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アセチルスピラマイシン錠100/アセチルスピラマイシン錠200

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.2その他の副作用
12.臨床検査結果に及ぼす影響
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

アセチルスピラマイシン錠100/アセチルスピラマイシン錠200

添付文書番号

6142001F1031_2_05

企業コード

112268

作成又は改訂年月

2023年7月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

876142

薬効分類名

抗生物質製剤

承認等

アセチルスピラマイシン錠100

販売名コード

YJコード

6142001F1031

販売名英語表記

ACETYLSPIRAMYCIN Tablets 100

販売名ひらがな

あせちるすぴらまいしんじょう100

承認番号等

承認番号

21800AMX10202

販売開始年月

1967年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

アセチルスピラマイシン錠200

販売名コード

YJコード

6142001F2038

販売名英語表記

ACETYLSPIRAMYCIN Tablets 200

販売名ひらがな

あせちるすぴらまいしんじょう200

承認番号等

承認番号

21800AMX10201

販売開始年月

1968年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

スピラマイシン酢酸エステル錠

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

アセチルスピラマイシン錠100

有効成分1錠中
日局スピラマイシン酢酸エステル   100mg(力価)
添加剤黄色5号アルミニウムレーキ、日局カルナウバロウ、日局カルメロースカルシウム、日局軽質無水ケイ酸、ショ糖脂肪酸エステル、日局ステアリン酸マグネシウム、日局タルク、トリアセチン、日局乳糖水和物、日局ヒプロメロース(置換度タイプ:2910)、ポリビニルアルコール(部分けん化物)

アセチルスピラマイシン錠200

有効成分1錠中
日局スピラマイシン酢酸エステル   200mg(力価)
添加剤黄色5号アルミニウムレーキ、日局カルナウバロウ、日局カルメロースカルシウム、日局軽質無水ケイ酸、ショ糖脂肪酸エステル、日局ステアリン酸マグネシウム、日局タルク、トリアセチン、日局乳糖水和物、日局ヒプロメロース(置換度タイプ:2910)、ポリビニルアルコール(部分けん化物)

3.2 製剤の性状

アセチルスピラマイシン錠100

剤形フィルムコーティング錠
色調黄橙色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径8.1mm
厚さ3.6mm
質量0.15g
識別コードKH803

アセチルスピラマイシン錠200

剤形フィルムコーティング錠
色調黄橙色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径10.1mm
厚さ4.5mm
質量0.26g
識別コードKH804

4. 効能又は効果

  • 〈適応菌種〉

    スピラマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、梅毒トレポネーマ

  • 〈適応症〉

    表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、梅毒、子宮付属器炎、涙嚢炎、麦粒腫、中耳炎、猩紅熱

5. 効能又は効果に関連する注意

  • 〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎〉

    「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

6. 用法及び用量

通常、成人にはスピラマイシン酢酸エステルとして1回200mg(力価)を1日4~6回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者

体内貯留が延長するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

体内貯留が延長するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児、乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。肝機能、腎機能が低下していることが多く、体内貯留の延長のおそれがある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満

0.1%未満

頻度不明

過敏症

発疹・発赤

消化器

食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、胃部不快感

軟便、口内炎

胃部圧迫感

注)発現頻度は副作用頻度調査を含む

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

フェニルヒドラジン反応(Porter-Silver反応)が陽性になることがある。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人20名にスピラマイシン酢酸エステル400mg(100mg錠4錠及び200mg錠2錠)1)を経口投与した場合の血漿中濃度の推移は下図のとおりである2)

16.3 分布

  1. 16.3.1 体組織への分布

    ラットにスピラマイシン酢酸エステル500mg/kgを経口投与したところ、3時間後の体組織への分布は、肝臓>脾臓>肺>腎臓の順であった3)

  2. 16.3.2 通過性・移行性

    血液-胎盤関門通過性4)

    臍帯血中には母体血中濃度の約1/2、胎盤組織中には母体血中濃度の約1/2~1/3が認められた。

    その他の組織への移行性5),6),7)

    胆汁中、膿汁中、肝、肺、胸水、母乳中へ移行し、血中濃度より高値を示した。なお、髄液中への移行は認められなかった。

16.4 代謝

尿中代謝物として脱アセチル化体であるスピラマイシンとそれが更に代謝されてミカロースが外れたネオスピラマイシンが確認されている8),9)

16.5 排泄

健康成人3名にスピラマイシン酢酸エステル500mg1)を経口投与した場合、7時間までに投与量の約4%が尿中に排泄された8)

1) 本剤の承認された用法・用量は、1回200mg(力価)を1日4~6回経口投与である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内臨床試験

    国内43施設で実施された臨床試験で有効率(やや有効以上)は84.2%(855/1,016)を示した。その概要は次のとおりである4),5),6),7),8),9),10),11)

    1. (1) 表在性皮膚感染症〔膿痂疹〕77.8%(14/18)、深在性皮膚感染症86.9%(113/130)〔癤91.6%(76/83)、瘭疽81.0%(17/21)、蜂巣炎76.9%(20/26)〕、慢性膿皮症〔感染性粉瘤〕100%(12/12)、咽頭・喉頭炎92.6%(25/27)、扁桃炎86.8%(46/53)、麦粒腫93.3%(14/15)の有効率であった。
    2. (2) リンパ管・リンパ節炎77.3%(17/22)、乳腺炎93.0%(40/43)、骨髄炎88.9%(8/9)の有効率であった。
    3. (3) 急性気管支炎、慢性呼吸器病変の二次感染〔気管支炎〕75.7%(28/37)、肺炎83.3%(10/12)、肺膿瘍80.0%(16/20)の有効率であった。
    4. (4) 中耳炎83.9%(26/31)、猩紅熱76.3%(29/38)の有効率であった。
    5. (5) 梅毒66.7%(4/6)の有効率であった。
      副作用発現頻度は4.4%(45/1,016)であった。主な副作用は胃腸障害1.3%(13/1,016)、下痢0.9%(9/1,016)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

細菌の蛋白合成を阻害する。

18.2 抗菌作用

  1. 18.2.1 ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌等のグラム陽性菌に抗菌作用を示し、その作用は静菌的である12)
  2. 18.2.2 抗トレポネーマ作用を示す13)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

スピラマイシン酢酸エステル Spiramycin Acetate

化学名

(スピラマイシンⅡ酢酸エステル(スピラマイシンⅠ酢酸エステル))
(3R,4S,5S,6R,8R,9R,10E,12E,15R)-3-Acetoxy-5-[4-O-acetyl-2,6-dideoxy-3-C-methyl-α-L-ribo-hexopyranosyl-(1→4)-3,6-dideoxy-3-dimethylamino-β-D-glucopyranosyloxy]-9-(2,3,4,6-tetradeoxy-4-dimethylamino-β-D-erythro-hexopyranosyloxy)-6-formylmethyl-4-methoxy-8-methylhexadeca-10,12-dien-15-olide
(スピラマイシンⅢ酢酸エステル)
(3R,4S,5S,6R,8R,9R,10E,12E,15R)-5-[4-O-Acetyl-2,6-dideoxy-3-C-methyl-α-L-ribo-hexopyranosyl-(1→4)-3,6-dideoxy-3-dimethylamino-β-D-glucopyranosyloxy]-9-(2,3,4,6-tetradeoxy-4-dimethylamino-β-D-erythro-hexopyranosyloxy)-6-formylmethyl-4-methoxy-8-methyl-3-propanoyloxyhexadeca-10,12-dien-15-olide

性状

白色~淡黄白色の粉末である。

化学構造式

融点

117~119℃

分配係数

logP′OCT=2.17

測定法:フラスコシェイキング法
n-オクタノール/pH7.4緩衝溶液

溶解性

アセトニトリル又はメタノールに極めて溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。

22. 包装

  • アセチルスピラマイシン錠100

    PTP:100錠(10錠×10)

  • アセチルスピラマイシン錠200

    PTP:100錠(10錠×10)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

サンド株式会社 カスタマーケアグループ

〒105-6333 東京都港区虎ノ門1-23-1

TEL 0120-982-001
FAX 03-6257-3633

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売

サンドファーマ株式会社

東京都港区虎ノ門1-23-1
URL:https://www.sandoz.jp/

26.2 販売

サンド株式会社

東京都港区虎ノ門1-23-1
URL:https://www.sandoz.jp/

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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