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処方箋医薬品注)
潰瘍性大腸炎(重症を除く)
本剤が腸内で到達する範囲は概ねS状結腸部までであり、直腸部及びS状結腸部の病変に対して使用すること。
通常、成人には1回あたり1プッシュ(ブデソニドとして2mg)、1日2回直腸内に噴射する。
本剤投与中は患者の病態を十分観察し、投与開始6週間を目安に本剤の必要性を検討し、漫然と投与を継続しないこと。
症状が増悪するおそれがある。
本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、他の副腎皮質ステロイド剤投与後にB型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で催奇形性及び胚・胎児への影響が認められている1),2)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。乳汁中へ移行するとの報告がある3)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。
*デスモプレシン酢酸塩水和物(ミニリンメルト)(男性における夜間多尿による夜間頻尿)
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
機序不明。
CYP3A4阻害剤
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。
CYP3A4による本剤の代謝が阻害されることにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
グレープフルーツジュース
発現機序の詳細は不明であるが、グレープフルーツジュースに含まれる成分が、CYP3A4を抑制するためと考えられる。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
過敏症
アナフィラキシー
代謝及び栄養障害
クッシング症候群
肝臓
肝機能異常(ALT、AST、γ-GTP、AL-P増加)
精神神経系
頭痛、不眠症、めまい
嗅覚錯誤、頭蓋内圧亢進症、気分動揺、うつ病、易刺激性、多幸感、精神運動亢進、不安
循環器
高血圧
消化器
痔核、胃潰瘍
悪心、腹痛、消化不良、鼓腸、腹部の錯感覚、裂肛、アフタ性口内炎、排便回数増加、直腸出血、直腸灼熱感、直腸痛、膵炎、十二指腸潰瘍
血液・免疫系
白血球増加症
貧血、血沈亢進、感染リスクの増加
筋・骨格系
筋肉痛、関節痛、筋力低下、筋痙攣、骨粗鬆症
皮膚
ざ瘡
多汗、そう痒症、皮疹、アレルギー性皮膚炎、点状出血、創傷治癒遅延、接触性皮膚炎
眼
霧視
泌尿器
尿路感染
その他
血中コルチゾール減少(41.1%)、血中コルチコトロピン減少(35.4%)
血中トリグリセリド増加、LDH増加、CK増加
末梢性浮腫
無力症、発熱、食欲亢進、体重増加、アミラーゼ増加
過量投与により副腎皮質系機能が低下するおそれがある。
患者に本剤を交付する際には、患者用説明文書<レクタブル®2mg注腸フォーム14回を使用される方へ>を渡し、使用方法を指導すること。
本剤は、接触性皮膚炎を誘発する可能性のあるセタノール並びにプロピレングリコールを含有することから、接触性皮膚炎誘発を防ぐため、腸管外へ漏出した場合には、速やかにふき取ること。また、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
日本人健康成人男性に本剤(ブデソニドとして2mg)を単回直腸内投与した時、血清中ブデソニド濃度は投与後約1時間半で最高濃度(0.909±0.554ng/mL)に達し、半減期は約4時間であった6)。静脈内投与時のクリアランス値(外国人データ)7)を参考に算出した本剤の単回投与時の絶対的バイオアベイラビリティは、16%と推定された。
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
AUC0~∞(ng・hr/mL)
t1/2(hr)
Vd/F(L)
CL/F(L/min)
0.909±0.554
1.472±0.757(1.50)
4.930±2.888
3.996±2.241
2912.128±1793.759
8.535±3.969
n=18、平均値±標準偏差(Tmax:中央値)
日本人健康成人男性に本剤(ブデソニドとして2mg)を1日2回4日間直腸内投与した時の血清中ブデソニド濃度のTmax、及びCmaxは単回投与時と大きな違いはなかった6)。AUCで評価した結果、1日2回直腸内反復投与による蓄積性は認められなかった。
ブデソニドのヒト血漿における蛋白結合率は88.3%であることが報告されている7)。
日本人健康成人男性に本剤(ブデソニドとして2mg)を1日2回4日間直腸内投与した時、代謝物として血清中に16α-ヒドロキシプレドニゾロン及び6β-ヒドロキシブデソニドが検出された6)。代謝には、主としてCYP3A4が関与する4),5)。
外国人の健康成人に対するブデソニドカプセル剤(経口)3mgとケトコナゾール200mgの併用により、ブデソニドのAUC0-24はブデソニド単剤投与時と比較して6.5倍上昇した8)。外国人の健康成人に対するブデソニド(吸入)1000μgとイトラコナゾール(経口)200mgの併用により、ブデソニドのAUC0-∞はブデソニド単剤投与時と比較して4.2倍上昇した9)。
本剤の投与により、血漿コルチゾール濃度は減少したが、投与中止により回復した10)。
投与前
6週投与時
後観察注1)
血漿コルチゾール(μg/dL)平均±標準偏差[95%信頼区間]
本剤
12.97±4.02(n=64)[11.96, 13.97]
6.82±6.08(n=59)[5.24, 8.41]
13.28±4.41(n=36)[11.79, 14.77]
プラセボ
13.07±4.94(n=62)[11.82, 14.33]
12.62±3.67(n=51)[11.59, 13.66]
12.25±5.04(n=30)[10.37, 14.13]
外国において、99mTc標識ブデソニドを軽症から中等症の活動期潰瘍性大腸炎患者12例に単回直腸内投与した時の腸内での到達範囲(平均値±標準偏差)は25.4±10.3cmであり、S状結腸の遠位半分には12例全例が到達し、近位半分には9例が到達した。下行結腸の遠位3分の1には7例が到達した。12例中5例はS状結腸より口側には到達しなかった11)。
国内で、直腸からS状結腸に中等症(著明に発赤、血管透見像の消失、脆弱、びらん)の内視鏡所見が認められる活動期潰瘍性大腸炎患者126例を対象に実施した二重盲検比較試験の成績は以下のとおりである。本剤(ブデソニドとして2mg)を1日2回6週間直腸内投与した時、粘膜治癒率(内視鏡所見が正常又は非活動性の被験者割合)において、プラセボに対する優越性が検証された(p<0.0001)10)。
本剤(n=64)
プラセボ(n=62)
オッズ比[95%信頼区間]
粘膜治癒した被験者数注2)
21
2
17.20[4.50, 114.38]
粘膜治癒率(%)注3)
32.8
3.2
粘膜治癒率の95%信頼区間
22.6, 45.0
0.9, 11.0
副作用発現率は17.2%(11/64例)で、主な副作用は高血圧 4.7%(3/64例)であった。(継続投与パート)126例(本剤64例、プラセボ62例)のうち、6週時の内視鏡で軽症(発赤、血管透見像の減少)の所見が残存し、安全性上問題がなく、継続投与が必要と治験担当医が判断した39例(本剤20例、プラセボ19例)が継続投与に移行し、さらに6週間(合計12週間まで)投与された。12週の粘膜治癒率は、本剤30.0%(6/20例)、プラセボ0%(0/19例)であった。臨床試験において12週を超えた投与は実施されていない。副作用発現率は15.0%(3/20例)で、発現した副作用は痔核、血中LDH増加及び血中尿酸増加であった。
ブデソニドは、高いグルココルチコイド受容体親和性を有していた12)。またin vitroでの炎症モデルの試験系において、ブデソニドは抗炎症作用を示した13)。
酢酸により誘発したラット大腸炎モデルにおいて、ブデソニドの結腸内投与により統計学的に有意な抗炎症作用が認められた14)。
各種動物炎症モデルにおいて、ブデソニドの抗炎症作用と望ましくない全身性作用(胸腺の萎縮作用)を、局所投与により検討した。ブデソニドの局所投与により、明らかな抗炎症効果を示す投与量でも望ましくない全身への影響はほとんど認められず、認められた場合でも、他のコルチコステロイドと比較して高い治療係数(局所の抗炎症作用/望ましくない全身性作用の比)を示した15)。
ブデソニド(Budesonide)[JAN]
(+)-[(RS)-16α,17α-butylidenedioxy-11β,21-dihydroxy-1,4-pregnadiene-3,20-dione]
C25H34O6
430.53
ブデソニドは白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノールにやや溶けやすく、アセトニトリル又はエタノール(95)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
*本品は22位の不斉炭素原子におけるエピマーの混合物である。
約240℃(分解)
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
30.8g/缶×4本
1) 迚野 勲 他:基礎と臨床, 1985;19:153-178
2) Kihlström I., et al.:Arzneimittelforschung, 1987;37:43-46
3) Fält A., et al.:J Allergy Clin Immunol, 2007;120:798-802
4) Jönsson G., et al.:Drug Metab Dispos, 1995;23:137-142
5) Lu C., et al.:Drug Metab Dispos, 2008;36:1255-1260
6) EAファーマ株式会社:社内資料(第Ⅰ相試験結果)(2017年9月27日承認、申請資料概要2.7.6.1)
7) Ryrfeldt Å., et al.:Eur J Respir Dis, 1982;122(Suppl):86-95
8) Seidegård J.:Clin Pharmacol Ther, 2000:68;13-17
9) Raaska K., et al.:Clin Pharmacol Ther, 2002;72:362-369
10) EAファーマ株式会社:社内資料(第Ⅲ相試験結果)(2017年9月27日承認、申請資料概要2.7.6.6)
11) Brunner M., et al.:Aliment Pharmacol Ther, 2005;22:463-470
12) Hochhaus G., et al.:In:Möllmann HW, May B(eds). Glucocorticoid Therapy in Chronic Inflammatory Bowel Disease-From Basic Principles to Rational Therapy, 1993;61-79
13) Zareie M., et al.:J Pharmacol Exp Ther, 1999;289:1245-1249
14) Fabia R., et al.:Aliment Pharmacol Ther, 1994;8:433-441
15) 広井 純 他:日薬理誌, 1985;86:219-231
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松本市芳野19番48号
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