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劇薬
処方箋医薬品注)
生命維持のために右-左シャントに完全に依存している心疾患を有する患者[右-左シャントの血流を減少させることにより血行動態が悪化し,致命的になるおそれがある。]
脳室内出血,肺出血があらわれることがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。
国内臨床試験では,出生後21日齢未満(出生後7日未満に吸入開始し,最長14日まで)の新生児の肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全について試験が行われた1)。海外臨床試験では,出生後7日まで(生後96時間以内に開始し,最長96時間又は生後7日までのどちらか早い時期まで)の新生児の肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全について2),及び出生後17日齢未満(出生後72時間以内に開始し最長14日間)の新生児について3) 試験が行われた。,
国内臨床試験では,10歳以下の心臓手術を受ける小児患者について試験が行われた4)。
一般に生理機能が低下している。
低酸素性呼吸不全の治療に用いられNOを供給する薬剤ニトロプルシドナトリウムニトログリセリンスルフォンアミド
血中MetHb濃度が増加し,血液の酸素運搬能が低下する可能性がある。併用する場合,血中MetHb濃度を十分観察すること。
相加作用により血中MetHb濃度を増加させる。
1~10%未満
1%未満
一般全身障害
発熱全身性浮腫多臓器不全周産期障害過量投与炎症注1)
心臓・血管系障害
徐脈高血圧症低血圧
不整脈二段脈心血管障害心停止出血頻脈
消化器系障害
胆汁うっ滞性黄疸胃腸障害吐血メレナ胃潰瘍嘔吐腹腔内出血注1)
血液・リンパ球障害
白血球増加症メトヘモグロビン血症血小板減少症
貧血凝固障害白血球減少症血小板血症
代謝・栄養障害
ビリルビン血症浮腫高血糖低カリウム血症
アシドーシス高カルシウム血症高カリウム血症低カルシウム血症低マグネシウム血症低ナトリウム血症NPN(非蛋白性窒素)増加
神経系障害
痙攣
脳出血脳梗塞脳血管障害高血圧頭蓋内出血
呼吸器系障害
無気肺低酸素血症
喘息過換気肺障害肺水腫肺出血胸水気胸喘鳴
皮膚・付属器官障害
発疹皮膚硬化症注1)
特殊感覚障害
ろう耳の障害聴覚過敏網膜障害未熟児網膜症注1)
泌尿・生殖器障害
血尿
腎尿細管壊死ミオグロビン尿注1)
過量投与により,血中MetHb濃度の増加に伴う血液の酸素運搬能低下及び吸気中NO2濃度の増加により急性の肺損傷をきたすことがある。
使用後はバルブを閉じ,アウトレットキャップをつけること。
生後4週から18歳までの特発性肺動脈性肺高血圧症,心筋症,先天性心疾患の患者を対象とした海外臨床試験において,左心不全の既往のある患者では,肺水腫等を伴う心不全が発症するおそれがあると報告されている6)。
吸入されたNOは肺血管から血中に移行すると,速やかにヘモグロビンと結合しニトロシルヘモグロビンを形成し,酸化により硝酸塩及び亜硝酸塩に代謝不活化される15) 。吸入量の73±5%が硝酸塩として尿中に排泄される16) 。形成されたニトロシルヘモグロビンも酸化により,速やかにMetHbに変換される。このようにNOの代謝は速やかにおこるため,NO自体の血中濃度を直接測定するのは困難である。しかし,NOにより産生される血中MetHb濃度がNOの代替指標となると考えられ,海外および国内の試験では,血中MetHb濃度が測定されている。
新生児の肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全の国内臨床試験では本剤を20ppmから開始したが,血中MetHb濃度は全11例で2%を超えることはなかった1) 。新生児遷延性肺高血圧症と診断された新生児患者では本剤の吸入濃度が高いほど血中MetHb濃度は増加し,本剤を80ppm吸入した36例中13例(36%)で血中MetHb濃度が7%を超えた。血中MetHb濃度が7%を超えた患者から得られた血中MetHb濃度のピーク到達時間は平均10.5±9.5時間であった3) (外国人データ)。
心臓手術の周術期における肺高血圧の治療のため10〜20ppmの用量で実施した国内臨床試験では,血中MetHb濃度は全18例で2%を超えることはなかった4) 。
在胎期間34週以上で生後7日未満の,新生児の肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全患者11例を対象に,臨床試験(INOT12試験)を実施した。本剤20ppmを4時間吸入させ,吸入開始後4時間以降にPaO2>60mmHg又はSpO2>92%の条件を満たした場合は本剤吸入濃度を5ppmに減量した。また,FiO2=0.4~0.6でPaO2>70mmHgになるまで5ppmで維持した。臨床的に安定していることが確認されればNO吸入濃度を徐々に減量しながら終了し,終了前にはFiO2を0.1増量してもよいこととした。投与期間は最長14日間とした。その結果,有効性解析対象例となった10例において,吸入後30分,1時間及び24時間の酸素化指数(OI)の変動(平均値±SD)はそれぞれ-21.3±37.0,-19.7±37.9及び-27.2±33.0であり,海外臨床試験と同様酸素化の改善を示した1) 。本試験ではNO吸入開始後,除外基準に抵触していることが明らかになった1例が死亡したが,本剤吸入による副作用は認められなかった。
在胎期間34週以上で生後4日以内の新生児遷延性肺高血圧症患者186例(プラセボ吸入群:89例,本剤吸入群:97例)を対象に,プラセボ対照無作為割付比較試験(CINRGI試験)を実施した。本剤を20ppmより開始し,4時間以降24時間までにPaO2≧60mmHgかつpH7.35~7.55であれば吸入濃度を5ppmに減量し,FiO2が0.7未満となるか,96時間又は生後7日までのいずれか早い時期まで吸入を継続した。ただし,吸入中止後にPaO2≧60mmHgを維持するためにFiO2>0.8にする必要がある場合には,NO吸入を再開した。最初の吸入開始後24時間以内に再開する場合は20ppmで,24時間以降の場合は5ppmで再開した。NO吸入を再開しても効果がみられない場合や(FiO2=1.0でPaO2<60mmHg),血中MetHb>4%又は吸気中NO2濃度>5ppmの場合はNO吸入を中止した。その結果,ECMO適用例は,プラセボ吸入群(57.3%)に比較して本剤吸入群(30.9%)で有意に少なかった(P=0.001)2) 。
プラセボ吸入群
本剤吸入群
P値
ECMO適用
51/89例(57.3%)
30/97例(30.9%)
0.001(Cochran-Mantel-Haenszel検定)
ECMO非適用
38/89例(42.7%)
67/97例(69.1%)
さらに,本剤吸入群ではプラセボ吸入群に比べ,OI,PaO2,肺胞気・動脈血酸素分圧較差(A-aDO2),動脈血・肺胞気酸素分圧比(a/A)を指標とした酸素化の有意な改善がみられた(いずれも分散分析でP≦0.001)。安全性解析対象例110例中61例に副作用が認められた。主な副作用は,血小板減少症19例(17.3%),低カリウム血症10例(9.1%),無気肺8例(7.3%),ビリルビン血症7例(6.4%)及び低血圧6例(5.5%)であった。
心臓手術の周術期における肺高血圧を有する小児患者(0~10歳,12例)及び成人患者(19〜57歳,6例)を対象に臨床試験(IK-3001-CVS-301試験)を実施した。小児患者は,グレン手術,フォンタン手術又はその他の先天性心疾患手術を受ける患者,成人患者は左心補助人工心臓(LVAD)装着手術を受ける患者を対象とした。本剤の開始用量は小児では10ppm,成人では20ppmとした。医師の判断により,小児は20ppm,成人では40ppmまでの増量を可能とした。臨床的に離脱が可能になるまで投与を継続した。なお,本剤の投与期間は1.18~55.18時間であった。成人患者における平均肺動脈圧(mPAP)のベースラインから最終評価時点(24時間以内)までの変化量(平均値±標準偏差,以下同様)は-6.0±6.686mmHgであった。小児患者における補正中心静脈圧(CVP)のベースラインから最終評価時点(24時間以内)までの変化量は-3.1±2.15mmHgであった。PaO2/FiO2比のベースラインから最終評価時点(24時間以内)までの変化量は,成人患者では-7.53±95.856,小児患者では35.49±99.215であった4) 。安全性解析対象例18例中3例に4件(出血,気胸,血液量減少症,血中ブドウ糖増加)の副作用が認められた。
総症例1441症例中,本剤との因果関係が否定できない副作用は,63例84件(副作用発現症例率4.4%)であった。主な副作用は,メトヘモグロビン血症18例(1.2%),脳室内出血12例(0.8%),肺出血9例(0.6%)であった。在胎期間別の主な副作用は,在胎期間34週以上(839症例)ではメトヘモグロビン血症12例(1.4%),在胎期間34週未満(579症例)では脳室内出血12例(2.1%),肺出血7例(1.2%)であった。
本剤は血管平滑筋細胞のcGMP濃度を増加させ,その結果,血管平滑筋を弛緩させることにより,肺血管が拡張し,肺動脈圧を低下させる。
NOは吸入投与によりラット(5~40ppm)17) ,ヒツジ(8~512ppm)18) ,イヌ(17~47ppm)19) 及びブタ(5~40ppm)20) を用いたin vivo低酸素性肺血管収縮モデル,ヒツジを用いたU-46619誘発肺血管収縮モデル(5~80ppm)21) 並びにラットモノクロタリン誘発肺高血圧症モデル(20~100ppm)22) において,いずれも最低濃度から迅速かつ濃度依存的な肺血管拡張作用を示した。また,ヒツジ新生児遷延性肺高血圧症モデル(6~100ppm)23) においてもNO吸入は最低濃度より濃度依存的な血管拡張作用を示し,細菌及びLPS注入によるブタ敗血症/エンドトキシンショックモデルに対しても二相性の肺動脈圧及び肺血管抵抗の上昇を抑制した24),25) 。
一酸化窒素(Nitric Oxide)
Nitric Oxide
NO
30.01
水素と共に熱したときのみ燃焼する。
一酸化窒素の沸点は気圧101.3kPaにおいて-151.7℃(-241.1℉,121.5K)である。
一酸化窒素の臨界温度は-92.9℃(-135.2℉,180.3K)である。
一酸化窒素の臨界圧は6,550kPa(65.5bar,949.4psia,64.6atm)である。
一酸化窒素の比体積は温度21.1℃,気圧101.3kPaにおいて811,600cm3/kg(13ft3/lb)である。
一酸化窒素1mLは温度0℃,気圧101.3kPaで水13.55mLに溶ける。
本剤は,高圧ガスの状態で充てんされているので,高圧ガス保安法に則り下記のことに注意すること。
容器は,直射日光を避け40℃以下に保ち,固定して安全に運搬すること。
[88型耐圧金属製密封容器]アルミニウムボンベ(ボンベ内容積15.7L)
1) 国内第III相臨床試験(2008年7月16日承認,CTD2.7.6.3.4)
2) Clark R H, et al. New Eng J Med. 2000; 342(7): 469-74.
3) Davidson D, et al. Pediatrics 1998; 101(3): 325-34.
4) 国内第III相臨床試験(2015年8月24日承認,CTD2.7.6.2.1)
5) Phillips ML, et al. Pediatrics. 1999; 104(5): 1095-100.
6) Barst RJ, et al. Pediatr Cardiol. 2010 Jul; 31(5): 598-606.
7) Huang QW, et al. Biol Neonate. 1999; 76(6): 374-82.
8) Hedenstierna G, et al. Abstract A657 Anaesthesiology. 1993; 78: 1.
9) Högman M, et al. Acta Physiol Scand 1994,151,125-129.
10) Radomski MW, et al. Proc Natl Acad Sci USA. 1990; 87(13): 5193-7.
11) 臨床薬力学試験(2008年7月16日承認,CTD2.7.6.2.1)
12) 復帰突然変異試験(2008年7月16日承認,CTD2.6.7.8)
13) 染色体異常試験(2008年7月16日承認,CTD2.6.7.8)
14) マウスリンフォーマTK試験(2008年7月16日承認,CTD2.6.7.8)
15) Wennmalm A, et al. Br J Pharmacol. 1992; 106(3): 507-8.
16) Westfelt UN, et al. Br J Pharmacol. 1995; 114: 1621-4.
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19) Romand JA, et al. J Appl Physiol. 1994; 76: 1350-5.
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25) Ogura H, et al. Surgery. 1994; 116: 313-21.
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