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10mL
劇薬
処方箋医薬品注)
100mL
術後鎮痛
手術終了時に、通常、成人に6mL/h(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)12mg/h)を硬膜外腔に持続投与する。なお、期待する痛覚遮断域、手術部位、年齢、身長、体重、全身状態等により4~10mL/hの範囲で適宜増減する。
硬膜外麻酔により病状が悪化するおそれがある。
やむを得ず投与する場合は観察を十分に行うこと。出血しやすく、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがある。
やむを得ず投与する場合は患者の全身状態の観察を十分に行うこと。脊髄や神経根の損傷のおそれがあり、また麻酔範囲の予測も困難である。
投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行うこと。仰臥位性低血圧を起こすことがあり、麻酔範囲が広がりやすい。麻酔中はさらに増悪することがある。
患者の全身状態の観察を十分に行うこと。血圧低下や病状の悪化が起こりやすい。
生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。
症状を悪化させることがある。
中毒症状が発現しやすくなる。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行う等、慎重に投与すること。一般に麻酔範囲が広がりやすく、生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下している。
CYP1A2阻害剤
本剤の血中濃度が上昇することがある。本剤とフルボキサミンとの併用で、本剤のクリアランスの低下が報告されている。また、他のCYP1A2代謝剤とエノキサシンとの併用でも同様のクリアランスの低下が報告されている。
本剤の代謝には主にCYP1A2が関与しているため、左記薬剤のようなCYP1A2阻害剤との併用で、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇するおそれがある。
クラスⅢ抗不整脈剤
心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行うこと。
作用が増強することが考えられる。
他のアミド型局所麻酔薬
中毒症状が発現するおそれがある。
相加的に作用する。
徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こすおそれがある。
意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。,
注射針又はカテーテルの留置時に神経(神経幹、神経根)に触れることにより一過性の異常感覚が発現することがある。また、神経が注射針や薬剤あるいは虚血によって障害を受けると、まれに持続的な異常感覚、疼痛、知覚障害、運動障害、硬膜外麻酔及び術後鎮痛では膀胱直腸障害等の神経学的疾患があらわれることがある。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
循環器
血圧低下(28.3%)
徐脈、頻脈、心室性不整脈
血圧上昇、洞性不整脈
呼吸器
SpO2低下、呼吸困難
中枢・末梢神経系
下肢知覚異常、運動障害
昏迷
不安、めまい、頭痛、振戦、攣縮、異常感覚、言語障害、口唇しびれ感、全身しびれ感、譫妄
消化器
嘔気
嘔吐
過敏症
蕁麻疹、血管浮腫
泌尿器
排尿困難
尿閉
その他
発熱(11.3%)
戦慄、低体温、硬結性紅斑
悪寒、顔面潮紅、結膜充血、耳鳴、ホルネル症候群
局所麻酔剤の過量投与や血管内誤投与又は非常に急速な吸収等による血中濃度の上昇に伴い、中毒が発現する。特に血管内誤投与となった場合には、数分以内に発現することがある。その症状は、主に中枢神経系及び心血管系の症状としてあらわれる。また、腕神経叢ブロックや坐骨神経ブロック等の伝達麻酔や硬膜外麻酔で、蘇生術が困難及び死亡に至った報告がある。,
初期症状として視覚障害、聴覚障害、口周囲の知覚麻痺、眩暈、ふらつき、不安、刺痛感、感覚異常があらわれる。また、構音障害、筋硬直、攣縮等があらわれる。症状が進行すると意識消失、全身痙攣があらわれ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じるおそれがある。より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある。
血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系の抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等があらわれる。これらの心血管系の症状は、鎮静下又は全身麻酔下において、中枢神経系症状を伴わずに発生することがある。
振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。
ロピバカイン塩酸塩水和物はpH6以上で溶解性が低下する。本剤をアルカリ性溶液と混合することにより、沈殿を生じる可能性があるので、注意すること。
1アンプル又は1バッグを複数の患者に使用しないこと。
残液は廃棄すること。
ロピバカイン塩酸塩150及び200mgを手術患者の硬膜外に投与注1)したとき、血漿中未変化体濃度は約0.5時間後に最高濃度に達し、約5.5時間のみかけの半減期で血漿から消失した(図1及び表1)1),2)。
投与量
150mg、7.5mg/mL、20mL(n=12)
200mg、10mg/mL、20mL(n=11)
Tmax(hr)
0.53±0.31
0.36±0.26
Cmax(μg/mL)
1.06±0.32
2.06±0.61
T1/2(hr)
5.99±1.92
4.96±1.28
AUC0-∞(μg・hr/mL)
8.65±4.41
12.50±5.12
(平均値±標準偏差)
術後手術患者にロピバカイン塩酸塩を20mg/hの速度で21時間硬膜外持続投与した場合、血漿中未変化体濃度は緩やかに上昇し、投与終了時に約1.3μg/mLの最高濃度に達した後、速やかに消失した3)。
健康成人(外国人)にロピバカイン塩酸塩20、40、80mgを30分間かけて静脈内注入終了時注1)の体内動態は線形性を示すと考えられ、投与終了時の平均血漿中未変化体濃度は0.6、1.0、1.9μg/mL、消失半減期は1.7時間、定常状態分布容積は約40L、血漿クリアランスは約0.4L/分、腎クリアランスは約1.5mL/分であった4)。
健康成人(外国人)にロピバカイン塩酸塩150mgを硬膜外投与時注1)のバイオアベイラビリティは約90%であり、硬膜外腔から体循環血への吸収は2相性で、吸収半減期はそれぞれ約14分と約4時間であった5)。
健康成人(外国人)へのロピバカイン塩酸塩50mg静脈内投与後注1)の血漿蛋白結合率は94%であり6)、血清中の結合蛋白はα1-酸性糖蛋白及び血清アルブミンであった7)。血球への分布はわずかであった。妊婦(外国人)にロピバカイン塩酸塩150mgを硬膜外投与注1)したとき、臍帯静脈血漿中濃度は母体血漿中濃度の約30%で、ロピバカインの胎盤通過が認められた8)。
健康成人(外国人)に14C-ロピバカイン塩酸塩50mgを静脈内投与後注1)の尿中主代謝物は、芳香環の3位水酸化体で、その他に2位メチル水酸化体、N-脱プロピル体、4位水酸化体が検出され、未変化体は約1%であった9)。代謝にはチトクロームP450のCYP3A4及び1A2が関与する10),11)。
健康成人(外国人)に14C-ロピバカイン塩酸塩50mgを静脈内投与後注1)96時間までに、投与放射能の86%が尿中に、8%が糞中に排泄された9)。
健康成人(外国人)の成績では、フルボキサミン(CYP1A2の阻害剤)を経口併用時にロピバカイン40mgを静脈内持続注入(20分間)注1)したとき、ロピバカインのCLは約70%低下し、消失半減期は約2倍に延長(3.6時間)したが、最高血漿中濃度は1.5μg/mLと、ロピバカイン単独投与時(1.2μg/mL)に比し1.2倍に上昇した程度であった。臨床使用上問題となるような有害事象は発現しなかった11)。また、ケトコナゾール(CYP3A4の阻害剤)を経口併用時にロピバカイン40mgを静脈内持続注入注1)しても、薬物動態パラメータに有意な変動はみられなかった11)。
2mg/mL製剤(穿刺部位:L1-2、投与速度:4、6及び10mL/h)の21時間持続硬膜外投与時の一般臨床試験で、持続投与開始時に約16分節あった無痛域は、持続投与開始21時間後には4mL/h群で3.6±2.6分節、6mL/h群で7.6±3.8分節、10mL/h群で9.5±4.2分節であり(図3)、持続投与開始21時間後に運動神経遮断が消失した症例の割合は、4mL/h群で90.5%(19/21例)、6mL/h群で68.0%(17/25例)、10mL/h群で60.0%(12/20例)であった。副作用は40.0%(30/75例)に認められ、主な副作用は血圧低下21.3%(16/75例)、発熱14.7%(11/75例)であった3)。
ロピバカイン塩酸塩は、局所麻酔薬では最初のS(-)-エナンチオマーで、脂質親和性が比較的低く、アミド型の長時間作用性局所麻酔薬に属する12)。本薬はS(-)-エナンチオマーであるため、神経膜ナトリウムチャンネルに対する作用選択性が高く、心筋ナトリウムチャンネルへの作用は弱い13)。これに対し、同じ長時間作用性のブピバカイン塩酸塩はラセミ体でかつ脂質親和性が高いため、神経膜のナトリウムチャンネルばかりでなく心筋ナトリウムチャンネルへの作用も強く持続的である13)。また、ブピバカイン塩酸塩は脂質親和性が高いため、運動神経の厚い髄鞘・神経膜、並びに、血液脳関門を透過しやすく、持続的で強い運動神経遮断作用及び中枢作用(痙攣誘発作用)を示すと考えられる。これら作用様式の違いにより、髄鞘が無いか又は薄い痛覚神経に対する本薬の遮断作用はブピバカイン塩酸塩と同程度で、運動神経に対する遮断作用はブピバカイン塩酸塩に比べて弱く、高用量の静脈内投与時の痙攣誘発作用及び不整脈誘発作用はブピバカイン塩酸塩に比べて弱いと考えられる。
イヌ14)及びヒツジ15)への硬膜外投与において、本薬(5及び7.5mg/mL)の硬膜外麻酔作用の持続時間はブピバカイン塩酸塩(5及び7.5mg/mL)と同程度であった。モルモット坐骨神経及び腕神経叢16)において、本薬(5mg/mL)の伝達麻酔作用の持続時間はブピバカイン塩酸塩(5mg/mL)と同程度であった。
ウサギ副交感神経標本において、ロピバカインはC線維(無髄線維;主として痛覚神経)の活動電位に対してブピバカインと同程度の抑制作用を示したが、A線維(有髄線維;主として運動神経)の活動電位に対する抑制作用はブピバカインに比べて弱かった17)。また、下腹部開腹手術患者にロピバカイン塩酸塩2mg/mL製剤を持続硬膜外投与した結果、安定した痛覚遮断効果が得られたが、投与終了時の運動神経遮断の程度は弱かったことから、術後鎮痛に有用であると考えられた18)。
静脈内投与試験における本薬の痙攣誘発作用(ラット19)、イヌ20)及びヒツジ21))及び不整脈誘発作用(イヌ20))はブピバカイン塩酸塩よりも弱かった。また、健康成人男子(外国人)に本剤を静脈内持続投与し、ブピバカイン塩酸塩と比較した結果、本剤は中枢神経系及び心循環器系への影響がブピバカイン塩酸塩よりも弱く、忍容性の高いことが認められた22),23)。
イヌへの硬膜外投与試験において、本薬(10mg/mL)は投与前値に比べて血圧を31%低下させ、ブピバカイン塩酸塩(7.5mg/mL)は25%低下させたが、両群間に統計的に有意な差は認められなかった24)。一方、患者を対象とした硬膜外麻酔試験において、本剤(5又は7.5mg/mL)は基準値に比べて血圧を約20%低下させ、その作用は同濃度のブピバカイン塩酸塩と同程度であった25)。
ロピバカイン塩酸塩水和物(Ropivacaine Hydrochloride Hydrate)(JAN)
(S)-N-(2,6-Dimethylphenyl)-1-propylpiperidine-2-carboxamide monohydrochloride monohydrate
C17H26N2O・HCl・H2O
328.88
ロピバカイン塩酸塩水和物は白色の結晶性の粉末で、水又はエタノール(99.5)にやや溶けやすく、アセトニトリルに溶けにくい。
約263℃(分解)
薬液の漏出や容器に破損が認められるものは使用しないこと。
[プラスチック製アンプル]10mL×10アンプル[プラスチック製バッグ]100mL×1バッグ
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