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劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人にはベネトクラクスとして、用量漸増期は第1週目に20mg、第2週目に50mg、第3週目に100mg、第4週目に200mg、第5週目に400mgをそれぞれ1日1回、7日間食後に経口投与する。その後の維持投与期は、400mgを1日1回、食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
**イブルチニブとの併用において、通常、成人にはベネトクラクスとして、用量漸増期は第1週目に20mg、第2週目に50mg、第3週目に100mg、第4週目に200mg、第5週目に400mgをそれぞれ1日1回、7日間食後に経口投与する。その後の維持投与期は、400mgを1日1回、食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
アザシチジン併用の場合:通常、成人にはベネトクラクスとして、用量漸増期は1日目に100mg、2日目に200mg、3日目に400mgをそれぞれ1日1回、食後に経口投与する。その後の維持投与期は、400mgを1日1回、食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。シタラビン少量療法併用の場合:通常、成人にはベネトクラクスとして、用量漸増期は1日目に100mg、2日目に200mg、3日目に400mg、4日目に600㎎をそれぞれ1日1回、食後に経口投与する。その後の維持投与期は、600mgを1日1回、食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
副作用*
処置
Grade 4の血液毒性(好中球減少、血小板減少及びリンパ球減少を除く)
Grade 1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後は休薬前と同じ用量レベルで投与を再開する。再開した後に再び発現した場合、Grade 1以下に回復するまで休薬し、回復後は休薬前より1段階低い用量レベルで投与を再開する。
Grade 3又は4の好中球減少
Grade 1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後は休薬前と同じ用量レベルで投与を再開する。感染を伴う場合、感染が消失した後に再開する。再開した後に再び発現した場合、Grade 1以下に回復するまで休薬し、回復後は休薬前より1段階低い用量レベルで投与を再開する。
Grade 3又は4の血小板減少
腫瘍崩壊症候群
腫瘍崩壊症候群が消失するまで休薬し、消失後は休薬前と同じ用量レベル又は1段階低い用量レベルで投与を再開する。2週間以上の休薬を要した場合、休薬前より1段階低い用量レベルで投与を再開する。
Grade 3又は4の非血液毒性(腫瘍崩壊症候群を除く)
Grade 1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後は休薬前と同じ用量レベルで投与を再開する。再開した後に再び発現した場合、Grade 1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後は休薬前より1段階低い用量レベルで投与を再開する。
*:NCI-CTCAE v4.0に基づく
用量レベル
本剤の1日用量
用量レベル 5
400 mg
用量レベル 4
300 mg
用量レベル 3
200 mg
用量レベル 2
100 mg
用量レベル 1
50 mg
用量レベル 0
20 mg
用量レベル -1
10 mg
併用薬剤
用量漸増期
維持投与期
中程度のCYP3A阻害剤
本剤を半量以下に減量すること
強いCYP3A阻害剤
本剤を併用しないこと
本剤を100mg以下に減量すること
Grade 4の血液毒性(好中球減少及びリンパ球減少を除く)
腫瘍崩壊症候群が消失するまで休薬し、消失後は休薬前と同じ用量レベル又は1段階低い用量レベルで投与を再開する。48時間以上の休薬を要した場合、休薬前より1段階低い用量レベルで投与を再開する。
用量漸増期後に100mg未満への減量が必要な場合、本剤の投与中止を考慮すること
Grade 4の好中球減少
寛解達成後初回発現時:Grade 3以下に回復するまで休薬し、回復後は休薬前と同じ用量で投与を再開する。寛解達成後2回目以降の発現時:Grade 3以下に回復するまで休薬し、回復後は休薬前と同じ用量で投与を再開するが、21日間投与した後、7日間休薬すること。
Grade 4の血小板減少
寛解達成後初回発現時:Grade 2以下に回復するまで休薬し、回復後は休薬前と同じ用量で投与を再開する。寛解達成後2回目以降の発現時:Grade 2以下に回復するまで休薬し、回復後は休薬前と同じ用量で投与を再開するが、21日間投与した後、7日間休薬すること。
本剤を1日目は10mg、2日目は20mg、3日目以降は50mgに減量すること
本剤を50㎎に減量すること
水分補給注1)
本剤による治療開始の2日前から開始し、用量漸増期を通じて1.5~2L/日を摂取する。
血液検査頻度
20 mg及び50 mgの各初回投与時注2)
投与前、投与6~8時間後、投与24時間後
その後の各漸増用量の初回投与時
投与前
本剤による治療開始の2日前から開始し、用量漸増期を通じて1.5~2L/日摂取に加え、補液投与(可能であれば150~200mL/時)を行う。
投与前及び投与4、8、12、24時間後
注1):経口摂取困難な場合は補液投与を行うこと。注2):クレアチニンクリアランスが80mL/min未満の中腫瘍量の患者では、20mg及び50mgの各初回投与時には高腫瘍量の場合の表を参照すること。
20 mg及び50 mgの各初回投与時
注1):経口摂取困難な場合は補液投与を行うこと。
本剤による治療開始前から用量漸増期を通じて1.5~2L/日を摂取する。
投与前、投与6~8時間後
用量漸増期最終日(アザシチジン併用の場合400mg到達時。シタラビン少量療法併用の場合600mg到達時)
上記に加え、投与24時間後
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。胚・胎児発生試験(マウス)において、本剤1日1回400mg投与した時の臨床曝露量の約1.2倍の曝露に相当する用量で着床後胚損失率上昇及び胎児体重減少が報告されている2)。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)において乳汁中への移行が認められている3)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
**〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)、再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫の用量漸増期〉強いCYP3A阻害剤
,,,,,,
腫瘍崩壊症候群の発現が増強されるおそれがある。
これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
**〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫の維持投与期、急性骨髄性白血病〉強いCYP3A阻害剤
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
これらの薬剤等がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
エリスロマイシンジルチアゼムフルコナゾール 等,,,
グレープフルーツ含有食品
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、摂取しないよう注意すること。
強い又は中程度のCYP3A誘導剤
カルバマゼピンリファンピシンエファビレンツ 等
セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品,
本剤の効果が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。
これらの薬剤等がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
生ワクチン又は弱毒生ワクチン
接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した場合には適切な処置を行うこと。
ワクチン接種に対する応答が不明であり、また、生ワクチンによる二次感染が否定できない。
ワルファリン
ワルファリンの作用が増強されるおそれがあるので、プロトロンビン時間国際標準比(INR)値等の血液凝固能の変動に十分注意すること。
機序は不明であるが、ワルファリンの血中濃度が上昇する可能性がある。
P-gp阻害剤
シクロスポリンタクロリムスリファンピシン 等
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
これらの薬剤がP-gpを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
治療域の狭いP-gpの基質となる薬剤
ジゴキシンエベロリムスシロリムス 等
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
アジスロマイシン
本剤の効果が減弱するおそれがあるので、併用を避けることが望ましい。
機序は不明であるが、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
異常が認められた場合は、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。,,,,,
好中球減少(41.8%)、貧血(14.9%)、血小板減少(25.1%)、発熱性好中球減少症(14.4%)等があらわれることがある。,,,
肺炎(10.5%)、敗血症(5.8%)等があらわれることがある。
10%以上
10%未満
**循環器
-
心房粗動
**消化器
下痢(23.8%)悪心(23.3%)嘔吐(10.8%)
便秘口内炎腹痛
**一般・全身障害及び投与部位の状態
疲労(10.0%)
無力症
肝胆道系障害
血中ビリルビン増加胆嚢炎/胆石症
**代謝及び栄養障害
食欲減退(10.0%)
体重減少低カリウム血症低マグネシウム血症
筋骨格系及び結合組織障害
関節痛
神経系障害
浮動性めまい/失神頭痛
腎及び尿路障害
血中クレアチニン増加
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
呼吸困難
血管障害
出血低血圧
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
海外臨床試験において、皮膚有棘細胞癌、扁平上皮癌、基底細胞癌等の二次性悪性腫瘍が発現したとの報告がある4)。
再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)患者に本剤20~200mgを食後に単回経口投与したときの薬物動態パラメータを以下に示す5)(外国人データ)。
用量(mg)
n
Tmaxa(h)
Cmax(µg/mL)
AUC∞(µg・h/mL)
t1/2b(h)
20注)
3
6.0 (6.0-6.0)
0.07 ± 0.02
1.9, 2.1c
16.1, 17.7c
50注)
50
6.0 (2.0-18.2)
0.26 ± 0.12
5.2 ± 3.0d
19.0 ± 6.4d
100注)
1
8.0
1.19
35.8
22.5
200注)
2
6.0, 8.0
0.73, 1.57
23.1, 76.0
30.9, 50.9
(平均値±標準偏差)a:中央値(範囲)b: 調和平均値±疑似標準偏差c: n=2d: n=47
日本人の再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)患者に本剤を、用量漸増期は第1週目に20mg、第2週目に50mg、第3週目に100mg、第4週目に200mg、第5週目に400mgをそれぞれ1日1回、7日間食後に経口投与し、その後の維持投与期に400mgを1日1回、食後に経口投与したときのベネトクラクスの平均血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示す6)。
時間
用量 (mg)
AUC24(µg・h/mL)
第7週1日目
400
6
7.0 (6.0-8.0)
2.67 ±1.20
39.0 ±17.4
第10週1日目b
5.0 (4.0-8.0)
1.49 ±0.32
23.0 ±8.53
(平均値±標準偏差)a:中央値(範囲)b:リツキシマブ(遺伝子組換え)併用
日本人の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫患者に、イブルチニブ560mgとの併用下で本剤を、用量漸増期は第1週目に20mg、第2週目に50mg、第3週目に100mg、第4週目に200mg、第5週目に400mgをそれぞれ1日1回、7日間食後に経口投与し、その後の維持投与期に400mgを1日1回、食後に経口投与したときの第6週1日目のベネトクラクスの薬物動態パラメータを以下に示す7)。
Cmax(μg/mL)
AUC24(μg・h/mL)
第6週1日目
11
8.0(6.0-8.0)
5.87±2.68
94.4±44.1
(平均値±標準偏差)a:中央値(範囲)
強力な寛解導入療法の適応とならない未治療の急性骨髄性白血病患者に、シタラビン少量療法を1~10日目に投与するとともに本剤を、用量漸増期は2日目に50mg、3日目に100mg、4日目に200mg、5日目に400mg、6日目に600mgをそれぞれ1日1回、食後に経口投与し、その後の維持投与期に600mgを1日1回、食後に経口投与したときのベネトクラクスの平均血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示す8)(外国人データ)。
10日目b
600
7
4.0 (4.0 – 6.0)
2.04 ± 1.45
33.3 ± 27.5
18日目
7.0 (3.5 – 8.0)
2.92 ± 2.15
51.8 ± 36.9c
(平均値±標準偏差)a:中央値(範囲)b:シタラビン少量療法併用c:n = 6
健康被験者24例に本剤100mg注)を低脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、空腹時投与と比較してベネトクラクスのCmax及びAUC∞はいずれも3.4倍に増加した。また、高脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、空腹時投与と比較してベネトクラクスのCmaxは5.3倍、AUC∞は5.1倍に増加した9)(外国人データ)。
ベネトクラクスのヒト血漿タンパク非結合型分率は0.01未満であり、ヒト血液/血漿中濃度比は0.57であった3)(in vitro)。
ベネトクラクスは主にCYP3Aにより代謝される(in vitro)。健康被験者4例に14C-ベネトクラクス200mg注)を食後に単回経口投与したとき、投与48時間後までの血漿中には主に未変化体及びM27(酸化体)が検出された10)(血漿中総放射能の72.6及び12.0%)(外国人データ)。
健康被験者4例に14C-ベネトクラクス200mg注)を食後に単回経口投与したとき、投与後9日までに投与量の99.9%超が糞中に回収され、尿中排泄は0.1%未満であった。糞中において未変化のベネトクラクスが占める割合は20.8%であった11)(外国人データ)。
本剤50mg注)を食後に単回経口投与したとき、肝機能正常被験者(6例)と比較して、軽度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類A、6例)及び中等度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類B、6例)ではベネトクラクスのAUC∞はそれぞれ1.3及び1.4倍に増加し、重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類C、5例)ではベネトクラクスのAUC∞は2.7倍に増加した12)(外国人データ)。
非ホジキンリンパ腫患者11例にケトコナゾール(強いCYP3A阻害剤、経口剤:国内未承認)400mgを1日1回7日間投与時に本剤50mg注)を食後に併用投与したとき、ベネトクラクスのCmaxは2.3倍、AUC∞は6.4倍に増加した13)(外国人データ)。
健康被験者6例にリトナビル(P-gp及び強いCYP3A阻害薬)100mgを単回投与時に本剤10mg注)を食後に併用投与したとき、ベネトクラクスのCmaxは2.3倍、AUC∞は8.1倍に増加した14)(外国人データ)。,,,,,
単回投与健康被験者11例にリファンピシン(P-gp阻害剤)600mgを単回投与時に本剤200mg注)を食後に併用投与したとき、ベネトクラクスのCmaxは2.1倍、AUC∞は1.8倍に増加した15)(外国人データ)。反復投与健康被験者10例にリファンピシン(強いCYP3A誘導剤)600mgを1日1回13日間投与時に本剤200mg注)を食後に併用投与したとき、ベネトクラクスのCmaxは42%、AUC∞は71%減少した15)(外国人データ)。
健康被験者12例に初日にアジスロマイシン500mg、その後アジスロマイシン250mgを4日間投与時に本剤100mg注)を食後に併用投与したとき、ベネトクラクスのCmaxは25%、AUC∞は35%減少した16)(外国人データ)。
健康被験者3例に本剤400mg注)とワルファリン5mgを食後に単回併用投与したとき、ワルファリン単独投与時(8例)と比較してR-ワルファリンのCmax及びAUC∞はいずれも1.2倍に増加し、S-ワルファリンのCmaxは1.2倍、AUC∞は1.3倍に増加した17)(外国人データ)。
健康被験者10例に本剤100mg注)とジゴキシン0.5mgを食後に単回併用投与したとき、ジゴキシンのCmaxは1.4倍、AUC∞は1.1倍に増加した18)(外国人データ)。
急性骨髄性白血病患者に本剤50mg及び100mgとポサコナゾール300mgを併用したとき、本剤400mg単独投与時と比較してベネトクラクスのCmaxはそれぞれ61%及び86%増加し、AUC24は90%及び144%増加した19)(外国人データ)。,,,,,
イトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)、エリスロマイシン及びフルコナゾール(中程度のCYP3A阻害剤)と本剤400mg注)を併用投与したとき、ベネトクラクスのAUC∞はそれぞれ5.8、4.9及び2.7倍増加すると推定された。エファビレンツ(中程度のCYP3A誘導剤)と本剤400mg注)を併用投与したとき、ベネトクラクスのAUC∞は61%減少すると推定された20)。,,,,,
生理学的薬物動態モデルによるシミュレーションから、フルボキサミン(弱いCYP3A阻害剤)及びプレドニゾン(弱いCYP3A誘導剤、国内未承認)と本剤400mg注)を併用投与したとき、ベネトクラクスのAUC∞に明確な影響を及ぼさないことが推定された20)。ベネトクラクスは乳癌耐性タンパク(BCRP)の基質であり、BCRP及び有機アニオン輸送ポリペプチド(OATP)1B1を阻害した21)(in vitro)。注)本剤の承認用法・用量は、再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)に対し「用量漸増期は第1週目に20mg、第2週目に50mg、第3週目に100mg、第4週目に200mg、第5週目に400mgをそれぞれ1日1回7日間投与、その後の維持投与期は、400mgを1日1回投与する。」又は急性骨髄性白血病に対しアザシチジンとの併用の場合は「用量漸増期は1日目に100mg、2日目に200mg、3日目に400mgをそれぞれ1日1回投与、その後の維持投与期は、400mgを1日1回投与する。」又はシタラビン少量療法併用の場合は「用量漸増期は1日目に100mg、2日目に200mg、3日目に400mg、4日目に600㎎をそれぞれ1日1回投与、その後の維持投与期は、600mgを1日1回投与する。」である。
1レジメン以上の前治療歴を有する再発又は難治性の慢性リンパ性白血病患者389例を対象とし、本剤及びリツキシマブの併用療法(V+R)をベンダムスチン及びリツキシマブの併用療法(BR)と比較するランダム化非盲検第Ⅲ相試験である。V+R群では本剤の用量漸増期注1)完了後、本剤を1日1回400mgで病態の悪化等が認められるまで最大2年間継続投与した。リツキシマブ注2)は28日を1サイクルとし、最大投与回数は6サイクルとして投与した。BR群ではベンダムスチンを1回量70mg/m2で2日間投与した。28日を1サイクルとし、最大投与回数は6サイクルとした。主要評価項目である治験責任医師判定の無増悪生存期間において、V+R群はBR群に対して統計学的に有意な延長を認めた(データカットオフ日:2017年5月8日)。注1) 本剤の漸増方法(用量漸増期):第1週目に20mg、第2週目に50mg、第3週目に100mg、第4週目に200mg、第5週目に400mgをそれぞれ1日1回、7日間食後に経口投与する。注2) リツキシマブは初回に1回量375mg/m2、2回目以降は1回量500mg/m2を28日ごとに投与した。V+R群では本剤の用量漸増期完了後にリツキシマブの投与を開始し、BR群ではベンダムスチンの投与開始時にリツキシマブの投与を開始した。
V+R群
BR群
症例数
194
195
イベント発現例数
32
114
無増悪生存期間中央値(月)(95%信頼区間)
未到達
17.0(15.5-21.6)
ハザード比a(95%信頼区間)
0.17 (0.11-0.25)
p値b
p<0.0001
a:層別Cox比例ハザードモデルにより算出b:層別log-rank 検定(有意水準:両側0.0047)
V+R群194例のうち、160例(82.5%)にベネトクラクスとの因果関係のある副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少症104例(53.6%)、下痢43例(22.2%)、悪心29例(14.9%)等であった4),22)。
再発又は難治性の慢性リンパ性白血病患者6例を対象として本剤とリツキシマブを併用投与した単群非盲検第Ⅱ相試験である。本剤は20 mgより投与を開始し400mg1日1回まで漸増を行った後、400mg1日1回投与を病態の悪化等が認められるまで継続した。リツキシマブは本剤の漸増期間完了後に投与を開始し、初回に1回量375mg/m2、2回目以降は1回量500mg/m2を28日ごとに投与した。28日を1サイクルとし、最大投与回数は6サイクルとした。主要評価項目である奏効率は66.7%(4/6例)(95% CI:22.3-95.7%)であった。本剤を投与された6例のうち、6例(100%)にベネトクラクスとの因果関係のある副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少症4例(66.7%)、悪心4例(66.7%)、白血球減少症3例(50.0%)、リンパ球減少症3例(50.0%)等であった6)。
再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫患者267例を対象とし、本剤及びイブルチニブの併用療法(V+I)をプラセボ及びイブルチニブの併用療法(P+I)と比較するランダム化二重盲検第Ⅲ相試験である。V+I群では本剤の用量漸増期注1)完了後、本剤を1日1回400mgで病態の悪化等が認められるまで最大2年間継続投与した。イブルチニブは用量漸増期から併用し、1日1回560mgで病態の悪化等が認められるまで継続投与した。主要評価項目である治験責任医師判定の無増悪生存期間(PFS)において、V+I群はP+I群に対して統計学的に有意な延長を認めた(データカットオフ日:2023年5月22日)。注1)本剤の漸増方法(用量漸増期):第1週目に20mg、第2週目に50mg、第3週目に100mg、第4週目に200mg、第5週目に400mgをそれぞれ1日1回、7日間食後に経口投与する。
V+I群
P+I群
134
133
73
94
31.9(22.8-47.0)
22.1(16.5-29.5)
0.645(0.474-0.878)
0.0052
a:層別Cox比例ハザードモデルにより算出b:層別log-rank検定(有意水準:片側0.025)
本剤を投与されたV+I群134例のうち、113例(84.3%)にベネトクラクスとの因果関係のある副作用が認められた。主な副作用は、下痢50例(37.3%)、好中球減少症43例(32.1%)、悪心27例(20.1%)、疲労22例(16.4%)、血小板減少症17例(12.7%)、貧血16例(11.9%)等であった23)。
再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫患者13例を対象とし、本剤とイブルチニブを併用投与した単群非盲検第Ⅱ相試験である。本剤の用量漸増期注1)完了後、本剤を1日1回400mgで病態の悪化等が認められるまで最大2年間継続投与した。イブルチニブは用量漸増期から併用し、1日1回560mgで病態の悪化等が認められるまで継続投与した。主要評価項目である独立評価委員会(IRC)による完全奏効(CR)率は83.3%(10/12例)(95%信頼区間:51.6-97.9%)であった(データカットオフ日:2022年2月9日)。注1)本剤の漸増方法(用量漸増期):第1週目に20mg、第2週目に50mg、第3週目に100mg、第4週目に200mg、第5週目に400mgをそれぞれ1日1回、7日間食後に経口投与する。本剤を投与された13例のうち、12例(92.3%)にベネトクラクスとの因果関係のある副作用が認められた。主な副作用は、下痢4例(30.8%)、好中球減少症4例(30.8%)、悪心3例(23.1%)、血小板減少症3例(23.1%)、白血球減少症3例(23.1%)であった24)。
強力な寛解導入療法の適応とならない未治療の急性骨髄性白血病患者433例(無作為割付例;日本人患者37例を含む)を対象とし、本剤及びアザシチジンの併用療法(V+AZA)をプラセボ及びアザシチジンの併用療法(P+AZA)と比較するランダム化二重盲検第Ⅲ相試験である。第1、2及び3日目にそれぞれ本剤100、200及び400mg又はプラセボを1日1回食後に経口投与した後、本剤400mg又はプラセボを1日1回継続投与した。アザシチジンは28日を1サイクルとし、各サイクルの1~7日目に75mg/m2を1日1回静脈内又は皮下投与した。主要評価項目の1つである全生存期間(OS)において、V+AZA群はP+AZA群に対して統計学的に有意な延長を認めた(データカットオフ日:2020年1月4日)。もう1つの主要評価項目である治験責任医師判定の複合的完全寛解(完全寛解[CR]+血球数回復が不完全な完全寛解[CRi])率において、V+AZA群はP+AZA群に対して統計学的に有意に高値であった(データカットオフ日:2018年10月1日)。
V+AZA群
P+AZA群
全生存期間
症例数a
286
145
161
109
中央値(月)(95%信頼区間)
14.7(11.9-18.7)
9.6(7.4-12.7)
ハザード比b(95%信頼区間)
0.662(0.518-0.845)
p値c
p<0.001
複合的完全寛解率
症例数d
147
79
CR + CRi 例数(%)(95%信頼区間e)
96(65.3)[57.0, 73.0]
20(25.3) [16.2, 36.4]
p値f
a:無作為化された433例(V+AZA群287例、P+AZA群146例)のうち、治験実施計画書の改訂前に組み入れられた2例を除く431例が有効性の解析対象とされたb:層別Cox比例ハザードモデルにより算出c:層別log-rank検定(有意水準:両側0.02)d:無作為化された228例(V+AZA群148例、P+AZA群80例)のうち、治験実施計画書の改訂前に組み入れられた2例を除く226例が有効性の解析対象とされたe:二項分布に基づく正確な信頼区間f:Cochran-Mantel-Haenszel検定(有意水準:両側0.01)
本剤を投与されたV+AZA群283例のうち、241例(85.2%)にベネトクラクスとの因果関係のある副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少症101例(35.7%)、血小板減少症96例(33.9%)、発熱性好中球減少症79例(27.9%)等であった25),26) (データカットオフ日:2020年1月4日)。,
強力な寛解導入療法の適応とならない未治療の急性骨髄性白血病患者211例(日本人患者27例を含む)を対象とし、本剤及び低用量シタラビンの併用療法(V+LDAC)をプラセボ及び低用量シタラビンの併用療法(P+LDAC)と比較するランダム化二重盲検第Ⅲ相試験である。第1、2、3及び4日目にそれぞれ本剤100、200、400及び600mg又はプラセボを1日1回経口投与した後、本剤600mg又はプラセボを1日1回継続投与した。低用量シタラビンは28日を1サイクルとし、各サイクルの1~10日目に20mg/m2を1日1回皮下投与した。主要評価項目である全生存期間(OS)において、V+LDAC群はP+LDAC群に対して統計学的に有意な延長を示さなかった(データカットオフ日:2019年2月15日)。なお、治験責任医師判定の複合的完全寛解(完全寛解[CR]+血球数回復が不完全な完全寛解[CRi])率は、V+LDAC群では47.6%(68/143例)(95%信頼区間:39.1-56.1%)、P+LDAC群では13.2%(9/68例)(95%信頼区間:6.2-23.6%)であった。
V+LDAC群
P+LDAC群
143
68
86
47
全生存期間中央値(月)(95%信頼区間)
7.2(5.6-10.1)
4.1(3.1-8.8)
0.749(0.524-1.071)
p=0.114
a:層別Cox比例ハザードモデルにより算出b:層別log-rank検定(有意水準:両側0.044)
本剤を投与されたV+LDAC群142例のうち、106例(74.6%)にベネトクラクスとの因果関係のある副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少症49例(34.5%)、血小板減少症45例(31.7%)、悪心39例(27.5%)等であった27),28)(データカットオフ日:2019年8月15日)。,
ベネトクラクスは抗アポトーシス作用を有するBcl-2に結合し、抗アポトーシス作用を阻害することによりアポトーシスを誘導すると考えられる29)。
ベネトクラクスは慢性リンパ性白血病(CLL)患者由来CLL細胞に対して増殖抑制作用を示した30)。
ベネトクラクス (Venetoclax) [JAN]
4-(4-{[2-(4-クロロフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)-N-[(3-ニトロ-4-{[(オキサン-4-イル)メチル]アミノ}フェニル)スルホニル]-2-[(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)オキシ]ベンズアミド
C45H50ClN7O7S
868.44
淡黄色~黄色又は暗黄色の粉末である。
7錠[1錠(PTP)×7]
7錠[7錠(PTP)×1]
1) 社内資料:反復投与毒性試験(2019年9月20日承認,CTD 2.6.6.3)
2) 社内資料:生殖発生毒性試験(2019年9月20日承認,CTD 2.6.6.6)
3) 社内資料:分布・排泄に関する検討(2019年9月20日承認,CTD 2.6.4.4)
4) Seymour JF, et al.: N Engl J Med. 2018;378:1107-1120
5) 社内資料:海外第Ⅰ相試験(M12-175試験)(2019年9月20日承認,CTD 2.7.2.2)
6) 社内資料:国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(M13-834試験)(2019年9月20日承認,CTD 2.7.2.2、2.7.3.1)
7) 社内資料:国内第Ⅱ相試験(M20-075試験)(2025年3月27日承認,CTD 2.7.2.2)
8) 社内資料:海外第Ⅰ/Ⅱ相試験(M14-387試験)(2021年3月23日承認,CTD 2.7.2.2)
9) 社内資料:食事の影響に関する試験(2019年9月20日承認,CTD 2.7.2.3)
10) 社内資料:代謝に関する検討(2019年9月20日承認,CTD 2.6.4.5)
11) 社内資料:マスバランス試験(2019年9月20日承認,CTD 2.7.2.2)
12) 社内資料:肝機能障害患者における試験(2019年9月20日承認,CTD 2.7.2.2)
13) 社内資料:ケトコナゾールとの薬物相互作用試験(2019年9月20日承認,CTD 2.7.2.2)
14) 社内資料:リトナビルとの薬物相互作用試験(2019年9月20日承認,CTD 2.7.2.2)
15) 社内資料:リファンピシンとの薬物相互作用試験(2019年9月20日承認,CTD 2.7.2.2)
16) 社内資料:アジスロマイシンとの薬物相互作用試験(2019年9月20日承認,CTD 2.7.2.2)
17) 社内資料:ワルファリンとの薬物相互作用試験(2019年9月20日承認,CTD 2.7.2.2)
18) 社内資料:ジゴキシンとの薬物相互作用試験(2019年9月20日承認,CTD 2.7.2.2)
19) 社内資料:海外第Ⅰb相(M14-358)試験(2021年3月23日承認,CTD 2.7.2.2)
20) 社内資料:生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション(2019年9月20日承認,CTD 2.7.2.3)
21) 社内資料:トランスポーターを介した薬物相互作用試験(2019年9月20日承認,CTD 2.6.4.7)
22) 社内資料:海外第Ⅲ相試験(MURANO試験)(2019年9月20日承認,CTD 2.7.3.1)
23) 社内資料:海外第Ⅲ相試験(SYMPATICO試験)(2025年3月27日承認,CTD 2.7.3)
24) 社内資料:国内第Ⅱ相試験(M20-075試験)(2025年3月27日承認,CTD 2.7.3)
25) DiNardo CD, et al.: N Engl J Med. 2020;383:617-629
26) 社内資料:海外第Ⅲ相試験(VIALE-A[M15-656]試験)(2021年3月23日承認,CTD 2.7.3)
27) Wei AH, et al.: Blood. 2020;135:2137-2145
28) 社内資料:海外第Ⅲ相試験(VIALE-C[M16-043]試験)(2021年3月23日承認,CTD 2.7.3)
29) 社内資料:in vitro薬理試験(2019年9月20日承認,CTD 2.6.2.2)
30) 社内資料:ex vivo薬理試験(2019年9月20日承認,CTD 2.6.2.2.3)
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