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劇薬
処方箋医薬品注)
HIV感染症
通常、成人にはリトナビルとして1回600mg(本剤6錠)を1日2回食後に経口投与する。ただし、投与初日は1回300mgを1日2回、2日目、3日目は1回400mgを1日2回、4日目は1回500mgを1日2回、5日目以降は1回600mgを1日2回食後に経口投与する。投与に際しては、必ず他の抗HIV薬と併用すること。
投与日
1回投与量
1日投与回数
1日投与量
投与初日
300mg(本剤3錠)
2回
600mg
2日目、3日目
400mg(本剤4錠)
800mg
4日目
500mg(本剤5錠)
1,000mg
5日目以降
600mg(本剤6錠)
1,200mg
本剤投与による治療中の血友病患者において、突発性の出血性関節症をはじめとする出血事象の増加が報告されている。
本剤は軽度の無症候性PR間隔の延長が認められている。,
肝機能障害を増悪させるおそれがある。
投与しないこと。コルヒチンの血中濃度が上昇するおそれがある。,
本剤は主に肝臓で代謝されるため、高い血中濃度が持続するおそれがある。また、トランスアミナーゼの上昇を合併している患者では肝機能障害を増悪させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で、胎盤を通過して胎児へ移行することが報告されている。
授乳を避けさせること。米国疾病管理センター(CDC)は、HIV伝播を避けるため、HIVに感染している女性は授乳を避けるよう勧告している。リトナビルはヒト乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
用量に留意して慎重に投与すること。本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。
不整脈、血液障害、血管攣縮等、これら薬剤による重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象が起こるおそれがあるので併用しないこと。
本剤のチトクロームP450に対する競合的阻害作用により、併用した場合これらの薬剤の血中濃度が大幅に上昇することが予測される。
ベネトクラクスの再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期に本剤を併用した場合、腫瘍崩壊症候群の発現が増強されるおそれがある。
本剤がCYP3Aにおけるベネトクラクスの代謝を競合的に阻害するためと考えられている。
過度の鎮静や呼吸抑制等が起こるおそれがあるので併用しないこと。
本剤のチトクロームP450に対する競合的阻害作用により、併用した場合これらの催眠鎮静薬及び抗不安薬の血中濃度が大幅に上昇することが予測される。
ボリコナゾールの血中濃度が低下したとの報告があるので併用しないこと。
本剤のチトクロームP450の誘導作用によるものと考えられている。
,,
これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。これら薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがあるため、充分な観察を行いながら慎重に投与し、必要に応じて減量や休薬等の適切な措置を講ずること。
本剤がCYP3Aにおけるこれら薬剤の代謝を競合的に阻害するためと考えられている。
これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。これら薬剤との併用において、クッシング症候群、副腎皮質機能抑制等が報告されているので、併用は治療上の有益性がこれらの症状発現の危険性を上回ると判断される場合に限ること。
これら薬剤の血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。本剤からCYP3A阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する際には、これら薬剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
ベネトクラクスの再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期又は急性骨髄性白血病に対してベネトクラクス投与中に本剤を併用した場合、ベネトクラクスの副作用が増強されるおそれがあるので、ベネトクラクスを減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
アパルタミドの血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。また、本剤の血中濃度が減少するおそれがある。本剤からCYP3A阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する際には、アパルタミドの減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現や本剤の効果の減弱に十分注意すること。
本剤がCYP3Aによるアパルタミドの代謝を競合的に阻害するため。また、アパルタミドがCYP3Aを誘導するため。
ワルファリンの血中濃度に影響を与えるおそれがある。頻回なINRのモニタリングを行うことが望ましい。
肝薬物代謝酵素の関与が考えられるが機序不明。
これら薬剤の血中濃度が減少するおそれがある。これら薬剤の増量が必要となる場合がある。
本剤がこれら薬剤の肝薬物代謝酵素を誘導するためと考えられている。
本剤の血中濃度が減少するおそれがある。
リファンピシンがCYP3Aを誘導するためと考えられている。
本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。
セイヨウオトギリソウにより誘導された肝薬物代謝酵素(チトクロームP450)が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
これら薬剤がCYP3Aにおける本剤の代謝を競合的に阻害するためと考えられている。
喫煙により本剤のAUCが減少するおそれがある。
機序不明
本剤との併用によりジドブジンのCmax及びAUCがそれぞれ減少するとの報告がある。
本剤がグルクロン酸抱合を促進するためと考えられている。
これら薬剤の血中濃度が低下するおそれがある。
ネビラピンがCYP3Aを誘導するためと考えられている。
本剤及びエファビレンツの血中濃度が上昇するおそれがある。高頻度に有害事象が発生する可能性があるので、臨床検査値等のモニタリングを行いながら慎重に投与すること。
リオシグアトの血中濃度が上昇するおそれがある。本剤との併用が必要な場合は、患者の状態に注意し、必要に応じてリオシグアトの減量を考慮すること。
本剤のCYP1A1及びCYP3A阻害によりリオシグアトのクリアランスが低下する。
ジゴキシンの血中濃度が有意に増加したとの報告がある。ジゴキシンの血中濃度モニタリングを行うなど注意すること。
本剤のP-gp阻害作用によるものと考えられている。
ロペラミドの血中濃度が上昇するおそれがある。
アファチニブの血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。本剤はアファチニブと同時かアファチニブ投与後に投与すること。
ロスバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがある。
本剤のBCRP阻害作用が関与している可能性がある。
グレカプレビル及びピブレンタスビルの血中濃度が上昇するおそれがある。
本剤のP-gp又はBCRP阻害作用によるものと考えられる。
トラゾドンの血中濃度が上昇し、悪心、めまい、低血圧、失神を起こす可能性があるので、本剤と併用する場合は、患者の状態に注意し、必要に応じてトラゾドンの減量等を考慮すること。
本剤がCYP3Aにおけるトラゾドンの代謝を競合的に阻害するためと考えられている。
,
PR間隔が延長するおそれがある。
本剤は軽度の無症候性PR間隔の延長が認められている。
エトラビリンの血中濃度が低下したとの報告がある。本剤600mg1日2回との併用は推奨されない。
本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用によるものと考えられている。
ネルフィナビルの血中濃度が上昇するとの報告がある。
本剤がCYP3Aによるこれら薬剤の代謝を競合的に阻害するためと考えられている。
これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
マラビロクの血中濃度が上昇するおそれがある。
ホスタマチニブの活性代謝物であるR406の血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。併用時には患者の状態を慎重に観察して副作用の発現に十分注意し、必要に応じてホスタマチニブの減量を考慮すること。
本剤がCYP3Aにおけるホスタマチニブの代謝を競合的に阻害するためと考えられている。
下痢等に伴い、脱水、電解質異常があらわれることがある。
高血糖、糖尿病及び糖尿病の悪化があらわれることがある。
アナフィラキシー、蕁麻疹、皮疹、気管支痙攣、血管性浮腫を含む過敏症状があらわれることがある。
出血事象があらわれた場合には血液凝固因子を投与するなど適切な処置を行うこと。
2%以上
2%未満
頻度不明
消化器
悪心(47.5%)下痢(44.9%)嘔吐(23.6%)腹痛(11.6%)消化不良(9.4%)食欲不振(8.9%)鼓腸(4.3%)口渇(2.9%)げっぷ(2.2%)潰瘍性口内炎(2.0%)
便秘食道炎嚥下障害膵炎
アミラーゼ上昇
精神神経系
異常感覚(21.5%)頭痛(15.5%)めまい(9.3%)傾眠(5.1%)不眠(4.3%)不安(2.7%)
神経過敏倦怠感抑うつ思考異常末梢神経障害異夢失神振戦性欲減退インポテンス
-
感覚器
口周囲感覚異常(26.6%)味覚倒錯(11.4%)知覚過敏(5.1%)
ぶどう膜炎視覚異常眼痛嗅覚錯誤耳鳴
網膜炎
全身症状
無力症(22.3%)発熱(4.8%)疼痛(4.7%)多汗(3.4%)体重減少(2.3%)
悪寒胸痛背部痛インフルエンザ様症候群
体脂肪の再分布/蓄積(胸部、体幹部の脂肪増加、末梢部の脂肪減少、野牛肩)
肝 臓
肝機能検査異常(2.8%)
胆汁うっ滞性黄疸
呼吸器
咽頭炎(9.8%)咳(2.0%)
呼吸困難
過敏症
発疹(7.6%)そう痒(3.8%)
アレルギー反応
循環器
血管拡張(8.8%)
末梢血管障害末梢性浮腫心悸亢進頻脈低血圧
PR間隔延長
代謝・栄養
高脂血症(4.5%)
高コレステロール血症
血中尿酸上昇トリグリセリド上昇
筋骨格
筋肉痛(2.8%)
関節痛関節症筋力低下筋痙直
CK上昇
皮 膚
斑状丘疹性皮疹(2.8%)
皮膚乾燥ざ瘡
血 液
白血球減少貧血リンパ節症血小板減少
好中球減少好酸球増加
腎 臓
排尿障害腎不全腎結石
BUN上昇クレアチニン上昇腎機能障害
本剤の蛋白結合率が高いため、透析による除去効果は低い。
本剤の吸収に影響を与えるおそれがあるので、本剤を噛んだり砕いたりせずそのまま服用すること。
海外において、本剤とサキナビルメシル酸塩を併用中の患者で糖尿病性ケトアシドーシスが発現したとの報告がある。
健康成人男子各6例にリトナビルのカプセル剤100~800mgを空腹時に単回経口投与した場合、リトナビルの血漿中濃度は投与約2~3時間後に最高濃度に達し、3.4~4.8時間の半減期で消失した。Cmax及びAUC0-∞は用量に伴い増加した。
用量
例数
Cmax(μg/mL)
AUC0-∞(μg・hr/mL)
T1/2(hr)
100mg
6
0.63
5.11
4.8
200mg
3.79
22.55
3.4
400mg
10.46
72.74
3.7
15.83
121.43
3.9
20.52
213.80
4.1
注)承認最大用量は1回600mgである。
HIV陽性患者10例にリトナビルのカプセル剤1回600mg、1日2回食後、28日間反復投与した場合、投与21日目のCmaxは11.2μg/mL、AUC0-12は77.5μg・hr/mL、投与直前のトラフ濃度は3.5μg/mLであった(外国人データ)。
食事はわずかに本剤のバイオアベイラビリティーを低下させる。平均的な食事(857kcal、カロリーの31%が脂肪由来)や高脂肪食(907kcal、カロリーの52%が脂肪由来)の摂取後にリトナビルの錠剤100mg単回投与したところ、空腹時投与と比較してリトナビルのAUCとCmaxは平均20~23%低下した(外国人データ)。
リトナビルの錠剤とカプセル剤をそれぞれ100mg食後単回投与し比較したところ、AUC0-∞は同等であったが、Cmaxは錠剤が26%(92.8%CI:15~39%)上昇した(外国人データ)。
本剤は、0.01~30.0μg/mLの濃度範囲でヒト血漿蛋白質と99%以上結合した。本剤2μg/mLにおけるヒト血液中の血球移行率は11.4%であった(in vitro)。
ヒト肝ミクロソームを用いた試験で、本剤は58.7~60.4%が代謝され、主に3種類の酸化型代謝物を生成することが示された。また、本剤の代謝には主にCYP3A及びCYP2D6が関与することが示された(in vitro)2)。健康被験者に14C標識リトナビルのカプセル剤を単回経口投与し、尿、糞中の代謝物を検索した結果、未変化体及び主に4種類の酸化型代謝物が確認された。,,
健康被験者に14C標識リトナビルのカプセル剤600mgを単回経口投与した場合、投与後148時間までに、投与した放射能の86.4%が糞中へ、11.3%が尿中へそれぞれ排泄された。また、未変化体約33.8%が糞中へ、約3.5%が尿中へ排泄された(外国人データ)。
本剤はCYP3Aと特に強い親和性を示し2)、CYP3Aで酸化される種々の併用薬剤の代謝を競合的に阻害する。本剤はグルクロン酸抱合を促進し、CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19を誘導することがわかっている。併用薬剤の血中濃度を低下させ、薬効が減弱する場合には併用薬剤の用量調節が必要となる可能性がある。,,
本剤と併用する可能性の高い薬剤について、それら薬剤の血中濃度(AUC)への影響を以下に示す。
薬効分類
予測される影響の程度
併用禁忌
AUC著明増加(>3倍)
AUC中等度増加(1.5~3倍)
AUC中等度増加あるいは減少
不明
AUC減少の可能性
麻薬性鎮痛薬
フェンタニルアルフェンタニル
オキシコドントラマドールハイドロコドンプロポキシフェン
レボメタジル(LAAM)
コデインモルヒネハイドロモルフォンメペリジンメサドン
非ステロイド性鎮痛薬
ジクロフェナクフルルビプロフェンイブプロフェンインドメタシン
ナブメトンスリンダク
ケトプロフェンナプロキセンケトロラク
抗不整脈用薬
アミオダロンフレカイニドプロパフェノンキニジンエンカイニド
リドカイン
ジソピラミドメキシレチン
トカイニド
気管支拡張薬
テオフィリン
マクロライド系抗生物質
エリスロマイシン
クラリスロマイシン
抗てんかん薬
カルバマゼピン
クロナゼパムエトスクシミド
フェノバルビタール
ジバルプロックスラモトリギンフェニトイン
三環系抗うつ薬
アミトリプチリンクロミプラミンイミプラミンマプロチリンノルトリプチリントリミプラミンデシプラミン
ドキセピン
抗うつ薬
ネファゾドンセルトラリン
フルオキセチンパロキセチンベンラファキシン
フルボキサミン
ブプロピオン
止瀉薬
ジフェノキシレート
制吐薬
オンダンセトロンドロナビノール
プロクロルペラジンプロメタジン
メトクロプラミド
抗真菌薬
ボリコナゾール
イトラコナゾールケトコナゾールミコナゾール
抗ヒスタミン薬
ロラタジン
血圧降下薬排尿障害改善薬
アルフゾシン
ロサルタン
ドキサゾシンプラゾシンテラゾシン
抗結核薬
リファブチン
エチオナミド
抗原虫薬駆虫薬
キニーネ
プログアニル
アルベンダゾールメトロニダゾールピリメタミンクロロキンプリマキントリメトレキセート
アトバクオン
消化性潰瘍用薬
ランソプラゾールオメプラゾール
β遮断薬
メトプロロールペンブトロールピンドロールチモロール
プロプラノロール
ベタキソロール
カルシウム拮抗薬
ベプリジルアゼルニジピン
アムロジピンジルチアゼムフェロジピンニカルジピンニフェジピンニソルジピンニトレンジピンベラパミルニルバジピンイスラジピンニモジピン
腫瘍用薬
タモキシフェントレミフェン
エトポシドビンブラスチンビンクリスチンパクリタキセル
シクロホスファミドイホスファミド
ダウノルビシンドキソルビシン
麦角アルカロイド誘導体
ジヒドロエルゴタミンエルゴタミンエルゴメトリンメチルエルゴメトリン
ブロモクリプチン
メチセルジド
循環改善薬
ペントキシフィリン
血液凝固阻止薬
リバーロキサバン
糖尿病治療用薬
トルブタミドグリメピリドグリピジドグリブリド
高脂血症治療用薬
シンバスタチンロバスタチンアトルバスタチン
ゲンフィブロジル
クロフィブラート
免疫抑制薬
シクロスポリンタクロリムス水和物シロリムスエベロリムス
精神神経用薬
ピモジドブロナンセリン
クロルプロマジンハロペリドールペルフェナジンリスペリドンチオリダジン
PDE5阻害薬
バルデナフィルシルデナフィル(レバチオ)タダラフィル(アドシルカ)
シルデナフィル(バイアグラ)タダラフィル(シアリス、ザルティア)アバナフィル
催眠鎮静薬抗不安薬
クロラゼプ酸ジアゼパムエスタゾラムフルラゼパムミダゾラムトリアゾラム
ブスピロン
ゾルピデム
ロラゼパムオキサゾラムプロポフォールテマゼパム
ステロイド薬
デキサメタゾン
プレドニゾン
中枢神経興奮薬
メタンフェタミンデキスフェンフルラミン
メチルフェニデート
国内未発売の薬剤を含む
インジナビル:健康被験者(n=8)を対象とした試験において、リトナビルのカプセル剤400mgBIDとインジナビル(IDV)400mgQDの併用では、IDV単独投与(400mgQD)と比較して、IDVのAUCが5.5倍、Cmaxが2.1倍、Cminが13.3倍に上昇した(外国人データ)。ネルフィナビル:HIV感染症患者(n=10)を対象とした試験において、ネルフィナビル(NFV)750mgBIDとリトナビルのカプセル剤400mgBIDとの併用はNFV単独投与(750mgTID)と比較して、NFVのAUC(160%)、Cmax(121%)、Ctrough(123%)が上昇した。M8(NFVの活性代謝物)のAUCは347%上昇した(外国人データ)。
ラルテグラビル:臨床的に影響のある相互作用は認められていない(外国人データ)。
本剤の吸収に対する制酸剤の影響は検討されていない。
試験112(カプセル剤):成人のHIV感染症患者84例を対象として、本剤の各用量群(300mgBID群、400mgBID群、500mgBID群、600mgBID群)、もしくはプラセボ投与群に無作為に割り付け、28日間投与による多施設二重盲検試験を実施した。28日後の本剤投与群の血中HIV-RNA量は、投与前値と比べて0.73~1.11 log copies/mL減少し、またCD4リンパ球数は、投与前値と比べ70~140/μL増加し、プラセボ投与群に比べ有意に改善した3)。主な有害事象は300mgBID群、400mgBID群、500mgBID群においてはいずれも下痢(各4/13例(31%)、7/13例(54%)、7/15例(47%))等であり、600mgBID群においては下痢、口周囲感覚異常各7/15例(47%)であった。
試験169(カプセル剤):試験112に引き続き長期投与試験を実施した。同一患者に前試験と同じ用法・用量を継続して投与し、プラセボを投与していた患者には同じ群の本剤の用量を割り付け、計76例を対象とした。本剤の用量が多いほど血中HIV-RNA量の減少及びCD4リンパ球数の増加が長期間持続する傾向がみられた。主な有害事象は300mgBID群、400mgBID群、500mgBID群においてはいずれも下痢(各9/17例(53%)、11/17例(65%)、12/21例(57%))等であり、600mgBID群においては下痢12/21例(57%)、口周囲感覚異常11/21例(52%)であった。
試験134X(カプセル剤):成人のHIV感染症患者67例を対象として、本剤の各用法・用量群(200mgTID群、200mgQID群、300mgTID群、300mgQID群、600mgBID群)に割り付け、52週間投与による多施設臨床試験を実施した。52週投与期間中、血中HIV-RNA量の減少はいずれの用量群でもみられたが、高用量群で血中HIV-RNA量の減少が長期間持続する傾向がみられた。また、CD4リンパ球数の増加はいずれの用量群でもみられたが、投与量が多いほどCD4リンパ球数の増加が長期間持続する傾向がみられた。主な有害事象は200mgTID群、200mgQID群、300mgTID群、300mgQID群においてはいずれも下痢(各12/16例(75%)、11/15例(73%)、13/15例(87%)、10/15例(67%))、600mgBID群においては悪心5/6例(83%)等であった。
試験247(カプセル剤):過去9ヵ月以上逆転写酵素阻害薬(単独又は併用)を服用中の12才以上のHIV感染症患者1,090例を対象として、本剤600mgBID投与群、もしくはプラセボ投与群に無作為に割り付け、16週間投与による多施設二重盲検試験を国際共同臨床試験として実施した。なお、従来からの逆転写酵素阻害薬の治療はそのまま継続した。16週投与期間中の本剤投与群では、平均血中HIV-RNA量は有意に減少し(事前に定めた本剤投与群80例、プラセボ投与群79例を評価:図1)、平均CD4リンパ球数は有意に増加した(事前に定めた本剤投与群108例、プラセボ投与群103例を評価:図2)。このうち、HIV-RNA量が投与前値より90%以上減少した症例の割合は、本剤投与群で45%、プラセボ投与群では0%であった。また、CD4リンパ球数が投与前値より50/μL以上増加した症例の割合は、本剤投与群で29%、プラセボ投与群では2%であり、CD4リンパ球数が25/μL以上増加した症例の割合は、本剤投与群で45%であった。また、症状の進行度は本剤投与群がプラセボ群に比し進行のリスクを56%(P<0.01)減少させた(図3)。
本剤投与群(541例)における主な有害事象は、下痢287例(53.0%)、嘔気275例(50.8%)、嘔吐152例(28.1%)、口周囲感覚異常139例(25.7%)、手足の感覚異常103例(19.0%)等であった。
健康成人45例にリトナビルのカプセル剤400mgBIDを3日間(4回)投与したときのQTcF間隔変化の最大平均値(及び95%上限信頼限界値)は5.5(7.6)msecであった。QTcF間隔がベースラインから60msec以上変化したか500msecを超えた例はなかった。また、3日目において軽度のPR間隔延長が認められた。最大PR間隔は252msecであった(外国人データ)。,
本剤は、HIV-1及びHIV-2のプロテアーゼの活性を競合的に阻害し、HIVプロテアーゼによるgag-pol蛋白質前駆体の産生を抑制することで抗ウイルス作用を示す。X線結晶解析で、本剤は基質遷移状態アナログとしてHIVアスパルティックプロテアーゼの活性部位Asp-Thr-Gly配列に直接的に結合することが示されている4)。本剤は、HIVプロテアーゼに対する選択的親和性を有し、ヒトのアスパルティックプロテアーゼに対してはほとんど阻害作用を示さない。
ヒトTリンパ球細胞株(MT-4)における本剤のHIV-1分離株(IIIB、MN、RF、TR17)及びHIV-2分離株(MS)に対するIC50値は、それぞれ0.014~0.108μM及び0.242μMであった。HIV感染者の末梢血リンパ球を用いp24抗原産生阻害を指標にしたIC50は、0.015~0.153μMであり、同様の本剤によるHIV-1感染の阻害が認められた。また、患者13人より分離された臨床分離株の平均IC50は、0.022μMであった(in vitro)。
HIV逆転写酵素阻害薬AZT耐性株に対し、本剤は感受性を示し、交差耐性は認められなかった。本剤への耐性は、ウイルス・プロテアーゼ遺伝子の共通塩基配列Bによって規定されるアミノ酸のうち、主としてI84VとV82Fの変異により生じる。I84Vの変異では、IC90が約10倍、V82Fでは約4倍増加した。V82部位の変異頻度は10-4と計算されている(in vitro)5),6),7)。
リトナビル(Ritonavir)[JAN]
(+)-5-thiazolylmethyl[(αS)-α-[(1S,3S)-1-hydroxy-3-[(2S)-2-[3-[(2-isopropyl-4-thiazolyl)methyl]-3-methylureido]-3-methylbutyramido]-4-phenylbutyl]phenethyl]carbamate
C37H48N6O5S2
720.94
白色~淡黄褐色の粉末で、柔らかい塊を含むこともある。
30錠[瓶、バラ]
1) **Zha, J., et al.:Pharmacol. Res. Perspect. 2022;10(6):e01024
2) Kumar, G. N., et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther. 1996;277:423-431
3) Danner, S. A., et al.:N. Engl. J. Med. 1995;333:1528-1533
4) Kempf, D. J., et al.:Proc. Natl. Acad. Sci. 1995;92:2484-2488
5) Gulnik, S. V., et al.:Biochemistry 1995;34:9282-9287
6) Molla, A., et al.:Nature Med. 1996;2:760-766
7) Schmit, J.-C., et al.:AIDS 1996;10:995-999
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