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日本薬局方
アスコルビン酸注射液
処方箋医薬品注)
1.ビタミンC欠乏症の予防および治療(壊血病、メルレル・バロー病)2.ビタミンCの需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦、はげしい肉体労働時など)3.下記疾患のうち、ビタミンCの欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合1)毛細管出血(鼻出血、歯肉出血、血尿など)2)薬物中毒3)副腎皮質機能障害4)骨折時の骨基質形成・骨癒合促進5)肝斑・雀卵斑・炎症後の色素沈着6)光線過敏性皮膚炎3.の適応に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。
アスコルビン酸として、通常、成人1日50~2,000mgを1~数回に分けて静脈内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
静脈内注射にのみ使用すること。
血管痛があらわれることがあるので、注射速度はできるだけ遅くすること。
アスコルビン酸はビタミンCである。代表的な欠乏症が壊血病であり、出血傾向の増大、骨・歯牙の発育遅延、抗体産生能や創傷治癒能の低下を起こす。本剤の投与はこれらの疾患や症状に効果があるが、生理的意義や作用は十分明らかではない。コラーゲン生成への関与、毛細血管抵抗性の増強や血液凝固時間の短縮などによる出血傾向の改善、副腎皮質機能への関与(ストレス反応の防止)、メラニン色素生成の抑制などが報告されている1)。
アスコルビン酸は、結合織の主成分であるコラーゲンの生成に関与しており、アスコルビン酸の欠乏は、皮膚、骨、歯、血管等の脆弱化をもたらす。すなわち、アスコルビン酸はコラーゲン中のprolineからhydroxyprolineへの水酸化過程に関与し2)(in vitro)、アスコルビン酸の投与によりコラーゲンの増加がみられる3)(モルモット)。また、アスコルビン酸は骨形成を進行させ、モルモット実験的骨折の修復機転において治癒的に作用する4),5)。
アスコルビン酸は毛細血管抵抗を増強し6)(マウス)、出血傾向を改善する7)(モルモット)。
アルコール中毒患者では、血中アスコルビン酸濃度が低値を示すものが多く、アスコルビン酸の欠乏が起こるとされている8)。アルコール中毒患者へのアスコルビン酸投与は、低下した尿中アスコルビン酸排泄量を回復させ9)、血中アルコール濃度の上昇を一時的に抑制する10)。また、ニコチンは副腎皮質を刺激し、副腎皮質ホルモンの分泌を促してアスコルビン酸の消費を増大させる8)。
アスコルビン酸は、チロシンからのメラニン生成過程の中で、DOPAからDOPAキノンへの酸化過程を阻害し、メラニン色素の生成を抑制する11)(in vitro)。
アスコルビン酸(Ascorbic Acid)
L-threo-Hex-2-enono-1,4-lactone
C6H8O6
176.12
本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、酸味がある。本品は水に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
約190℃(分解)
外箱開封後は遮光して保存すること。
2mL 50管(ガラスアンプル)
1) 第十八改正日本薬局方解説書 廣川書店. 2021:C-95-C-100
2) Levene C.I.,et al.:Biochim.Biophys.Acta. 1972;257:384-388
3) Gould B.S.,et al.:Ann.New York Acad.Sci. 1960;85:385-398
4) Fullmer H.M.,et al.:Ann.New York Acad.Sci. 1961;92:286-294
5) 梶原 章:最新医学. 1962;17:1429-1446
6) 藤田和典ほか:日本皮膚科学会雑誌. 1963;73:580-589
7) Lee R.E.:J.Nutr. 1960;72:203-209
8) 田多井吉之介:日本医事新報. 1966;No.2190:161-162
9) Lester D.,et al.:J.Nutr. 1960;70:278-282
10) 飯島泰彦:精神神経学雑誌. 1960;62:862-875
11) 竹内 勝ほか:ビタミン. 1963;28:501-507
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