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処方箋医薬品注)
慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
薬剤性及び症候性の慢性便秘症患者を対象に本剤の有効性及び安全性を評価する臨床試験は実施していない。
通常、成人にはエロビキシバットとして10mgを1日1回食前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、最高用量は1日15mgとする。
本剤投与中は腹痛や下痢があらわれるおそれがあるので、症状に応じて減量、休薬又は中止を考慮し、本剤を漫然と継続投与しないよう、定期的に本剤の投与継続の必要性を検討すること。
胆道閉塞や胆汁酸分泌が低下している患者等では本剤の効果が期待できない場合がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で大量経口投与により、母体毒性(1000mg/kg/日)並びに出生児の生存性、成長及び発達に影響(350mg/kg/日以上)がみられた1)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。14C-エロビキシバットを用いた動物実験(ラット)で、放射能の乳汁中への移行が報告されている2)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
胆汁酸製剤
これらの薬剤の作用が減弱するおそれがある。
本剤の胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害作用により、胆汁酸製剤の再吸収が阻害されるおそれがある。
アルミニウム含有制酸剤
本剤の作用が減弱するおそれがある。
これらの薬剤は、消化管内で胆汁酸を吸着するため、本剤の作用が減弱するおそれがある。
コレスチラミン、コレスチミド
これらの薬剤は、胆汁酸を吸着するため、本剤の作用が減弱するおそれがある。
ジゴキシン、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。
本剤のP-糖蛋白質に対する阻害作用による。
ミダゾラム
ミダゾラムの血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。
機序は不明である。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
*肝臓
肝機能異常(ALT増加、AST増加、γ-GTP増加、Al-P増加、LAP増加)
LDH増加
精神神経系
浮動性めまい
頭痛
循環器
ほてり
*消化器
腹痛(23.2%)、下痢(14.4%)
下腹部痛、腹部膨満、悪心、上腹部痛、腹部不快感、軟便
口内炎、口渇
鼓腸、便意切迫、嘔吐、胃腸音異常、便秘、虚血性大腸炎、下血、排便回数増加、変色便、肛門失禁、食欲減退
過敏症
じん麻疹
発疹
血液
貧血
ビタミンE増加
好酸球数増加
その他
CK増加
月経困難症
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
日本人慢性便秘患者を対象に、本剤5mg、10mg、15mgを朝食前に単回経口投与した時の薬物動態パラメータは以下のとおりであった5)。
用量
5mg
10mg
15mg
例数
10
Cmax(pg/mL)
186.8±87.1
386.4±215.4
389.7±103.6
AUC0-∞(pg・h/mL)
837.8±572.9
1272.5±656.2
1632.2±475.8
Tmax(h)
1.8±1.6
1.9±1.6
1.8±0.6
t1/2(h)
3.3±3.1
2.5±1.5
3.2±1.5
平均値±標準偏差
外国人健康成人男性6名に、14C-エロビキシバット5mg(約2.75MBq)を朝食前に単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった6)。
パラメータ
5mg 14C-エロビキシバット
Cmax(nmol/L)
0.5±0.3
AUC0-∞(nmol・h/L)
1.2±0.4(n=3)
Tmax(h)※
0.8(0.5-2.0)
0.8±0.2(n=3)
※中央値(範囲)
日本人慢性便秘患者60名を対象に、クロスオーバー法で、本剤単回経口投与後の食事摂取の有無による薬物動態への影響を評価した。食前投与時のCmax及びAUC0-∞は、食事非摂取時の約20~30%であった5)。
エロビキシバットのin vitroにおけるヒト血漿蛋白質との結合率は99%以上であり、ヒト血球移行率は5%未満であった7)。
外国人健康成人男性6名に14C-エロビキシバット5mg(約2.75MBq)を単回経口投与したときの血漿中には代謝物は認められなかった。投与24~48時間後までのプールした糞便中には未変化体及びモノヒドロキシエロビキシバットが認められたが、放射能の割合はそれぞれ96.06%及び3.16%であり、ほとんどが未変化体であった6)。
日本人慢性便秘患者に本剤を絶食下で単回経口投与した時、投与144時間後までの累積尿中薬物排泄率は投与量の0.01%程度であり、尿中への薬物の排泄はほとんど認められなかった5)。外国人健康成人男性6名に14C-エロビキシバット5mg(約2.75MBq)を単回経口投与したとき、投与144時間後の糞便中には投与量の103.1%の放射能が排泄され、尿中には投与量の0.00~0.02%の放射能が排泄された8)。
Caco-2細胞においてP-糖蛋白質の基質であるジゴキシンの輸送に対するエロビキシバットのIC50値は2.65μmol/Lであり、P-糖蛋白質阻害作用を示した3)。外国人健康成人男女25名を対象に本剤10mgを1日1回5日間経口投与し、ダビガトランエテキシラート150mg/回/日を1日目に、ミダゾラム2mg/回/日を1日目及び5日目に併用して、それぞれの単独投与時と比較した。その結果、P-糖蛋白質の基質であるダビガトランのAUC0-t及びCmaxは、単独投与時と比較してそれぞれ1.17倍(90%信頼区間:1.00-1.36)、1.13倍(90%信頼区間:0.96-1.33)であり、90%信頼区間の上限値がいずれも基準値の1.25を超えた。ミダゾラム5日目のAUC0-t及びCmaxは、単独投与時と比較してそれぞれ0.78倍(90%信頼区間:0.73-0.83)、0.94倍(90%信頼区間:0.87-1.01)であり、AUC0-tの90%信頼区間の下限値が基準値0.80を下回った4)。,
日本人慢性便秘患者132名を対象に、プラセボ又は本剤10mgを1日1回朝食前に経口投与したとき、本剤の「投与期間第1週の自発排便回数の観察期間からの変化量」はプラセボに対して有意に多く、プラセボに対する本剤の優越性が検証された(p<0.0001)9)。
本剤の副作用発現率は30%(21/69例)であり、主な副作用は腹痛19%(13/69例)、下痢13%(9/69例)であった9)。
日本人慢性便秘患者340例を対象に、本剤10mgを1日1回(症状に応じて5mg~15mgに適宜増減)朝食前に52週間経口投与したとき、週当たりの自発排便回数は、投与期間第1週から増加し52週時点まで同程度で推移した9)。
本剤の副作用発現率は48%(163/340例)であり、主な副作用は腹痛24%(82/340例)、下痢15%(50/340例)、下腹部痛5%(17/340例)、腹部膨満3%(11/340例)、悪心及び肝機能検査異常各3%(10/340例)、腹部不快感2%(7/340例)であった9)。
エロビキシバットは回腸末端部の上皮細胞に発現している胆汁酸トランスポーター(IBAT)を阻害し10)、胆汁酸の再吸収を抑制することで11)、大腸管腔内に流入する胆汁酸の量を増加させる。胆汁酸は、大腸管腔内に水分および電解質を分泌させ、さらに消化管運動を亢進させる為、本剤の便秘治療効果が発現する12),13),14)。
ロペラミドにより誘発したラット便秘モデルにおいてエロビキシバットは単回経口投与により便秘改善作用を示した15)。
エロビキシバット水和物(Elobixibat Hydrate)[JAN]
[(2R)-2-(2-{[3,3-Dibutyl-7-(methylsulfanyl)-1,1-dioxo-5-phenyl-2,3,4,5-tetrahydro-1H-1,5-benzothiazepin-8-yl]oxy}acetamido)-2-phenylacetamido]acetic acid monohydrate
C36H45N3O7S2・H2O
713.90
エロビキシバット水和物は白色の粉末である。本品は、N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、アセトニトリル又はメタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
アルミ袋開封後は高温、湿気を避けて気密容器に保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
100錠(PTP、10錠×10)、500錠(PTP、10錠×50)
1) EAファーマ株式会社:社内資料(毒性試験「生殖発生毒性試験」)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.6.6.6)
2) EAファーマ株式会社:社内資料(乳汁への移行性)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.6.4.6)
3) EAファーマ株式会社:社内資料(トランスポーターに関する検討)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.7.2.2)
4) EAファーマ株式会社:社内資料(薬物相互作用の検討)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.7.2.2)
5) EAファーマ株式会社:社内資料(慢性便秘患者を対象とした臨床薬理試験)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.7.2.2)
6) EAファーマ株式会社:社内資料(外国臨床試験における代謝動態の確認)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.7.2.2)
7) EAファーマ株式会社:社内資料(血漿蛋白結合率および血球移行率)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.7.2.2)
8) EAファーマ株式会社:社内資料(排泄率の検討)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.7.2.2)
9) Nakajima A., et al.:Lancet Gastroenterol. Hepatol., 2018;3(8):537-547
10) EAファーマ株式会社:社内資料(胆汁酸トランスポーターに対する作用)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.6.2.2)
11) EAファーマ株式会社:社内資料(胆汁酸吸収に対する作用)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.6.2.2)
12) Acosta A., et al.:Ther. Adv. Gastroenterol., 2014;7(4):167-175
13) Iser J. H., et al.:Drugs, 1981;21(2):90-119
14) Mitchell W. D., et al.:Gut, 1973;14(5):348-353
15) EAファーマ株式会社:社内資料(ラットロペラミド誘発便秘モデルに対する作用)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.6.2.2)
EAファーマ株式会社くすり相談室
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東京都中央区入船二丁目1番1号
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