨床薬理試験(EIG-LNF-003)(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.7.2、2.7.6)
14) 社内資料:臨床薬理試験(EIG-LNF-007)(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.7.2、2.7.6)
15) 社内資料:臨床薬理試験(P00393)(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.7.2、2.7.6)
16) 社内資料:臨床薬理試験(EIG-LNF-008)(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.7.2、2.7.6)
17) 社内資料:臨床薬理試験(EIG-LNF-009)(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.7.2、2.7.6)
18) 社内資料:臨床薬理試験(EIG-LNF-015)(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.7.2、2.7.6)
19) 社内資料:臨床薬理試験(EIG-LNF-016)(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.7.2、2.7.6)
20) 社内資料:海外第Ⅱ相臨床試験ProLon2(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.7.6)
21) 社内資料:海外生存時間解析(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.7.3、2.7.6)
22) 社内資料:安全性統合解析(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.7.4)
23) 社内資料:臨床薬理試験(EIG-LNF-022)(承認年月日:2024.01.18、申請資料概要 2.7.2、2.7.6)
24) Njoroge FG, et al.:J Med Chem. 1998;41:4890-4902
25) Capell BC, et al.:Proc Natl Acad Sci USA. 2005;102:12879-12884
26) Murtada SI, et al.:eLife. 2023;12:e82728
27) Gordon LB, et al.:Circulation. 2023;147:1734-1744
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