当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
対象
用法及び用量
成人
通常、成人にはミカファンギンナトリウムとして50~150mg(力価)を1日1回点滴静注する。重症又は難治性アスペルギルス症には症状に応じて増量できるが、1日300mg(力価)を上限とする。
小児
通常、小児にはミカファンギンナトリウムとして1~3mg(力価)/kgを1日1回点滴静注する。重症又は難治性アスペルギルス症には症状に応じて増量できるが、1日6mg(力価)/kgを上限とする。
通常、成人にはミカファンギンナトリウムとして50mg(力価)を1日1回点滴静注する。重症又は難治性カンジダ症には症状に応じて増量できるが、1日300mg(力価)を上限とする。
通常、小児にはミカファンギンナトリウムとして1mg(力価)/kgを1日1回点滴静注する。重症又は難治性カンジダ症には症状に応じて増量できるが、1日6mg(力価)/kgを上限とする。
成人にはミカファンギンナトリウムとして50mg(力価)を1日1回点滴静注する。
小児にはミカファンギンナトリウムとして1mg(力価)/kgを1日1回点滴静注する。
点滴静注に際しては、生理食塩液、ブドウ糖注射液又は補液に溶解し、75mg(力価)以下では30分以上、75mg(力価)を超えて投与する場合は1時間以上かけて行う。溶解にあたっては、注射用水を使用しないこと。[溶液が等張とならないため。]
点滴静注に際しては、生理食塩液、ブドウ糖注射液又は補液に溶解し、1時間以上かけて行う。溶解にあたっては、注射用水を使用しないこと。[溶液が等張とならないため。]
特に他のキャンディン系抗真菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者には注意すること。
肝障害を悪化させることがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において母乳中に移行することが報告されている。
用量に留意するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
本剤との併用によりシロリムスのAUCが21%上昇したとの報告1)がある。併用する場合は患者の状態を慎重に観察し、シロリムスの副作用発現に注意し必要に応じてシロリムスの投与量を調節すること。
機序不明
白血球減少(頻度不明)、好中球減少(1.1%)、溶血性貧血(血管内溶血を含む)、血小板減少(いずれも頻度不明)があらわれることがある。なお、溶血性貧血については、投与開始直後にあらわれることもあるので、溶血が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
血圧低下、口内異常感、呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、必要に応じて気道の確保、アドレナリン、ステロイド、抗ヒスタミン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
AST、ALT、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)があらわれることがある。
急性腎障害等の重篤な腎障害(頻度不明)があらわれることがある。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
肝臓
ALT上昇
AST上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇
代謝異常
カリウム上昇、カリウム低下
低カルシウム血症、低マグネシウム血症
血液
好酸球増多
皮膚
発疹
循環器
高血圧、動悸
消化器
下痢、軟便
悪心、嘔吐
腎臓
BUN上昇、クレアチニン上昇
クレアチニンクリアランス低下
その他
静脈炎、関節炎、血管痛、悪寒、頭痛
CK上昇、ミオグロビン上昇、発熱、注射部位反応(腫脹、疼痛、紅斑等)
本剤は溶解時、泡立ちやすく、泡が消えにくいので強く振り混ぜないこと。
本剤は他剤と配合したとき、濁りが生じることがある。また、本剤は塩基性溶液中で不安定であるため、力価の低下が生じることがある。下表に配合直後に濁りが生じる主な薬剤及び配合直後に力価低下が生じる主な薬剤を示す。
バンコマイシン塩酸塩、アルベカシン硫酸塩、ゲンタマイシン硫酸塩、トブラマイシン、ジベカシン硫酸塩、ミノサイクリン塩酸塩、シプロフロキサシン、パズフロキサシンメシル酸塩、シメチジン、ドブタミン塩酸塩、ドキサプラム塩酸塩水和物、ペンタゾシン、ナファモスタットメシル酸塩、ガベキサートメシル酸塩、チアミンジスルフィド・ピリドキシン塩酸塩・ヒドロキソコバラミン酢酸塩、メナテトレノン、乾燥ペプシン処理人免疫グロブリン、ドキソルビシン塩酸塩
アンピシリンナトリウム、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、アシクロビル、ガンシクロビル、アセタゾラミドナトリウム
光により徐々に分解するので直射日光を避けて使用すること。また、調製後、点滴終了までに6時間を超える場合には点滴容器を遮光すること。点滴チューブを遮光する必要はない。
含量/溶解液量
試験項目
溶解直後
6時間後
24時間後
50mg(力価)/100mL生理食塩液
光分解物(%)
0.05未満
2.61
6.58
力価残存率(%)
100
96.6
88.8
300mg(力価)/100mL生理食塩液
0.70
2.52
98.7
96.7
50mg(力価)/100mLブドウ糖注射液(5w/v%)
1.14
4.46
98.0
93.6
保存条件:遮光なし、室温、室内散光下(3,000ルクス)
注)クリプトコックス属は本剤の適応外菌種である。
健康成人23例に本剤25mg注)、50mg及び75mgを30分あるいは150mgを1時間かけて静脈内持続投与したとき、血漿中未変化体のAUCは投与量に比例して増加した。血漿中濃度は投与終了時に最高となり、消失半減期は13.9時間であった11)。
投与量(mg)
例数
Cmax(μg/mL)
Tmax(hr)
AUC0-∞(μg・hr/mL)
T1/2(hr)
25
50
75
150
6
5
2.52±0.28
5.23±0.38
7.90±1.35
14.30±1.31
0.5±0
1.0±0
34.3±5.8
74.3±6.2
106.5±13.4
216.6±23.1
14.0±1.2
14.2±1.2
13.3±0.7
14.0±0.9
25~150
23
-
13.9±1.0
-:算出せず(平均値±S.D)
注)本剤の承認された成人の1日用量はアスペルギルス症:50~150mg(重症又は難治性では300mgまで)、カンジダ症:50mg(重症又は難治性では300mgまで)である。
健康成人6例に本剤75mgを1日1回、7日間、30分間かけて静脈内持続投与したとき、血漿中未変化体濃度は第4日には定常状態に達し、最終投与時のCmaxは10.87μg/mL、消失半減期は14.0時間であった。血漿蛋白結合率は99.8%以上であった11)。
深在性真菌症の成人患者65例に本剤12.5mg注)、25mg注)、50mg、75mg、100mg及び150mgを反復投与したとき、消失半減期は13.5時間であり、各投与量間で差はみられなかった12)。
骨髄移植あるいは末梢血幹細胞移植を受けた成人患者を対象に、米国では本剤12.5~200mg注)を、また英国では3~8mg/kg(約230~600mg)注)を1日1回、1時間かけて反復静脈内持続投与した。定常状態(投与7日目)における未変化体のAUCは投与量に比例し、消失半減期はいずれの投与量においてもほぼ一定した値であった13),14)(外国人データ)。
投与量
AUC0-24hr(μg・hr/mL)
米国(mg)
12.5
200
7
8
3.9±7.3
4.8±2.7
6.4±5.7
8.3±4.8
28.2±22.9
17.6±8.4
26.5±20.7
15.6±11.6
24.4±7.5
49.0±11.1
66.1±20.6
110.0±31.8
166.4±49.3
208.3±65.5
9.9±1.8
13.8±4.0
12.5±2.6
13.2±4.4
13.9±3.1
13.1±2.5
15.9±4.8
英国(mg/kg)
3
4
10
21.1±2.8
29.2±6.2
38.4±6.9
60.8±26.9
234±33.6
339±72.2
479±157
663±212
14.0±1.4
14.2±3.2
14.9±2.6
17.2±2.3
(平均値±S.D)
哺育中ラットに14C標識ミカファンギンナトリウムを1mg/kg静脈内投与したとき、乳汁中放射能濃度は投与後6時間で最高濃度となり、その濃度は血漿中放射能濃度と同程度であった。また、投与後24時間以後は1.4日の半減期で血漿中放射能濃度と並行して消失した15)。
代謝物として8種類が同定又は推定された。ミカファンギンは主に肝で代謝を受けると考えられるが、ヒトの尿及び糞中にミカファンギンの側鎖の水酸化体(M5)が主代謝物として投与量の3.7%排泄された。M5はチトクロームP450のCYP1A2、2B6、2C及び3Aにより生成し、その他、カテコール体(M1)はミカファンギンからサルファターゼにより、メトキシ体(M2)はM1からCOMT(catechol O-methyltransferase)により、開環体(M3)はミカファンギンから水溶液中で非酵素的に生成すると考えられた16),17),18),19)。
ミカファンギンは主に糞中に排泄され、外国人の健康成人6例に14C標識ミカファンギンナトリウム28.3mgを1時間かけて静脈内持続投与したとき、投与後7日までの尿及び糞中放射能の排泄率はそれぞれ投与放射能の7.36%及び43.80%であった。尿中及び糞中には未変化体がそれぞれ投与放射能の0.70%、11.71%排泄され、他は代謝物であった。なお、血漿中放射能濃度の推移は投与終了時で2.29μg eq./mL、投与後24時間で0.84μg eq./mL、投与後7日で0.19μg eq./mLとなった。投与後42~51日では、投与後7日の約1/8である0.023μg eq./mLまで減少した16),20)。
深在性真菌症の8カ月~15歳の小児患者19例(のべ26例)に本剤1mg/kg(7例)、2mg/kg(9例)、3mg/kg(9例)及び6mg/kg(1例)を1~3時間かけて静脈内持続投与したとき、定常状態でのCmaxは、投与量に比例して増加した。消失半減期は13.1時間であった。乳児(3例)の血漿中濃度は幼児、学童に比べてやや低い傾向がみられた21)。
投与量(mg/kg)
1
2
9
5.03±2.33
10.25±4.45
14.76±5.52
21.11
13.0±1.8
12.3±1.9
14.4±3.2※
11.3
1~6
26
13.1±2.4
-:算出せず、※:n=8(平均値±S.D)
深在性真菌症の584~2014gの低出生体重患者22例に本剤0.75mg/kg注)、1.5mg/kg及び3mg/kgを30分以上かけて単回静脈内持続投与した。低出生体重児のCmaxは小児より低く、半減期は短かった22)(外国人データ)。
体重(g)
CLt(mL/min/kg)
T1/2※2(hr)
500-1000>1000
0.75
1.31±0.31
2.53±0.92
8.8±1.4
16.5±9.0
1.32±0.21
0.97±0.82
5.5
8.0
>1000
1.5
4.51±1.34
44.1±24.0
0.64±0.15※1
7.8※1
9.28±5.31
59.5±29.0
1.19±1.32
8.2
※1:n=5、※2:調和平均値(平均値±S.D)
注)本剤の承認された小児の1日用量はアスペルギルス症:1~3mg/kg(重症又は難治性では6mg/kgまで)、カンジダ症:1mg/kg(重症又は難治性では6mg/kgまで)である。
高齢者10例(平均71歳、66~78歳)及び非高齢者10例(平均22歳、20~24歳)に本剤50mgを1時間かけて静脈内持続投与すると、血漿中未変化体濃度は高齢者群、非高齢者群とも同様な推移を示し、両群間でCmax、AUC0-∞、T1/2及び蛋白結合率に差はみられなかった23)。
菌種
疾患名
投与期間(日)中央値(最小-最大)
有効例/症例数
有効率(%)
アスペルギルス属
侵襲性肺アスペルギルス症
26(8-56)
6/10
60.0
慢性壊死性肺アスペルギルス症
56(11-57)
6/8
肺アスペルギローマ
39.5(28-56)
10/16
62.5
小計
39.5(8-57)
22/34
64.7
カンジダ属
カンジダ血症
17(14-28)
3/3
食道カンジダ症
8(7-29)
5/5
15.5(7-29)
8/8
合計
28.5(7-57)
30/42
71.4
成人を対象とした国内臨床試験において、副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が67例※中21例(31.3%)に33件報告された。その内訳は、静脈炎2件(3.0%)、関節炎、血管痛、悪寒、頭痛、高血圧、動悸、下痢、軟便、発疹、丘疹性皮疹各1件(1.5%)、Al-P上昇3件(4.5%)、BUN上昇3件(4.5%)、γ-GTP上昇2件(3.0%)、ALT上昇2件(3.0%)、クレアチニン上昇2件(3.0%)等であった。※γ-GTP上昇については、調査例数は66例であった。
27.5(20-35)
2/2
侵襲性肺アスペルギルス症(疑)※1
36
1/1
35(20-36)
37(18-56)
1/2
カンジダ血症(疑)※2
11(9-56)
4/5
肺カンジダ症(疑)※3
20(8-21)
2/3
16(8-56)
7/10
70.0
20(8-56)
10/13
76.9
※1:臨床症状及び画像所見から侵襲性肺アスペルギルス症が強く疑われたもの。
※2:血清診断(β-D-グルカン陽性)及び臨床症状からカンジダ血症が強く疑われたもの。
※3:血清診断(β-D-グルカン陽性あるいは抗原検査陽性)、臨床症状及び画像所見から肺カンジダ症が強く疑われたもの。
小児を対象とした国内臨床試験において、副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が20例※中6例(30.0%)に14件報告された。その内訳は、アナフィラキシー様反応1件(5.0%)、AST上昇3件(15.0%)、ALT上昇3件(15.0%)、γ-GTP上昇2件(10.5%)等であった。※γ-GTP上昇については、調査例数は19例であった。
34(7-126)
32/39
82.1
副鼻腔アスペルギルス症
17(14-29)
1/3
アスペルギルス血症
17
33(7-126)
34/43
79.1
12(7-27)
30(28-32)
27(7-32)
3/5
侵襲性アスペルギルス症患者を対象とした海外臨床試験で、副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が326例(成人256例、小児70例)中104例(31.9%)に報告された。全患者の2%以上に認められた主な副作用(非真菌感染を除く)は、嘔気14例(4.3%)、高ビリルビン血症14例(4.3%)、嘔吐9例(2.8%)、ALT上昇9例(2.8%)、Al-P上昇9例(2.8%)、高血圧7例(2.1%)、下痢7例(2.1%)であった。
15(5-56)
72/83
86.7
17(7-42)
85/92
92.4
肺カンジダ血症
15(5-22)
口腔咽頭カンジダ症
12
17(5-56)
160/179
89.4
24(7-56)
8/12
66.7
32.5(17-42)
4/4
25(7-56)
12/16
75.0
カンジダ血症及び侵襲性カンジダ症患者を対象とした海外臨床試験で、副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が353例(成人300例、小児53例)中150例(42.5%)に報告された。全患者の2%以上に認められた主な副作用(非真菌感染を除く)は、AST上昇28例(7.9%)、低マグネシウム血症24例(6.8%)、ALT上昇23例(6.5%)、Al-P上昇22例(6.2%)、白血球減少22例(6.2%)、低カルシウム血症20例(5.7%)、嘔吐14例(4.0%)、発疹14例(4.0%)、発熱12例(3.4%)、貧血10例(2.8%)、高クロール血症10例(2.8%)、血小板減少9例(2.5%)、嘔気9例(2.5%)、肝機能検査値異常8例(2.3%)、白血球異常8例(2.3%)、低カリウム血症8例(2.3%)、腹痛7例(2.0%)、無力症7例(2.0%)、静脈炎7例(2.0%)、下痢7例(2.0%)、頭痛7例(2.0%)であった。
ミカファンギン群
フルコナゾール群
予防成功率の差(ミカファンギン群-フルコナゾール群)
95%CI
全例
340/425(80.0)
336/457(73.5)
+6.5%
(0.9%、12.0%)
移植の型
同種移植
157/220(71.4)
175/256(68.4)
+3.0%
自家・同系移植
181/203(89.2)
161/201(80.1)
+9.1%
移植なし
予防成功例数※/症例数(%)
※:予防成功例数:治療薬投与終了時までに全身性真菌感染症の確定診断(Proven)、強い疑い(Probable)、あるいは疑い(Suspected)が認められず、かつ試験終了時(治験薬投与終了後4週間)までに全身性真菌感染症の確定診断(Proven)あるいは強い疑い(Probable)が認められなかった症例
造血幹細胞移植患者で安全性が評価された症例425例(成人386例、小児39例)中64例(15.1%)に臨床検査値の異常変動を含む副作用が認められた。主な副作用は、高ビリルビン血症14例(3.3%)、嘔気10例(2.4%)、下痢9例(2.1%)、低カリウム血症8例(1.9%)、発疹8例(1.9%)等であった。
1日平均投与量(mg)中央値(最小-最大)
アスペルギルス症
150(50-300)
22.5(4-132)
92/130
70.8
カンジダ症
100(10-300)注)
13.0(2-128)
390/452
86.3
注)本剤の承認された成人の1日用量はカンジダ症:50mg(重症又は難治性では300mgまで)である。
成人を対象とした市販後の使用成績調査では、1,074例中306例(28.5%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められ、主なものは肝機能障害79件(7.4%)、AST上昇47件(4.4%)、ALT上昇43件(4.0%)、Al-P上昇36件(3.4%)、γ-GTP上昇、腎障害各23件(2.1%)等であった。
1日平均投与量(mg/kg)中央値(最小-最大)
4.4(1.4-6.0)
28.5(5-91)
9/12
3.0(0.9-7.2)注)
12.5(5-85)
30/34
88.2
注)本剤の承認された小児の1日用量はカンジダ症:1mg/kg(重症又は難治性では6mg/kgまで)である。
小児を対象とした市販後の特定使用成績調査では、191例中42例(22.0%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められ、主なものは肝機能障害26件(13.6%)、AST上昇5件(2.6%)、ALT上昇、黄疸各4件(2.1%)、Al-P上昇3件(1.6%)等であった。なお、低出生体重児12例、新生児18例のうち、低出生体重児の1例にシュードモナス感染が認められた。
予防成功例数※1/症例数
成功率(%)
全例※2
23.0(5-82)
172/225
76.4
27.5(5-82)
102/138
73.9
17.0(7-68)
70/87
80.5
※1:予防成功例数:本剤投与終了時までに全身性真菌感染症の確定診断(Proven)、強い疑い(Probable)、あるいは疑い(Suspected)が認められず、かつ本剤投与終了後4週間までに全身性真菌感染症の確定診断(Proven)、あるいは強い疑い(Probable)が認められなかった症例
※2:本調査における成人(143例)及び小児(82例)の1日平均投与量の中央値(最小-最大)は、それぞれ、50mg(40-150)注)、1.1mg/kg(0.7-6.0)注)であった。
注)本剤の承認された予防投与の1日用量は成人:50mg、小児:1mg/kgである。
造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及びカンジダ症の予防を対象とした市販後の特定使用成績調査では、241例中86例(35.7%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められ、主なものは肝機能障害46件(19.1%)、ALT上昇14件(5.8%)、γ-GTP上昇10件(4.1%)、AST上昇、発熱各9件(3.7%)、下痢8件(3.3%)等であった。
真菌細胞壁の主要構成成分である1,3-β-D-glucanの生合成を非競合的に阻害する24)。
深在性真菌症の主要起因菌であるカンジダ属及びアスペルギルス属に対して幅広い抗真菌スペクトルを有し、フルコナゾール及びイトラコナゾール耐性のカンジダ属に対しても強力なin vitro活性を示す25),26),27)。カンジダ属に対する作用は殺菌的であり、アスペルギルス属に対しては発芽抑制及び菌糸の伸長抑制作用を示す24),27)。マウスの播種性カンジダ症、口腔・食道カンジダ症、播種性アスペルギルス症及び肺アスペルギルス症において高い防御又は治療効果を示す28),29),30),31),32),33)。
カンジダ属において本剤に低感受性もしくは耐性を示す株が報告されている。キャンディン系抗真菌剤に対する感受性低下にはグルカン合成酵素複合体の構成要素であるFKSタンパクの変異が関与しているとの報告がある34),35),36),37)。
ミカファンギンナトリウム(Micafungin Sodium)
Sodium 5-[(1S,2S)-2-[(3S,6S,9S,11R,15S,18S,20R,21R,24S,25S,26S)-3-[(R)-2-carbamoyl-1-hydroxyethyl]-11,20,21,25-tetrahydroxy-15-[(R)-1-hydroxyethyl]-26-methyl-2,5,8,14,17,23-hexaoxo-18-[4-[5-(4-pentyloxyphenyl)isoxazol-3-yl]benzoylamino]-1,4,7,13,16,22-hexaazatricyclo[22.3.0.09,13]heptacos-6-yl]-1,2-dihydroxyethyl]-2-hydroxyphenyl sulfate
C56H70N9NaO23S
1292.26
ミカファンギンナトリウムは白色の粉末である。水及びN,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールに溶けにくく、アセトニトリル、エタノール(95)及びジエチルエーテルにほとんど溶けない。吸湿性である。
明確な融点を認めない。
0.39(pH7、1-オクタノール/水系)
10バイアル
1) 社内報告書:海外健康成人・薬物相互作用試験(2006年4月20日承認 CTD 2.7.4.5.3)
2) 社内報告書:ラット・毒性試験(2002年10月8日承認 申請資料概要ニ.2.1))
3) 社内報告書:ラット・毒性試験(2002年10月8日承認 申請資料概要ニ.2.6))
4) 社内報告書:ラット・毒性試験(2002年10月8日承認 申請資料概要ニ.2.5))
5) 社内報告書:ラット・毒性試験(2002年10月8日承認 申請資料概要ニ.9.1))
6) 社内報告書:ラット・毒性試験(2007年1月26日承認 CTD 2.6.6.8.1)
7) 社内報告書:ラット・毒性試験(2007年1月26日承認 CTD 2.6.6.8.1)
8) 社内報告書:ビーグル犬・毒性試験(2002年10月8日承認 申請資料概要ニ.2.9)、ニ.9.5))
9) 社内報告書:ラット・毒性試験(2002年10月8日承認 申請資料概要ニ.3.1))
10) 二木芳人 他:日本化学療法学会雑誌2002;50(S-1):58-67
11) 東 純一 他:日本化学療法学会雑誌2002;50(S-1):155-184
12) 社内報告書:深在性真菌症患者・薬物動態
13) 社内報告書:移植患者・薬物動態
14) 社内報告書:移植患者・薬物動態
15) 社内報告書:ラット・薬物動態
16) 社内報告書:健康成人・薬物動態
17) 社内報告書:ヒト肝ミクロソーム・代謝
18) 社内報告書:ラット及びヒト・代謝
19) 社内報告書:in vitro・代謝
20) 社内報告書:健康成人・薬物動態
21) 社内報告書:深在性真菌症小児患者・薬物動態
22) 社内報告書:深在性真菌症低出生体重児患者・薬物動態
23) 東 純一 他:日本化学療法学会雑誌2002;50(S-1):148-154
24) 山口英世 他:日本化学療法学会雑誌 2002;50(S-1):20-29
25) Tawara S, et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 2000;44(1):57-62
26) Uchida K, et al.:J.Antibiotics 2000;53(10):1175-1181
27) 池田文昭 他:日本化学療法学会雑誌 2002;50(S-1):8-19
28) Ikeda F, et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 2000;44(3):614-618
29) 松本 哲 他:日本化学療法学会雑誌 2002;50(S-1):30-36
30) Maesaki S, et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 2000;44(6):1728-1730
31) 中井 徹 他:日本化学療法学会雑誌 2002;50(S-1):48-53
32) Matsumoto S, et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 2000;44(3):619-621
33) 松本 哲 他:日本化学療法学会雑誌 2002;50(S-1):37-42
34) Garcia-Effron G, et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 2009;53(1):112-122
35) Garcia-Effron G, et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 2009;53(9):3690-3699
36) Castanheira M, et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 2010;54(6):2655-2659
37) Beyda N D, et al.:Ann. Pharmacother. 2012;46(7-8):1086-1096
**サンド株式会社 カスタマーケアグループ
〒105-6333 東京都港区虎ノ門1-23-1
TEL 0120-982-001FAX 03-6257-3633
サンドファーマ株式会社
東京都港区虎ノ門1-23-1URL:https://www.sandoz.jp/
サンド株式会社
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.