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処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
通常、成人にはブトリシランとして25mgを3ヵ月に1回皮下投与する。
本剤の投与が予定から遅れた場合は、可能な限り速やかに投与を行い、以後、その投与を起点とし、3ヵ月間隔で投与すること。
肝移植後の患者を対象とした臨床試験は実施していない。
重度の腎機能障害患者及び末期腎不全患者を対象とした臨床試験は実施していない。
*重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊方法を行うよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。母体の血清中TTR又は血清中ビタミンA濃度の低下が胎児に及ぼす影響は不明である。妊娠ラットを用いた胚・胎児発生試験において、30mg/kgで母動物の体重及び/又は体重増加並びに摂餌量への有害作用、また、早産率及び着床後胚損失率の増加が認められた。10mg/kg以上で胎児体重に有害な減少がみられた1) 。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
1%以上
1%未満
頻度不明
眼障害
ドライアイ、強膜変色
胃腸障害
消化不良
一般・全身障害および投与部位の状態
注射部位反応
疲労、末梢性浮腫
臨床検査
ビタミンA減少
*筋骨格系および結合組織障害
関節痛
四肢痛
呼吸器、胸郭および縦隔障害
呼吸困難(呼吸困難、労作性呼吸困難、発作性夜間呼吸困難)
日本人健康成人12例に、本剤25mg及び50mgを単回皮下投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示す4) 。
薬物動態パラメータ(単位)
25mg(6例)
50mg(6例)
Cmax(μg/mL)
0.120(0.0488)
0.218(0.0690)
tmax(h)
4.00(2.00, 6.00)
3.00(0.50, 4.02)
t1/2(h)
2.24, 6.36a
4.61b(NC)
AUC0-t(μg・h/mL)
1.04(0.148)
1.86(0.247)
AUC0-∞(μg・h/mL)
1.14, 1.26a
1.61b(NC)
CL/F(L/h)
19.8, 22.0a
31.0b(NC)
平均値(標準偏差)、tmaxは中央値(範囲)、2例以下は個別値a:n=2、b:n=1、NC:算出せず本剤の申請用量は25mg/日である。
トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者122例に本剤25mgを3ヵ月に1回皮下投与したときの、初回投与(投与1日目)及び投与4回目(投与253日時点)における血漿中薬物動態パラメータを以下に示す5) 。
初回投与(投与1日目)
投与4回目(投与253日目)
0.11(0.09)(120例)
0.12(0.07)(108例)
AUC0-24(μg・h/mL)
0.79(0.31)(20例)
0.80(0.28)(19例)
平均値(標準偏差)
本剤のヒト血漿タンパク結合率は、本剤濃度の増加に伴い減少した(0.5μg/mLで78%、50μg/mLで19%)(in vitro)。本剤25mgを投与したとき、ヒト血漿タンパク結合率は80%超であると考えられた6) 。トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者等182例から得られた血漿中濃度に基づく母集団薬物動態解析の結果、本剤の中央コンパートメントにおける見かけの分布容積は、10.1Lと推定された7) 。
本剤は、エンドヌクレアーゼ及びエキソヌクレアーゼによる加水分解を介して代謝される。ヒト血漿中には本剤の主要な代謝物は認められなかった8) 。
日本人健康成人6例に本剤25mgを単回皮下投与したとき、投与量に対する投与後24時間後までの尿中排泄率(平均値)は20.3%であった4) 。
*トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者に本剤25mgを3ヵ月に1回皮下投与したとき、曝露量(Cmax及びAUC)及びベースラインから投与18ヵ月までの血清中TTR濃度の減少率は、軽度腎機能障害患者注1) (34例)及び中等度腎機能障害患者注2) (10例)では、腎機能が正常な患者(78例)と比較して臨床的に重要な違いは認められなかった5) 。また、トランスサイレチン型心アミロイドーシス患者に本剤25mgを3ヵ月に1回皮下投与したとき、投与4時間後の血漿中濃度及びベースラインから投与30ヵ月までの血清中TTR濃度の減少率は、軽度腎機能障害患者注1) (143例)及び中等度腎機能障害患者注2) (133例)では、腎機能が正常な患者(48例)と比較して臨床的に重要な違いは認められなかった9) 。
*トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者に本剤25mgを3ヵ月に1回皮下投与したとき、曝露量(Cmax及びAUC)及びベースラインから投与18ヵ月までの血清中TTR濃度の減少率は、軽度肝機能障害患者注3) (8例)では、肝機能が正常な患者(114例)と比較して臨床的に重要な違いは認められなかった5) 。また、トランスサイレチン型心アミロイドーシス患者に本剤25mgを3ヵ月に1回皮下投与したとき、投与4時間後の血漿中濃度及びベースラインから投与30ヵ月までの血清中TTR濃度の減少率は、軽度肝機能障害患者注3) (55例)及び中等度肝機能障害患者注4) (11例)では、肝機能が正常な患者(259例)と比較して臨床的に重要な違いは認められなかった9) 。
日本人及び外国人トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者に、本剤25mgを3ヵ月に1回反復皮下投与又はパチシラン0.3mg/kgを3週間に1回反復静脈内投与したときの血清中TTR濃度のベースラインからの変化率の推移を以下に示す3) 。
*日本人及び外国人トランスサイレチン型心アミロイドーシス患者に、本剤25mg又はプラセボを3ヵ月に1回反復皮下投与したときの血清中TTR濃度のベースラインからの変化率の推移を以下に示す9) 。
トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者を対象として、パチシランナトリウムを参照群とした無作為化非盲検並行群間比較試験を実施した[本剤群122例(うち日本人4例)、パチシラン群42例(うち日本人3例)]。用法及び用量は、本剤25mgを3ヵ月に1回皮下投与又はパチシラン0.3mg/kgを3週間に1回静脈内投与とされた。本試験の18ヵ月の投与期において、主要解析は投与9ヵ月時に実施され、その後18ヵ月時に追加解析が実施された。なお、投与期では1日推奨用量のビタミンAを投与することが指導された。主要評価項目は、投与期の9ヵ月時点における補正神経障害スコア(mNIS+7)のベースラインからの変化量とされ、主要解析として、HELIOS-A試験の本剤群と外部対照であるトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者を対象としたパチシランナトリウムの国際共同第III相試験(APOLLO試験)のプラセボ群の間で主要評価項目の結果を比較することが事前に規定された。主要評価項目の結果は以下のとおりであり、プラセボ群と比較して本剤群で有意な改善を示した(p<0.0001)。
mNIS+7a)
変化量b,c)
群間差[95%信頼区間]c)
p値c)
ベースライン
9ヵ月時
HELIOS-A試験
パチシラン群
57.69±33.71(42)
52.56±33.25(37)
-d)
本剤群
60.55±35.99(122)
57.50±37.98(114)
-2.24±1.43
-17.00[-21.78, -12.22]
<0.0001
APOLLO試験
プラセボ群
74.61±37.04(77)
90.99±41.31(67)
14.76±2.00
平均値±標準偏差(評価例数)a)数値が小さいほど障害/症状が少ないことを示す。b)調整済平均値±標準誤差c)各地域での標準治療開始後又はCOVID-19関連の重篤な有害事象の発現時以降の9ヵ月時のデータを含めずに解析した。欠測値にはMissing at randomを仮定したMI法を適用し、カテゴリカル因子(投与群、遺伝子型、発症時の年齢)及び連続共変量(ベースライン値)を考慮したANCOVAモデルにより解析した。d)パチシラン群のベースラインから9ヵ月時までの補正神経障害スコア(mNIS+7)の変化量(平均値±標準偏差)は、-1.41±17.23であった。
投与期の18ヵ月時点における補正神経障害スコア(mNIS+7)のベースラインからの変化量(調整済平均値±標準誤差)注5) は、HELIOS-A試験の本剤群で-0.46±1.60、APOLLO試験のプラセボ群では28.09±2.28であり、HELIOS-A試験のパチシラン群のベースラインからの変化量(平均値±標準偏差)は、1.59±21.50であった。
投与期の18ヵ月時点において、安全性評価対象例122例(本剤群、日本人4例を含む)のうち、29例(23.8%)に副作用が認められた。主な副作用は、ビタミンA減少(6.6%)、注射部位反応(3.3%)、ドライアイ(2.5%)、強膜変色(1.6%)、消化不良(1.6%)、疲労(1.6%)及び末梢性浮腫(1.6%)等であった。
野生型又は変異型のトランスサイレチン型心アミロイドーシス患者注6) を対象として、最長36ヵ月間のプラセボ対照無作為化二重盲検比較試験を実施した[本剤群326例(うち日本人14例)、プラセボ群328例(うち日本人11例)]。用法及び用量は、本剤25mg又はプラセボを3ヵ月に1回皮下投与とされた。なお、二重盲検期では1日推奨用量のビタミンAを投与することが指導された。主要評価項目は、全死因死亡及び再発性心血管関連イベント(心血管関連入院及び心不全による緊急受診)の複合エンドポイントとされた。全体集団及びベースライン時にタファミジス又はタファミジスメグルミンが投与されていなかった集団(タファミジス未投与部分集団)注7) の結果は以下のとおりであり、いずれの集団もプラセボ群と比較して本剤群で統計的に有意な減少を示した。
全体集団
タファミジス未投与部分集団
本剤群(326例)
プラセボ群(328例)
本剤群(196例)
プラセボ群(199例)
全死因死亡及び再発性心血管関連イベント
251
332
155
211
51
69
36
46
200
263
119
165
ハザード比[95%信頼区間]a)
0.718[0.555, 0.929]
0.672[0.487, 0.929]
p値a, b)
0.0118
0.0162
発現件数データカットオフ日は、すべての患者が33ヵ月以上の追跡調査を完了した日とされた。a)ATTR-CMの病型(野生型、変異型)、NYHA心機能分類(I/II度、III度)、年齢(75歳未満、以上)、投与群及び対数変換したベースラインのNT-proBNPを共変量としたロバスト分散推定量を用いた修正Andersen-Gillモデルが用いられた。なお、全体集団の解析では、ベースライン時におけるタファミジスの使用(有、無)を層とした層別解析が実施された。b)全体集団及びタファミジス未投与部分集団のそれぞれで同時に群間比較し、かつ主要評価項目に加えて副次評価項目についても逐次的に検定を実施する計画であったことから、試験全体の第一種の過誤確率を0.05(両側)に制御するため、打切り比率を0.96としたtruncated Hochberg法による検定が実施された。
二重盲検期において、安全性評価対象例326例(本剤群、日本人14例を含む)のうち、41例(12.6%)に副作用が認められた。主な副作用は、注射部位反応(2.1%)等であった。
*ブトリシランは合成二本鎖オリゴヌクレオチドであり、TTR mRNAに結合して肝臓の変異型及び野生型TTR mRNAを分解させることで血清中TTRタンパク質を減少させ、組織へのアミロイド沈着を抑制させることにより、トランスサイレチンアミロイドーシスに対する作用を示すと考えられている。
サルに本剤を皮下投与した結果、血清中TTRタンパク質濃度が減少した2) 。
ブトリシランナトリウム(Vutrisiran Sodium)(JAN)
C530H672F9N171Na43O323P43S6
17289.77 Da
白色~微黄色の粉末
ブトリシランナトリウムは、トランスサイレチン(TTR)に対するsiRNA誘導体のナトリウム塩であり、センス鎖の3'末端にGalNAcの3本鎖複合体が結合している。siRNA部分は、化学修飾された21個のヌクレオチド残基からなるセンス鎖及び化学修飾された23個のヌクレオチド残基からなるアンチセンス鎖から構成される2本鎖オリゴヌクレオチドである。
凍結させないこと。使用時まで包装箱に入れて保管すること。
0.5mL×1シリンジ
1) 社内資料:ラットを用いた胚・胎児発生試験(2022年9月26日承認、CTD2.6.6.6.2.2)
2) 社内資料:サルを用いた単回及び反復投与薬理試験(2022年9月26日承認、CTD2.6.2.2.2.3)
3) *Adams D, et al.: Amyloid. 2022; Jul 30(1):1-9
4) 社内資料:健康成人を対象とした第I相臨床試験(2022年9月26日承認、CTD2.7.2.2.1.3)
5) 社内資料:トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者を対象とした国際共同第III相試験(HELIOS-A試験)(2022年9月26日承認、CTD2.7.6.3)
6) 社内資料:血漿タンパク結合試験(2022年9月26日承認、CTD2.6.4.4.1)
7) 社内資料:母集団PK解析(2022年9月26日承認、CTD2.7.2.3.2)
8) 社内資料:ヒト血漿及び尿中のin vivoにおける代謝物の検討(2022年9月26日承認、CTD2.6.4.5.2.4)
9) *社内資料:トランスサイレチン型心アミロイドーシス患者を対象とした国際共同第III相試験(HELIOS-B試験)(2025年6月24日承認、CTD2.7.6.1)
10) *Fontana M, et al.: N Engl J Med. 2025; Jan 392(1):33-44
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