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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
再発又は難治性の下記疾患
通常、成人には、ネララビンとして1500mg/m2(体表面積)を1日1回2時間以上かけて点滴静注する。これを1、3、5日目に投与し、その後16日間休薬する。21日間を1クールとして、繰り返す。通常、小児には、ネララビンとして650mg/m2(体表面積)を1日1回1時間以上かけて点滴静注する。これを5日間連日投与し、その後16日間休薬する。21日間を1クールとして、繰り返す。
神経系障害のリスクが高まるおそれがある。
本剤及び本剤の活性代謝物である9-β-D-アラビノフラノシルグアニン(ara-G)は一部腎から排泄されるため、腎機能障害のある患者では血中濃度が上昇するおそれがある。,
本剤は主に肝臓で代謝されるため、肝機能障害のある患者では血中濃度が上昇するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中に本剤を使用するか、本剤を使用中の患者が妊娠した場合は、胎児に異常が⽣じる可能性があることを患者に十分説明すること。動物実験において、妊娠7~19日のウサギに本剤を8時間静脈内持続投与した結果、354mg/m2/日(成人用量の約24%)以上の投与量において、胆嚢無発生、肺分葉異常、胸骨分節の癒合又は過剰及び骨化遅延などの胎児の奇形及び変異の発現が対照群に比べて高い頻度で観察された。また、1180mg/m2/日以上(成人用量の約79%)の投与量においては欠指(第1指)、3540mg/m2/日(成人用量の約2倍)の投与量においては口蓋裂、母動物の体重増加量減少及び胎児体重の低値がみられた。
授乳しないことが望ましい。本剤又は本剤の活性代謝物であるara-Gがヒトの乳汁中に移行するかどうかは不明である。
低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。十分な症例数ではないものの海外臨床試験での探索的な分析の結果、65歳以上で神経系障害の発現率が高い傾向がみられている。
アデノシンデアミナーゼ阻害剤
本剤の作用が減弱するおそれがある。なお、併用した場合の安全性は確認されていない。アデノシンデアミナーゼ阻害剤との併用は避けることが望ましい。
In vitroにおいて併用によりネララビンからara-Gへの変換が阻害されることが示されている。
傾眠(23%)、末梢性ニューロパシー(感覚性及び運動性)(21%)、感覚減退(17%)、錯感覚(15%)及びてんかん様発作(痙攣、大発作痙攣、てんかん重積状態を含む)(1%)があらわれることがある。また、脱髄、ギラン・バレー症候群に類似した上行性の末梢性ニューロパシー、進行性多巣性白質脳症、あるいは致死的なてんかん重積状態も報告されている。,
貧血(99%)、血小板減少症(86%)、好中球減少症(81%)、発熱性好中球減少症(12%)及び白血球減少症(3%注1))があらわれることがある。
敗血症、菌血症、肺炎、真菌感染等の感染症があらわれることがある。本剤投与中に致死的な日和見感染をおこすおそれがある。
高尿酸血症等を伴うことがあるので、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、輸液投与や高尿酸血症治療剤の投与等の適切な処置を行うこと。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
劇症肝炎、AST、ALT上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
10~50%未満
1~10%未満
頻度不明
神経
めまい、頭痛
振戦、運動失調、健忘、味覚異常、平衡障害
-
眼
霧視
呼吸器
胸水、呼吸困難、咳嗽
喘鳴
消化器
下痢、悪心、嘔吐、便秘
食欲不振、口内炎、腹痛
筋骨格
筋痛
筋力低下、関節痛、背部痛、四肢痛
全身
浮腫、末梢性浮腫、疼痛、発熱、疲労、無力症
歩行異常
皮膚
発疹、紅斑
その他
低カリウム血症注1)、低血糖症注2)、低カルシウム血症、低マグネシウム血症、血中クレアチニン増加、低血圧
心室頻拍
過量投与により麻痺、昏睡を含む重度の神経系障害や骨髄抑制が発現し、場合によっては致死的な結果をもたらすおそれもある。
本剤は静脈内にのみ投与すること。
類薬において二次性悪性腫瘍が発生したとの報告がある。
投与量
測定対象
評価日
AUC0-∞(μM・hr)
Cmax(μM)
t1/2(hr)
CLa)(L/hr)
Vssa)(L)
1500mg/m2
ネララビン
1日目
33(18-62)
26(14-49)
0.23(0.16-0.34)
244(134-446)
82(57-117)
5日目
46(29-71)
38(25-57)
0.22(0.13-0.38)
176(112-278)
56(33-98)
ara-G
623(391-992)
132(109-160)
3.0(2.1-4.2)
12.9(8.2-20.3)
55(42-73)
572(368-890)
124(101-153)
2.9(2.0-4.0)
14.1(9.3-21.3)
58(52-65)
1000mg/m2
36(8-156)
28(7-118)
0.30(0.16-0.59)
148(38-582)
65(31-138)
30(9-95)
23(8-69)
0.29(0.15-0.54)
180(60-542)
75(32-171)
441(263-739)
87(65-116)
3.5(2.8-4.5)
12.2(7.7-19.3)
62(31-124)
399(235-677)
83(56-123)
3.4(1.9-6.2)
13.5(8.3-21.9)
67(23-197)
a)ara-GはCL/F及びVss/F
注)本剤の承認用量は1日1回1500mg/m2である。
650mg/m2
25(6-104)
31(7-131)
0.25(0.13-0.47)
91(23-360)
33(7-151)
192(114-325)
64(52-77)
1.7(1.3-2.1)
12.1(7.9-18.5)
28.9(16.6-50.5)
400mg/m2b)
19,-c)
8.4,23.7
0.21,-c)
86.5,-c)
26.5,-c)
78,140
36,45
1.9,2.0
15.9,11.6
43.4,32.9
a)ara-GはCL/F及びVss/F,b)n=2のため、個体値を記載,c)Cmaxしか算出できず
注)本剤の承認用量は1日1回650mg/m2である。
1500mg/m2の投与1日目における白血病芽球内のara-Gの活性5’-三リン酸化体(細胞内ara-GTP)のCmaxは、投与後3~25時間の間に認められ、細胞内ara-GTPのAUC0-tは2214μM・hrで血漿中ネララビンのAUCよりも124倍高く、血漿中ara-GのAUCよりも4倍高かった。白血病芽球の細胞内ara-GTP濃度は、長時間にわたって定量可能であった。ネララビンの反復投与により細胞内ara-GTPが蓄積し、1、3、5日目の隔日投与試験における試験3日目の細胞内ara-GTPのCmax及びAUC0-tは、試験1日目の値よりも各々約50%及び約30%高かった。ネララビン及びara-Gのin vitroでのヒト血漿中蛋白結合率は低く(25%未満)、600μM以下の濃度ではネララビン又はara-Gの濃度に依存しなかった(外国人のデータ)。
ネララビン及びara-Gは、in vitroで、主なヒト肝チトクロームP450(CYP)酵素であるCYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP3A4をいずれも100μMまでの濃度で阻害しなかった。ネララビンの主要代謝経路はara-Gを生成するアデノシンデアミナーゼによるO-脱メチル化であり、ara-Gは加水分解されてグアニンに代謝される。また、ネララビンの一部は加水分解されてメチルグアニンとなり、さらにO-脱メチル化によってグアニンに代謝される。グアニンはN-脱アミノ化によってキサンチンとなり、さらに酸化されて尿酸に代謝される(外国人のデータ)。
ネララビン及びara-Gの一部は腎を経由して排泄された。成人患者における試験1日目のネララビン投与後24時間のネララビン及びara-Gの尿中排泄率は各々投与量の約5%及び約23%であり、ネララビン及びara-Gの腎クリアランスは各々16.4L/hr及び4.9L/hrであった(外国人のデータ)。
ネララビン及びara-Gの薬物動態に関して性差は認められなかった(外国人のデータ)。
ネララビン及びara-Gの薬物動態に及ぼす年齢の影響は認められなかったが、高齢者では腎機能の低下している場合が多いためara-Gのクリアランスが減少する可能性がある(外国人のデータ)。
腎機能障害患者又は血液透析患者を対象としたネララビン及びara-Gの薬物動態試験は実施されていない。ネララビンの腎からの排泄率は低く(投与量の約5%)、ara-Gとしての腎からの排泄率はこれより高い(ネララビン投与量の約23%)。なお、第Ⅰ相臨床試験で薬物動態を検討した成人及び小児患者をクレアチニンクリアランス(CLcr)概算値に基づいて、腎機能正常の患者(CLcr>80mL/分、n=55)、軽度のCLcr低下患者(CLcr=50~80mL/分、n=11)及び中等度のCLcr低下患者(CLcr<50mL/分、n=2)に三区分すると、腎機能正常の患者と比べて、ara-Gの見かけのクリアランスが、軽度のCLcr低下患者では約7%低く、中等度のCLcr低下患者では約20~40%低かった。なお、CLcrが50mL/分未満の腎機能障害患者への推奨用量のデータは十分に得られていない(外国人のデータ)。
難治性の白血病患者を対象として、ネララビン1200mg/m2投与の4時間前にフルダラビン30mg/m2を30分間持続静注した試験では、12例の白血病患者(解析例)における血漿中ネララビン及びara-G又は白血病細胞内ara-GTPの薬物動態にフルダラビンの影響は認められなかった(外国人のデータ)。
海外で実施された再発又は難治性の成人T細胞急性リンパ性白血病ならびにT細胞リンパ芽球性リンパ腫を対象とした第Ⅱ相臨床試験成績は以下のとおりである。
16歳以上注)1500mg/m2(1、3、5日)
寛解導入回数(患者数)
1回(11例)
2回以上(28例)
完全寛解(例数及びその持続期間)
例数(%)[95%信頼区間]
2(18%)[2~52]
5(18%)[6~37]
持続期間(週)
51.0及び212.0
15.1~195.4以上
有害事象発現頻度は97%(38/39例)であった。主な有害事象は、ヘモグロビン減少87%(34/39例)、血小板数減少72%(28/39例)及び好中球数減少64%(25/39例)であった。
海外で実施された再発又は難治性の小児T細胞急性リンパ性白血病ならびにT細胞非ホジキンリンパ腫を対象とした第Ⅱ相臨床試験成績は以下のとおりである。
21歳以下注)650mg/m2(1~5日)
1回(31例)
2回以上(39例)
13(42%)[25~61]
5(13%)[4~27]
0.9~260.0以上
4.7~36.4
有害事象発現頻度は、650mg/m2投与群で79%(66/84例)であった。主な有害事象は、ヘモグロビン減少及び白血球数減少が各38%(32/84例)及び好中球数減少37%(31/84例)であった。
再発又は難治性T細胞急性リンパ性白血病ならびにT細胞リンパ芽球性リンパ腫を対象とした国内第Ⅰ相臨床試験において成人7例(T細胞急性リンパ性白血病患者4例、T細胞リンパ芽球性リンパ腫患者3例)のうち1例で完全寛解が、有効性解析対象集団に含めた小児4例(いずれもT細胞急性リンパ性白血病)のうち2例で完全寛解が得られた。注)臨床検査値異常を含む主な有害事象は以下のとおりであった。成人:7例に認められた臨床検査値異常を含む主な有害事象は、傾眠7例(100%)、悪心5例(71%)、リンパ球数減少、AST増加、ALT増加各4例(57%)であった。小児:6例に認められた臨床検査値異常を含む主な有害事象は、白血球数減少5例(83%)、リンパ球数減少4例(67%)、ヘモグロビン減少、尿潜血陽性、好中球数減少各3例(50%)であった。注)本剤の通常用量は、成人では「ネララビンとして1500mg/m2(体表面積)を1日1回2時間以上かけて点滴静注する。これを1、3、5日目に投与し、その後16日間休薬する。21日間を1クールとして、繰り返す。」、小児では「ネララビンとして650mg/m2(体表面積)を1日1回1時間以上かけて点滴静注する。これを5日間連日投与し、その後16日間休薬する。21日間を1クールとして、繰り返す。」である。通常、15歳未満の患者には、小児に対する用法・用量にて投与すること。
ネララビンはアデノシンデアミナーゼによって速やかにara-Gに脱メチル化された後、デオキシグアノシンキナーゼ及びデオキシシチジンキナーゼによって細胞内で5’-一リン酸化体にリン酸化される。5’-一リン酸化体はさらに細胞内で活性5’-三リン酸化体のara-GTPにリン酸化される3)。白血病芽球内にara-GTPが蓄積すると、デオキシリボ核酸(DNA)にara-GTPが優先的に取り込まれ、そのためにDNA合成が阻害されて、最終的に細胞死が誘導される4)。
ネララビンはin vitroの培養系において、ヒトT細胞性白血病細胞株に対して強い細胞障害活性を示した。一方、ヒトB細胞株に対する細胞障害活性は弱かった。ヒトT細胞性白血病細胞株を用いたマウス皮下異種移植モデルにおいて、ネララビンは反復投与により用量依存的な抗腫瘍活性を示した。
ネララビン(Nelarabine)
2-Amino-9-β-D-arabinofuranosyl-6-methoxy-9H-purine
C11H15N5O5
297.27
白色の結晶性の粉末である。
1バイアル
1) Common Terminology Criteria for Adverse Events(National Cancer Institute, https://ctep.cancer.gov/protocoldevelopment/electronic_applications/ctc.htm)
2) 堀部敬三ほか:臨床血液.2011;52(6):406-415
3) Lambe,C.U.et al.:Cancer Res.1995;55(15):3352-3356
4) Rodriguez,C.O.Jr.et al.:Cancer Res.1999;59(19):4937-4943
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