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劇薬
処方箋医薬品注)
中等症の潰瘍性大腸炎(5-アミノサリチル酸製剤による治療で効果不十分な場合に限る)
通常、成人にはカロテグラストメチルとして1回960 mgを1日3回食後経口投与する。
PMLの発現リスクが高い可能性がある。,
投与しないこと。中等度の肝機能障害患者に投与した場合にカロテグラストメチル及び活性代謝物であるカロテグラストの血中濃度の上昇が認められている。重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。胆道閉塞のある患者を含む中等度の肝機能障害患者に投与した場合にカロテグラストメチル及び活性代謝物であるカロテグラストの血中濃度の上昇が認められている。
妊娠可能な女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。動物実験(マウス)において、臨床推奨用量の1.33倍以上の曝露で左心房小型、胸骨分節糸状癒合、胸骨分節配列異常、腸短小(結腸)、着床後死亡数、着床後死亡率の高値及び生存胎児数の低値が認められている1)。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で本剤の乳汁中への移行が認められている2)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
CYP3A4の基質となる薬剤
,
これらの薬剤の作用が増強される可能性がある。
カロテグラストメチルのCYP3A4阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
OATP1B1及びOATP1B3を阻害する薬剤
本剤の活性代謝物であるカロテグラストの作用が増強される可能性がある。本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
これらの薬剤の肝取り込みトランスポーター(OATP1B1及びOATP1B3)阻害作用により、カロテグラストの血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤の投与期間中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察すること。意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,,
1~5%未満
1%未満
過敏症
薬物過敏症
肝臓
肝機能異常、AST増加、LDH増加
ALT増加、γ-GTP増加
精神神経系
頭痛
感覚鈍麻
消化器
悪心、腹部不快感
嘔吐、口内炎、胃食道逆流性疾患、胃腸炎、消化不良、腹部膨満、腹痛
血液・免疫系
白血球数増加
筋・骨格系
関節痛
皮膚
発疹、蕁麻疹
泌尿器
尿中蛋白陽性
その他
上咽頭炎、上気道の炎症、発熱、CRP増加
鼻出血、アミラーゼ増加
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
日本人健康成人男性(18例)に本剤240、480、960 mg注)を単回経口投与したとき、カロテグラストメチル及び活性代謝物であるカロテグラストの血中濃度はそれぞれ投与1.8~2.3時間及び2.7~3.2時間後に最高血中薬物濃度(Cmax)に到達し、消失半減期はそれぞれ8.4~15.8時間及び11.5~15.9時間であった3)。
カロテグラストメチル
カロテグラスト
240 mgn=6
480 mgn=5※
960 mgn=6
AUC0-∞(ng・h/mL)
458※※
684±70※※※
1602±341
2990±721
5542±327
8998±2849
Cmax(ng/mL)
168±88
241±101
541±154
653±224
1140±189
2012±934
Tmax(h)
1.8±1.3
2.3±1.6
1.8±1.2
2.8±1.3
3.2±1.1
2.7±1.0
t1/2(terminal)(h)
8.4※※
13.0±17.5※※※
15.8±11.2
11.5±1.0
15.9±9.6
15.6±8.0
※投与前の臨床検査値逸脱のために1例脱落し、n=5平均値±標準偏差、※※n=2、※※※n=4
日本人健康成人男性(18例)に本剤240、480、960 mg注)を1日3回6日間反復経口投与したとき、カロテグラストメチル及びカロテグラストの薬物動態パラメータは下表のとおりであった4)。
1日目
最終投与日(反復投与6日目)
AUC0-24(ng・h/mL)
755±311
1667±560
3134±1307
1187±176
2408±618
3121±788
122±73
292±257
527±551
195±40
278±88
501±270
10.2±3.8
11.4±2.0
6.5±3.2
10.0±1.1
7.7±3.0
9.3±3.6
1.4±0.1※※
6.0±6.6
4.0±5.9
1.4±0.1※※※
24.8±46.1
5.6±8.2
投薬スケジュール:1日目 1日3回投与、2-4日目 休薬期間、5-10日目 1日3回投与※投与前の臨床検査値逸脱のために1例脱落し、n=5平均値±標準偏差、※※n=3、※※※n=4
4710±1592
11313±3603
18978±7684
7660±1916
17457±3477
19790±5601
466±200
1251±613
1989±1105
824±130
1732±354
2247±1019
9.3±3.5
10.0±2.6
9.6±3.1
8.2±2.8
9.4±0.6
10.0±0.6
6.5±3.1
8.9±4.1
9.6±4.1
18.3±12.4
26.9±24.0
14.1±7.9
投薬スケジュール:1日目 1日3回投与、2-4日目 休薬期間、5-10日目 1日3回投与※投与前の臨床検査値逸脱のために1例脱落し、n=5平均値±標準偏差
日本人健康成人男性(6例)に本剤960 mgを単回経口投与したとき、カロテグラストメチルのCmax及びAUC0-∞は食事によりそれぞれ33.8%、20.9%低下し、カロテグラストのCmax及びAUC0-∞は食事によりそれぞれ18.5%、2.4%低下した3)。
カロテグラストメチル及びカロテグラストの血漿蛋白結合率は、それぞれ99.2%~99.3%及び99.6%~99.7%であった(in vitro)。カロテグラストメチルの主な結合蛋白はアルブミン及びα1-酸性糖蛋白質であり、カロテグラストの主な結合蛋白はアルブミンであった(in vitro)。14C標識した本剤をラット及びイヌに単回経口投与したときの放射能の血球への移行性は低く、血球移行率は12.8%以下であった。14C標識した本剤をラットに単回経口投与後、大部分の組織中放射能濃度は投与1時間後に最高濃度を示し、血漿中放射能濃度の低下とともに速やかに低下した5)。
本剤は主にカルボキシルエステラーゼ1(CES1)及びCYP3A4による一次代謝によりカロテグラスト及びN-脱メチル体へと代謝され、さらにN-脱メチル体はエステル加水分解体へと代謝される(in vitro)。カロテグラストの一部はUGT1A3によりグルクロン酸抱合体へと代謝される(in vitro)6)。
日本人健康成人男性(6例)に14C標識した本剤70 mg注)を単回経口投与したとき、投与後168時間までの累積尿中放射能排泄率は2.60%、累積糞中放射能排泄率は95.67%であった7)。また、14C標識した本剤をラットに単回経口投与したとき、投与後48時間までの、累積尿中放射能排泄率は1.2%、累積糞中放射能排泄率は35.7%及び累積胆汁中放射能排泄率は39.9%であり、本剤の主排泄経路は胆汁排泄を経由した糞中排泄と考えられた8)。胆汁排泄後の再吸収は9.7%であった。
軽度(Child-Pugh分類A)の肝機能障害被験者(6例)及び胆道閉塞のある被験者(1例)を含む中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害被験者(2例)に本剤960 mgを単回経口投与した。軽度肝機能障害被験者では肝機能正常被験者と比較して、カロテグラストメチルの曝露量(Cmax及びAUC0-∞)はそれぞれ0.7倍及び0.8倍であり、カロテグラストのCmax及びAUC0-∞はそれぞれ1.1倍及び1.5倍であった。中等度肝機能障害被験者では、肝機能正常被験者と比較してカロテグラストメチルのCmax及びAUC0-∞はそれぞれ2.5倍及び3.1倍であり、カロテグラストのCmax及びAUC0-∞はそれぞれ2.1倍及び4.3倍であった9)。
正常n=6
軽度n=6
中等度n=2
AUC0-∞(ng・h/mL)[95%信頼区間]
1750[1100,2780]
1480[666,3300]
5460[NC]
7360[5420,10000]
10900[6030,19700]
31300[NC]
Cmax(ng/mL)[95%信頼区間]
743[472,1170]
506[220,1160]
1840[NC]
1830[1210,2760]
1990[1230,3220]
3840[NC]
Tmax(h)[範囲]
1.50[1.00-2.00]
1.00[0.50-2.00]
0.75[0.50-1.00]
2.00[1.00-2.00]
2.00[2.00-4.00]
3.00[2.00-4.00]
t1/2(terminal)(h)[95%信頼区間]
12.9[2.57,65.0]
9.71[4.21,22.4]
4.64[NC]
10.8[8.16,14.3]
12.5[5.71,27.5]
11.4[NC]
AUC0-∞, Cmax, t1/2(terminal):幾何平均、Tmax:中央値、NC:計算されていない
日本人健康成人男性(20例)に本剤960 mgを1日3回14日間反復経口投与後、CYP3A4の基質であるミダゾラム(経口投与)5 mgを併用投与したとき、単独投与時と比較して、ミダゾラムのCmax及びAUC0-tはそれぞれ1.9倍及び3.1倍に上昇した。また、ミダゾラム(静脈内投与)0.017 mg/kgを併用投与したとき、単独投与時と比較して、ミダゾラムのAUC0-tは1.5倍に上昇した10)。
日本人健康成人男性(20例)に本剤960 mgを1日3回14日間反復経口投与後、CYP3A4の基質であるアトルバスタチン10 mgを併用投与したとき、単独投与時と比較して、アトルバスタチンのCmaxは1.2倍であり、AUC0-tは2.1倍に上昇した10)。
日本人健康成人男性(20例)に本剤960 mgを1日3回14日間反復経口投与後、プレドニゾロン5 mgを併用投与したとき、プレドニゾロンのCmax及びAUC0-tはそれぞれ0.9倍及び1.1倍であった10)。
日本人健康成人男性(20例)に本剤960 mgとOATP1B1及びOATP1B3の阻害薬であるリファンピシン600 mgを併用投与したとき、単独投与時と比較して、カロテグラストメチルのCmax及びAUC0-tはそれぞれ2.1倍及び2.0倍、カロテグラストのCmax及びAUC0-tはそれぞれ4.8倍及び5.6倍に上昇した11)。
注)本剤の用法及び用量は、カロテグラストメチルとして960mg1日3回投与である。
5-アミノサリチル酸に対して効果不十分又は不耐の中等症の活動期にある日本人潰瘍性大腸炎患者(203例)を対象として実施された比較試験において、本剤960 mg又はプラセボを1日3回食後経口投与した。主要評価項目である8週時の改善率について、プラセボに対する本剤の優越性が検証された(p=0.0003)。8週までの副作用の発現頻度は、プラセボ群で13.9%(14/101例)、本剤群で16.7%(17/102例)であった。本剤群の主な副作用は、上咽頭炎2.0%(2/102例)、悪心2.0%(2/102例)、肝機能異常2.0%(2/102例)であった12)。
プラセボ群(101例)
960mg群(102例)
改善率a)%(例数)
20.8(21)
45.1(46)
プラセボ群に対するオッズ比[両側95%信頼区間]b)
3.30[1.73, 6.29]
p値b),c)
0.0003
a)以下の3つの条件を満たす被験者の場合・0週のMayoスコアと比較して30%以上減少かつ3点以上減少・血便サブスコアが0週と比較して1点以上減少又は1点以下・内視鏡所見サブスコアが1点以下b)投与群、ベースラインにおけるMayoスコア(6点以上7点以下、8点以上10点以下)、ステロイド、抗TNF-α抗体製剤、免疫療法剤治療の有無及び寛解導入療法開始日から本登録日までの期間(4週未満、4週以上)を説明変数としたロジスティック回帰分析c)Wald検定、有意水準両側5%
8週間の投与により粘膜治癒(内視鏡所見が正常)に至らなかった被験者には最大24週間まで継続投与し、血便の消失又は粘膜治癒に至った時点で投与を終了した。24週時の累積改善率は、プラセボ群22.8%(23/101例)、本剤群49.0%(50/102例)であった。継続投与例における8週以降24週までの副作用の発現頻度は、プラセボ群で12.0%(6/50例)、本剤群で5.8%(3/52例)であった。本剤群の副作用は、胃腸炎1.9%(1/52例)、上咽頭炎1.9%(1/52例)、頭痛1.9%(1/52例)、鼻出血1.9%(1/52例)であった。本剤群の継続投与例(52例)における投与期間(平均値±標準偏差[最小値、最大値]、以下同様)は87.9±19.2[70, 175]日であった。なお、治験薬投与終了後に疾患が再燃した被験者には、8週間以上の間隔をおいて再治療を行うことが可能とされた。本剤による1回目の再治療を受けた37例、2回目の再治療を受けた9例における投与期間は、それぞれ72.0±40.9[3, 175]日及び78.1±39.2[34, 162]日であった。
カロテグラストメチルは生体内で活性代謝物であるカロテグラストとなり、α4β1インテグリンとVascular cell adhesion molecule-1(VCAM-1)との結合及びα4β7インテグリンとMucosal addressin cell adhesion molecule-1(MAdCAM-1)との結合を阻害することによって、T細胞を含む炎症性細胞の血管内皮細胞への接着及び炎症部位への浸潤を阻害し、抗炎症作用を発揮する。
カロテグラストは、ヒト、ラット及びマウスのα4β1インテグリン発現細胞とVCAM-1との結合及びヒト、ラット及びマウスα4β7インテグリン発現細胞とMAdCAM-1との結合を阻害した13)。
カロテグラストメチルは、ラット及びマウス小腸パイエル板へのリンパ球(腸間膜リンパ節細胞)のホーミングを阻害した14)。
インターロイキン-10ノックアウトCD4+ T細胞移入マウス腸炎モデルにおいて、カロテグラストメチルは腸管重量増加、便性状スコア及び腸管組織へのT細胞浸潤を有意に抑制した15)。
カロテグラストメチル(Carotegrast Methyl)[JAN]
Methyl (2S)-2-(2,6-dichlorobenzamido)- 3-{4-[6-(dimethylamino)-1-methyl-2,4- dioxo-1,4-dihydroquinazolin-3(2H)-yl]phenyl}propanoate
C28H26Cl2N4O5
569.44
カロテグラストメチルは淡黄緑色の結晶性の粉末又は塊である。本品は、N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、アセトニトリル又はメタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、1-オクタノール又は水にほとんど溶けない。
268℃
logP(フラスコ振とう法):0.35(pH 1.2)、2.10(pH 3.0)、3.01(pH 6.1)
本剤は吸湿性が強いので、アルミピロー包装開封後は湿気を避けて保存し、服用直前までPTPシートから取り出さないこと。また、保存に際してPTPシートを破損しないよう注意すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
336錠[8錠(PTP)×21シート×2ピロー]
1) 社内資料:毒性試験「生殖発生毒性試験」(2022年3月28日承認、申請資料概要2.6.6.6)
2) 社内資料:乳汁への移行(2022年3月28日承認、申請資料概要2.6.4.6.5)
3) 社内資料:第Ⅰ相試験結果(2022年3月28日承認、申請資料概要2.7.6.3)
4) 社内資料:第Ⅰ相試験結果(2022年3月28日承認、申請資料概要2.7.6.4)
5) 社内資料:分布(2022年3月28日承認、申請資料概要2.6.4.4)
6) 社内資料:代謝(2022年3月28日承認、申請資料概要2.6.4.5)
7) 社内資料:臨床薬理試験結果(2022年3月28日承認、申請資料概要2.7.6.5)
8) 社内資料:単回投与後の胆汁中排泄(2022年3月28日承認、申請資料概要2.6.4.6.3)
9) 社内資料:第Ⅰ相試験結果(2022年3月28日承認、申請資料概要2.7.6.7)
10) 社内資料:薬物相互作用試験(1)結果(2022年3月28日承認、申請資料概要2.7.6.8)
11) 社内資料:薬物相互作用試験(2)結果(2022年3月28日承認、申請資料概要2.7.6.9)
12) 社内資料:第Ⅲ相試験結果(2022年3月28日承認、申請資料概要2.7.6.14)
13) 社内資料:α4インテグリンと接着分子との結合に対する阻害作用(2022年3月28日承認、申請資料概要2.6.2.2.2)
14) 社内資料:α4インテグリンの生物活性に対する作用(2022年3月28日承認、申請資料概要2.6.2.2.3)
15) Sugiura T, et al.:J Crohns Colitis. 2013 Dec; 7(11): e533-42
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フリーダイヤル:0120-007-622
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