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成人は、通常1回各鼻腔に1噴霧(フルチカゾンプロピオン酸エステルとして50μg)を1日2回投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日の最大投与量は、8噴霧を限度とする。
本剤の十分な臨床効果を得るためには継続的に使用すること。
症状を増悪するおそれがある。
出血を増悪するおそれがある。
本剤の鼻腔内での作用を確実にするため、これらの症状がある程度減少するよう他の療法を併用するとよい。
全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払うこと。また必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行うこと。これらの患者では副腎皮質機能不全となっていることが考えられる。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本薬は皮下投与による動物実験(ラット1)、ウサギ2))で副腎皮質ステロイド剤に共通した奇形発生、胎児の発育抑制がみられ、これらの所見はウサギにおいて低い用量で出現することが報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に、生理機能が低下している。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。特に、リトナビルとフルチカゾンプロピオン酸エステル製剤の併用により、クッシング症候群、副腎皮質機能抑制等が報告されているので、リトナビルとの併用は治療上の有益性がこれらの症状発現の危険性を上回ると判断される場合に限ること。
CYP3A4による代謝が阻害されることにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。リトナビルは強いCYP3A4阻害作用を有し、リトナビルとフルチカゾンプロピオン酸エステル製剤を併用した臨床薬理試験において、血中フルチカゾンプロピオン酸エステル濃度の大幅な上昇、また血中コルチゾール値の著しい低下が認められている。
アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管性浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。
0.1%~1%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、浮腫
鼻腔
鼻症状(刺激感、疼痛、乾燥感)、鼻出血、不快臭
鼻中隔穿孔、鼻潰瘍
口腔並びに呼吸器
咽喉頭症状(刺激感、乾燥感)、不快な味
精神神経系
頭痛
振戦、睡眠障害
その他
眼圧上昇
レセルピン系製剤、α-メチルドパ製剤等の降圧剤には、副作用として鼻閉がみられることがある。このような降圧剤服用中のアレルギー性鼻炎又は血管運動性鼻炎の患者に、本剤を投与すると、鼻閉症状に対する本剤の効果が隠蔽されるおそれがあるので、臨床的観察を十分に行いながら投与すること。
健康成人に200μg又は400μgを単回鼻腔内投与した場合、血中濃度は検出限界(50pg/mL)以下である4)。
健康成人に200μgを1日2回(400μg/日)14日間連続鼻腔内投与した場合、血中濃度は検出限界(50pg/mL)以下である4)。
ラットに3H-フルチカゾンプロピオン酸エステル10μg/kgを鼻腔内に単回使用した結果、使用後45分に大部分の組織は最高濃度を示し、消化管、鼻粘膜、下垂体及び甲状腺に高い濃度が認められた。使用後168時間では皮膚に最高濃度の7%、腎臓に2%、及び鼻粘膜に0.5%が認められたが、その他の組織はいずれも検出限界付近又はそれ以下であった5)。
In vitroでのヒト血漿蛋白結合率は81~95%であった5)。
フルチカゾンプロピオン酸エステルはCYP3A4によって代謝を受ける3)。健康成人における経口投与時の血中主要代謝物は、17β-カルボン酸体であり、尿中では17β-カルボン酸体及びそのグルクロン酸抱合体、糞中では未吸収による未変化体及び17β-カルボン酸体である3)(外国人データ)。
通年性鼻アレルギー患者を対象に、フルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻液100注1)、200及び400μg/日(1日2回)並びにフルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻液200μg/日(1日1回)注1)を2週間鼻腔内投与し、至適用量及び用法を二重盲検並びに非盲検法により検討したときの最終全般改善度(中等度改善以上)注2)は下表のとおりであった6)。
投与群(μg/日)
投与方法
対象症例数
中等度改善以上
症例数
有効率%
100
各鼻腔に25μg/噴霧×1日2回注1)
47
40
85.1
200
各鼻腔に50μg/噴霧×1日2回
45
38
84.4
400
各鼻腔に100μg/噴霧×1日2回
46
36
78.3
各鼻腔に100μg/噴霧×1日1回注1)
39
27
69.2
副作用発現頻度は、フルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻液200μg/日(1日2回)群で1.9%(1/53例)及び200μg/日(1日1回)注1)群で1.9%(1/53例)であり、その内訳はそれぞれ舌のかわき1.9%(1/53例)及び鼻内刺激感1.9%(1/53例)であった。100μg/日及び400μg/日投与群では副作用発現例は認められなかった。
通年性鼻アレルギー患者を対象として、フルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻液200μg/日(1日2回)又は400μg/日(1日4回)注1)を4週間以上鼻腔内投与し、安全性と有効性を検討する長期投与試験を実施した(最長22週間)7)。200μg/日及び400μg/日群の合算による最終全般改善度注2)は、中等度改善以上が89.3%(67/75例)であった。200μg/日及び400μg/日群の合算による副作用発現頻度は、全体で1.2%(1/81例)に認められ、その内訳は200μg/日群の同一症例に認められた鼻出血1.2%(1/81例)及び鼻の疼痛1.2%(1/81例)であった。フルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻液400μg/日群では副作用発現例は認められなかった。
通年性鼻アレルギー患者を対象として、フルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻液又はフルチカゾンプロピオン酸エステルエアゾール剤注3)をそれぞれ200μg/日(1日2回)を2週間鼻腔内投与し、有効性と安全性を検討する単盲検比較試験を実施した8)。最終全般改善度注2)は、中等度改善以上がフルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻液群及びエアゾール群でそれぞれ81.3%(61/75例)及び69.9%(51/73例)であった。副作用発現頻度は、フルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻液群で1.1%(1/87例)であり、鼻出血1例であった。
通年性鼻アレルギー患者を対象として、フルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻液200μg/日(1日2回)又はクロモグリク酸ナトリウム点鼻液31.2mg/日(1日6回)を4週間鼻腔内投与し、有効性、安全性及び有用性を検討する単盲検比較試験を実施した9)。最終全般改善度注2)は、中等度改善以上がフルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻液群及びクロモグリク酸ナトリウム群でそれぞれ82.9%(63/76例)及び37.3%(25/67例)であった。副作用発現頻度は、フルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻液群で1.1%(1/92例)であり、鼻出血1例であった。
血管運動性鼻炎患者を対象として、フルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻液200μg/日(1日2回)を2週間以上鼻腔内投与し、有効性、安全性及び有用性を検討する長期投与試験を実施した10)。最終全般改善度注2)は、中等度改善以上で72.7%(40/55例)であった。副作用発現頻度は、フルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻液群で1.3%(1/76例)であり、軽度の動悸1例であった。
スギ花粉症患者を対象として、フルチカゾンプロピオン酸エステルエアゾール剤注3)200μg/日(1日2回)又はプラセボを花粉飛散期直前から8~9週間鼻腔内投与し、スギ花粉症発症抑制効果及び発症後の治療効果を検討する二重盲検比較試験を実施した11)。抑制効果は、下表のとおりであった。
判定時期
投与群
投与症例数
中等度の効果あり以上
例数
飛散初期
エアゾール剤
69
50
72.5
飛散中期
エアゾール剤→エアゾール剤プラセボ→エアゾール剤
6159
5246
85.278.0
飛散後期
6360
5656
88.993.3
副作用発現頻度は、フルチカゾンプロピオン酸エステルエアゾール剤において、飛散前及び飛散初期で2.2%(2/92例)及び飛散後期で1.7%(3/175例)に認められた。その内訳は飛散前及び飛散初期で鼻出血2.2%(2/92例)及び飛散後期で鼻出血0.6%(1/175例)、鼻内刺激感0.6%(1/175例)及び鼻内痛0.6%(1/175例)であった。
注1)フルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻液の承認用量は、1回各鼻腔に50μgを1日2回、最大投与量は400μg/日である。
注2)鼻症状と鼻所見の改善度を「鼻アレルギー(含む花粉症)の診断と治療(アレルギー疾患治療ガイドライン)」に従い判定した。
注3)フルチカゾンプロピオン酸エステルエアゾール剤は、日本未発売である。
健康成人に400μg/日を14日間鼻腔内投与した場合、下垂体・副腎皮質系機能の抑制は認められなかった4)。
フルチカゾンプロピオン酸エステルは合成副腎皮質ステロイドであり、グルココルチコイド受容体を刺激することにより、抗炎症作用、アレルギー性鼻炎抑制作用及び抗アレルギー作用を示す。
フルチカゾンプロピオン酸エステルは、McKenzieらの方法による健康成人皮膚における血管収縮試験(皮膚蒼白度を指標)において、ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの約1.9倍、ベタメタゾン吉草酸エステルの約2.6倍、フルオシノロンアセトニドの約9.5倍の血管収縮作用を示した12)。
ラットにおけるカラゲニン足蹠浮腫抑制作用の強さは、局所投与でフルチカゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステル=ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの順である13)。
ラットにおける48時間PCA反応に対し、皮下投与で用量依存的に抑制する13)。抑制作用の強さは、フルチカゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステル>クロモグリク酸ナトリウムの順である13)。また、picryl chloride誘発マウス耳浮腫法による遅延型アレルギー反応に対し、皮下投与で用量依存的に抑制し、その強さはED50の比較において、フルチカゾンプロピオン酸エステル=ベクロメタゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステルの順である13)。
フルチカゾンプロピオン酸エステル(Fluticasone Propionate)
S-Fluoromethyl 6α,9α-difluoro-11β-hydroxy-16α-methyl-3-oxo-17α-propionyloxyandrost-1,4-diene-17β-carbothioate
C25H31F3O5S
500.57
本品は白色の微細な粉末である。本品はジメチルスルホキシドに溶けやすく、ジクロロメタン又はアセトニトリルにやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
8mL 10本(ポリエチレン容器)
1) 新保幸太郎ほか:薬理と治療.1992;20:1597-1632
2) 江崎洋志ほか:薬理と治療.1992;20:1643-1656
3) Meibohm B.,et al.:Rev Contemp Pharmacother.1998;9:535-549
4) 奥田 稔ほか:耳鼻と臨床.1992;38(Suppl. 1):420-430
5) Daniel MJ.,et al.:基礎と臨床.1992;26:2011-2030
6) 奥田 稔ほか:耳鼻と臨床.1992;38(Suppl. 1):431-457
7) 奥田 稔ほか:耳鼻と臨床.1993;39:66-85
8) 奥田 稔ほか:耳鼻と臨床.1993;39:86-106
9) 奥田 稔ほか:耳鼻と臨床.1993;39:107-127
10) 奥田 稔ほか:耳鼻と臨床.1993;39:49-65
11) 奥田 稔ほか:耳鼻と臨床.1992;38(Suppl. 1):404-419
12) Phillipps G.H.:Respir.Med.1990;84 (Suppl. A):19-23
13) 藤原 肇ほか:基礎と臨床.1992;26:1271-1295
14) 大西正樹ほか:アレルギー.1993;42:228-235
15) 社内資料:生物学的同等性試験
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